2016/10/10 - 2016/10/10
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たびたびさん
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この日は室戸岬周辺を回ってから、高知市に戻る道すがら旧安芸郡の主要な街を巡ります。
前半は室戸岬周辺。室戸岬は足摺岬と違って、切り立った断崖絶壁という地形ではないので、迫力という意味でちょっと落ちるかなあというイメージだったのですが、波打ち際の方には散策ルートがあって、それを丁寧に歩いてみるとこちらも悪くない。太平洋の荒波を受ける雰囲気がなかなかに伝わってきます。それから、霊場だけではなくて、御厨人窟や青年大師像など空海の匂いが意外に濃くて、それも新たな印象として加わった感じ。ただ、振り返って見ると、カツオやマグロの街で賑わった歴史なども確認する市街の散策をしていないので、私としてはそこがやや心残りにはなりました。
後半は、旧安芸郡の主要な街巡り。限られたエリアだし、同じような条件の中で似たような街だろうと思ったのですが、そうでもない。なにかそれぞれ意外に豊かだし、個性的な見どころがある。かつて備長炭の積出港としての賑わった吉良川、街道の要衝で土佐勤王党の歴史も残る奈半利、中岡慎太郎の故郷、北川、豪商岡家の拠点だった田野。
それぞれ高知ではそれなりに耳にしていた地名ですが、これほど鮮やかな特色があったとは。不思議なくらいなんですが、その違いをちゃんと意識して巡ると旅はより味わいが深くなる。
予想だにしていなかった収穫があって、旅の終盤になっていよいよ佳境に入ったかなと思います。
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室戸サンパレスを出発して、室市街のほうへ。
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津照寺は、室戸市街の中。海岸そばにある四国八十八か所の第二十五番札所です。
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微妙に門前町のような参道の先にまっすぐな石段があって、それを登った先が本堂。
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途中に竜宮城のような門があって、ここに展望所があるんですが、かなり怖そう。石段も急なのにそれをまたいだ展望所なんか高所恐怖症の私には論外です。でも景観的にはその門がアクセント。
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一方の本堂は意外にさっぱりしたもので、ちょっと拍子抜けでした。
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本堂脇からの眺めです。
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市街に降りて、蒲鉾をゲット。
室戸岬はマグロのイメージが強いのですが、蒲鉾もうまいことを初めて知りました。ごぼう天とかなんでこんなにうまいのか。凝縮された魚肉の旨味がじんわり伝わってくるし、ごぼうの歯ごたえ、香りも素晴らしい。ちょっと感動のうまさです。 -
ここからまずは、鹿岡の夫婦岩というのに向かいます。室戸岬を過ぎて甲浦の方に向かってしばらく行くのですが、今日はいい天気。気持ちいですねえ。
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小さなものを想像していたのですが、けっこう手前からいくつかの大きくそびえたつ岩が見えてきて、想像以上のスケール。
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国道沿いにちょっとした駐車場があって、
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そこから遊歩道で岩の周囲を巡りましたが、見る角度によって雰囲気も変わるし、かなりのワイルドさ。
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まったくの逆光で、こんな具合にしか撮れませんでしたが、
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イチオシ
太平洋にもろに面した、かなり荒々しい夫婦岩であることはお分かりいただけると思います。
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室戸岬のほうに戻ってきて。。
今度の乱礁遊歩道は、青年大師像の前の国道脇に入口があって、 -
そこから御厨人窟の方まで歩いてみました。
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室戸岬は足摺岬のような険しさがないと言われますが、
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この乱礁遊歩道は穏やかな室戸岬の中でも太平洋の荒々しさを直接感じられる場所。
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次々奇岩が現れて変化にも富んでいるし、もう少し知られてもいいような気がします。
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そのまま、御厨人窟と神明窟へ。こちらは、室戸岬の東側にある海蝕洞。国道沿いのがけ下に二つ並んでありまして、室戸岬の観光なら定番中の定番です。
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御厨人窟は、若き弘法大師がここで悟りを開いたとされる洞窟で、洞窟からは海と空しか見えないので空海と名乗るようになったというすごい話。
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神明窟からは海は見えないそうで、そこまで有名ではないのですが、修業の場としては同等だったでしょう。
今はがけ崩れとかの危険があるというので、立ち入りは禁止。二つの違いを確認することはできません。
今では国道沿いですが、当時はここも人里離れた場所だったのだと思います。 -
ところで、室戸岬は、国道が海沿いに室戸岬を周遊しているので、足摺岬と比べれば険しさのような印象はあまりないかも。お饅頭のような山肌を国道から見上げることになります。
