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海女のいない海女の町 《千葉県・御宿町》

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    旅行時期 2015/10/23 - 2015/10/23 (2016/10/20投稿

     御宿。
     おんじゅく、と読みます。 千葉県人でなければ「おんやど」と読んでしまいますね。 千葉県人は平岩弓枝さんの時代小説『御宿かわせみ』を「おんじゅくかわせみ」と読んで笑われたりしています。
     その御宿とは千葉県夷隅郡御宿町のことで、房総半島東岸にある海女の町です。
     
     えっ、海女? そう思って御宿行きを思い立った下心ぎらぎらのオジサンたち、お気の毒ですが、海女がいたのは昔の話です。
     加藤まさをさんの詩に佐々木すぐるさんが曲をつけた童謡『月の砂漠』をご存じですね。
     その加藤さんが詩のイメージを膨らませたのが御宿の浜だったそうで、今では海女の町としてより「月の砂漠の町」として知られています。
     そんなの、物足りないって?
     
     まあ、そうおっしゃらず、お付き合いください。 ゆっくり歩いてみると、意外にいい町ですよ。

    写真 50枚

    交通手段 : 
    • 現地移動 :  自家用車
    エリア:
    千葉 | 御宿
    エリアの満足度:
    4.0
    • 撮影場所の地図

      【 御宿駅 】

       まずは御宿駅へ。 東日本旅客鉄道外房線の駅です。
       「東日本旅客鉄道」? そうです。 私はジェーアールという意味不明の言葉が嫌いなのです。 ジェーエイチ、ジェーエー、ジェーティー・・・なんでもかんでもジェージェージェージェー! どうして「日本」というきれいな言葉が使えないのでしょうか。
       おっと、最初から脱線してしまいました。

       話を駅に戻しましょう。 私は車で行ったので、入場券(140円)を買ってホームに出てみます。 実は下心があってのことで。

    • 【 海女の像 】

       いました! 海女です。
       御宿の海女は、はじめは上半身裸だったようで、その海女たちを撮った『海女の群像』という写真集を見ると、若い裸の女性がわんさか出てきます。 生き生きとして躍動的で、たぶん女性が見ても感動すると思います。
       それがけしからぬことに、私が初めて御宿に行ったその少し前(昭和40年ごろ?)から紺がすりの着衣海女に変わり、ご丁寧に「御宿ブルース」という歌までできていました。

         あだし人魚よ 七尋八尋
         姿いとしや 紺がすり
         忘れられよか 忘れてなろか
         夢の御宿 海女の町 海女の町

       そして、海辺のバーにその紺がすりを着た年増の海女(?)がいて、何度も何度もこの歌を歌いました。 おかげで私は今でも歌詞を見ずに歌えますが、そんなことが何になるでしょうか。

       駅ホームの像はまさにその紺がすりを着た海女で、そのせいか、電車を降りたオジサンたちは見向きもしません。

    • 【 観光案内所 】

       駅前に観光案内所があります。 館内には「日本三大海女の町」の文字が。
       
       「今でも海女さんはいますか?」
       我ながら未練たらしい質問をしたところ、「いません」の一言で終わり。

       だったら、海女の町なんて言うなよ・・・グズグズ・・・。

    • 撮影場所の地図

      【 御宿町歴史民俗資料館 】

       海女への邪念を振り払い、御宿町歴史民俗資料館に行きます。

       駐車場無料。入館料無料。 それなのに、館内では誰にも会いませんでした。

    • 【 館内の展示 】

       奥の方に、いまいましい紺がすりを着たマネキンが立っています(赤丸の中)。

       まだ裸の海女にこだわっている自分を恥じて、漁具をはじめとする民具の数々に目を移します。 ちゃんと見学しましたよ。 ええ、本当に。

    • 【 街路灯の飾り 】

       御宿の町はいたる所に「月の砂漠」をモチーフにした飾りがあります。
       日に3回、童謡「月の砂漠」のメロディーが流れます。

       「御宿ブルース」は流れません。 

    • 【 月の砂漠記念館 】

       さらに海辺には月の砂漠記念館が。
       1階は、なんともちゃちな土産物売り場、2階は加藤まさをさんの足跡を紹介する展示室になっています。

       私は「月の砂漠」という歌は好きですが、加藤さんについて特に関心があるわけではないので、見学はまあ義理みたいなものです。 
       2階に上がるためには400円必要で、私は老人割引で300円でしたが、それでもちょっと・・・。
       
