2016/04/14 - 2016/04/24
11位(同エリア65件中)
DONさん
ベツレヘム二日目は、分離壁と難民キャンプを歩いて訪ねるフリーツアーに。奇しくもこの日の参加者は自分一人。優しくって博学で、何より故郷を心底愛するサラといっしょに炎天下を軽く半日歩く歩く。遥か離れた日本からは思いもよらないパレスチナの現実に触れた一日でした。
イスラエルがパレスチナを虐げる背景も、この次の日に察する事になりますが、根っからのムスリム贔屓の自分には、理不尽なベツレヘムの「今」がただただ腑に落ちない。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 4.0
- ショッピング
- 4.0
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 友人
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
早起きしてメンジャー広場周辺をグルリ
-
パレスチナ自治区で唯一のスターバックス!ではなくスター&バックス
ベツレヘムの若い人たちはこぞって「スタバ、行った?」と嬉しそうに聞いてくる -
前夜に飲んで美味しかったので自分用にクレミザンワイン
ベツレヘム郊外にある修道院で作られていて特に赤は軽やかかつ渋み少なめで葡萄は力強くそしてお手頃価格!
でもイスラエルによる分離壁拡張で葡萄畑が危機に遭い生産量が減っているとか… -
朝食が付いていると知らずに前夜にパン屋で買ったピザを食べて出掛けて一度戻ると「待ってたのよ!」と宿の女の子
僕のためにどっさり心尽くしの朝食が用意されていました
ホシュ・アルシリアン・ゲストハウス( http://www.hoshalsyrian.com/ )
レトロな豪邸を綺麗にリノベーションした素敵なゲストハウスでした -
4月のベツレヘムは日光浴には向かない真夏の暑さ
前日に申し込んでおいた Free Bethlehem Walking Tours の集合場所へ向かいます
https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g293978-d8587942-Reviews-Free_Bethlehem_Alternative_Walking_Tours-Bethlehem_West_Bank.html
主宰のサラが宿から集合場所の地図をメールで送ってくれたので(けど念のため前夜の内に歩いて確認)約束の時刻に余裕で到着 -
時には何十人もの団体さんになるツアーがこの日はまさかの参加者自分だけ
食べ過ぎたイエス様みたいな風貌のサラに連れられ先ず彼の通うベツレヘム大学に -
キャンパスには立派な教会も
「なかなか外の世界へ発信されないベツレヘムの真実を多くの人に目で見て触れて知って欲しくって」
涼しい学内を歩きながら何故このツアーを続けているのかレクチャーを受ける -
観光の中心であるメンジャー広場エリアから離れるようにして最初の難民キャンプ到着
路地から民家の二階を指差すサラ -
無数の銃痕が…この家だけでなく連なる家はことごとく
いずれもイスラエル兵士が放った弾の跡です -
分離壁に描かれたバンクシーの絵が有名ですがこの界隈は普通の民家の壁にも至る所に
込められた想いは怒り・嘆き・悲しみ・それでも諦めない -
謂れなく殺害されたベツレヘムの人々の名があちこちに刻まれています
-
IDカードには「父:囚人/母:殺された」
命懸けで壁の絵を描くのはプロのアーティストだけでなく地元の子供たちから大人まで様々と -
自由の象徴ともいえる大きな鍵
not for saleと記された鍵のオブジェは「この土地は渡さない」というパレスチナ難民の決意か
鍵穴の向こうにはイスラエル兵士が常駐する監視塔があります
「ついこないだもここでスマホを掲げた男の子が何の警告もないまた撃ち殺されたんだ」…壁には犠牲になった男の子の写真と名前が記された紙が -
パレスチナ人の自爆テロや攻撃からイスラエルを守る名目で建設され今も拡張が続く分離壁
ベツレヘム側からは中の様子が窺えないものの塔からは常に兵士が睨みを利かせているとか
「特に僕は要注意人物だからいつも銃口を向けられているよ、今も」(サラ)
一緒にいると危ないかと思いきや「外国人と一緒にいるから奴らも容易には撃てない」 -
分離壁に程近い学校のグラウンドは四方八方ネットに覆われていました
-
「見上げてごらん」
催涙弾だか発煙筒だか詳細不明ながら悪意を持って放たれたモノが頭上やグラウンド周辺に散乱していました -
毎日のように旅人を連れてやって来るサラは難民キャンプの子どもたちの人気者
