2016/11/02 - 2016/11/04
918位(同エリア1406件中)
αρκαδια(アルカディア)さん
- αρκαδια(アルカディア)さんTOP
- 旅行記243冊
- クチコミ3059件
- Q&A回答6件
- 661,884アクセス
- フォロワー22人
種子島のロケット打ち上げが延期になり、打ち上げ前日に「鹿児島→羽田」の飛行機に泣く泣く乗ったその続き。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 交通手段
- レンタカー JALグループ
PR
-
11月2日の朝、羽田を6:25出る熊本便に乗った。
-
座ったのは『特等席』と言われるあの席。足を伸ばしても届かないくらい広い。
-
それにしても向かい風が強く、飛行機のスピードは620km/h程しかでない。
この飛行機の巡航速度は840km/hなので、220km/hの向かい風が吹いていることになる。
220km/hというのは風速60m/s、それは「猛烈な台風」の風速に相当する。
偏西風というのは凄いなぁ。地上で吹いたら大変なことになるだろう。 -
瀬戸内海側の席を取ったのだが、逆光になる上に、この日は湿度も高かったのか景色が霞んでいる。
明石海峡大橋が見えた。 -
本当に遠いけど、鳴門海峡大橋も見える。
この先は雲が広がり、瀬戸大橋や瀬戸内の島々は見えなくなった。 -
九州上空に入ると雲が無くなった。
左の窓から阿蘇山が見えてきた。
飛行機はこのまま阿蘇山を左手に見ながら飛んで、左旋回して阿蘇空港に着くのだろう。 -
平らなカルデラの底に街や農地が広がり、その淵には高い壁のように外輪山が聳え立つ。
-
熊本空港に到着すると出迎えてくれるのは「くまモン」。
さすが熊本の玄関口だと思ったら、これから先どこへ行っても「くまモン」だらけ。
日本中の人気者になった「くまモン」、その影響で熊本の好感度は非常に高い。
あえて版権フリーにして「くまモン」を日本中に送りだした熊本県のセンスには頭が下がる。 -
そして、トヨタレンタリースの送迎車も「くまモン」。
何処へ行っても「くまモン」が着いて来る熊本の旅、なんだかそれだけで楽しい。 -
熊本空港を出発すると、目的地の阿蘇に直行せず、通潤橋を目指した。
通潤橋というのは石で出来た美しいアーチ橋で、何のための橋かというと、農業用水を送るための水道橋だ。
橋の中央からは放水出来るようになっていて、「石のアーチ橋+放水+虹」の光景は、日本の絶景に数えられる。
しかし、元々「放水の振動で貴重な橋が傷むのではないか」と放水は控え加減だったところに、熊本地震があったから、今後放水する日が来るのかどうかわからない。 -
道の駅の駐車場に車を置いて観にいけるので、お金はかからない。
-
橋の構造を解説する看板もあった。
-
かつてはこの真ん中から、水のアーチが飛び出していたらしい。
通潤橋は南北に川を渡っており、西側から観ることになるので、観光に適した時間帯は夏の夕方だろう。
順光で橋が映えるはずだ。 -
通潤橋からは国道218~国道265と走って阿蘇に向かう。
国道は高森峠で外輪山を越えカルデラの中に入る。峠の展望所に車を停めると阿蘇山が見えた。
山頂の白いものは雲なのだろうか、それとも噴気か? -
峠を越えてカルデラの中に降りると、まずは南阿蘇鉄道の高森駅に行ってみた。
-
2016年4月14日の熊本地震で大きな被害を受けたこの路線は、全線で運転を見合わせ、震災から3ヶ月半経った7月31日に、高森駅~立野間(全17.7㎞)中、7.1kmの高森駅~中松駅間だけで運転を再開した。
高森駅というのはこの路線の終点で、他の路線に接続しているのは立野駅だ。
つまり終点からの一部区間が他の鉄道などに接続することなく運行しているのが、今の南阿蘇鉄道の現状だ。
もう少し書くと、この南阿蘇鉄道、かつては国鉄高森線だった。
阿蘇の北麓を通り熊本と大分へと延びる豊肥本線があるが、ちょうど阿蘇カルデラの入口の立野駅から阿蘇南麓へと分かれるのが高森線。そして未開通のままだったが、さらに県境の山を貫き宮崎県の高千穂で国鉄高千穂線(後の高千穂鉄道)に繋がり、延岡まで至る九州横断路線になるはずだった。