       まあ、そういうケチなことをぐずぐず言うのはやめて、加藤さんがイメージを膨らませたという浜辺に行ってみましょうか。

    • 撮影場所の地図

      【 御宿中央海水浴場 】

       ここです。
       大きく欠けた月の表面に歌詞が書かれています。

          月の砂漠を はるばると
          旅の駱駝が 行きました
          金と銀との 鞍置いて
          二つ並んで 行きました

       遠くに旅の駱駝が。 行ってみましょう。

    • 【 王子様・お姫様 】

        金の鞍には 銀の甕
        銀の鞍には 金の甕
        二つの甕は それぞれに
        紐で結んで ありました

       それはそうでしょうね。 結んでなかったら、落ちちゃいますものね。

    • 【 イケメン王子 】

        先の鞍には 王子さま
        後の鞍には お姫さま
        乗った二人は おそろいの
        白い上着を 着てました

       なんというみずみずしい情景でしょう。
       なんという美しい言葉でしょう。

       「御宿ブルース」の“まんま”な歌詞が、私のレベルに合っているとはいえ、いささか安っぽく思えてしまいます。

    • 【 お姫さま 】

       と言いながら、安っぽい趣味の私は、イケメン王子などどうでもよくて、やっぱりお姫様の方が気になります。

       でも、どうしてこの二人は、夜に砂漠を旅しているのでしょうか?

       低俗な感性しかもたない私は、ついそういう現実的なことを考えてしまいますが、淡い月明かりの中を2頭の駱駝がゆっくりと歩いて行く情景は、やはり理屈抜きに美しいものですね。
       

    • 【 田尻浜 】

       さて、海女だの姫だのと妄想を引きずっての観光はこのくらいにして、400年前の海難事故に思いを馳せることにしましょう。

       慶長14年の秋、マニラからアカプルコに向かっていたイスパニア船、サン・フランシスコ号が嵐のため御宿の沖合で座礁しました。
       命からがら岸に泳ぎ着き、息も絶え絶えになった乗組員を村人たちが総出で介抱して、317名の命が救われたということです。
       それがこの田尻浜で、この救助活動をきっかけとして、日本、スペイン、メキシコの交流が始まり、1888年には三国友好通商条約が締結されたそうです。

    • 【 田尻浜 】

       右も左も断崖絶壁に挟まれた、小さな浜です。 満潮のときは砂浜が無くなってしまうのではないでしょうか。

       ここに300人を超す船員が倒れていたのかと思うと、さっきまでの不真面目な気分が吹き飛びます。

    • 【 田尻浜への小道に立つ説明板 】

       田尻浜に続く小道は分かりにくいので、意識して探してください。 入り口にこんな案内板が立っています。
       
       ドン・ロドリゴ・デ・ビベロ・イ・ベラスコとあるのは間違いで、正しくはドン・ロドリゴ・デ・ビベロ・イ・アベルッサです。
       私は御宿町役場に行って、そう言いました。 返事は「ベラスコはアベルッサの別名でしょう」というものでした。
       とんでもない、ベラスコはアベルッサの父の名前です、と指摘すると、今度は「父も一緒に乗っていたのでしょう」という返事でした。

       「父はノビスパンで要職についていて、息子に同行などしていません。県に確認してください」としつこくお願いしたところ、後刻、「説明板が間違っているそうです」という返事がありました。
       
       環境省と千葉県の名で出されたものですから、御宿町はタッチしていないということでしょうが、それにしても長い間多くの人に読まれてきたわけですから、町としてもちょっとまずいのではないでしょうか。

