2016/08/06 - 2016/08/06
696位(同エリア1523件中)
マローズさん
[1kmのウォーターシューターと人のいない上流部]
全国には川床が滑らかで、滑るように水が流れる渓谷はいくつもあるが、それが1kmにも亘って続く渓谷は稀。しかも最奥部は両岸の岩盤と川床が繋がって一体化しており、且つ、丸みを帯びているので、「龍の腹」という名称が付いている。
まさに龍が身体をUの字に折って寝そべっているよう。そしてそのUの字の奥には滝が懸かっており、四つん這いになれば瀑布の裏側に入ることができ、「無理やり裏見の滝(若しくは幼児用裏見の滝)」を体感することも可能。
昔の人は果てしなく続くウォーターシューターのような川床を見て、遠浅の海岸を想起したのか、ここの地名を「海上(かいしょ)」という。東温市川内町明河海上、流れる川を「滑川」、ウォーターシューターと龍の腹部分を「滑川渓谷」という。
川床全体が礫岩層で形成されており、渓流の浸食作用によって、所々で段差や甌穴ができている。
右岸、左岸に何度も木橋で渡りなおすが、渓流は滑るように流れているため、雨が少ない時期は短靴でも渡渉や遡行ができるほど。
渓谷の幅が極端に狭まった箇所辺りから両岸が「龍化」してくる。両岸の岩盤がまるで巨大チューブのような丸みを帯びてくる。
再び渓谷の幅が広がり、「奥の滝」が近づくと岸の岩盤は庇状にオーバーハングしてくる。
奥の滝前は至る所に石積みがされており、賽の河原を彷彿させる。
滝の落差は10mほどで、段差があるため、そこから瀑布の裏側に入ることができる。
ここで引き返せば「ただの観光」に終わるため、滝の天辺部に回り、そこから300mほど上流にあるという「上奥の滝」を目指すことにした。
右岸(東岸)の龍の腹沿いを一旦、北西に上がり、龍の胴体の上部に出ると南東に折り返し、造林作業者が付けた踏み跡を辿って行く。
滝の上流の川床も滑らかだが、傾斜がついている。
しかしウォーターシューター部はほどなく終わり、普通の沢となり、大岩等を除けながら、左岸(西岸)寄りを遡行して行く。
そのうち山道に出た。これは地形図に記載されている青滝山西方の1146mピーク南側を越す峠道だろう。
やがて峠道は判然としなくなり、再び渓谷に出た所で消えていたが、その辺りの川床はまたウォーターシューターになっている。川床は何段かの段差があり、若干滝状になっているが、目指す滝はもっと「滝らしい」はず。
向こう岸に渡渉すると、獣の通った跡か人の踏み跡なのかよく分からないものがあったが、それを辿ると、前述の連続する段差の上流の平坦で川幅が広いウォーターシューター部に出た。
そして遂に「上奥の滝」が姿を現した。滝の落差は奥の滝とさほど変わらない。滝壺も浅いが、川床が平坦なだけに、面積は滝の規模からすると広い。
そこから上流は両岸が崖になっていたため、引き返した。
帰路は峠道をそのまま下って行ったが、この道は遊歩道入口上に建つ小屋に繋がっていた。
[交通インフォメーション]
東温市の西条市寄り、国道11号、落出トンネル南方の分岐に滑川渓谷の道路標識が出ているので、そこから県道302号に折れる。
駐車場は車道終点に5台分(舗装地)と、その手前に7、8台ほど駐車できる未舗装広場があるが、皆、詰めて駐車しないので、両方合わせて実質、8台位しか駐車できないだろう。それでも満車になることは稀。
近くの海上集落内にある「海上」バス停から、前述の車道終点の遊歩道入口(下流にも遊歩道あり)までは徒歩10分位か。
もしこのバス路線がデマンド型バスに移行されている場合は、休日運休の可能性があるため、自治体に確認を。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 交通手段
- 自家用車
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最初の橋。橋を渡らなくても短靴で渡渉可。
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ウォーターシューターは所々で段差がある
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連続する甌穴
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長大な自然の滑り台
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龍の腹が近づくと巨岩が目立つ
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川幅が極端に狭まった箇所辺りから龍の腹となる
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オーバーハングした龍の腹の最奥部に奥の滝が懸かる
滑川渓谷 自然・景勝地
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奥の滝
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子供なら滝の裏側へ回れる
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奥の滝前から下流を見る
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賽の河原的石積み群と奥の滝
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龍の胴体へ上がり、奥の滝を見下ろす
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奥の滝天辺部
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奥の滝上流は傾斜がついている
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連続する段差
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段差の天辺から下流を
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遂に上奥の滝が
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上奥の滝
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浅い上奥の滝滝壺
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遊歩道本道と峠道を結ぶ枝道沿いにある支流も滑らか
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