東カザフスタン・オスケメン市を車窓から

2016/08/14 - 2016/08/15

マルカコリ湖から、オスケメン市に戻ってきました。

このオスケメン市は以前は、ウスチカメノゴルスクと呼ばれていました。
ソ連時代はロシア人が大半でした。
現在でもロシア人がマジョリティーでカザフ人がマイノリティーの町です。

オスケメン市も含めて、東カザフスタンのアルタイ地方には、いわゆるヴォルガ・ドイツ人（エカテリーナ２世の時代にヴォルガ川流域にドイツからの移住。スターリンによってカザフスタンに強制移住させられた）が多くいました。
このヴォルガ・ドイツ人がドイツ連邦に移住して空き家になったところに、カザフ人が居住していきました。

地元のロシア人たちは「ドイツ人はとても綺麗好きで窓はピカピカだった。窓辺にはお花が一杯飾られていた。ドイツ人がいなくなったあとでカザフ人がやって来て、町は綺麗でなくなってきた」などと、この町ではささやかれています。

南都アルマティ近辺みたいに、ロシア人とカザフ人の間がしっくりいっていないようです。

ソルジェニーツィンさんはソ連崩壊時に、「余分な皮下脂肪である中央アジアを引き離せば、ロシアは豊かになる」という一方で、「カザフスタン北部はロシアのものだ」と民族主義をあおりました。
「あの時代は大変でした。ロシア人とカザフ人の民族主義者たちが騒いでいました。カザフスタンの大統領は、そのような挑発にはのりませんでした」とウラリスクのカザフ人ガイドさんは言っていました。さらに「ソルジェニーツィんさんはいい作家だけど、いい人じゃない。」とも。

エリア その他の都市(カザフスタン)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 5.0

オスケメン市が見えてきました。
ソ連時代はウスチカメノゴルスクと呼ばれていました。
工業の町です。

富裕層の住宅建築です。

巨大なモスクが見えてきました。
この町からヴォルガ・ドイツ人は殆ど去って、ドイツ連邦に移住しました。
そのあとにカザフ人がやって来ました。

モスクです。

イルティシュ川です。

ロシア正教会です。
こちらは新しいです。

裏には神父の住宅と古い教会があります。

古い教会。

町はロシアの地方都市の風景と同じです。
住民もロシア人がマジョリティです。

カザフスタン独立直後はカザフ人の割合は今よりも低く、ロシア人の中にはカザフ人を見下す人もいて大変だったようです。

永遠の火。
大祖国戦争の戦没慰霊碑。

１９４１年6月22日
ナチス・ドイツはソ連を奇襲攻撃しました。

Shiny River Hotel
四つ星
すごくいいホテル。

オスケメン空港に向かいます。

みんな仲良く。
色々な民族衣装を来た子どもたちに囲まれた、ナザルバエフ大統領。
カザフスタンには１２０の民族が一緒に生活しています。


独立直後は「カザフスタンの北はロシアのものだ」とソルジェニーツィンさんは
ロシア至上主義をあおりました。

ウラリスクのガイドさん曰く「ロシア人だけでなく、カザフ人のナショナリストも騒いでいました。このままでは戦争になります。でも大統領は沈黙を通しました。決して挑発には乗りませんでした」

カザフスタンが独立直後には、「ロシアとカザフは一つの運命」というポスターが
あちこちに張られました。

残念ながら今でも北に行くほどロシア人とカザフ人はしっくりいっていないようです。

利己的で独善的な民族主義なんて百害あって一利なしですね。

日本でも「愛国心」を口に出す輩は、胡散臭い連中ばかりですね。

カザフ人はソルジェニーツィンさんを好きではありません。

チェチェンとロシアの戦争勃発時に、ソルジェニーツィんさんは次のようなことをいいました。
「チェチェンの独立を認める代わりに、ロシア全土にいるチェチェン人をカフカスの小国チェチェンに強制送還しろ」とも。

カザフスタンにもチェチェン人はあちこちにいます。

オスケメン空港です。

イルティシュ川とオスケメン市。

郊外に出ると、丘陵地帯です。