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アメリカの「日本庭園」に関する雑誌やフランスのミシェランで好評を得ていることで評判になっている庭園と美術館。私の評価は厳しいので、足立美術館ファンは以下は読まないでほしい。<br /><br />2011年5月に訪問した写真を見直していると、美術品は撮影禁止なので、いくつか気に入っていた北大路魯山人のものなどは、どんな作品があったか忘れた。説明パネルはその時熱心に読んだ記憶があるが内容は忘れた。<br /><br />実際、北大路魯山人に関してはその後も興味があって、本を読んだりした。彼のエッセイも面白い。多彩な人。料理に関する話は相当読んだ。彼の日本料理に関する話は相当、納得もした。数ヶ月前、銀座の「久兵衛」で寿司を食った後、北大路魯山人と久兵衛の大将の付き合いに関する展示があり、とても面白いと思った。  <br /><br />ただし、魯山人のフランス・ワインの知識はまったくド素人だ!パリのレストランでの対応も笑ってしまった。今の基準で判断してはかわいそうだろう。なにしろ、あれもこれも手を出した趣味人であるから、その発想は面白いのだが、ワインのように頓珍漢な反応を示す分野もある人だとわかった。だからといって、魯山人の評価は私的には下げるどころか、日本の文化的趣味人として、第一級であると思う。この足立美術館で一番面白かったのは、この魯山人にちゃんと出会えたことだ。<br /><br />ところで、横山大観の絵は見た時には、いい作品がなかった!覚える必要もない。感激しなかったのだがら。。。もう少しいい作品を所蔵しているはずだが、あの程度の作品を陳列して、大人2300円はないだろう!!!ただし、あの時はバスツアーで訪問したので、少し割引になっているはずだが、それでも、高いことは間違いない。<br /><br />庭園のほうは、人工美をつくしており、不自然に(!)整っている。私の趣味ではない。数か月前に見た兼六園などとは比較にもならない。アメリカの日本庭園ファンは、模倣したぴかぴかの人工的な庭園や箱庭を見慣れているから、こういう庭園に点が高くなるだろうというのは予想がつく。ミシェランが3つ星というのは少し納得がいかない。彼らのほうが、まだ、普段まともな感性を示すというのが私の過去の経験だ。もっとも、彼らが好評価を出していることに文句を言っているのではない。外国人が来てくれるのはいいことだ。高度技術品の輸出が激減している今、日本で稼げるような高得点の場所があるというのは喜ぶべきことだろう。<br /><br />もっとも、この程度の庭園に驚いていたら、伝統を受け継ぐ京都の名庭園などでは卒倒してしまうだろうが。。。兼六園の庭園などの自然な構成と色彩感に比べると、ここは、一昔前のテレビの液晶画面のような単純な色彩感と奥行きのない構成感を感じてしまう。実際、離れた山の借景と狭い敷地の奥の木々の間が離れすぎて、不自然な奥行き感があるのはまずい。借景と庭園に繋がりがないのだ。敷地が狭すぎるからだろう。京都の天龍寺の庭園のような自然な借景との融合や連続感は望むべくもない。<br /><br />最初の一枚には、庭園とその奥の借景との繋がりの悪さがでている。

足立美術館(アメリカ人やフランス人に受ける庭園)

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2011/05/22 - 2011/05/22

37位(同エリア309件中)

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tad

tadさん

アメリカの「日本庭園」に関する雑誌やフランスのミシェランで好評を得ていることで評判になっている庭園と美術館。私の評価は厳しいので、足立美術館ファンは以下は読まないでほしい。

2011年5月に訪問した写真を見直していると、美術品は撮影禁止なので、いくつか気に入っていた北大路魯山人のものなどは、どんな作品があったか忘れた。説明パネルはその時熱心に読んだ記憶があるが内容は忘れた。

実際、北大路魯山人に関してはその後も興味があって、本を読んだりした。彼のエッセイも面白い。多彩な人。料理に関する話は相当読んだ。彼の日本料理に関する話は相当、納得もした。数ヶ月前、銀座の「久兵衛」で寿司を食った後、北大路魯山人と久兵衛の大将の付き合いに関する展示があり、とても面白いと思った。  