    • 【 サン・フランシスコ号乗員遭難救助の絵 】

       話を先述の資料館に戻します。
       
       館内にはこの海難事故についての資料が数多く展示されており、その中に田尻浜での惨状を描いた松本勝哉氏の絵があります。

       初めて見る異国人を懸命に救助する村人たちの様子に胸を打たれます。

    • 【 乗組員を介抱する女たち 】

       そのときは、見学を終えて分かったつもりで資料館を出たのですが、その後この海難事故について調べていると、分からないことが沢山出てきました。
       そこで2か月後に資料館を再訪すると、遭難者救助の様子を再現した人形が飾られていました。 御宿町にお住まいの人形作家藤田邦子さんの作品です。
       悲惨な場面ですが、なぜか心和む、魅力的な作品ですね。

       ただ、この海女たち、かすりを着ていますね。 前述のとおり、御宿の海女が着衣になったのは昭和40年ごろの筈ですが・・・、おっと! まだ裸の海女にこだわっている私でした。
       そもそもこのとき船員たちを助けたのは半農半漁の村人たちで、海女はいなかったと思います。 上掲の松本氏の絵にも海女が描かれていませんし。

      ※ 海難事故についての文章はあちこちにあり、海女が助けたという記述も沢山ありますが、みな観光宣伝のスタンスから書かれたものです。
       「このころに海女がいたんですか?」と訊くと、「はい、いました」という返事ばかりが返ってきますが、「それを示す史料はありますか?」と改めて訊くと、とたんに歯切れが悪くなります。
       ロドリゴの書いた記録にも「海女」という言葉は出てきません。それどころか、この村は漁に適しておらず、村人の生活は貧を極めているというように書かれています。
       確かに食うや食わずのオジサン、オバサンたちが助けたと言うより「海女」と言った方が観光客受けするとは思いますが・・・ちょっとマユツバではないでしょうか。

    • 撮影場所の地図

      【 メキシコ塔 】

       田尻浜からほど近い高台に建つ、メキシコ記念塔です。
       あの海難事故と、その後の三国の友好を忘れないため昭和3年に建てられたもので、正式には日西墨三国交通発祥記念之碑といいます。
       当初の塔は大理石で作られたそうですが、太平洋戦争の際に銃撃を受けて損傷したことや、30年の風雪で劣化したため、昭和33年に白セメントを使って再建したということです。

    • 【 抱擁の像 】

       海難事故から400年経った2009年に、メキシコ政府から御宿町に贈られた像です。
       男女は地球であり、男性の首は太陽、女性の首は月を表し、地球の上で昇る太陽と沈む月が一瞬同時に光を放ち合う瞬間を表現している・・・らしいのですが、そんなことはまったく感じませんでした。
       まあ、芸術オンチの私などには分かるわけもないのですが、それでも見ていると安心感に包まれるような落ち着いた気分になり、かなり長い時間、見ていました。

    • 【 小浦海岸への道 】

       さてそのメキシコ塔から北へ1kmほど行くと、道端に「おんじゅくトレイル・小浦海岸コース」と書かれた道標があります。
       小さく、目立たない木柱で、車で走りながらでは絶対に見つけられません。 私は小浦海岸を探していたので意識的に徐行していたのですが、それでも見落とし、引き返してやっと見つけました。
       路上駐車をして、歩いてみます。 軽トラくらいなら通れるかなという狭い道で、あまり気乗りがしませんが・・・。

       実はこの辺りには、ある言い伝えがあります。
       昔々、権兵衛という男が酒を飲んでほろ酔い気分で歩いていると、見たことのない若い娘が声をかけてきました。 風呂が沸いているからどうぞと言うのです。
       言葉に甘えて湯につかり、いい気分でいると、近くを通りかかった近所の人が「権兵衛さん、何をしてるんだい!?」と叫びました。
       気がつくと、権兵衛の入っていたのは湯船ではなく、肥溜めでした。
       権兵衛はキツネに騙されたのです。

