災い転じて福、ならず？普通じゃない不通★秋の乗り放題パスでcafe in Kobeのはずが…。〈日本丸セイルドリル編〉

2016/10/15 - 2016/10/16

青春18きっぷの秋バージョンとも言える（実際にはかなり違うけど）秋の乗り放題パスを使い、体育の日の3連休を利用して息子に会いに行こうと思ったのです。ところが肝心の息子は珍しく週末に続けて休みが取れたので、嫁＆子供ら優先のスケジュール(それは大歓迎)。それじゃ翌週にって事で、滞在時間は短くなるけど、顔を見られるだけでも良いので決定。それなら連休にはバイトのクラブ○ーリズムの配達も出来るしね。
ついでに(？)8月に心臓の手術をした友達と神戸でお茶しようとも約束しました。
いつものように4時44分最寄り駅発で始まる各駅停車乗り継ぎの旅、ですが何と神戸でのお茶相手は自宅の床が抜け(笑い事でなく、PHOの家でも有り得る事態)、倒れて来た箪笥で頭と足を強打し、車椅子生活★夜寝るまで介護の人が付いててくれるような状態で、神戸まで出て来る事は出来ません。
だもんで、名古屋で途中下車して名古屋めしを味わい、名古屋まつりを見とこうかな、などと前夜になって急遽予定変更。
ところが、それもアクシデント発生で叶わなくなりました。
東海道線木曽川駅で人身事故が起こったからです。
「線路内に立ち入ったお客様と列車が接触」「大垣名古屋間が不通」って車内放送有りました。
PHOの乗ってる豊橋発大垣行き新快速は三河三谷を出て、蒲郡手前まで来てました。
それでもラッキーな事に線路上で待たされたのはそう長くは無く、蒲郡駅に到着は出来ました。が、其処から先は事故の復旧の目処が立たない為、その新快速は運転打ち切りが決定したとの事です。
秋の乗り放題パスでは振替輸送が利用出来ません。となれば、蒲郡駅周辺で時間を潰すしか有りません。
実は名古屋まつりを見つけた検索サイトで、蒲郡港に日本丸が寄港してる事も知ってました。けど10年前とは言え船内見学してるしなと思って、その時はスルーしてたのですが、駅の観光案内所で貰ったチラシには、「巡視船みずほ公開」の文字が！しかも無料シャトルバス運行中☆行くしかないでしょ＼(^o^)／

で、出発から消防艇のイベントなど、前の旅行記はこちらです。
http://4travel.jp/travelogue/11180475
続く船内の様子はこちらです。
http://4travel.jp/travelogue/11182678

いよいよ13時からのメインイベント（？）、日本丸のセイルドリルが行われます。
披露してくれるのはこの10月1日から航海実習を始めた19歳の商船高専の専科生たちです（後から広島商船高専だという情報ゲット）。

岸壁に停泊したまま、帆（セイル）を広げる訓練、帆を畳む訓練を行います。
通常、帆を張るのは陸岸から離れた洋上で行うため、寄港中に練習帆船の帆を広げた姿を見学出来るのは、この機会だけです。
約100名（今回は91名うち女子12名）の実習生が力を合わせて作業にあたりますが、展帆畳帆それぞれの訓練に約１時間を要します。

日本丸は船楼甲板からメインマスト上までの高さが43.5m（海面から約50m）あり、世界最大級の大型帆船となっています。

蒲郡開港50周年記念イベントにおける日本丸のスケジュールは
http://gamagorikaiko50.com/ship/#02

エリア 蒲郡(愛知)

• 旅行の満足度: 4.5

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円 - 3万円
• 交通手段: 高速・路線バス JRローカル
• 旅行の手配内容: 個別手配

蒲郡港と言うか、日本丸の停泊している蒲郡埠頭第岸壁には、地元の食材を使った軽食の屋台（テント）が並んでいました。
PHOが食べてみたかったのは、ガマゴリうどんです。一応小にしましたが、ホント小さくて、大にすれば良かったと思いました

あさりの出汁が効いていて美味しかったですよ、でも足りない

次は五平餅

電車に乗ってる間に買っといた飲み物と合わせて

意外にも1時少し前に挨拶と解説が始まりました。
向こうから近寄って来るのはタグボートの「きよす」。
帆を張ると風を受けて船が動き出してしまう事も有るので、タグボートに押さえててもらうのだそうです。

ところで日本丸と海王丸を見分ける為の大きな違いは舳先に在る船首像なのだそうです。
日本丸の船首像は手を合わせて祈る女性の姿をしており、「藍青（らんじょう）」と名付けられており、海王丸の船首像は横笛を吹く女性で、「紺青（こんじょう）」と名付けられているのだそうです。
判りますか？

帆船の甲板に帆を張るために立てられた垂直棒をマストと言いますが、日本語ではそのままマスト、あるいは帆柱と訳します。「檣」の漢字で表記する事も有ります。
シップ型に代表される帆船のマストは前から順に、
フォアマスト（Fore-mast） - 最前列、あるいはメインマストの前に位置する。
メインマスト（Main-mast） - 最も高いマスト。通常は船体中央に位置する。
ミズンマスト（Mizzen-mast） - 最後尾、あるいはメインマストの後に位置する。一般的にフォアマストより低い。
ジガーマスト（Jigger-mast） - 最後尾のマスト。

