セビリア旅行記(ブログ) 一覧に戻る
サンティアゴ巡礼の出発点であるセビリアでは観光とあわせて巡礼に必要なものの調達をしました。その日記です。

サンティアゴ巡礼銀の道を歩く1・セビリアで準備2016/どこに行くかは現地で考える旅・その3

9いいね!

2016/05/13 - 2016/05/14

448位(同エリア988件中)

旅行記グループ サンティアゴ巡礼銀の道2016

0

11

walkingman

walkingmanさん

サンティアゴ巡礼の出発点であるセビリアでは観光とあわせて巡礼に必要なものの調達をしました。その日記です。

旅行の満足度
3.5
観光
3.5
同行者
一人旅
交通手段
高速・路線バス 徒歩
旅行の手配内容
個別手配

PR

  • 5月13日。コルドバからバスで2時間、セビリアにやってきました。ここが今回の旅のメイン、サンティアゴ巡礼銀の道の出発点です。<br /><br /><br />サンティアゴ巡礼とはスペイン北西部にある町サンティアゴデコンポステーラにある大聖堂まで歩いて参拝する、中世から続くキリスト教の一種の宗教行事。とは言え、近年はレジャー感覚で歩く人が多く、簡単なトレッキングのような存在。また巡礼者はキリスト教徒に限られておらず、仏教徒でも構わないのです。日本ではあまり知られていませんが、ヨーロッパではよく知られていて、昨年の巡礼者は26万人を超えています。これはサンティアゴデコンポステーラにある巡礼事務所に届けを出した人の数なので、実際にはもっと多くの人が参加しているはずです。<br /><br />巡礼路は複数あって、中でもフランスとの国境地帯にあるサンジャンピエドポーからスタートするフランス人の道と呼ばれる巡礼路が圧倒的に人気がある。<br />今回僕が歩く銀の道はあまり人気がなくて、ここを歩く人は巡礼者全体の5%以下でしかありません。というのは、銀の道は数ある巡礼路の中でも最も条件が厳しいと言われているからです。なのでこの道を選択する人は過去に巡礼を経験している人が多い。僕も以前フランス人の道とポルトガルの道を歩いており、今回が3回目のカミーノ(巡礼)です。<br /><br />僕はセビリアに13日、14日と滞在し、15日から歩き出すことにしました。巡礼の準備もあるし、せっかくだから観光もしたいしということで。<br />

    5月13日。コルドバからバスで2時間、セビリアにやってきました。ここが今回の旅のメイン、サンティアゴ巡礼銀の道の出発点です。


    サンティアゴ巡礼とはスペイン北西部にある町サンティアゴデコンポステーラにある大聖堂まで歩いて参拝する、中世から続くキリスト教の一種の宗教行事。とは言え、近年はレジャー感覚で歩く人が多く、簡単なトレッキングのような存在。また巡礼者はキリスト教徒に限られておらず、仏教徒でも構わないのです。日本ではあまり知られていませんが、ヨーロッパではよく知られていて、昨年の巡礼者は26万人を超えています。これはサンティアゴデコンポステーラにある巡礼事務所に届けを出した人の数なので、実際にはもっと多くの人が参加しているはずです。

    巡礼路は複数あって、中でもフランスとの国境地帯にあるサンジャンピエドポーからスタートするフランス人の道と呼ばれる巡礼路が圧倒的に人気がある。
    今回僕が歩く銀の道はあまり人気がなくて、ここを歩く人は巡礼者全体の5%以下でしかありません。というのは、銀の道は数ある巡礼路の中でも最も条件が厳しいと言われているからです。なのでこの道を選択する人は過去に巡礼を経験している人が多い。僕も以前フランス人の道とポルトガルの道を歩いており、今回が3回目のカミーノ(巡礼)です。

