2016/08/25 - 2016/08/25
84位(同エリア415件中)
玄白さん
お盆を過ぎ日中こそ残暑は厳しいものの、朝晩はそよ風が心地よくなる晩夏の頃。栃木市西北端にある出流山(いづるさん)に自生するシュウカイドウ(秋海棠)が見頃を迎えているというので、出かけて来た。
シュウカイドウは中国原産ではあるが、江戸時代初めに園芸用として持ち込まれ、今では湿気の多い半日蔭の林の中に自生している人里植物である。ベゴニアの一種だが、ベゴニアのように花は密集しておらず、控えめな咲き具合、ピンクの花の色合いは、どこか”和”の雰囲気がある花である。
出流山中腹の満願寺には、境内にちっちゃな鍾乳洞があるのが珍しい。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車
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いつもは早起きして出かけるのだが、今日はのんびりと11時頃出発。
現地に到着すると、ちょうど昼食時。出流山周辺は、栃木県内でも品質が良い蕎麦の産地として、県内では良く知られている。
となれば、やはり蕎麦を食さねばなるまい。この辺りの蕎麦屋の中でも食べログなどで評価が高い「いづるや」へ。元祖手打そば いづるや グルメ・レストラン
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通にはよく知られた店のようで、店内には有名人の色紙がたくさん飾られている。
店の売り文句は3たて、すなわち、挽きたて 打ちたて ゆでたて。
水は、これから訪れる満願寺の奥の院の山肌から湧き出る湧水を使い、つなぎに小麦粉以外に卵が練り込まれているという藪蕎麦系の二八そばである。
蕎麦には、それほどのこだわりはないが、確かにコシがあり、香り高い良い味であった。 -
シュウカイドウが見られるのは、出流山満願寺という寺の奥の院に登る山道と、ここから車で5分ほど走ったところにある「ふれあいの森」キャンプ場の渓流沿いである。
まずは、満願寺へ。
山門の脇を通り抜けて、駐車場につくと、さっそくシュウカイドウにご対面。
奥にみえるのは鐘楼。明治4年に焼失してしまい、最近になって再建されたという。 -
本堂。
この寺は正式名「出流山満願寺」で真言宗智山派の古刹である。日光の輪王寺を開山し、霊峰男体山に初登頂した勝道上人によって創建されたと伝えられている。出流山満願寺 (出流観音) 寺・神社・教会
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本堂の右側横から、1kmほど登っていったところに奥の院がある。その登山道に沿ってシュウカイドウが自生しているのである。
本堂脇の社務所で入山料¥300を払い、奥の院へ向かう。 -
奥の院までの案内図。
1kmほどの山道だが、スニーカーで問題なく歩ける。本堂があるところが、標高280m、奥の院が390m、標高差はわずか110mである。 -
本堂脇には、開祖、勝道上人の銅像。
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奥の院への登山道に沿って、清流が流れている。出流川源流域の支流の一つである。
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この寺の本尊は千手観音菩薩で、坂東三十三観音第十七番札所となっている。そのためか、奥の院への参道の途中にも観音像が安置されている。
真言宗の本尊は大日如来だと理解していたが、如来より1ランク下の菩薩が本尊とは、これ如何? 仏教の信仰心はほとんど持ち合わせていない玄白なので、どうでも良いことではあるが・・・ -
急傾斜を流れ下る出流川支流なので、ところどころこんなミニ滝がある。
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このところの立て続けの台風襲来による大雨で、登山道(参道)は荒れてしまっている。そのため修復工事中で、平日の午前中は入山禁止になっている。
のんびりと11時頃、自宅を出たのはそのためである。 -
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ところどころ、ヤマアジサイも咲いている。この花も湿気を好むので、山あいの渓流のそばでよく見られる。
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シュウカイドウは、一つの花に雄蕊と雌蕊があるのではなく、同一の株で雄花と雌花が別々に咲く。
花の形だけでは見分けるのは難しいが、下を向いて咲くのが雌花、元気に真横や上を向いて咲くのが雄花だそうだ。
この写真では、一番上が雄花、その下の枝は皆雌花のようだ。 -
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参道なかほどにある如蓮堂という小さな御堂。
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如蓮堂横に立つ石仏。どんな仏像なのか、説明は無し。
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か弱そうな花びらに対し、丸く固まった黄色の蕊は存在感がある。
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コミスジチョウ or ホシミスジチョウ。 どちらだろう?
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苔むした仏像
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太子堂という小さな祠。
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ヤマツツジとシュウカイドウと・・
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シュウカイドウの群生の密度が濃くなってきた。
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この階段を登れば休憩所、大悲の滝が近い。
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奥の院の真下まで来た。大悲の滝という落差8mほどの滝だ。出流山腹から湧き出る湧水が流れ落ちている。
滝行をする神聖な場所なので注連縄による結界が張られている。この寺の修行僧だけでなく、希望があれば、一般人も指導料¥10,000で滝行ができるという。 -
滝の上には、不動明王ほか3体の仏像が鎮座している。
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イチオシ
滝とシュウカイドウ
大雨の直後で、水量がものすごく多い。 -
滝壺付近は湿気が一段と増しているので、倒木にはキノコがビッシリ。
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シュウカイドウの中に一株だけ咲いている白い花はヤブミョウガかな
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滝壺付近から舞台造りの奥の院拝殿を見上げる。
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奥の院へは100段あまりの段差がある階段を登っていく。
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階段を登り切ると、正面に奥の院本尊、十一面観音が安置されている。頭の上に11の顔があるという特徴的な仏像なのですぐにわかる。
千手観音と並び、奈良時代から人気の観音菩薩であるが、どちらも彫刻作品として見るといささかグロテスクな感じがしないでもない。 -
右手に十畳ほどの広さの小さな鍾乳洞があり、真ん中にたった一つの高さ3〜4mの鍾乳石(石筍)がポツンとたっている。天井から垂れ下がっている鍾乳石はなさそうである。
寺の境内に鍾乳洞があるというので期待していたのだが、ずいぶんとチャッチイ鍾乳洞ではある。 -
だが、この鍾乳洞が奥の院の本殿であり、この石筍が本尊である後向き十一面観音菩薩だとされている。
この寺の縁起によると、天平時代、下野の国司、若田氏高卿の夫人が子供ができないことを嘆き、この奥之院に籠り折念して授かった一子が後の勝道上人だという。
先ほどの滝の水源の湧き水は、この鍾乳洞の中から湧き出ているのである。 -
帰り道も、ときどき立ち止まっては花の写真を撮りながら下っていく。
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帰りは主にアップでシュウカイドウを撮影。
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遠目ではわからないが、台風の影響で傷んでいる花が多い。傷みが少ないきれいな花を探して撮影していく。
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満願寺を後にして、車で5分ほどのところにある「出流山ふれあいの森」キャンプ場へ。
ここは出流川本流の川岸にシュウカイドウがみっしりと自生しているのである。出流 ふれあいの森 キャンプ場
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キャンプに来ている家族の子供達が渓流に入って水遊びをしている。そこで、子供達に混じって靴を脱ぎ水の中に入って撮影してみた。
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出流川本流の源流も湧き水なのだろうか、けっこう水が冷たい。
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あまり長居はできないので、数枚撮影したところで川から上がる。
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キャンプ場事務所の前に咲いていたキバナコスモス。シータテハチョウが飛び回っていた。
以上、3月のミツマタ群生、4月のイワウチワ群生についで3回目の自然の花群生地訪問記だった。
参考
http://4travel.jp/travelogue/11114772
http://4travel.jp/travelogue/11119093
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