「サラ〜遊ぼうよ!」「後でなぁ」「えぇ今遊んでよ!」「後で!」(エンドレス)
こんな幼い子供たちもイスラエル兵士の気まぐれで罪をなすりつけられ問答無用で狙撃の標的に -
二つ目のキャンプへ
-
分離壁アートで最も知られるバンクシーのグッズを中心に扱うお店も
-
壁の所々に設けられた監視塔は大体燃やされた跡が(そんな程度の攻撃なんとも思っていなさそう)
分離壁とアメリカ(=イスラエルのお友達)的な赤い車の2ショット -
果てしなく壁壁壁、そして抗うアート
てっぺんの有刺鉄線はパレスチナ側だけに向けられています -
銃を手に微笑む女性
-
こちらの民家は拡張を続ける壁に三方を囲まれています
壁の向こうが見えてしまうので窓は全て開く事を禁じられているとの事 -
道行く車のナンバープレートは二種類
六芒星(ダビデの星)が記された車はイスラエルとパレスチナを自由に行き来できるけれども、ない車(=パレスチナ人所有)は壁のこちら側しか走れません -
出逢う人は100%サラに話しかけてきます
-
難民キャンプの一角にもモスク
-
二人でたっぷり4時間ほど歩いて帰途に
-
民家をリノベーションした出来たての観光案内所
-
スタッフは勿論サラの友だち
まだガラーンとしてたけど今後パレスチナにまつわる色んな資料も充実させたいと -
クリスマスにはローマ法王も通ったという旧道
生まれたばかりのイエス様を訪ねた東方の三博士もここを通ったのではないかと -
メンジャー広場に帰り着くと丁度オマールのモスクが見学可能な時間
-
遅めのランチはベツレヘムらしい郷土料理が出るお店を!とリクエストしたらまさかの前夜の晩飯と同じ所に
イスラエルの某歩き方を興味深く読む(見る)サラ「ベツレヘムのページが少ないね」
まだ学生さんで観光ガイドのライセンスを持っていないサラのツアーは基本的に無料ですが「チップは大歓迎」/今は小さな手作りゲストハウスも運営していていずれはもっとパレスチナの事を知ってもらうために宿も拡大したいと
全て徒歩で巡るとは言え歴史にも政治にも長けた心優しきサラと過ごす時間は比類なき体験になること間違いなしです -
大学に戻るサラと別れて夕方までベツレヘム近郊をひと巡り
ベツレヘム初日から何度も遭遇する調子の良いタクシー運転手とまた再開し「時間あるなら格安で行きたい所に連れてくよ!」
サラは小声で「ベツレヘムの運転手はあまり信用しない方がいいよ」と教えてくれたけどちゃんと行き先と金額をサラ同席で確認したうえで目指すはマルサバ修道院
道中まずはベイト・サフア -
荒野に建つ小さな聖堂にはもちろんイエス様生誕のモチーフ
-
ベツレヘムの中心街から数十分でヨルダンで見かけたような牧歌的風景
-
霞んで見えるは死海
そして対岸はヨルダン
色んな人から「死海で浮かないのか」と勧められたものの随分前にヨルダン側でプカプカしたので今回はパス -
ケデロンの谷にへばり付くように建つマルサバ修道院(丸鯖ではなく)
茫漠とした風景にポツンと佇む巨大僧院はかなりのインパクト -
堅牢な壁に覆われ中の様子は伺い知れませんが見学は出来るはず
という事でテキトーなタクシーの運ちゃんが「開けて〜開けて〜」と扉をノック -
真っ白な髭をたくわえた穏やかな修道士のお爺ちゃんが招き入れてくれました
今も女人禁制で古の生活様式を貫く修行の場で大半の場所は撮影NGでした -
灼熱の沙漠の中にあって人の気配は殆どしませんでしたが時折音も立てずに若い修道士さんが通り過ぎたり
ステンドグラスの美しい聖堂や図書室などいくつかの部屋をご案内いただき最後は食堂で甘い珈琲とお菓子を分けてくれました(お礼は寄付の箱へ)
撮影が許可されたのは修道院から峡谷を挟んだ対岸にある修行の祠 -
マル・サバ修道院を訪ねたらエルサレムへ帰るつもりでバス停まで送ってもらったら「エルサレムのマラソン大会の影響でバスは夜の最終便まで全て運休だってさ」
ホンマかいな
しかしバス停付近では暇の潰しようがないのでテキトーな運ちゃんの提案に乗り再び郊外へ飛ばしてソロモンの池
貯水池の脇でBBQを楽しむ家族もいたけどフェンス越しに眺めておしまい -
更に南進してアルタス村辺りか
さすがに終バスが気になり引き返す事に -
気まぐれツアーも無事終了と思いきや別れ際にモメるモメる
最後のソロモン池コースはほんの十数分で「サービス!」と宣言していたにも関わらずマルサバ修道院コースの倍ほど求めてきた
そもそも手持ちのシェケルでは足りず「約束が違う」と抗議しても「USDでも構わないから払ってくれ」(そして終バスの時刻が迫るのにバス停から遠ざかろうとする)
バスを逃すわけにも行かず泣く泣くUSDの高額紙幣で言いなりに…サラの言う通り(+「サービス!」を鵜呑みにした自分のせい) -
