2016/07/06 - 2016/07/21
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motogenさん
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シーパンドンという地域があることを聞いたのは、ごくごく最近のこと。
ラオスではビエンチャン、バンビエン、ルアンパバーンは有名なのに、南部はマイナーで、その中でもカンボジア国境間近のシーパンドンは、私にとっては秘境に近い。
川幅10km以上にもなるメコンの中に、無数の島々が浮いているという。
そのシーパードンに向かう日は、朝から雲り空だった。
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チャンパサックの舟着き場から対岸に渡ると、そこは小さな集落だった。
ソンテオやバスの通る国道までは、地図で見ると4.3kmある。
毎日散歩している距離だから、まあ、何とかなるだろう・・と歩き出した。 -
雨が降ったばかりで、あちこちに水溜りがあり、場所によっては全面泥沼だ。
気合いを入れて10kgの荷物を背負い、一歩一歩足を運んでいく。 -
下半身裸の男の子が、入り口前で尻を表に向けてウンチをしていた。
最近の日本の小学校では、ウンチをするのが恥ずかしい子供が増え、男子トイレも全て個室化にという記事を見た。
ラオスの子供と日本の子供の違いが面白い。 -
道は山の中に入っていく。
1kmほど歩いた時だった。
後からやって来た車が横に止まって、窓が開き、乗って来いと手招きされた。
立派な姿をした警察官だった。 -
ありがたく乗せてもらう。
そして乗せてもらって良かったとしみじみ思う。
そこからの道は人里離れた山の中で、ぬかるみだらけ、左右に蛇行して走らなければならない道だった。
車で走っても遠いと思える距離だった。 -
国道に出たところで降ろしてもらう。
何度もお礼を言ってお別れした。
車は泥まみれだった。
ラオスには悪徳ポリスが蔓延していて、庶民から賄賂をとったり、いばったり散らしたり・・・
という話を聞いていたけど、その話、訂正しなければならない。 -
目の前に広い国道が走っていた。
こんな時間にソンテオは通るのだろうかと不安だったが、ほんの1分ほどでソンテオが現れた。
夢みたい!
渡し舟の件といい、ポリスの車といい、天は私に味方して、とんとん拍子に進んでいる。
「ナカソンまで行くのか」と聞くと、「行く」と言う。 -
大型ソンテオの床には、荷物が山のように積まれている。
荷物の中に人間が混ざっているといった感じ。
こういったソンテオの中には、ものめずらしい日本人の面倒を見てくれるおばちゃんがいるもので、座る場所からバッグの置き方、周囲の様子を教えてくれる。
言葉はほとんど分からないが、言っていることはカンで分かる。 -
道路は一直線。
舗装の状態も良い。
後に座っているのが車掌らしい。 -
先ほどまでお婆ちゃんに甘えていた女の子は、乗り飽きてしまって、丸くなって寝てしまった。
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どこかで変な音がする。
ピヨヒヨピヨヒヨピヨヒヨピヨヒヨ・・・
ひよこが居るようだ。
声の出所を探してみると、どうもこの箱の中みたい。
持ち主のお姉さんが、箱の隙間から一握りの穀物を流し込んだ。 -
ソンテオは客を降ろしたり拾ったりしながら、快調に走っていく。
この道路は、最近森林を切り開いて作られたに違いない。
それでなければ、こんな一直線になるはずがない。
時々現れる集落も、道路と共に出現したものに違いない。
昔からの集落はメコン沿いにあって、この国道とは未舗装の道で結ばれている。
国道沿いの集落は発展し、メコン沿いの歴史のある集落は衰退しつつあるのではないだろうか。 -
集落で客を拾うために止まると、商いのおばちゃんたちが殺到してくる。
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バケツの中には、水とジュース・・
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焼き鶏に竹ごはん・・・
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ソンテオの中にまで売りに来る。
そしてけっこう、これが売れる。 -
こんな小さな子供までが、フルーツを売りに来た。
働き者のラオス女性は、こうして逞しく育っていく。 -
大家族が手に手に荷物を持って乗りこんできた。
おやまあ、こんなに小さくて若いお母さん・・? -
いや、お母さんはこちらでした。
-
若い娘はこの子のお姉さんだった。
もしかしたらまだ小学生の年齢かも。
弟の面倒をしっかり見続ける。
抱かれている幼い子も、少しくらい居心地が悪くてもぐずらない。
幼いくせに悟っている。
ジーンとさせるものがある。 -