ところが、高森~高千穂間のトンネル工事が断念され、宮崎県とは結ばれることは無くなってしまった。
むかし繋がるはずだった高千穂鉄道(かつての国鉄高千穂線)は、2005年9月の台風14号による被害で運行休止となり、2008年12月28日に全線が廃止された。
豊肥本線は今も肥後大津から立野を経て阿蘇に至る区間が震災で運休中。
南阿蘇鉄道は、結ばれるはずだった相手(高千穂鉄道)も、結ばれていた相手(豊肥本線)も失って、熊本とも宮崎とも繋がることなく、阿蘇南麓のたった7.1km区間で、今日も孤軍奮闘している。 -
阿蘇カルデラ内を時計回りに進み阿蘇北側外輪山の大観峰へ行きたい。
しかし、国道325号線阿蘇大橋の崩落、それに10月からの阿蘇山の火山活動の影響で、あちらこちらで道路が通行止めになり、カーナビ通りには走れない。「う回路」の看板に従い、県道を縫うように走った。
そのう回路も、断層によるものなのか、道路に滅茶苦茶なアップダウンがついていた。
地震から半年以上経っている。しかし、つい最近大地震に遭ったかのように、瓦の崩れた家々が並んでいた。
それにしても、山肌が丸ごと剥がれ落ちている光景は本当に痛々しい。 -
そういえば阿蘇に行って気付いたことがある。
なぜか飲食店は水曜定休が多い。不運にも今日がその水曜日だ。
水曜定休じゃないお店を見つけ、カーナビでセットして行っても、行くべき道が繋がっていなかったり、また、行ってもその住所に店が無かったりと、ことごとくランチの神様に嫌われた。
今夜の宿は夕飯付きで予約しているので、あまり遅くならないうちにお昼ご飯を食べておかないと、夕飯がお腹に入らなくなってしまう。それに、今日はやるべきことがある。
そこで、目に付いた道の駅的な感じの駐車場に車を入れてみた。
そこは、道の駅ではなく「はな阿蘇美」という観光施設だった。
メインはバラ園の様だが、とりあえずはレストランに入った。 -
メニューで美味しそうに見えたのが「はな阿蘇美オリジナルローストビーフ丼」、サラダバー、スープバー、ドリンクバーが付いて1500円は安いかもしれない。
-
食事を終えると、急いで大観峰に上がった。
大観峰というのは、北側の外輪山にある大きな展望所で、ここから阿蘇のカルデラと阿蘇山が一望できる。 -
今日はやるべきことがあると前述したが、それはこの大観峰でのことだ。
時計を見ると午後2時をちょっと過ぎたところ。その時まで、1時間少々ある。
車からカメラを出し、レンズは500mmを1台、80mmを1台、三脚にセットした。
レンズが向いている方向は、種子島宇宙センターだ。
ロケット打ち上げ見物を延期で諦めて、昨日鹿児島から撤収してきたんじゃないのかって?
その通り。しかし、だから見ないとは言ってない。
種子島から280km離れた熊本の阿蘇で、今日打ち上げられるロケットを探そうというのだ。
もちろん、280kmも彼方にある全長50mの物体なんて見えるわけがない。
しかし、ロケットは何十kmにも及ぶ、長いロケット雲を引いて昇るので、空が快晴なら雲くらいは見つかるはずだ。
大観峰から見ると、ロケットが上がるはずの方角は阿蘇山の噴気口の右側。
若干逆光気味で空は霞むが雲は皆無、これなら問題は無いだろう。 -
ここで判断ミス。
ロケットは阿蘇山に向かって右手から飛び出して左の方へ昇って行くことが判っている。
ただ、ロケットがどんな角度で昇って行くのか分からなかった為に、どの辺で山から飛び出してくるのか、はっきりと絞り込むことが出来なかった。
打ち上げ地点の種子島宇宙センターは、阿蘇から見ると完全に地平線の下にあり、さらにその地平線の上には目の前の山が乗っている。
種子島の正しい方位は分かっていても、ロケットが山の仰角まで昇った時の位置まで判らなかった。
斜めに昇って来るが故の悩ましさだ。
本来であれば、打ち上げ時刻の15:20になったらリモートスイッチ(レリーズ)を押しこんで連写を2分間続けっぱなしにするのだが、何処を撮れば良いのか絞り込めなかったが為に、「見えたら連写しよう」なんて邪な気持ちが頭を支配してしまった。(これが今回の判断ミス)
しかし、逆光気味の空に、遥か280kmも先の薄い雲を見つけるのは至難の技だった。