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厚い緑に覆われていますが、これはウバメガシ。備長炭の原料になる木です。
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改めて乱礁遊歩道の入り口に戻って、室戸青年大師像へ。
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山すそに立つ真っ白な像で、国道からもよく見えます。
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遣唐使として危険を顧みず、大海を渡る空海。この時は最澄も遣唐使。最澄の船も空海の船も難破は逃れたのですが、ほかの船は行方知れず。空海の船もかなり流されて危ういところをたどり着いています。今では想像もできない危険がいっぱいの航海です。
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像の下には体内の曼荼羅を再現した施設とか像の足元へも登れる有料エリアがあって、
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そっちの方にも行ってみました。
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イチオシ
暗闇の曼荼羅から出ると展望台。像の足元の先に太平洋を望む眺めが意外に気持ち良くて、これは体験の価値ありだと思います。
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金色の涅槃像もありました。
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中岡慎太郎像の駐車場に移動して、今度は灌頂ケ浜へ。
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駐車場から海の方に向かう小道があって、それを歩いて行くとすぐですね。
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振り返ると背後には室戸岬。
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細い小道の先の
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砂浜とむき出しになった岩が混在する景色は室戸岬を代表する景観の一つ。
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遊歩道からでも十分雰囲気はありますが、
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イチオシ
遊歩道を離れて波打ち際まで行くと、
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激しく打ち寄せる波がさらに間近で眺められます。
この景色は足摺ではないですね。 -
もう一度、駐車場に戻って。これが室戸岬の先端に建つ中岡慎太郎像。国道沿いにひょっこりあって、少し高台で太平洋を見つめています。
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イチオシ
坂本龍馬の盟友で、陸援隊長。龍馬とともに近江屋で暗殺されたのは30歳の時です。
龍馬に比較すると硬派のイメージですが、この像の表情は、比較的穏やかなもの。薩長同盟成立にも力を尽くして、明治維新には十分に貢献していると思います。 -
中岡慎太郎像の裏側から登り口があって、
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少し登ったところが展望台。
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さほど登った感じはないのですが、ここからだと灌頂ケ浜の辺り一帯がちょうど目の前に見えて、太平洋に向かって突き出した室戸岬のロケーションがよく分かります。
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イチオシ
ちょっとのことなので、是非、登ってみてください。
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続いては、これも定番の最御崎寺。 四国八十八か所霊場の第二十四番札所です。
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室戸岬の中腹にあって、崖のような斜面に整備された眺めのいい道路で上がります。
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境内は意外に広々。
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多宝塔から本堂にかけての悠々とした構えは、
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イチオシ
ちょっと飛び抜けた清々しさだと思います。
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なお、駐車場は道路脇。
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そこから少し歩いての境内です。
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そしてそのまま向かうのが
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室戸岬灯台。細い道を抜けて海が見えてきたと思ったら、そこに建っています。
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イチオシ
灯台の敷地の中には入れないのですが、少し高い位置から灯台を眺める感じ。太平洋をバックにした白い灯台の姿は、光源レンズもキラキラ光っているし、優雅な美しさがあると思います。
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これで、また海岸のほうに戻ります。つづら折りの眺めのいい道ですが、崖にへばりついて、少し崖から飛び出したようなところもあるし、眺めが良すぎてちょっと怖いような道路でもあります。