    僕はセビリアに13日、14日と滞在し、15日から歩き出すことにしました。巡礼の準備もあるし、せっかくだから観光もしたいしということで。

  • セビリアでまずしなければならないのは、クレデンシャル(巡礼手帳)を手に入れることです。手帳と訳されますが実際には紙をジャバラ状に折ったもの。巡礼者は宿泊したアルベルゲ(巡礼宿)やバルでここにスタンプを押してもらい日付を書き込みます。これによりいつどの町にいたかがわかる仕組みになっています。<br />ゴールのサンティアゴデコンポステーラでは巡礼者に対し巡礼証明書というのを発行しているのですが、『徒歩の場合は100km以上の距離を歩いてサンティアゴに達したもの』とされています。つまり、僕は今回、銀の道をセビリアから歩きますが、もっとサンティアゴに近いサラマンカやカセレスからスタートしてもいいのです。あるいはもっと遠いグラナダやマラガから歩く人もいます。巡礼証明書発行の際にはクレデンシャルの提示が求められ、そこでスタンプと日付から、この人はちゃんと歩いたかどうかチェックされるのです。例えば、100km先の町のスタンプが翌日付で刻印されていたら、明らかにおかしいですよね。<br />また巡礼宿では必ずクレデンシャルの提示を求められます。クレデンシャルがないと泊めてくれないこともあると聞きました。したがって、クレデンシャルは必携なのです。<br /><br /><br />クレデンシャルを買うためにカテドラルに行きました。カテドラルは広いので、まずどこで売っているのかを確認しなければなりません。そこで近くにいた警備のおっちゃんに聞きました。<br />「エクスキューズミー。ウェアーキャンナイバイザクレデンシャル?」<br />我ながら情けないほどのカタカナ英語です。で、かえってきた答えが<br />「オテルシモン」<br />???<br />「ハー?」<br />「オテルシモン」<br />最初、「オテルシモン」って返されて、英語が通じなかったのかと思いました。意外な答えすぎて僕の頭が回らなかったのです。オテルはホテルですから、シモンホテルで売っているというのが彼の返答です。でも、ホテルでクレデンシャルなんて売っているのでしょうか。<br />

    セビリアでまずしなければならないのは、クレデンシャル(巡礼手帳)を手に入れることです。手帳と訳されますが実際には紙をジャバラ状に折ったもの。巡礼者は宿泊したアルベルゲ(巡礼宿)やバルでここにスタンプを押してもらい日付を書き込みます。これによりいつどの町にいたかがわかる仕組みになっています。
    ゴールのサンティアゴデコンポステーラでは巡礼者に対し巡礼証明書というのを発行しているのですが、『徒歩の場合は100km以上の距離を歩いてサンティアゴに達したもの』とされています。つまり、僕は今回、銀の道をセビリアから歩きますが、もっとサンティアゴに近いサラマンカやカセレスからスタートしてもいいのです。あるいはもっと遠いグラナダやマラガから歩く人もいます。巡礼証明書発行の際にはクレデンシャルの提示が求められ、そこでスタンプと日付から、この人はちゃんと歩いたかどうかチェックされるのです。例えば、100km先の町のスタンプが翌日付で刻印されていたら、明らかにおかしいですよね。
    また巡礼宿では必ずクレデンシャルの提示を求められます。クレデンシャルがないと泊めてくれないこともあると聞きました。したがって、クレデンシャルは必携なのです。


    クレデンシャルを買うためにカテドラルに行きました。カテドラルは広いので、まずどこで売っているのかを確認しなければなりません。そこで近くにいた警備のおっちゃんに聞きました。
    「エクスキューズミー。ウェアーキャンナイバイザクレデンシャル?」
    我ながら情けないほどのカタカナ英語です。で、かえってきた答えが
    「オテルシモン」
    ???
    「ハー?」
    「オテルシモン」
    最初、「オテルシモン」って返されて、英語が通じなかったのかと思いました。意外な答えすぎて僕の頭が回らなかったのです。オテルはホテルですから、シモンホテルで売っているというのが彼の返答です。でも、ホテルでクレデンシャルなんて売っているのでしょうか。

  • 半信半疑で行ってみたオテルシモン、フロントでたずねてみたら、そこにクレデンシャルがありました。“ヘーッ、意外”。<br />でも、このクレデンシャル、あまりいい出来ではありません。というのは裏面一面に役立たない地図が印刷されていて、スタンプを押す欄が少ないのです。40個しかありません。サンティアゴまでは約1,000km、僕の予想では35〜40日かかると思っています。最低でも1日に1回はスタンプを押すので“これで足りるのかねえ。”と思いました。スタンプを押す場所がなくなったら2冊目に続ければいいだけなんだけど、大きな町でないとクレデンシャルは売っていないので、直前に欄がないことに気づいて買おうとしたら遅い。それに、1回の巡礼分は1冊に収めた方がきれいですよね。<br />