目の前に置いた電波時計は打ち上げ時刻の15:20を指した。
10秒経過、見えない。
20秒経過、やはり見えない。
30秒、40秒、50秒、全然見つからない。
「あった!」と思ったのは、打ち上げから1分半後。もう固体ロケットが燃え尽きる頃だった。 -
噴気の辺りを拡大してコントラストを付ける。
写真の右から飛び出してきて、阿蘇の噴気の真上に向かって延びる薄い雲を。
これが、H2Aロケット31号機の軌跡だ。 -
撮影が終わると、この日の宿がある杖立温泉へと移動した。
杖立温泉は熊本と大分の県境にある山間の温泉で、緑の山々に挟まれた峡谷に温泉宿が密集して建っている。
この日の宿「ひぜんや」は、この地域で一番大きい温泉ホテルだ。 -
「ひぜんや」は熊本県と大分県に跨って建っていて、フロントは大分県にある。
そして、だんだん驚かなくなってきたが、ここにも大きな「くまモン」がいた。 -
宿は渓流沿いに在りフロントは5階、フロントロビーの広いガラス窓の下には、杖立川が流れる。
-
この宿、熊本県と大分県に跨って建っているだけあり、館内に県境の表示がある。
-
このホテルには館内に2つの温泉大浴場があるのだが、チェックイン時にさらに宿の外にある温泉施設の入場券を貰った。
この「ひぜんや」が管理する「吉祥の湯」という露天風呂を中心とした温泉施設だ。
宿から20分おきに送迎バスが出ているという。部屋に荷物を入れると早速送迎バスへ。 -
入口を入ると、建物3階分くらいを徒歩で降り、その先に受け付けがある。
下って、折り返して、また下り、右折して階段を降りるとフロント(番台)がある。
この「吉祥の湯」、屋内にあるのはそう広くない洗い場だけで、あとは木々と岩に囲まれた庭園風のスペースに、5つの露天風呂浴槽が配置されている。 -
宿の夕飯は、ツアー用の一番安いプランだしそれほど期待はしていなかったが、その場で炊く山菜釜飯と熊本・大分の郷土料理である「だご汁」は美味しかった。
-
朝食バイキングは、山里を感じさせてくれるようなお惣菜が、種類豊富で非常に良かった。
実演コーナーは「シェフが焼く出汁巻き卵」。
リゾートホテルで「シェフが焼くオムレツ」は見慣れているが、ライブキッチンの出汁巻き卵は初めて見た。
日本人として、ちょっと勉強になると思う。 -
ちなみに、宿の朝食は朝6時半に食べた。
何故こんなに早く食べたのかというと、阿蘇名物のあの料理を昼に食べるため。
お目当ては、阿蘇内牧温泉にある「いまきん食堂」の「あか牛丼」。
何処でこれを知ったのかというと、一昨日乗ったJAL鹿児島⇒羽田便の機内ビデオ。
お笑いコンビ「パックンマックン」が、阿蘇を紹介するビデオプログラムの中の1シーンだ。
JALの機内では、主に上り便(羽田行き)で観光地の案内ビデオを流している。
「JALに乗っていつか行ってみよう」とお客さんに思ってもらうのが狙いだろう。
まさか今回のように、「明日・明後日行こう」というのは、流石のJALも期待していなかったのでは?
開店時間である11時ちょうどに行ったにも関わらず、お店に着くとけっこうな混雑。
この店に辿り着く300m手前に「いまきん食堂第2駐車場」というのを目にしたので、ちょっとイヤな予感はしていたのだが、やはりという結果だった。しかも、ココに居る人はホンノの一部だった。
開店時間に行って、既に番号札は40番。待ち時間は1時間強と案内された。
なるほど、1グループ平均2~3人と考えても、100人近い人が見えない場所で待っているのだ。
普通なら1時間以上の待ちはパスするのだが、ココだけは諦めちゃいけない予感がしていた。
次は何番が案内されるかは、店頭の電光掲示板に表示され、なかなか親切だ。というか繁盛し過ぎだ。 -
レンタカーはお店に近い駐車場に停めることが出来たので、店周辺を徒歩で散策することにした。
-
やはり、阿蘇は景観が独特だった。
-
何処へ行っても、外輪山が壁のように聳え立っている。
-
平地が高い自然の壁によって唐突に終わっている光景、アメリカとかにありそうだ。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
36