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国道をもう一度東に向かうと、途中で野根まんじゅうを発見。
野根まんじゅうは、高知だと知らない人はいないでしょう。それくらい地元ではお馴染みのまんじゅうです。 -
小さな蒸かしまんじゅうなんですが、その最大の特徴は滑らかくて甘さがしっかりの餡子。どこにでもあるまんじゅうみたいなんですが、やっぱりこのすっきりしたおいしさは野根まんじゅうだよねって感じ。天皇陛下献上というのはやっぱり伊達ではありません。
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これも気になっていた室戸世界ジオパークセンター。開館時間を待ってやってきました。国道沿いに広い敷地の駐車場を備えた立派な施設です。
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地質学的な室戸岬の成り立ちの説明などがありました。案内所のスタッフが2人もいて充実していますが、逆に、なんかそこまでのことなのかなあという感じもしなくはない。
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ショップもあったりするので、一息入れる場所とみる方がいいような気もします。
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近くにあるアクア ファームへも寄ってみます。
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室戸市がやっている施設で、深層水をくみ上げた時に一緒に入ってくる海洋生物を採取して展示しているのだそうです。しかし、お役所なので、土日はやっていない。たまに三連休だとやっていることがあるというので行ってみましたが、やっぱりお休み。敷地内に深層水を汲む装置があったりして、それはそれで確認はできました。
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だいたいこれで、室戸岬周辺は完了ですね。
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ここからは、高知市に帰りながら沿線をチェックしていきます。
山田邸の庭園は、室戸岬の西側の市街地の一角。 -
ただごつい石垣に囲まれた豪邸なのですが、
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看板も何もないので地元の人に聞いて、やっとそれだと分かりました。
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実際に人が住んでいるお宅だそうで、声を掛けたのですが反応はなし。
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ただ、門から前庭をロータリーのように巡ると沖縄の海岸の岩場を思い出すような石組み。それに蘇鉄が組み合わさったりして、ちょっと豪壮な設計。背後の建物と合わせて、なかなかの雰囲気です。
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もう少し戻って、これは海の駅とろむ。室戸岬からだと一番近い道の駅になります。
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国道から海側に降りていくのですが、広い敷地の中にバラックのような販売所とぢばうまやという食堂が並んで建っています。産直だとみかんや海産物。
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隣りでカツオのたたきをあぶっていましたが、けっこう豪快。やっぱり、地元の新鮮なものを扱っているんだなあという感じです。
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海の駅とろむの奥に見えたのは室戸ドルフィンセンター。海側の堤防手前ですが、一帯は見晴らしがよいのですぐに分かります。
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いるかと一緒に泳いだり、触って遊ぶことができるのですが、そんなにニーズがあるのかどうかはよく分かりませんね。ただ、家族連れがそれなりに来ていて、スタッフも何人かいてけっこう充実していました。子供にいい思い出をと考える人向けだと思います。
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ここでもう室戸市街を後にしてもよかったんですが、ちょっと気になったのが民宿とさ。外観は普通の食堂ですが、金目丼という幟があったので、それをいただくことにしました。
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金目丼は今室戸では売出し中のご当地グルメなんだそうです。
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イチオシ
煮つけた金目に、カツオとカンパチの刺身が乗った呉越同舟的な丼。
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最後にダシをかけてお茶漬け風に締めます。
まあ、びっくりするほどのうまさでもないですが、煮付けも刺身もそれぞれがうまいし、それを組み合わせても意外に違和感はほとんどない。組み合わせ的にはまあまあ成功しているかなと思います。 -
続いては、金剛頂寺。こちらは、四国八十八か所の第二十六番札所です。
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嵯峨天皇の勅願により大同2年(807年)に弘法大師が薬師如来を刻んで創建した寺。
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イチオシ
現在の本堂は明治後期に再建されたもの。
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正面に建つ石燈籠から眺めるその本堂の姿は力強い印象。屋根に付いた両側の鴟尾がとても効果的なのだと思います。
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本堂の内部や
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大師堂もチェックして。
今日は天気がいいので、本当に気持ちがいいですね。 -