       でもこの話、私の町にもありました。 私の子どものころには、近所に田んぼも畑もあって、肥溜めも沢山ありました。 今の人は肥溜めって聞いても何のことか分からないでしょうね。 畑地に人がすっぽり入れるほどの穴を掘って、人間の糞尿を溜めておくのです。 それを少しずつ作物の周りに撒いて、肥料にしていたのですね。
       ですから近くを通ると、その臭さは尋常ではありません。
       私も、本当かどうかは知りませんが、誰それが肥溜めに落ちたという話は何回か聞きました。
       どうやってそんなに大量の糞尿を集めたかって? まあ、話が長くなるので、それはまた別の機会に譲りましょう。

    • 【 大きなトンネルが 】

       なんだか嫌だなと思いながら歩いてゆくと、案の定、行く手に不気味なトンネルが現れました。
       ○○隧道というような表示もなく、この先に集落や港があるわけでもないでしょうに、何のためのトンネルでしょうか。
       人を騙すキツネが棲んでいなければいいのですが。

    • 【 トンネル内部 】

       気持ち良くはありませんが、ほかに道もないし、向こうに出口も見えるので仕方なく入ります。
       写真はフラッシュを炊いて撮ったもので、実際には壁など見えません。 無論足元は見えませんので、前方の明かりだけを頼りに、つまづかないよう、摺り足で進みます。
       “携帯電話”の明かりで見ると、すべて素掘りのままで、補強などは一切されていません。(スマホという言葉も嫌いです)

       高校生のときに読んだ佐藤鉄章さんの小説『季節風の彼方に』の中に「暗いトンネルの向こうには必ず明るい光がある」という一節があって、私の座右銘になっているのですが、もしこのトンネルが曲がっていて出口が見えなかったら、私はやっぱり引き返しただろうと思います。

    • 【 惨劇のあと? 】

       トンネルを抜けてほっとした気分で歩いていると、道が人一人分の狭さになり、その道いっぱいに鳥の羽根が。 
       量と色からしてウミネコでしょうか? トンビにでもやられたのか、またしても気が塞ぎます。

    • 【 恐竜の骨!・・・? 】

       羽根を踏まないようにそっと通り抜けると、砂地に出ました。
       と、そこには2mを超す恐竜の骨が!
       なーんちゃって、流木でした。

       小枝も蛇に見えるほどの小心者が真っ暗なトンネルをくぐったあとですので、お許しください。

    • 撮影場所の地図

      【 小浦海岸 】

       小浦海岸に出ました。
       足跡は私のものです。
       えっ、つま先が向こうを向いているって? 鋭いですね。
       実は、前方の低くなっている所まで歩いて、足跡がつかないように遠回りをして撮影位置まで戻ったのです。

       年金暮らしの白髪ジジイが何をやっているんですかね。 人に見られなくて良かったです。

    • 【 岩にぶつかる波 】

       風が強くなってきました。 
       上げ潮と重なったようで、打ち寄せる波も荒くなり、ちょっとばかり怖い感じです。

    • 【 目の前の波も 】

       目の前の波も激しくなり、泡立った潮が足元まで迫ってきます。
       砂浜がどんどん狭くなり、危険を感じたので引き揚げることにします。

    • 【 初めて見る貝 】

       帰り際にこんな貝を見つけました。
       丸太に付着した様子はカメノテに似ていなくもありませんが、私の知るカメノテはもっとごつごつしていますし、貝の下に本当に亀の脚のような肉塊がありますので、これはどうも違うようです。
       帰ってから図鑑で調べてみましたが、分かりませんでした。

      ※ 今日、この旅行記を読んでくださった4トラベル会員の「琉球熱」さんから、この貝は「烏帽子貝」だとご指摘をいただきました。
        加えて、それが貝とはいいながら実はフジツボの仲間、もっと言うとエビやカニと同じ甲殻類であることも教えていただきました。
        急いでネットで「烏帽子貝」を検索すると、まさしくぴったりの写真が出ていましたし、生物学上の分類もまさに甲殻類とありました。
       これで、これからは誰かと海岸を歩いているときに「これは烏帽子貝というんだよ。でもね、貝に見えるけど、実はエビ・カニの仲間なんだよ」と“さり気なく”語ることができます。ありがとうございました。 2016/12/11 追記

    • 【 ひょうたん池 】

       そこからまた4kmほど北上すると、「ひょうたん池」という池があります。
       何の変哲もない池ですが、次の長浜海岸に行くにはこの池が目印になります。 なにしろ、海岸への道は道標もなく、オフロードバイクでも通れない、獣道に毛の生えたような分かりにくい道ですので。
       私も実際に海を見るまでは、この道でいいんだろうか?と不安なままに歩いていました。

    • 【 長浜海岸への道 】

       なんたって、こんな道ですから。
       本当にこの先に海岸なんてあるのでしょうか?

