2016/10/01 - 2016/10/01
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地酒大好きさん
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ハードな山歩きで痛めた膝の調子が良くなってきたので、5か月ぶりに試験的に伊吹山北尾根を歩いてきました。
秋なのに梅雨のように連日天気が良くなく、膝が心配で、例年のようにタカの渡りが見えるか、などいろいろ考えると夜は眠れませんでしたが、思い切って早朝に出発しました。2時間かかって岐阜県揖斐川町の国見峠に着いたのは8時半でした。途中、名神高速道路では雨に降られ、国見峠に着くまでどんよりと曇って先行きが心配されました。
膝が心配で恐る恐る歩き始めたのですが、違和感もなんともなくすいすいと以前のペースで歩けて一安心。雨上がりで滑りやすい道をどんどん登りました。登山道にはヤマグリのイガがたくさん落ちており、ほとんど全道に見られました。今年は豊作のようで、クマやイノシシにはうれしくて仕方がないでしょう。わたしもヤマグリを生のまま食べてみましたが、普通のクリよりも味が濃くて、パワーがわいてくるような気がしました。
1時間ほどで最初のピーク、国見岳(1126m)に着きましたが、ガスがかかって展望は利きませんでした。聞こえるのはウグイスとカケス、ヒガラなどでした。声はすれど姿は見えずのガスでした。岩だらけで歩きにくく、滑りやすい稜線を次のピークである大兀山(おおはげやま。1083m)に向かいます。大兀山もガスに包まれて見えません。起伏の激しい稜線を進むと、アサギマダラが滋賀県側から岐阜県側に渡っていきました。東から西にわたるはずが、反対方向に行ったのは、まだ渡りのシーズンではなくて蜜を求めて動き回っているのかなと思いました。
大兀山に着いたのは午前11時前でした。ちょっとガスが晴れるとカケスは東から西に向けグループで次から次へと渡っていきました。当然ながら、タカの渡りは見ることができませんでした。ここでランチです。花を見ながら撮影をしながらしばし過ごしました。次のピークの御座峰(ござみね。1070m)はガスで見えません。あそこまで行ってから雨にでも降られるとやっかいだなと思い、ここから引き返すことにしました。皮肉なもので、引き返して10分後ぐらいに振り返るとガスが晴れて御座峰が見えました。
来る途中でシカの糞があった場所を再び通りかかると、オオセンチコガネらしき虫が一生懸命に糞を運んでいました。食料にするためです。よく見ると自分自身も糞まみれです。食料まみれでうれしくて仕方がないでしょう。さすがにこれはわたしは食べませんでしたが。
また進むと、今度は鳥の食痕(しょっこん)がありました。3mぐらいの範囲に羽が散らばっているところから、イタチかテンにやられたものと思われます。真っ赤な鮮血がありましたから、まだやられたばかりのところを通りかかったようです。帰宅後に調べてみるとアオバトのようです。
下りは膝に悪いのでより慎重に足を運びます。普通、階段を降りるときには体重の6~7倍の荷重が膝にかかるといわれています。体重が60㎏の人なら、400㎏ぐらいの荷重がかかり、膝にはかなりの負担になります。山では急な坂を下りますから、10倍ぐらいの荷重がかかると推測され、かなりの負担がかかります。それでも膝の痛みはなく、何とか下山できました。
今日は誰にも会わず、わたし一人の山歩きでしたが、多くの植物にも会えて満足でした。
帰路の途中にある岐阜県揖斐川町春日の農産物直売場には現地で採れた農産物を販売しています。そこで探したのは、大好きなジャガイモです。笹又(ささまた)地区のものが最高で、地区のブランドにもなっています。標高が高いところなので、昼夜の気温差が大きいためおいしくなると言われています。
本当は「笹又産のキタアカリ」という品種が一番好きですが、あいにく笹又産の男爵イモと笹又以外産のキタアカリしかなく、両方買ってきました。これらで作るポテトサラダは最高です。
- 旅行の満足度
- 3.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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伊吹山北尾根の登山口は、岐阜県揖斐郡揖斐川町と滋賀県米原市の境にある国見峠にあります。
ここから南に長い尾根を歩くと伊吹山に到着しますが、全ルートを往復すると長時間がかかるため、国見岳、大兀山(おおはげやま)、御座峰(ござみね)あたりまで行ってから引き返すのがほとんどの登山者のルートです。
登山開始後の登山道の様子はこのような急坂の連続です。この支尾根を上り詰めると最初のピークの国見岳に着きます。 -
登山道にはヤマグリのイガがたくさん落ちています。
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ほとんどのルート上にこのようにヤマグリの実がたくさん落ちていて、今年は豊作のようです。
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イガの中には栗の実が入っていますが、この写真のように普通のクリよりずいぶん小さいものです。
皮も剥かずに口に入れて食べてみると、濃い味でおいしくパワーが出るような気持になります。あとで皮は吐き出しますが。 -
急坂を登り詰めるとなだらかな稜線に出ます。取り立てて高くない平坦な場所が国見岳頂上です。
ガスがかかって展望はありません。 -