次は吉良川に向かうのですが、その途中の行当岬もチェックします。
室戸岬の西側にあって、国道に標識があってすぐ分かるのですが、 -
ただ、入った先は広い空地か工事現場のような草原。それに、堤防があるので海の眺めもあんまりよくない。行当岬というのはそれらしい名前ですが、見どころはあまりないように思います。
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途中の漁港。高い堤防に守られていて、これが室戸周辺の典型的な漁港の姿です。
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さて、キラメッセ室戸は、吉良川町の道の駅。この辺りで、国道沿いの目ぼしい施設は他にないので、すぐにそれと分かります。
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産直コーナーは野菜や海産物など充実していますが、
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ちょっといいのは海岸端。堤防を越えて海まで降りていけます。岩場もあって、家族連れでちょこっと楽しむには手ごろかなと思います。
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そして、室戸から吉良川に到着。
吉良川町は室戸に合併しましたが、高知では今でも吉良川は吉良川としてはっきり区別して認識されていると思います。 -
明治期から昭和初期頃に建てられた建物がそこそこ残っていて、今でもかつて土佐備長炭の積出港として賑わった町の面影を残します。
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国道沿いに街の駐車場があるので、そこから歩くとちょうどいい。
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蔵は白壁の中間にひさしを設けたデザイン。他ではあまり見ないデザインでしょう。ただ、機能的に優れているというより、優美さを考えた贅沢なデザインなのかなとは思います。
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吉良川の街並みの中心部から御田八幡宮に向かう通りの途中にあるのが吉良川まちなみ館。
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一般の民家のような建物を開放して、休憩所兼吉良川のPR施設としているもの。
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ただ、同じ並びには、
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地元の祭り、御田祭などを紹介する施設などもあって、
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一帯をまとめて観光するといった感じでしょう。
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吉良川の御田祭は、隔年で5月3日に行われる御田八幡宮の神事。これがその御田八幡宮です。
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この周辺はまったく吉良川の街並みの中心。古い建物が一番よく残っているし、ロケーションとしても、吉良川の街はこの神社の門前町ではないかと思うくらい。街並みの通りはさほど広くもないのに、ここの境内は笠木山麓を控えて、広々。通りからここの敷地に入ると逆に開放感が高まるような感じです。
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吉良川市街のチェックとして老舗のパン屋、徳屋さん。通りからパン焼きの窯も見える飾らない店内で、そこらへんにいるような普通の格好のおっちゃんがやっています。
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いただいたのは、高知の名物、帽子パン。しっくりした歯ごたえの濃い味わいがいけてます。
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良川の街並みから、今度は奈半利へ。
こちらも古い建物が残って入るのですが、かなりポツンポツンだし、吉良川に比べると見劣りするように思います。奈半利の古い町並みと書いた標識もありましたが、その標識をみてもどれを指しているんだろうと考えてしまいました。 -
鉄道は、奈半利が終点なので、ホテルもあったり、吉良川より奈半利のほうが今では活気があるのですが、
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過去の歴史という点では吉良川のほうに軍配が上がるような気がします。
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一方で、この高札場は、奈半利の街並みの西の方。いきなり案内があって、説明されていましたが、ここは野根山街道の起点。街道はここから野根まで約50キロ。養老二年(718年)にはすでに利用されていたという歴史ある街道だそうです。今だけではなく、昔から奈半利が交通の要衝でもあったことはそのようですね。
つまり、海に向かっては吉良川。陸路の中心としては奈半利といった違いでしょうか。人の流れは陸路でも、物資の動きは海路のほうが大きいですから、豊かさという意味で吉良川になるのも仕方ないところでしょう。 -
奈半利から、今度は北川村に向かいます。
北川村は中岡慎太郎のふるさと。ここまで来て、行かないわけにはいきません。
ただ、奈半利から北川村はそれなりに離れているのですが、行ってみると高速道路のような立派な道路があって、とっても便利。これにはちょっとびっくりでした。
あっという間に中岡慎太館に到着です。 -
なんといっても、中岡慎太郎は北川村の誇り。寒村と言っていい街の中に場違いなくらい立派な建物が建っていました。
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展示は中岡慎太郎の足跡や人間関係を軸にして幕末の動きを俯瞰するもの。平和裏に改革を推し進めようとする龍馬とそれは不可能と主張する中岡慎太郎。