       私は蛇を恐れて、棒切れで辺りの草をバシバシ叩きながら進みました。

    • 【 狭いトンネル 】

       すると前方にまたしてもトンネルが。
       しかもこのトンネルは狭く、身をかがめながら通らないと、所々で頭をぶつけます。 実際に私は帰るときに頭を打ちました。

    • 【 トンネル入り口 】

       トンネル内は下り坂で、しかも曲がっているらしく、向こうは見えません。
       数m入っただけで、何も見えない暗闇になってしまいました。

    • 【 滑る足元 】

       壁を手で探りながら進むと、出口が見えてきました。
       それでも真っ暗ですから足元は見えません(写真はフラッシュを使っています)。
       下り坂で、水が流れていますから、滑ります。 ちょっとの油断で尻餅をつくことになりますのでご注意ください。
       私は尻餅なんかつきませんでしたよ。 本当ですよ。絶対につきませんでしたよ。

    • 【 トンネルの出口 】

       トンネルの出口です。
       ここからは誰かが立木に結びつけたロープにつかまって崖を下ります。
       ロープはいかにも古く、第一、なんでこんなものをと思うくらい細いのですが、それ以外にはつかまる物がありませんし、両足を載せるような足場もありませんから、とにもかくにもそれに頼ることになります。

    • 【 長浜海岸 】

       少し下ると、ロープを離しても立っていられる棚場がありました。
       といっても人一人分の幅しかありませんので、強風でも吹いたらひとたまりもありません。 へたにカメラを構えたりしてバランスを崩したら、真っ逆さまに浜まで落ちてしまいます。
       ですから、ロープを左手にからませたまま、へっぴり腰で写真を撮りました。

    • 【 長浜海岸 】

       ここから先はロープがありません。
       こわごわ覗いてみると、下は垂直の岩になっていて、つかまれるような木も生えていません。
       ここまで下りてこられたし、ペットボトルも落ちていたくらいですから、なんとか下まで下りる方法があるに違いないと思って思案しているときに、ふと、虫が知らせたというか、携帯電話の電波を確認してみました。
       何年も見たことのない「圏外」の文字が!
       ということは、無理して浜まで下りて、もしくは落ちて、もし登れなかったら・・・。
       眼下の狭い砂浜は、満潮時にはすっかり水の底になってしまうに違いありません。 そんな状況で電話が繋がらないとしたらどうなるでしょう。

       「崖下に老人の死体?千葉県御宿町」

       新聞の見出しが頭をよぎりました。
       ここで引き返す決断をしたのは・・・万人に褒められる賢明な判断であったと・・・自分では思っています。

    • 【 実は立入禁止 】

       なんとも危険な崖でしたが、実はトンネルに入る前に、写真の看板を見ていたのです。
       ですが、この先に断崖絶壁を背にしたきれいな浜がある筈だと思うとあっさり引き返す気にはなれず、「ちょっとぐらいなら」「もうちょっとだから」と自分に言い訳しながら進んでしまいました。

       後日、御宿町のある観光機関に行き、なんとか長浜海岸に行く方法はないでしょうか?と訊いてみました。

       「トンネルの先から下りられますよ」
       「えっ? 立入禁止になっていましたが・・・」
       「大丈夫ですよ、気をつけて行けば」
       「そうですか。実は行ったんです。 でも途中でロープがなくなって、それ以上は進めませんでした」
       「いや、ロープはありますよ。 内緒だから目立たないようになってますけどね。 私たちもそれで下りてますよ」