この壊れた看板がないと、ここが国見岳頂上ということに気が付きません。本当はこの文字も消えかかって判読不明でしたが、わたしがフェルトペンでなぞって読めるようにしました。
標高は1126mです。 -
次の大禿山に向かう稜線はこのようにガスがかかって、視界はわずかです。この写真は瞬間的にガスが晴れたときのものです。
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このように岩がごろごろして歩きにくい箇所が多くあります。
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路傍には多くの花が咲いていましたが、名前が分からないものが多く、分かったものの一つがこのアキノキリンソウです。
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これはイヌトウバナです。
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伊吹山特有のイブキトリカブトのようです。猛毒があります。
このようにイブキxxxという名前の固有植物が多いのがこの山の特徴です。 -
これはクルマバナで、花が輪のように茎を取り巻いて咲いています。そこから車花と名付けられたようです。
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ハクサンフウロです。伊吹山にはフウロの仲間が多く、同定に苦労します。このハクサンフウロが一番多いフウロでした。
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小さな花のヒメフウロも多く見られましたが、小さいので地味な感じのフウロです。
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ヒメフウロの花です。先ほどのハクサンフウロとは花のつくりが違います。
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大兀山に向かいますが、ガスで見えません。ガスが晴れた瞬間にちらっと大兀山が見えました。
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大兀山頂上です。標高は1083mです。やはり周囲はガスで展望は0です。
ここでランチにします。ガスが晴れるとカケスがグループで南に向かって飛んでいくのが見えました。北の地方や山地では雪で食料が摂れなくなくなるので、多くの鳥たちは低地や南に向かいます。
タカの多くは南の国へ渡るものが多く、例年この尾根からはタカの渡りを観察することができます。あいにく今年は秋梅雨のような日が続き、タカたちも渡れず困っているはずです。
今日はそれが観察できませんでした。
この先の御座峰へはガスがかかっていたため行くのは断念しました。今にも降りそうな気配だったからです。ここから引き返すことにしました。 -
来る途中にシカの糞がたくさんありました。この山にもシカが多くなり、声を方々で聞きました。
シカが増えるとそれに付いてヤマビルが拡散して登山者泣かせとなります。帰宅後、わたしも4カ所ヤマビルに吸われた跡があり、痛くもなく、痒くもなく血が流れ出していました。その後数日間は猛烈な痒みに悩まされました。 -
シカの糞をよく見ると、糞を運んでいる昆虫を見つけました。左がオオセンチコガネで右の黒いものが糞です。
オオセンチコガネは糞を食料にする昆虫です。全身が糞まみれのようで、ごちそうにうれしくて仕方がないようです。
名前の中のセンチは雪隠(せっちん=トイレ)からきたようです。 -
国見岳を過ぎて下り道に入ります。すると何かの鳥の羽が散らばっていました。タカにやられたのかと思いました。
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ところが羽は一カ所だけに固まらず、3mぐらい離れた場所にも広がっています。タカに襲われたときは羽が固まって落ちていますが、これはイタチかテンなどの動物にやられたようです。これらの動物は獲物を引きずるから散らばりが広がります。
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羽を詳細に観察してみると、濃い緑色の羽がありました。これはアオバトのようです。貴重な鳥がもったいない・・・・。
このような食べられた動物の痕跡を「食痕(しょっこん)」と言います。これはアオバトの食痕です。
こういう羽を集めるマニアがいますが、わたしにはそういう趣味はありません。 -
羽の近くには真っ赤な鮮血がありました。まだやられたばかりのようです。
このように毎日多くの鳥たちが他の動物のエサになっているのです。 -
さて、下山すると遠くに伊吹山が見えました。朝はガスで見えなかったのですが。
北尾根はあの伊吹山まで続いているのです。 -
下山後の農産物販売所で売られていた地元産のジャガイモです。
揖斐川町春日で採れたものですが、わたしは笹又キタアカリが大好きです。笹又(ささまた)地区で採れたのもですが、日中の気温差が大きく、地元の人は北海道のものよりもおいしいと勧めてくれます。
あいにく笹又キタアカリは売り切れていましたが、笹又地区以外のキタアカリ(左)と笹又産の男爵イモ(右)を買いました。
このポテトサラダは最高です。
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