1997/08/03 - 1997/08/03
121位(同エリア160件中)
マローズさん
「日本ピラミッド」とは神社の原始の姿で、古事記に記されている天之御柱弥広殿(あめのみはしらやひろどの)であるとされ、円錐形の山容をした拝殿山と本殿山の二座がセットになった神殿で、昭和9年、葦嶽山(本殿山)と鬼叫山(拝殿山)で初めて遺構が発見された。この二座の遺構は2万3千年前のものとされる。
日本ピラミッドは山頂部を加工し、本殿山には御神体となる太陽石と、それを取り囲む列石の磐境(いわさか)があり、拝殿山には夏至線と冬至線を示す方位石、太陽光を反射するように表面が研磨された鏡石、供物台であるドルメン、メンヒル(立石)等が設置され、祭祀や天体観測等を行うと共に、超古代の天皇による統治システムの拠点とされている。
超古代の天皇とは、神武天皇以前の記紀では天皇の祖先神とされているウガヤ王朝72代の天皇のこと。
天皇統治のことはともかく、昭和59年、サンデー毎日編集部が京都芸術大学の教授や地質コンサルタントを伴い、現代の技術で葦嶽山と鬼叫山の各遺構を再調査した結果、殆どの遺構が先史時代、高度で精巧な技術によって加工・設置されていることが判明した。
この調査以降、二山の登山コースが整備され、自治体がミニリーフレットも作成し、登山口に行くまでの途中の道路の分岐にあるボックス内に置いている(‘97年当時)。
鬼叫山の遺構では前述のもの以外にも鷹が羽を広げた姿に似た鷹岩や、犬の横顔のような獅子岩、高さ6mの石柱「神武岩」等があり、見所が多い。
残念ながら葦嶽山頂部の遺構は戦前、官憲によって破壊・廃棄されている。それでも展望は優れている。
葦嶽山に行く前に東城町(現、庄原市)の温泉施設でカレーライスを食べて腹ごしらえをし、まず「東城ふれあい村」の南に隣接する八反坊神社(八反坊の墓)に寄った。ここは昔から丑の刻参りが盛んな地。
藩政時代初期、この地「粟田」に八反坊という公事人がいた。その仕事は年貢の割り当てや取り立て等なのだが、いつも農民等弱者の立場に立つので、庄屋の次郎丸(山田彦右衛門)とは悉く対立していた。
そして遂に次郎丸は八反坊に無実の罪を着せ、打ち首にしてしまう。打ち首になる日、八反坊は獄舎で農民らと対面し、「わしが死んだら、次郎丸の家が一番よう見える所に埋めてくれ、永代呪ってやる。」と遺言した。
農民らは遺言通りの地に埋葬すると、その日から次郎丸の家には次々と不幸な出来事が起こり、遂に昭和初期、血縁者は死に絶えてしまった。
私が訪れた時、八反坊神社奥の杉の木には、五寸釘が根元まで打ち込まれた紙人形があった。人形は雨に濡れないよう、ビニールを被せてあった。
神社前の案内板には、「大願成就の神様として多くの人に親しまれています。」と書かれてあったが、現代でも「呪いの大願成就」を祈願する者は絶えない。
八反坊神社へは、県道12号の「粟田福頭」バス停南のY字路を前方右に折れ、その先の三差路は東に折れる。甲掛橋先の四差路は北に折れ、道なりに北東から南東へと進むと、T字路(歩道を入れると十字路)に突き当たるので北に折れる。すぐ「ふれあい村入口」バス停が現れるので、そこを南に入る。
道がふれあい村施設の南に回り込んだ箇所に八反坊の案内板が建っている。
そこに行くまでの途中の県道12号沿いには周辺の観光案内図板のようなものも建っており、八反坊神社も記されている。
尚、現在でも「東城ふれあい村」やその北のバス停が存在するか否かは不明。不安であれば自治体に確認を。
葦嶽山へのアプローチやコース図等は以下の投稿サイトを参照されたし。
http://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=19687
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 交通
- 3.5
- 交通手段
- 自家用車
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八反坊神社
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五寸釘が打ち込まれた紙人形
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「傲慢」という文字が読み取れる
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葦嶽山灰原コース登山口だったか
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コース中にあるマップ
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笹が美しい登山道
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葦嶽山山頂
日本ピラミッド葦嶽山 自然・景勝地
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鷹岩
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烏帽子岩を見下ろす
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付近のピーク(鬼叫山だったか?)
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円錐形をした葦嶽山
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昔は鏡面のようだった鏡岩。高さ3メートル、幅7メートル。
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方位石
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方位石上面。自然にはできない十字の深い切れ目がある。
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高さ6メートルの神武岩。今は風化して判読できないが、かつては神代アヒル文字が刻まれていたという。傍らに倒れている石柱も皆同じ。元は全て立っていたが、大正初期、この下に神武天皇の財宝が埋められているという噂が流れ、倒されてしまった。
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神武岩の天辺には直径10数センチほどの穴があるが、かつてここに「夜光玉」という球がはめ込まれており、太陽の光が当たると鏡岩に反射して、反射面全体が光り輝いていたという。
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全長1メートルほどのドルメン(供物台)
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登山道からの眺め
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