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世の中の風潮は武力による討幕だったので中岡慎太郎はその流れにあったとも言えますが、それはきちんとした思想的な背景があってのもの。吉田松陰を尊敬していたという逸話やその見事な筆使いを拝見すると、龍馬にも負けない人間性の奥深さもあるし、改めて歴史を切り開こうとする強い意思や凄味が伝わってくるようでした。
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中岡慎太館の前に立つ銅像もチェックして、
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そのまま中岡慎太郎生家へ。中岡慎太郎館から歩いてすぐのところ。公園のようにきれいに整備された道を下って行った先です。
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生垣で囲まれた藁ぶき屋根の母屋は狭くはないですが、けっこうコンパクト。
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北川郷の大庄屋に生まれはするものの、それに飽きたらずここで日本の行く末についての思考の日々を重ねていたと思うとちょっと不思議な気持ちがするくらい。
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中岡慎太郎のアンテナの高さは否定しませんが、幕末の蒼然とした空気が土佐のこんなに山の中にまで吹いていたことはきちんと時代の変化としてまず認識しないといけないと思います。
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もう一つの見どころである松林寺は中岡慎太郎館から中岡慎太郎生家と反対側に歩いて5分。慎太郎は4歳から7歳までの間、この松林寺に通い、勉学に励んだと言われます。
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山門を入ってすぐの境内に墓地があって、中岡慎太郎の遺髪を納めた墓があります。
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寺は廃寺ですが、草ぼうぼうではない。道案内もあるし、中岡慎太郎ゆかりの場所として、地元の人が大事に守っているように感じられました。
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中岡慎太郎館で北川村の目的はほぼ果たしたのですが、せっかくなので北川村「モネの庭」も回ってみます。
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一応、北川村では、この二つは定番中の定番となっていますので。
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とはいえ、ちょっとパクリのような感じもしなくはないし、そんなに期待はしていなかったのですが、
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実際に行ってみるととってもよくできていて、まさにモネの庭。
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もともとあった湧水の池が素晴らしいのでそれをなんとか活かそうとしたものでしょう。
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イチオシ
イチから人の手でここまでの美しさに持って行くのは難しいと思います。
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しかし、いずれにしても、水面のきらめきとか
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池のほとりの木々。
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北川村なんて高知の片田舎だと思っているとそれは世間知らずでしかない。
この眺めの美しさは間違いなく本物であり、さすが中岡新太郎を生んだ北川村と言ったところでしょう。心から敬意を表したいと思います。 -
気分がいいところで、変わったところ、多気ケ丘公園へも寄ってみます。
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奈半利から北川村への高架道路からでも見えていますが、小さな山に神社の鳥居のようなものや地域の記念碑がいくつか建っていたりして、集落にあった入会地のような感じ。頂上に登ると桜の林もありました。
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ただ、やっぱりここは地域の人のための場所。外から入ってくる人間が楽しむ場所ではないように感じます。
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再び奈半利に戻ってきて、これは二十三士公園。堤防の道から降りて行った奈半利川の河川敷です。
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ちなみに、この二十三士というのは、投獄された武市瑞山を救おうと立ち上がった清岡道之助ほか23人の面々。しかし、彼らは反乱者としてこの河原で斬首され、無念の死を遂げる。土佐勤王党は土佐の全域から同志を募っていましたが、その広がりも改めて感じさせられます。
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そこから、今度は濱口雄幸邸へ。
しかし、このアクセス道は、信じられないくらい細いし鋭角な曲がり角の連続で、まったくドライバー泣かせ。車を摺らなかったのが不思議なくらいです。
到着するとそれなりに余裕のある駐車場があったのですが、このアクセスは半端ではありません。 -
さて、邸宅は敷地には余裕があっても、建物自体はとてもつつましやかなもの。日向ぼっこをして暮らしたらちょうどいいような感じでした。
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これは生家の水口家の陰気さと比べると大違い。養子となった濱口家は裕福なので、比較にはなりませんが。。
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濱口雄幸邸からは、先ほどの二十三士のリーダー清岡道之助邸へ。
こちらも細いくねくね道をけっこう山の方に分け入ったところ。近くに田んぼのような駐車場があって、そこから歩きます。 -