ただし、魯山人のフランス・ワインの知識はまったくド素人だ!パリのレストランでの対応も笑ってしまった。今の基準で判断してはかわいそうだろう。なにしろ、あれもこれも手を出した趣味人であるから、その発想は面白いのだが、ワインのように頓珍漢な反応を示す分野もある人だとわかった。だからといって、魯山人の評価は私的には下げるどころか、日本の文化的趣味人として、第一級であると思う。この足立美術館で一番面白かったのは、この魯山人にちゃんと出会えたことだ。

ところで、横山大観の絵は見た時には、いい作品がなかった!覚える必要もない。感激しなかったのだがら。。。もう少しいい作品を所蔵しているはずだが、あの程度の作品を陳列して、大人2300円はないだろう!!!ただし、あの時はバスツアーで訪問したので、少し割引になっているはずだが、それでも、高いことは間違いない。

庭園のほうは、人工美をつくしており、不自然に(!)整っている。私の趣味ではない。数か月前に見た兼六園などとは比較にもならない。アメリカの日本庭園ファンは、模倣したぴかぴかの人工的な庭園や箱庭を見慣れているから、こういう庭園に点が高くなるだろうというのは予想がつく。ミシェランが3つ星というのは少し納得がいかない。彼らのほうが、まだ、普段まともな感性を示すというのが私の過去の経験だ。もっとも、彼らが好評価を出していることに文句を言っているのではない。外国人が来てくれるのはいいことだ。高度技術品の輸出が激減している今、日本で稼げるような高得点の場所があるというのは喜ぶべきことだろう。

もっとも、この程度の庭園に驚いていたら、伝統を受け継ぐ京都の名庭園などでは卒倒してしまうだろうが。。。兼六園の庭園などの自然な構成と色彩感に比べると、ここは、一昔前のテレビの液晶画面のような単純な色彩感と奥行きのない構成感を感じてしまう。実際、離れた山の借景と狭い敷地の奥の木々の間が離れすぎて、不自然な奥行き感があるのはまずい。借景と庭園に繋がりがないのだ。敷地が狭すぎるからだろう。京都の天龍寺の庭園のような自然な借景との融合や連続感は望むべくもない。

最初の一枚には、庭園とその奥の借景との繋がりの悪さがでている。

旅行の満足度
3.0

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  • 以下、撮影順に全ての写真を並べる。<br /><br />この写真でも、奥のほうの山は遠くにあり、霞んで見えるが、それより手前は狭い空間なので、くっきりと奥行きのない庭園に見える。ちょうど、2枚の写真を合成したような景色なのだ!奥行きに立体感がない。

    以下、撮影順に全ての写真を並べる。

    この写真でも、奥のほうの山は遠くにあり、霞んで見えるが、それより手前は狭い空間なので、くっきりと奥行きのない庭園に見える。ちょうど、2枚の写真を合成したような景色なのだ!奥行きに立体感がない。

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この旅行記へのコメント (2)

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  • Keiさん 2016/10/24 11:42:54
    見る人が見ればという感じでしょうか
    tadさん、こんにちは

     乱暴ではございますが、旅行記を片っ端から拝読させていただいてます。

     足立美術館の庭園、ド素人で感性の足りないオヤジには普通にきれいな庭園

     としか感じられませんでした。確かにtadさんご指摘の立体感については「なるほど」

     と思う部分もありますが、所詮「オヤジの耳に念仏」といったところでしょうか。

     tadさんのような感性の高い方が質の高い経験を経て感じられる領域なのかなと
     
     ひたすら感心してしまいました。


     ところで、美術館の作品展示や料金については大いに納得できます。

     色々な美術館が海外から作品を借りて特別展をやっていますが、メイン2〜3点で

     この値段は高い!と思ってしまいます。(日本で見れるという事を割り引いても)

     現地を訪れれば料金が日本より高くても、日本の特別展を見た時よりも満足感を

     得られます。

     見たい作品が貸し出し中だったり、展示が変わったり(美術館がどうというよりも

    運の良し悪しですが)