エルサレムに入るチェックポイントで再び少々緊張するも乗り込んできた兵士にパスポートをチラッと見せておしまい
-
スーツケースを預けたままにしていた友人宅へもう一泊させてもらいに戻ります
後々聞くとベツレヘムからのバスが運休していたのはマラソンなんかではなくエルサレム市内で路線バスが爆破テロに遭っていたから(幸い死者なし)※観光客が利用するエリアに非ず
憎悪の連鎖に止め処ない報復の応酬…イスラエルとパレスチナ双方で出逢いに恵まれただけに苦い気持ちが拭えません
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この旅行記へのコメント (5)
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- せるじさん 2017/05/21 20:06:39
- 貴重な情報ありがとうございます。
- DONさん、はじめまして。
非常に興味深く拝見しました。
私も分離壁と難民キャンプは行きたいので、このツアーに申し込もうと思います。
こんなに充実したツアーが無料とは驚きです。
- DONさん からの返信 2017/05/22 00:09:17
- 修正あり
- せるじさん、こんばんは。
ご感想ありがとうございます。
改めて自分の旅行記を見返すと、リンク先が間違っていたことに気付き先ほど修正しました。
自分が参加したツアーはこちら↓
https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g293978-d8587942-Reviews-Free_Bethlehem_Alternative_Walking_Tours-Bethlehem_West_Bank.html
どうやら同じように無料で似たルートを巡るツアーを始めた人たちがいるようですが、他のものは否定的なご感想も散見されます。サラのツアーは参加者全員が良い感想を寄せているので安心して下さい。サラに会ったらどうぞよろしくお伝えを!
DON
- せるじさん からの返信 2017/05/22 00:23:59
- RE: 修正あり
- どうもありがとうございます!
おっしゃる通りですね。
サラさんのツアーは、レビュー108件中108件が5点で評価しています。すごいですね!
> せるじさん、こんばんは。
> ご感想ありがとうございます。
> 改めて自分の旅行記を見返すと、リンク先が間違っていたことに気付き先ほど修正しました。
>
> 自分が参加したツアーはこちら↓
> https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g293978-d8587942-Reviews-Free_Bethlehem_Alternative_Walking_Tours-Bethlehem_West_Bank.html
>
> どうやら同じように無料で似たルートを巡るツアーを始めた人たちがいるようですが、他のものは否定的なご感想も散見されます。サラのツアーは参加者全員が良い感想を寄せているので安心して下さい。サラに会ったらどうぞよろしくお伝えを!
>
> DON
-
- つぶ。さん 2016/09/06 14:35:37
- パレスチナ
- DONさん
興味深く旅行記拝見いたしました。
カタールにはパレスチナ人が結構暮らしていて、交流があります。
友人家族もお祖父さんの代からカタールに移住してきたそうです。イスラエルの入植があり、家を捨てて逃げてきたと話してくれました。
パレスチナ人が殺されても声を挙げないメディア、ムスリムが自爆テロを起こせばイスラム教徒やアラブが悪かの様に騒ぎ立てるメディア。
色々考えさせられます。
つぶ。
- DONさん からの返信 2016/09/06 22:22:24
- RE: パレスチナ
- つぶ。さん、こんばんは。
カタールにお住まいとは羨ましい!
気分はムスリムの自分としてはいつかイスラム諸国で暮らしてみたいのですが、なかなかそんな展開はなく。とにかく羨ましい限りです。
幸い自分がニアミスしたエルサレムのバス爆発は一人の犠牲者も出ませんでしたが、イスラエル側は「残念だったね」と皮肉を言うし、パレスチナ側は「すばらしい!」と飴ちゃんだかお菓子だかを配っていました。そこに行かないと見えない真実があります。アラビア半島にいらっしゃる内に色んなご当地ニュース、フォートラでも発信して下さい。楽しみにしていますね。
DON
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