       看板は何なのでしょう。 その観光機関の名ですか? こんな所に書くと、応対に出た人が探し出されて責任云々という騒ぎになるかも知れませんので、ご勘弁ください。 れっきとした機関ではありますが。

    • 【 同じトンネルを戻る 】  

       さて、それ以上下りることを諦めた私は、ロープをたぐりながら、さっきのトンネルまで戻りました。
       写真では平坦に見えますが、手前は崖です。 足元の石には絶対に乗らないでください。 ズルッと滑ったら、体を支える障害物はありません。

    • 【 トンネル内にカエルが 】

       気は進みませんが、ほかに道がないので仕方なくまたトンネルに入ります。
       と、足元で何かが動く気配が。
       携帯電話の灯りで確認すると、なんとカエルがいました。 カエルは子供のころさんざん遊んだ相手ですから嫌いではないのですが、こういう所で見ると、あまり気持ちの良いものではありません。(写真はフラッシュを使っています)

    • 撮影場所の地図

      【 フロンティアマーケット・牛舎8号 】

       というわけで長浜海岸には下りられず、なんだかモヤモヤした消化不良の感じが残りましたので、目先を変えて「フロンティアマーケット・牛舎8号」という訳の分からない所に行ってみます。
       御宿駅からは山側に4kmほど入った所で、ちょっと分かりにくいのでナビを使った方がいいでしょう。
       
       「無国籍、ノージャンル」と銘打っているだけあって、最後までそこが何なのか分かりませんでした。
       まず、なにやら遊具のようなものが目に入ります。
       手前のコンクリート面はおもちゃの白バイ(有料)に乗って遊ぶ所です。
       後ろの建物はやけに長いですが、中で卵かけご飯が食べられます。 ご飯を茶碗によそうのから、卵を台から取ってご飯にかけるのも、さらに代金を受け皿に入れるのまで、ぜーんぶセルフサービスです!
       卵は買って帰ることもできますが、1個60円ということなので、スーパーで1パック180円なんていう卵を買っている年金生活者としては、とても手が出ません。

    • 【 レトロぶーぶー館 】

       細長い建物は他にも何棟かあり、その一つに「レトロぶーぶー館」という看板が懸っています。
       入ってみましょう。(無料)
       
       おや、まあ。 確かにレトロなぶーぶーが何台も並んでいます。
       映画『三丁目の夕日』に出てくるような車ですね。 今となっては貴重なもので、ワクワクします。
       給油機も、よく残っていたものだと感激します。
       壁には昔のバスの正面にあった、巻き取り式の方向幕らしいものがずらりと並んでいて、これまた郷愁をそそります。

    • 【 丸ハンドルの三輪車 】

       私の子供のころ、三輪トラックは車内にオートバイのようなバーハンドルがついているものが主流でした。当然一人乗りです。
       そこに現れたのが写真のような丸ハンドル二人乗りの三輪車で、これはもう、後光がさすくらい輝いて見えました。 
       私もよく助手席に乗せてもらって、訳もなく得意になったりしたものです。

    • 【 トミカのプラレール 】

       同じ空間ですが、目を転じるとトミカのプラレールが。 レトロぶーぶー館なのになぜレトロではない玩具が?と細かいことを言うのはよしましょう。
       壁には「ぶーぶー」ではない列車の方向板や愛称板が並んでいますし、この脈絡のなさがなんとも“レトロ”ではありませんか。

       なお、このプラレールは15分100円で遊ぶことができます。

       自販機の横のカーテンから先は消防自動車博物館になっていて、有料(500円)です。 入ってみましょう。

    • 【 消防自動車博物館 】

       長い建物を縦半分に仕切ったスペースが消防自動車博物館です。
       本物の消防車や救急車を趣味で集めたという個人(酔狂としか思えません)の展示場で、中には実際に走れるように車検を取っているものもあるとか。
       昔の消火機器なども展示してあります。
       
       こんな長い建物をわざわざ作ったのでしょうか? 
       いやいや、実はこれ、使わなくなった牛舎なのだそうです。 こういう建物はほかにも何棟かあり、その一つで卵かけご飯が食べられるのはさっき述べたとおりです。