     また現地の美術館では写真撮影OKなのに、日本に来るとNGとなるのが殆ど。

     文句を言うと「現地美術館の意向なので」などと言われますが納得いきません。

     とまあ文句を言っても仕方ないのでしょうが・・・

     デトロイト美術館展が月・火が写真撮影可能との事で全部撮影してやろうかと

     思っているこの頃です。

     愚痴ばかりになってしまいスミマセンでした。

     Kei

     


     

    tad

    tadさん からの返信 2016/10/24 16:44:42
    RE: 見る人が見ればという感じでしょうか
    > tadさん、こんにちは
    >
    >  乱暴ではございますが、旅行記を片っ端から拝読させていただいてます。
    >
    >  足立美術館の庭園、ド素人で感性の足りないオヤジには普通にきれいな庭園
    >
    >  としか感じられませんでした。確かにtadさんご指摘の立体感については「なるほど」
    >
    >  と思う部分もありますが、所詮「オヤジの耳に念仏」といったところでしょうか。
    >
    >  tadさんのような感性の高い方が質の高い経験を経て感じられる領域なのかなと
    >  
    >  ひたすら感心してしまいました。
    >

    Keiさんが、「ド素人で感性の足りないオヤジ」だというのは、御冗談でしょう!
    イタリア美術等の探訪記は、どれを読んでも、いつも、感服しております!


    >
    >  ところで、美術館の作品展示や料金については大いに納得できます。
    >
    >  色々な美術館が海外から作品を借りて特別展をやっていますが、メイン2〜3点で
    >
    >  この値段は高い!と思ってしまいます。(日本で見れるという事を割り引いても)
    >
    >  現地を訪れれば料金が日本より高くても、日本の特別展を見た時よりも満足感を
    >
    >  得られます。
    >
    >  見たい作品が貸し出し中だったり、展示が変わったり(美術館がどうというよりも
    >
    > 運の良し悪しですが)
    >
    >  また現地の美術館では写真撮影OKなのに、日本に来るとNGとなるのが殆ど。
    >
    >  文句を言うと「現地美術館の意向なので」などと言われますが納得いきません。
    >
    >  とまあ文句を言っても仕方ないのでしょうが・・・
    >
    >  デトロイト美術館展が月・火が写真撮影可能との事で全部撮影してやろうかと
    >
    >  思っているこの頃です。
    >
    >  愚痴ばかりになってしまいスミマセンでした。
    >
    >  Kei
    >

    以上の部分はまったくもって同感です!!!私も似たようなことを繰り返し書いています。愚痴どころか、私の場合は怒りに近い文句を東京国立博物館でも案内担当者にぶつけました。いつ、行っても、所蔵する国宝レベルの名作はほんの一部しか展示されていませんし、たいてい、国宝級のいいものは撮影禁止なのです!がらくたを撮影に来たのではないといいたくなりますね!ミロのヴィーナスやボッティチェリの春などだけが撮影禁止になったら、あちらの客は狂うでしょうね!

    ヨーロッパはその点、太っ腹な美術館が多いと思いますね。ロンドンのナショナル・ギャラリー等は珍しく撮影不可ですが、そのかわり、毎日のように、無料で入館できますから、好きな作品は覚えるほど、何十回も見ています。 それらに比べると、国内の博物館や美術館は確かに、総じてドケチなうえに、内容が貧弱なところが多いですね!音楽会も料金が馬鹿高いですし!

    あちらから借りてきたものを並べて御茶を濁す江戸東京歴史博物館のシーボルト展は、料金がやたら高いと聞いて呆れてしまい、行くのを辞めました。代わりに、東京国立科学博物館のシーボルト展に入りました。確かマイ・ナンバー・カードで無料でした。でも、シニア料金設定が日本はまだ少ないですね。

    今年は親族の病状その他で海外に出掛けにくいので、国内旅行に限定していますが、そろそろ、このところ、堪忍袋の緒が切れそうになっています。。。ヨーロッパに戻りたいですね。。。

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