時々雨が降ってきて、車掌はずぶ濡れになることもあるけれど、しばらくすると晴れ間となって、すぐに衣服は乾いてしまう。
もうかれこれ3時間近く走っている。
ナカソンは近い。
車掌が集金に回りだした。
隣のおばちゃんも、若い娘さんも50000キップ札を出している。
私もまねて50000キップ札(650円)を出した。
すると10000キップのお釣りが戻ってきた。 -
国道から脇道に入り、メコン沿いの集落に止まった。
市場がある。
ここがナカソンと思ったら隣町だった。 -
積み込んであった荷物の大半はここで降ろされた。
穀物、野菜・・・
この市場で売られるらしい。
ソンテオはトラック輸送も兼ねている。 -
それから10分後、ナカソンに到着した。
楽しかったソンテオの旅の終わりだ。
幼い子を連れたお姉ちゃん一家も、私の面倒を見てくれたおばちゃんも、みんな散り散りとなっていく。 -
しかしここは町の入り口付近のようで、舟付き場は見えない。
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両替所やレストランの並ぶ道を、川に向かって進んでいくと
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良かった・・メコンが見えてきた。
お店はいっぱいあるのだが、気がせいて見る余裕はない。 -
川辺をのぞく。
そこには無数の渡し舟が停泊しているけれど、デット島に渡るには、どの舟に乗れば良いのか分からない。ナカサン港 駅
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案内板も、チケット売り場も見つからない。
「デット、デット・・」と連呼していると
「あそこに行け」と指差してくれる人がいて、右に折れて青い屋根の小屋に行く。 -
「デット?」と聞くと、有無をいわずに30000キップ(390円)を請求されて、
「こっちへ来い」と連れていかれた。 -
人が乗り込んでいるこの舟かと思ったら、その舟ではなくて、その奥の誰も乗っていない舟に乗せられた。
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どうも聞いた話と違っている。
ある程度の客数が集まると出発すると聞いていたが、私1人を乗せて出発するようだ。
ボート一艘のチャーター代が30000キップだったのか。 -
舟は岸を離れ・・
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途中の小さな島の脇をすり抜けて・・・
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デット島に向かっていく。
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いかにも観光地というその姿が、はっきりしてくるが、想像以上の華やかな観光地のようで、緊張してくる。
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反対側にも宿泊施設がずらりと並んでいる。
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舟が着いたのはがけっぷちに建つ建物の真下で、狭い石段がある。
これが舟付き場?
話が違うなあ・・・
石段を登っていくと、そこは調理場の脇で、レストランの裏だった。
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この旅行記へのコメント (2)
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- trat baldさん 2016/08/17 19:36:37
- 今、初めて気が付いた!
- 悪意では無いけど若いバックパッカーは記録を取らないと云うか自分の為だけに旅を経験するけど年寄り(motogenさん)の旅人は自分の航跡をしっかり伝えてくれる、これだけで4traメンバーは感謝するべきだ!
貴重なしかも重大な場面でもカメラと云う時間消耗を惜しまないmotogenさんバンザイ!
Ps.失敗と成功の殴り合い状態に汗が出てくる!
- motogenさん からの返信 2016/08/17 21:37:30
- RE: 今、初めて気が付いた!
- ありがとうございます。
この旅行記は、一種の家族に残す私の遺書のようなものです。
こんな旅をしてきたんだよ・・・
こんなことを考え、こんな人たちに出会い、こんな体験ができたんだよ・・・
身内の者に、そんなことを知ってもらい、時々思い出してくれればそれで満足です。
葬式も法事も必要ないし、戒名も仏壇もお墓もなくてかまいません。
うわべの名誉や肩書きや表彰もいりません。
そんな気持ちで書いています。
そして、共感してくれる人がいるならば、限りなく幸せです。
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