零戦の生まれた場所と伊勢神宮に参る2016 GW

2016/04/28 - 2016/04/30

ゴールデンウィークは同郷の知人と名古屋で合流した後、以前より機会があれば行きたいと願っていた伊勢神宮に参拝してから，帰省する計画を立てました．曜日を確認して含み笑い．一日早めに休みを取って，ひとりこっそり憧れの場所へ．

エリア 愛知

帰省というただの移動＋αなので改めて計画を立てるものでもないのですが，行くと決まれば礼儀として予習はしたくなるもので．

初めてFDAを利用しました．名古屋まで，新幹線よりも安値であり何よりカラフルな機体に乗れるというのはそれだけで嬉しいことです．乗ってきたのは奥の水色の機体．手前の赤色機のほか，黄緑，黄色の機体も停まっており，これから全色制覇できるか？という愉しみもできそうです．LCCに機内サービスはないものと思っていたのですが，静岡のお茶とういろうが出てきました。

名古屋空港 (県営名古屋空港) 空港

空港を出ると目の前にMRJのハンガー．飛行機を作る土地へ来たのだと高鳴る胸．MRJ，一度はこの目で飛ぶ姿を見たいと思っているのですが．
この近辺，一般道を歩いているのに姿を見るのは三菱重工のヘルメットと作業服の方ばかりで，反射的に羨望と憧れの眼差しを向けてしまいます．

三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所．
滞っていましたが，「風立ちぬ」に伴って勝手に始めた，零戦に会いに行こうめぐりを思わぬ形で再開することに．ここがそもそもの始まりの場所なのですよね．
どう見ても普通の会社なので，自分のような明らかな部外者が門をくぐって良いのか一瞬うろたえますが，とりあえず中へと進みます．

インターホンで名前を告げ，見学に来た旨を伝えます．

史料室は月曜日と木曜日にしか一般開放されておらず，また事前に予約が必要です．今回これを逃す機はないと，早々に見学申し込みをしていました．電話対応して下さったのが室長さんであったと，訪れた後に知るのですが，遠方の，しかも小娘ひとりの見学をとても喜んで下さり，昼食の心配や名古屋市内への移動手段まで細かく気を配って頂いたのを覚えています．

ミクロネシアのヤップ島で発見された残骸を元に，復元された五二型甲．
昨年海外で見た悲惨な状態のものが最新の記憶なので，綺麗な姿を見るとほっとします．あるべき場所にある零戦なのでしょう．帰って来て，直してもらってよかったねと．

局地戦闘機秋水．テスト飛行のみで終戦を迎えてしまった，日本初のロケット戦闘機も，国内で見られるのはここだけです．
ヨッシーみたい．でっていう．

輸送機 MU-2．現在も米国で50機程が現役で運用されているそうです．個人の所有も少なくないようで，いいなあアメリカ．
後ほど室長さんにマンツーマンで操縦の仕方を教えてもらってしまいました．

定刻になると，室長さんが資料室内の３機をメインに解説をしてくださいます．
エンジニアの方かとばかり思っていたのですが，お話を聞いていると乗る側であるかのような口ぶりも時おり．聞けば空自でテストパイロットをされていたとのこと．「零戦」で記される，設計者とテストパイロットとの信頼関係を思い出すと，この方が室長を務めておられるのも然りと勝手に感動して納得．

言わずと知れた零戦の設計者，堀越二郎さん．
近くには，同僚であった本庄季郎さんと彼の設計した陸軍機も．
宮崎駿氏はこの二人は仲が悪かったんですよ，だから作品中では親友にしちゃいましたと語っていましたが，真実は如何に…．

こういった，鉛筆でのスケッチとか走り書きだとか，僅かでもその人の仕事や頭の中が垣間見れた気になれるから，とても幸せなのです．大好物．

博物館の様な規模はありませんが，戦前から戦後の航空機開発，そして現代のMRJに至るまで，作る会社であるからこその貴重な史料資材が収められています．室長さんとのお喋りも楽しく，3時間近く滞在してしまいました．

翌日は名古屋で知人と合流した後，近鉄特急にて伊勢市駅へ．
基本的に同行者がいれば，行程は完全に相手任せです．

伊勢市駅 駅

鳥居が映える日本の青空も大好きです．

外宮の入り口．とても澄んだ場所を歩いているなあと，気持ちよく散策．

伊勢神宮外宮(豊受大神宮) 寺・神社・教会

内宮へは距離があるのでバスで移動します．こちらも橋を渡るのですが，渡りきるとふっと，本来人のいる場所ではない地に足を踏み入れたような感覚に，おそれおおいような神妙な気分に陥ります．パワースポットという言葉や概念はあまり好きではありませんが，あるべき場所で，こういった感覚を得られる日本人でよかったなと思うのです．

伊勢神宮内宮(皇大神宮) 寺・神社・教会

社は白木でとても綺麗．神様を古いまま奉る訳にはいかないという意向とのこと．正宮は白い布で目隠しされ，直接目にすることはできませんが，時おり風で翻る向こうに，確かに気押されるものがあります．

せっかくの地なので，御朱印帳を手にするか迷いましたが，持ってしまうと，それに今後のお出掛けを引きずられてしまいそうなので，気持ちだけ．

伊勢神宮内宮(皇大神宮) 寺・神社・教会

その後，おかげ横丁を散策．こちらはいかにも観光地といった通りの中で，一際目を引く歴史ありげな赤福本店の店構え．本店でしか食べられないという赤福氷を目当てにしていたのですが，あいにくこの日は風が冷たく，とても冷菓を口にする気にはなれず．

赤福 本店 グルメ・レストラン

最後に名古屋ご飯をと，JRの名古屋駅近くでひつまぶしを初体験してみました．薬味も，お出汁を加える食べ方は新鮮でしたが，最初の蒲焼きの状態が一番おいしく感じました．
本当は帰路もFDAを使いたかったのですが，同行者が航空機嫌いなので仕方ありません．思いのほか混んでいなかった新幹線で帰宅です．