敷地は通りから一段高い位置にあるし、やっぱりちょっと名士で裕福な家のような構え。
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それに、邸内は無人ですが、きれいに草取りとかもしてある。地元の人がお世話しているんでしょう。そんな感じです。
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いずれにしても、清岡道之助は、この辺りの土佐勤王党のリーダーで、二十三士事件の中心人物。改革への思いがたぎっていた時代の事件ですから、武市半平太と同じように、今でも地元の人にとっては誇りになっているように思います。
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ここで、奈半利は終了。最後の田野に向かいます。
国道沿いの田野駅屋は、田野駅に併設されている道の駅。田野市街に入ってすぐでした。駐車場も広いし、ちょこっと寄るにはとても便利な場所ですね。 -
産直コーナーやちょっとした食堂なんかも、ポップな感じで楽しい雰囲気。お客さんが多くて活気もあるように思いました。特に何にもなくても取りあえず寄ってみるといった感じでいいと思います。
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で、こちらの目玉は岡御殿。田野町の歴史を今に伝える史跡です。
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ところで、田野は奈半利川と安田川に挟まれた場所にあって、かつては馬路村の木材がここを経由して運ばれたりして栄えた街。
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今でも何か街にはそこはかとなく賑わいがあって、その意味では、吉良川や奈半利より都会的な匂いがある。そうした歴史が今につながっているような気がします。
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そして、その象徴がこの岡御殿なんですね。
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土佐藩の藩主が巡見を行った際はここで休んだというような、岡家は藩の御用商人だった豪商ということですが、
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そのルーツは、実は大阪の豪商だった岡家をスカウトしてここに移住させたのだそう。面白い話ですね。
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そうした経緯を係りの人が詳しく説明してくれるので、とてもありがたいです。
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建物は豪壮ではあるのですが、数寄屋つくり風の解放感も併せ持つデザイン。
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暮らしやすさという視点も忘れていないように思います。上方の文化にも精通していた主人の好みのほどが偲ばれます。
それにしても、吉良川の備長炭に田野の木材。川の河口であれば、それなりの港が出来て荷物の積み出しが活発に行われていたんですね。海からの輸送なら、高知市には頼る必要なはい。それぞれの地域で豊かさを享受することができた土佐国の様子が改めて浮かび上がってきたような気がします。 -
田野市街のチェックは、パナシェ。岡御殿の近くの洋菓子屋さんです。奥まった位置にお店があるので、ちょっと控えめな感じなんですが、
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いただいたシュークリームは現代アートのようなデザイン。これがまた生クリームの爽やか系の甘さ。ほー、ここまでやりますかというような逸品。田野の歴史や文化も感じてしまうようなお店です。
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田野を後にして。
ぢばさん市場は、安芸駅の隣り。道の駅みたいな感じの産直をやっています。けっこう広い売り場ですね。 -
もう夕方だったので商品はあまり残っていなかったんですが、みかんを買いました。高知はゆずが特産品なんですが、みかんもないことはない。酸味と甘さがちょうどいいバランスでおいしくいただきました。
さて、これでもうひたすら高知市に帰るだけですね。 -
で、晩飯は懐かしい海辺の果樹園と決めていました。
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というのも、こちらは、ホテルと言うより、地元ではここのレストランのほうが知る人ぞ知るといった感じで有名なくらいなんです。
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国道から少し上がった手結山にあって、太平洋の海岸線を遠くに眺めながらの食事はかなりリッチな気持ち。
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一方で値段もお手ごろだし、言うことなし。
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連休の時とか特別な時期以外はすいていることも多いので、穴場的な感じもあると思います。
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もうホテルの入ってもいいんですが、もうちょっと頑張りますか。
高知はあまり温泉がないところなんですが、最近はスーパー銭湯のような温泉がポツポツ出来てきました。ながおか温泉はJAがやっている温泉のようですが、そうした温泉の一つ。高知市にも比較的近いし、そういう意味では便利な場所かもしれません。 -
風呂は建物の二階。湯上りの休憩所もゆったり広いし、施設として想像以上にしっかりした温泉です。利用者も多くて、けっこう賑わっていました。 -
そして、無事、ホテルにチェックイン。
タウン錦川は、タウンセンターと同じグループのホテル。同じ系列で値段はほぼ同じでも、建物の感じは全く違います。こちらはフロントが二階にあって、ちょっと狭いかな。一方で、部屋の作りはこっちの方が少ししっかりしているように感じました。
さて、明日もちょこっとまたいいところを回りますよ~
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