前の3本のマストにはそれぞれ6枚づつの横帆が付く為のヤードがあります。
上からロイヤルヤード、アッパーゲルン、ロアーゲルン、アッパートップ、ロアートップ、ロアーヤードです。

マストに水平に付けられているのがヤードです。このヤードにはセイル（横帆）がロープで巻きつけられていて、帆を下に広げた時にはセイルを支えます。

この基本的構造を理解したところで・・

黄色のヘルメットに白い作業服を着た訓練生やグレーの作業服を着た乗組員の方々が甲板に出た後、全員整列をしてから“シュラウド（縄ハシゴ）”を登ります。帆を広げる作業は全て人海戦術。ひたすら人力です。

いよいよ始まりました

何と、このシュラ。ウドを上ってる間は命綱は有りません。己の手足だけが頼りなのだそうです、知らなかった！
ハラハラしてしまいます。しかも裸足だから足が痛いそうですよ

実はこのセイルドリル、お客さんが見てるところで行うのは今回が初めてなんだそうですよ。まだ実習開始から2週間しか経ってないんですモンね

こっちはメインマストです

体つきがまだ大人になり切れてないね

これがヤード。
此処にセイル（帆）が巻き付けられているので、ヤードの下側に張ったロープを足場にして、その縄をほどきに行かなければなりません

この時（横移動）は命綱有りです。何と言っても、ヤードは船の幅より長く、イコール真下へ落ちると海の中って事も有り得るからです

ご覧の通り、6本のヤードの間隔は均一では有りません。
アッパーゲルン（上から2本目）とアッパートップ（上から4本目）はヤード自体が上下します。
これら以外の3本のヤードはセールをセットするのに、ヤードからセールをするするっと降ろして来てセットするのですが、この2本に関してはセールの下側を固定しておいて、ヤードを上に上げていってセットするからです（それで結果的に均等な間隔になります）

帆は甲板に降りてから、四方に張り巡らされたロープを使い甲板で広げます。
ちなみに、帆に使われている布は帆布（はんぷ）と言われ、キャンバス地と言った方が判りやすいかな

彼らが息子より孫に近い年齢だと言うのが何ともｗ
頑張れ～っ！

ねっ、さっきとヤードの間隔変わったでしょ

縦帆も張られていきます

一生懸命ロープを引っ張ります

これはミズンマスト

縦帆が2枚になりました

一生懸命ロープを引っ張ります

お～っ、美しい帆が☆

メインマスト＆ミズンマスト。
セイルを張るには順番が決まっているそうで、上からとか下からとかって訳じゃ無いのです。一番下のロアーヤードは大きくて前が見えなくなっちゃうので一番最後に張ります

だいぶ形が出来上がって来ました

ジガーマストにも縦帆が張られました

後はロアーヤードを残すばかりとなりました

帆は全部で36枚、面積で言うと畳で約 1,673枚分も有るので、展帆して（セイルを張って）風を受けると物凄い力が生まれるって事が判ります

縦帆も3枚になりました

これで完成ですね（入りきらん！）
ドリルが始まってから丸1時間が経過しています

タグボートは意外と接近していませんでした

完成図、さすが東洋の白鳥、太平洋の白鳥です。
毎年、124時間の間に最も長い距離を帆走した帆船に贈られる「ボストン・ティーポット・トロフィー」賞を3回も受賞してるだけ有ります

登舷（とうげん）礼・・・乗員すべてを艦の両舷に整列させて敬意を表するもの。
お疲れ様でした

総帆展帆♪

またシャトルバスに乗って蒲郡駅へ戻ります。
時間は全然気にしてませんでしたが、さすがに東海道線復旧してるよね（てか、してないと困るし）

次のバスは14時35分です。ちょっと時間有るな

何も食べないで帰ろうと思ったのですが、あさりクリームコロッケ、海老カツなどがどれでも1個100円だったので、誘惑に勝てず・・

まず海老カツから、海老の食感バッチリ☆

バイバイ日本丸、バイバイみずほ！ありがとう、楽しかったよ♪

但し、この時点でバスのドライバーさんは東海道本線がまだ復旧していないと話してました。う～ん、そうだとさすがにヤバいぞ★この先最低でも4時間以上かかるから‥

預けた荷物を引き取ります。実は蒲郡駅にはキャリーケースの入る大型の(中型も)ロッカーが無く、名鉄の改札口に居た職員の方に預かって貰う事になったのです。振替輸送で忙しい最中お世話になっちゃいました。ホント助かりました☆

15時2分、大垣行き新快速が入線して来ました。
復旧第1本目です。当初11時40分頃を予定していたのに（そういう放送なども為された模様）運休は丸4時間以上に及びました。
こんなに長引いたのには理由が有って・・。

この為、息子と待ち合わせた天王寺あべの筋に在るキューズタウンに到着したのは、20時ちょっと前。
PHOのウチを出てから15時間半が経ってました