    半信半疑で行ってみたオテルシモン、フロントでたずねてみたら、そこにクレデンシャルがありました。“ヘーッ、意外”。
    でも、このクレデンシャル、あまりいい出来ではありません。というのは裏面一面に役立たない地図が印刷されていて、スタンプを押す欄が少ないのです。40個しかありません。サンティアゴまでは約1,000km、僕の予想では35〜40日かかると思っています。最低でも1日に1回はスタンプを押すので“これで足りるのかねえ。”と思いました。スタンプを押す場所がなくなったら2冊目に続ければいいだけなんだけど、大きな町でないとクレデンシャルは売っていないので、直前に欄がないことに気づいて買おうとしたら遅い。それに、1回の巡礼分は1冊に収めた方がきれいですよね。

  • このオテルシモン、見つけるのにちょっと苦労しました。ホテルだからすぐ見つかるだろうと思ったのだけれど、(観光客でなく)地元商売している人に聞いても「そんなホテル知らない」と首をひねられてしまう。何人にも声をかけて、ようやく探し当てました。<br />ホテルはカテドラルからたった2分の位置にありました。小さなホテルで目立たない。だから地元の人も知らないんですね。こんなことならカテドラルの警備員に道順を聞いておけばよかった。<br />

    このオテルシモン、見つけるのにちょっと苦労しました。ホテルだからすぐ見つかるだろうと思ったのだけれど、(観光客でなく)地元商売している人に聞いても「そんなホテル知らない」と首をひねられてしまう。何人にも声をかけて、ようやく探し当てました。
    ホテルはカテドラルからたった2分の位置にありました。小さなホテルで目立たない。だから地元の人も知らないんですね。こんなことならカテドラルの警備員に道順を聞いておけばよかった。

  • 次に銀の道のガイドブックを探しに行きました。イギリスで買ったガイドブックは内容が薄っぺらくて不安、スペイン語のガイドブックでは解説文は読めないだろうけれど、地図程度なら理解できると思うのです。買うか買わないかは中身を見てから考えましょう。<br /><br />観光案内所で「この近くの大型書店はどこ?」と聞いて教えてもらったFnacへ。ところが、この店にあったのは自転車用のガイドブックだけで歩く人のためのものは見当たらなかった。そこで店のお姉さんに「ここ以外の大きな本屋はどこ?」って聞いたら、別の書店を快く教えてくれました。優しいね。<br /><br />教えてもらったCasa del Libroへ。旅行ガイドの売り場はFnacよりも大きい。ところがここでも自転車用のガイドブックしかみつかりませんでした。日本やイギリスで銀の道のガイドブックが手に入らなくとも、地元ではすぐ手に入ると思っていました。これは誤算です。<br />これ以上本屋をあたっても、歩き用のガイドブックを見つけるのは難しいと判断し、自転車用を買いました。自転車用の場合、崖道や山道は歩行用とは別ルートが示されている可能性があり、そこが厄介なのですが、少なくとも都市間の距離や方角を知るのには役立ちそう。さらにはアルベルゲ(巡礼宿)のベッド数と値段が書いてあるのは役に立ちそうです。<br />結果的にはこれを参考にして歩きました。<br />

    次に銀の道のガイドブックを探しに行きました。イギリスで買ったガイドブックは内容が薄っぺらくて不安、スペイン語のガイドブックでは解説文は読めないだろうけれど、地図程度なら理解できると思うのです。買うか買わないかは中身を見てから考えましょう。

    観光案内所で「この近くの大型書店はどこ?」と聞いて教えてもらったFnacへ。ところが、この店にあったのは自転車用のガイドブックだけで歩く人のためのものは見当たらなかった。そこで店のお姉さんに「ここ以外の大きな本屋はどこ?」って聞いたら、別の書店を快く教えてくれました。優しいね。

    教えてもらったCasa del Libroへ。旅行ガイドの売り場はFnacよりも大きい。ところがここでも自転車用のガイドブックしかみつかりませんでした。日本やイギリスで銀の道のガイドブックが手に入らなくとも、地元ではすぐ手に入ると思っていました。これは誤算です。
    これ以上本屋をあたっても、歩き用のガイドブックを見つけるのは難しいと判断し、自転車用を買いました。自転車用の場合、崖道や山道は歩行用とは別ルートが示されている可能性があり、そこが厄介なのですが、少なくとも都市間の距離や方角を知るのには役立ちそう。さらにはアルベルゲ(巡礼宿)のベッド数と値段が書いてあるのは役に立ちそうです。
    結果的にはこれを参考にして歩きました。