    • 【 トヨダKB消防ポンプ車 】

       説明板に「トヨダKB消防ポンプ車」と書いてあります。
       トヨタではなくトヨダというのが懐かしいですね。 それに「消防ポンプ車」という言い方もいいじゃないですか。
       
       ウワーッ! この方向指示器! 泣けますねー。 
       どれが方向指示器か分からないって? エヘン! 若いモンには分かるまい。教えてやらないよ~。 (どこまでも馬鹿なねんきん老人です)

       余談ですが、私は子供のころ、「マー坊ポンプ」って呼ばれていました。 名前がマサオで、小学校の5年生までオネショをしていたからです。 余談すぎましたね。

    • 【 救急車 】

       なんと! 救急車まであります。
       子供のころ、救急車を見たという記憶はありませんが、あったんですねぇ。

       初めて見るものですが、一目で救急車と分かったということは、色と形の基本が今と同じだということですね。 なんだか感動です。

    • 【 おもちゃの消防車 】

       消防自動車博物館の中にはおもちゃの消防車もごちゃごちゃと並んでいます。 お宝鑑定団に出せそうなものも沢山あります。 残念ながら触れませんので、お子さんを連れてくるのはちょっと可哀想な気もします。
       
       

    • 【 消防車、消防車、消防車! 】

       よく集めたものだと思います。

       でも、子供は手に取って遊びたいだろうし、大人は前後左右から眺めて細部をチェックしたいでしょうね。
       こうしてびっしり並べて、正面だけ見せられても、単に「よく集めたな」というだけで終わってしまうような気がしますが。

    • 【 鶏舎 】

       外に出てみると、鶏舎も何棟かあります。 というより、今では養鶏が主になっているようで、全部で9000羽の鶏がいるとのこと。 この施設の経営は卵の販売で成り立っているものと思われます。

       それはそうと、この顔出し看板、鶏の腹のあたりとサイロの真ん中に穴が開いています。 そんな所から顔を出す意味があるのでしょうか。

    • 【 馬が・・・ 】

       広い敷地内は自由に歩き回ることができ、ドッグランなどもあります。
       で、歩いていると馬が・・・。 なんでも引退した競走馬だそうですが、何のために飼っているのか分かりません。

       というわけで、およそ統一感のない、ナンデモアリの、訳の分からない場所、それが「牛舎8号」です。
       二度三度と行く気になるかどうかは分かりませんが、一度は話のタネに行ってみるといいと思います。
       私はもう一度、孫を連れて行きたいと思います。 そのときには思い切って60円の卵をご飯にかけて、“TKG”を食べてみましょうか。

    • 【 御宿中央海水浴場 】

       かくして御宿での一日は終わりました。
       それまで漠然と聞いていた400年前の海難事故について、改めて考えるきっかけになったのは収穫でした。
       ちなみに私は、上っ面の知識と浅い考証を恥ともせず、自身のHPにこの事故の顛末と、それが必ずしも美談というだけではないという所感を書いていますので、もし老人のたわごとにお付き合いくださる暇がおありでしたら、ご一読いただければ幸いです。

       http://zatsunen4989.web.fc2.com/hitorigoto/066_onjukukainanjiko.html
       検索ワード「イスパニア船サン・フランシスコ号遭難事故に思う」

       さてさて長くなりましたが、「おんじゅく」という町について、名前くらいは覚えていただけましたでしょうか?

       私は御宿が好きで、度々足を運んでいます。
       その御宿を「海女のいない海女の町」としてご紹介するのは、かえすがえすも残念なことなので、私は声を大にして申し上げます。
       あわび、とこぶし、いせえび・・・磯物の宝庫である御宿に海女を復活させて町おこしをしてはどうでしょうか。
       海女というだけではNHKの連ドラ『あまちゃん』の舞台である岩手県久慈市に負けるかもしれませんが、かすりを着ない、つまり上半身裸の海女が復活すれば、全国のオジサンたちがよだれを垂らして駆けつけると思うのですが・・・。

       と、最後まで裸の海女に未練たらたらの「ねんきん老人」でした。

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