山岳地方サパに挑戦　その３　サパへの道はハイウェイだった

2016/10/19 - 2016/10/19

　サバに向かうバスは３列シートで２段ベッドの寝台車だった。
　こんなバスは初めて見る。
　わくわくするではないか！
　そのバスに寝転んで、サパに向けて発進する。
　どんな所を通っていくのか。
　そこに何があるのか。
　夜行バスや夜行列車では見ることができないベトナム山岳地方の姿を、この目で確かめる。

エリア サパ(ベトナム)

　バスが動き出したのは７時３０分だった。
　市街を抜け、空港前の道路を東から西に通過する。
　そのはずれを北に向かうと、ハイウェイとなった。
　ハイウェイと言っても立体交差のインターがあるわけでなく、料金所もなく、普通の道と変わらないが、歩行者や自転車はいない。

　バスは時速１００kmほどで走る。
　平地ばかりが続いていたが、４５分ほど走ると遠くに山なみが見えてきた。

　その山なみが左側に近づいてくる。

　バスはほぼ満席で、すべて欧米人だ。
　眠り込んでいる者もいる。
　ドミに泊まっている気分になる。
　Wifiもできるが、その速度は遅く、メールを開くにもノタノタしている。
　自分のSIMを使ったデータ通信の方がはるかに早い。

　バスは快調に走る。
　山すそが近づき、いよいよ山岳地帯に突入かな・・・と思うと・・

　山すそは遠ざかっていき、再び平地のど真ん中。

　かと思うと、小さな山がすぐそばに・・・・

　走り始めて２時間後、トイレ休憩で停止した。
　靴を履いて降りようとすると、降り口にサンダルが用意されている。
　バスの横に『INTER BUSLINES』と表記されている。
　バス会社なのか、ツアー会社なのか。
　同じ色で同じマークのバスが他にもいる。
　

　広い広い駐車場。

　停止時間は１０分だと言うので、休憩所の建物の中を観察している時間はない。

　トイレに寄るだけだ。
　トイレ使用料は１０円だった。

　ここはどの辺りなんだ・・？
　Ｇマップで調べると、なんともう中間に近い地点まで来ている。
　２時間で半分・・？
　これだと昼ごろには着いてしまう。

　１０分ほど休憩しただけで、再びバスは走り出した。
　人数のチェックはなし。
　乗り遅れたら、その場に置いていかれる。

　４０分ほど走ると、次は食事休憩だった。
　休憩時間は３０分だと言われる。
　サパまで、既に半分以上の距離は走っている。

　ハノイの北西にはベトナムで最大の山脈があって、その東側をホン川が流れている。
　このホン川が作った扇状地の上にハノイやハイフォンがある。
　今バスは、ホン川の流域を上流に向けて走っている。
　しかしこんなハイウェイが整備されているとは、つゆ知らなかった。
　この道路は中国との物流に関係しているのだろうか。

　ここは日本でいうと道の駅だ。
　さてどんなものが売られているんだろう。

　お客さんで賑わっている。
　テーブルに座って食事をしているのはベトナム人（中国人？）だ。
　一緒にバスに乗ってきた欧米人は、サンドイッチ類やバス内に持ち込める焼肉などを買っている。
　ゆっくり食事なんかしていて、置いていかれることが心配か。

　どんな料理があるだろうとケースの中を覗き込むが、美味そうなものはない。
　ゆで卵を３個ほど買い、外に出て景色を眺めながら食べることにした。

　道路脇まで歩き、ハイウェイを見る。
　今走ってきた方面のハイウェイだ。

　そしてこれから走っていくハイウェイ。
　基本的には中央分離帯のある片側２車線だが、場所によっては分離帯のない対向２車線となる。
　ホン川流域の河岸段丘の上を走るので、ゆるやかなアップダウンの連続だ。
　しかし鉄道はどこを走っているのだろうか。
　どこにもその姿は見えない。

　３０分の休憩だったが、実質４０分の休憩だった。
　あと少しでラオカイの町に近づく。
　スマホの高度計（GPS高度計）を見ると、標高は６０～８０ｍだ。
　えっ、そんなもの？
　かなり登ってきたと思うのに、スマホアプリが狂っているのかな？

　バスの乗務員が客の一人一人まで回ってきた。
　「ホテル、決まってる？」
　「一日ツアーあるけど、もう申し込んである？」
　「ツアーガイド、必要？」
　チケットの確認かと思いきや、到着後の営業活動をしているのだった。

　左に折れる道が現れた。
　ハイウェイから離れてサパに続く山道への入り口だ。

　ラオカイの町中には入らずに、ここからサパに向かうのか・・・
　ラオカイの町を見たかった私は、ちょっとがっかり。

　大量の荷物を積載したトレーナーが前をふさいでいる。
　対向車がやって来ないことを予想すると、バスはエンジンをふかす。
　狭い道なので、トレーナーに接触するかのようにして追い抜いていく。

　道路脇には、時々野菜や果物を並べている人がいる。

　登り坂あり下り坂あり、起伏の激しい山道だ。
　Ｇマップでは直線に見えるが、実際の道は、直線箇所などないも同然の曲がりくねった道だ。

　道路脇には樹木や背の高い雑草が立ち並び、写真撮影のチャンスがなかなかこない。
　こんな場所に出ると、慌ててシャッターを押す。
　しかしカメラぶれする。

　ラオカイの町が見えないかなぁ・・・
　遥かかなたに建築物が見えるけど、あの辺がラオカイかな、と窓にはりついている。

　山道に入って３０分、かなりの高度に達した。
　疲れた。

　渓谷を縫ってまだまだ走る。
　崖の下には川が流れている。
　近年この道路は整備されて、ずいぶん走りやすくったのだそうだ。
　それまでは、事故や通行不能の日もあったと聞いている。

　ダムが作られていた。
　こんな場所に自然破壊のダム・・・
　複雑な思い・・・

　山道走行１時間、集落に入ってきたようだ。
　サパに到着か・・・

　バスは町中に入り、しばらく進むと停止した。
　ネット情報では教会前が終点なのに、教会は見えない。
　降りる人、まだバスに居座っている人がいて、私は名前を呼ばれて降ろされてしまった。
　時刻は１３時０５分。
　出発から５時間半。
　こんなに早く到着するとは思っていなかった。
　さあ、また歩かなくては・・・

この旅行記へのコメント （1）

• trat baldさん 2016/11/08 07:16:55

  ビックリ！！カルチャーショック！！！

  北ベトナムってこんなに進化してるの！高速道路の移動なんて、、、、
  中国に攻め入られたら一気にハノイ陥落じゃん、待てよ逆に国境地帯で紛争が起きたら直ちにベトナム軍到着かあぁ。
  ノイバイ待機の旧型ミグなら道路を滑走路に使えそうだし、何度も中国軍を押し返した経験が有るから大丈夫なのかしら。
  Ps.サパの滞在日記が更に待ち遠しい(^o^)