  • 日差しがきついスペインを歩くのに帽子は必須です。それはわかっていたので、日本で気に入ったものを準備していました。なのに、情けない話ですが、セビリアを観光している間になくしてしまったのです。<br />セビリアの町中では観光客向けのデザインの帽子が色々と売られていました。でも僕が欲しいのは実用的なもの。で、こんなの買いました。<br />つばの芯がプラスティック製の安物(3ユーロ,378円)。でもこの方が使い勝手が良い。暑いとき、帽子を水で濡らしてかぶると涼しいので、綿や革製品より、化学繊維の方が都合が良いのです。洗濯もできるしね。<br /><br /><br />僕にとっては帽子をなくしたことはショックでした。あれほど忘れ物には気をつけていたのに。<br />実はこれ以降もハンカチやTシャツ、さらにはウインドブレーカーまで忘れるという失態続き。そのうち貴重品をなくすのではないかと怖くなりました。『歳をとったから仕方がない』ではすまされませんからねえ。

    日差しがきついスペインを歩くのに帽子は必須です。それはわかっていたので、日本で気に入ったものを準備していました。なのに、情けない話ですが、セビリアを観光している間になくしてしまったのです。
    セビリアの町中では観光客向けのデザインの帽子が色々と売られていました。でも僕が欲しいのは実用的なもの。で、こんなの買いました。
    つばの芯がプラスティック製の安物(3ユーロ,378円)。でもこの方が使い勝手が良い。暑いとき、帽子を水で濡らしてかぶると涼しいので、綿や革製品より、化学繊維の方が都合が良いのです。洗濯もできるしね。


    僕にとっては帽子をなくしたことはショックでした。あれほど忘れ物には気をつけていたのに。
    実はこれ以降もハンカチやTシャツ、さらにはウインドブレーカーまで忘れるという失態続き。そのうち貴重品をなくすのではないかと怖くなりました。『歳をとったから仕方がない』ではすまされませんからねえ。

  • 観光もしました。セビリアといえばアルカサルとカテドラル。<br />まずはアルカサルへ。チケットを手に入れるのに30分並びました。<br />城壁はあるけれどあまり威圧感はなくて、コルドバのアルカサルよりもマイルドな印象を受けました。<br />

    観光もしました。セビリアといえばアルカサルとカテドラル。
    まずはアルカサルへ。チケットを手に入れるのに30分並びました。
    城壁はあるけれどあまり威圧感はなくて、コルドバのアルカサルよりもマイルドな印象を受けました。

  • タペストリーは見事。

    タペストリーは見事。

  • カテドラルに入るのにもずいぶん並びました。セビリアは観光客が多いですね。

    カテドラルに入るのにもずいぶん並びました。セビリアは観光客が多いですね。

  • 主祭壇に目がくらみます。これだけゴテゴテ装飾されてキンキラキンにつくられると唖然とします。<br />ここでは、僕にとっては観光よりもお祈りが重要。無事にサンティアゴデコンポステーラまでの1,000kmを歩き通せるようお願いをしました。<br />

    主祭壇に目がくらみます。これだけゴテゴテ装飾されてキンキラキンにつくられると唖然とします。
    ここでは、僕にとっては観光よりもお祈りが重要。無事にサンティアゴデコンポステーラまでの1,000kmを歩き通せるようお願いをしました。

  • この他にも旧市街とか公園とか、いっぱい歩きました。

    この他にも旧市街とか公園とか、いっぱい歩きました。

この旅行記のタグ

9いいね!

利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。 問題のある投稿を連絡する

コメントを投稿する前に

十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?

サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)

報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。

旅の計画・記録

マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?

スペインで使うWi-Fiはレンタルしましたか?

フォートラベル GLOBAL WiFiなら
スペイン最安 383円/日~

  • 空港で受取・返却可能
  • お得なポイントがたまる

スペインの料金プランを見る

フォートラベル公式LINE@

おすすめの旅行記や旬な旅行情報、お得なキャンペーン情報をお届けします!
QRコードが読み取れない場合はID「@4travel」で検索してください。

\その他の公式SNSはこちら/

タグから海外旅行記(ブログ)を探す

この旅行記の地図

拡大する

PAGE TOP