ディープ　スポット　ジャーニー　川崎

2015/08/29 - 2015/08/30

ディープでマニアックな場所をこよなく愛す　じょん・とらべる太。
日雇い労働者が集まる大阪：あいりん地区や東京：山谷地区。
戦後の闇市から発展した商店街や飲み屋街等をブラブラ街歩きするのが
趣味である。

　ほぼ、有名なエリアを歩き尽くした感があるほどで、さらに小規模ではあるものの　小粒でピリリっとくる場所を求めて歩き回る。

　今回は、川崎を訪ねる機会があり、ディープかつメジャーすぎない場所
を攻め、堪能してきた記録を残す。

エリア 川崎(神奈川)

• 旅行の満足度: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: JRローカル 徒歩

JR川崎駅からスタートする。
JR駅前は、商業施設が乱立し、地下街も整備されて、とても発展してる。
こんな場所に、ディープスポットやドヤ街を期待してもよいものなのか？
とても心配になる。。。　（後に京急川崎駅の方が雰囲気がよいことを知る）

駅から東へ5分ほどあるけば、仲見世通りといった、昔からあって、今も活況な商店がある。
ジャンキーな感じはあまり感じない。。

ちょっと　野暮用もあり　バスに乗って　更に東へ　川崎コンビナートあたりにも行ってみた。ここなら　ごっつい体をした　港湾労働者がランニングいっちょで、日焼けた肌をむき出しに労働しているのではないかと思ったが、そうでもない。（イメージが古すぎたか）

事前に調べておいた　プチドヤ街　貝塚地区に向かう。
（プチを付けても、可愛いくならない言葉もあることが判明）

大阪の動物公園前のようなアーケード商店街は見られない。
激安　スーパー玉出的な店もない。。（大阪人しかわからん表現）
昭和初期からあるようなボロアパートも無く、ちょっとしたマンション郡があるエリアに来た。

ただ、他のマンションエリアとは明らかに異なる風景があった。
異様な数のチャリが横付けされていることに気づく。

これは、ドヤの匂いがプンプンする。

※チャリ：（チャリンコの略、自転車の意味）

やっと　昭和感のある建物とチャリンコ郡が現れる。
ここは、大国屋というドヤのようだ。

やっぱり、質屋が近くにあり、このエリアの生活感が見えてくる。

貝塚地域案内図が出てきた。この案内板は、神奈川県簡易宿泊業生活衛生同業組合さんが設置されているようで、現在地とドヤの配置図が示されている。
こんなの、山谷やあいりん地区で見たこと無い。（見逃しているだけ？）

この地図を頼りに、この周辺を探索してみた。
いきなり、鈴木屋が本店、支店と並んでおり、飛び地的な場所に
点在するケースもあるようだ。
昔は、きっともっと多かったのではないのかなぁと想像するが
今は、普通の民家、マンションが立ち並んでおり
一見してもドヤとは分からないが、ケッタクリマシーン（チャリンコ）
が大量に置かれていることでかろうじて判断できる。

※ケッタリクリマシーン（名古屋圏で言われる”ケッタ”の省略しない形）
ようは、自転車のことである。

ここも普通の家々に囲まれている。

この看板は、よく、あいりん地区や山谷で目にする。エアコンとテレビがあればなんとかなるという時代の産物だ。現代ならばwifiもほしいところである。
大阪あいりん地区では、1500円以下の世界だが、山谷は3000円くらい以下が昔ながらのドヤって感じ。最近は、バックパッカー向けや一般の人向けで4000円オーバーのwifi 付きだけど、風呂共同なのが増えてきている。そうなると私的に泊まる意味なし。

ここはいくらなんだろう。

ちょっと裏を見ると、ベランダに　手ぬぐいが干してある。
無ければ全く人の気配が感じられない廃墟のようにも見える佇まい。
1室3畳～4畳半といったところだろう。
エアコンがついているのは、まだいいほうなんかなぁ。

貝塚ドヤ街は、ここで終了。
次は、JR川崎駅から線路際をずっと八丁畷駅に向かったところに
あるドヤ街を目指す。

ベースキャンプであるネカフェで1泊して、早朝からアタックを開始する。
（チョモランマ級の登山をするかのような意気込みの表現です）

昼間にカメラ撮影はちょっと怖い。

さっそく、大きな声で独り言　や　わめき声をあげて徘徊する
おっさんに遭遇するが　ヒラリと交わして後ろから撮影なんてのは
朝飯前の6：30！

あいりん地区では、この時間から酔っ払いが路上のセンターライン上で
大の字で寝ていたりする。

ここは、まだ　殺伐感も無く、ぬるい感じがした。

うーん　やっぱり　このチャリキの数が、いろいろな事を物語る。

※チャリキ：（大阪、茨城の一部での言い方　ようは自転車）

このエリアの相場感もわかる。
だが、活きてる数値なのかは不明だ。

やっぱり、冷暖房とテレビは重要なファクターな事は事実だ。
そして、和室と洋室という区分を設けながらも同額になってしまった
背景や経緯、物語を勝手に想像するのもおもしろい。
きっと　禁煙・喫煙なんて分け方も、端からないのであろう。

出た！コインランドリー、こうゆうエリアでは必需ショップだ。
内部は、タバコのヤニとホコリの香ばしい色合い・色調がまとわりつき
若干の統一感を醸し出してる。また　日光にやられて色あせたポスター
や印刷物が掲示されているのがとてもいい。

　

この辺一帯も、相当数の宿があるようだが　貝塚地区のようなマップは見当たらない為、全貌はよくわからない。

ただ　チャリンコが多いことから大多数のルンペンな人々がいる可能性が
考えられる。

※：ルンペン（ルンペンプロレタリアート：無産階級層を意味する）

ちなみに　私もルンペン生活経験者だ。

これだけ、線路に近いので　日中は、電車の音がめっちゃうるさいだろう。
防音対策などしているようには見えない。

写真を撮っているのが、バレてしまったのか？
いろんな路地から、ウォーキングデットのような動きで
早朝でも、のそのそ這い出てくる人たちがいる。

もうそろそろ退散しよう。

いつか、このような場所で暮らすこともありえるのだから
大変いい学習の機会になった。

帰り道に、かつてあった香港の九龍城をモチーフにしたテーマパーク？
”ウェアハウス”があり
ホラー好き、廃墟マニア、怖いものみたさの観光スポットが
ここにあることを確認できた。

できすぎ・作られた感があるので中には入らなかった。

それよりも　もっと　リアルで感動する建物を発見した。

川崎福祉センターである。。

かんばんの剥がれ具合、人の進入を拒む柵

かつて栄華を誇った公共施設が、どれだけ放置されているのだろうか。。

建物も公共事業物件とあってしっかりしたモノであることが

覗える。

わーくす日進町の扉もベニヤ板で封鎖されており、浮浪者が入ることができないようになっていた。

うわぁ～　なんかスゴイ風景だ。。
ごっつい門の白ペンキが剥がれ、錆びがにじみ出てきている。
建物デザインは、一昔前だが立派なモノ。
人の気配無く廃墟オーラに包み込まれた、この雰囲気がたまらない。

ここから、浮浪者が出てきたら、研究施設を抜け出してきた実験用ゾンビ
（遺伝子実験失敗）と見間違えるかもしれない。。。（映画の見すぎだ）

最後は、草木が人工物をむしゃむしゃと喰らうように群生してきている。
人類が滅びた後も、こうして破壊と再生が繰り返されるのであろう。

今回のディープスポットジャーニーの終焉にふさわしい。

I LOVE 川崎

ディープ　スポット　ジャーニー　大井町
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