アメリカ中西部11州の旅（第11編：ミズーリ州セントルイス）

2016/06/24 - 2016/07/04

アメリカ中西部の11州をめぐる旅行記です。いつもはレンタカーによる周遊ドライブとなるのですが，今回は10日間のアメリカ国内で，長距離電車（Amtrak）4回，長距離バス（Greyhound）6回，国内飛行機（American Airlines）5回，市内電車（ライトレール）8回，市内バス5回，などを乗り継いでの周遊旅行となりました。
第11編はケンタッキー州ルイビルを発って以降，帰路につくテキサス州ダラスに戻るまでの間，セントルイスに滞在した時の記録です。中西部11州をめぐる旅も最終となり，大リーグのセントルイス・カージナルス（Cardinals）の本拠地 Busch-Stadiumで地元ファンの人たちと一緒になって観戦した時の興奮は忘れられません。
各編の構成は
　　第1編：テキサス州　ダラス
　　第2編：オクラホマ州　オクラホマシティ
　　第3編：カンザス州　ウィチタ
　　第4編：ミネソタ州　ミネアポリス
　　第5編：ウィスコンシン州　ミルウォーキー
　　第6編：イリノイ州　シカゴ
　　第7編：ミシガン州　アナーバー
　　第8編：インディアナ州　インディアナポリス
　　第9編：オハイオ州　シンシナティ
　　第10編：ケンタッキー州　ルイビル
　　第11編：ミズーリ州　セントルイス
　　第12編：テキサス州ダラス・フォートワース空港から帰国へ
となります。
以上でアメリカの訪れた州の総数は44となりました。

エリア セントルイス(アメリカ)

• 旅行の満足度: 4.5

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 高速・路線バス 徒歩 飛行機
• 旅行の手配内容: 個別手配

バスは快調に進んでいく

エバンスビルを発って2時間ぐらい経過した。ここはイリノイ州のマウントバーノン（Mt Vernon） という町の郊外，マクドナルドでの休憩タイム（バス停留場？）のようだ。
乗客は例によってトイレ休憩・たばこ休憩，そして各自で食べたり飲んだりして気分転換（2枚連結）

ミシシッピ川を渡っている。ここを渡れば，第44番目の訪問州ミズーリ州（Missouri）に入る。もうセントルイスだ，向こうにシンボルのゲートウェイアーチが見える

ほぼ時間通りの17:00過ぎにセントルイスのバスステーションに到着した。ここのバスステーションは広くて明るく清潔だ

バスステーションを後にする

すぐ隣にはAmtrakのセントルイス・ユニオン駅がある

予約しているホテルまでは1マイル強あるが，セントルイスの街並みをじっくり見て歩こうと思う

バスステーションから歩き始めて10分くらい，旧ユニオン駅は現在ホテルに改装利用されている

日本流に言えば目抜き通りの Market St には格式の高い巨大なビル群が並ぶ，右側の大きな建物はUS Post Office

左右に狛犬ならぬ熊の石像がある Peabody Opera House

22nd Judicial Courts of Missouri とあったが移転したあとの旧建物のようだ

セントルイス市の City Hall

裁判所 Carnahan Courthouse，建物上部には United States Court House and Custom House とあった。裁きとか法の番人といった趣きのある（女神）像が左右に並んでいる

セントルイスといえば大リーグの強豪球団カージナルスの本拠地 Busch Stadium

今日も19:15から試合が始まる。地元ファンがチームカラーの赤いユニフォーム姿でワイワイ言いながら球場へ向かっていく

ここまでくれば象徴ゲートウェイアーチも大きく見えるようになる。手前の歴史を感じさせる白亜の建物はOld Courthouse（旧裁判所）

宿泊ホテルの Crowne Plaza St. Louis - Downtown

早速チェックインして，カージナルスVSブリュワーズ戦を見に行こうと思う

ホテルの格調高いロビー
大リーグ観戦で夜は22:00を回るだろうからと徒歩圏内のホテルを選んだ

25階の部屋からの眺めは申分ない，旧裁判所の建物やBusch Stadium が見える

Booking.comのセールで予約したものだが，それでも税込みで$130。税は州ごとに若干違うが州税や市税で15％近くなるのは正直痛い

金曜日の夕夜，観光客や地元ファンで通りは大賑わい。部屋でのんびりとするわけにもいかず，カージナルスVSブリュワーズ戦を見に Busch Stadium へ急ぐ

間近で見る旧裁判所，内部の見学もできるのだが，時間の都合で前を通るだけだった

昼のゲートウェイアーチ（Gateway Arch），明日の9:30に見学予約を取ってある

続々と大リーグ観戦の人々が集まって来る

入場に際してはまず手荷物の検査，そしてチケットの確認となる。手荷物の確認もこれだけの大人数だと大変だが，やはりセキュリティ上やむをえないのだろう

現在時刻6:46，試合開始まで30分足らずだ
気温81°F（27.2℃換算），野球観戦にはちょうどいい。奇しくも対戦は4日前に滞在したMilwaukeeのブリュワーズだ

チケットは日本でインターネットから購入した。外野席だが税金その他で$46.90，まずまずの値段だ

試合観戦の前にまず腹ごしらえ，どこの店も長蛇の列だ

主にはハンバーガーを中心にセットしたバスケットやプレートなどだが，このプレートを頼んだら店員が聞き取ってくれない，困っていると他の客が店員に通訳してくれた

結局頼んだものがBBQのプレート，でも正直なところ美味くはなかった（2枚連結）

外の通りも，入場口も，スタジアム内もカージナルスの赤一色で染まっている
思わずテンションがアップする

いよいよ試合が始まった
まだ西の空に太陽があるので，手をかざさないとボールの行方も覚束ない（4枚連結）

こうして小さな子供のうちから球場に連れてきて親子で楽しんでいる。こうしたことがアメリカの野球人気を支えているのかもしれない。この子はもう逆シングルキャッチを教えられていた

7thイニングストレッチの際の恒例のイベント，マスコットたちの徒競走レース

売り子がビールなどの冷たい飲み物を売って回るのは日本と同じ。この売り子の声が「コービー」「コービー」と実によく通る，これが「Cold Beer」といっているのだとわかるには時間がかかった

「コービー」の声に誘われて試合終盤にビールを買ったが$10近かったと思う（2枚連結）

試合も佳境へ
St Louis Cardinals 7 - 1 Milwaukee Brewersでリードしている
観客によるウェーブが自然発生的に起こり，球場を4周も5周もしただろうか（4枚連結）

カージナルスの勝利で試合終了，勝ち投手はGarcia（6勝6敗）
ホームチームの勝利なのでBusch Stadium には盛大な花火が打ち上げられた

盛んに花火でカージナルスの勝利を祝っている
試合の余韻を楽しみながら，スタジアムを後にする

地元ファンの人たちも満足げに家路につく
まるで昼間のような賑やかさと明るさだ

観光用の馬車もこうしてパレードのごとくに

夜のゲートウェイアーチ

23:00近くになってホテルに戻ってきた
Busch Stadium はまだ煌々と光がともっている

部屋の設備はやや古い感じだったが贅沢はいえない
風呂栓が見当たらずバスタブに浸れなかったのでシャワーで我慢する

テレビの伝えるところ，Oklahoma,Kansas,Missouriに大型の低気圧が近づいているので雷・大雨・嵐に注意とのこと，明日は雨でも今日と同じく球場内だからと，とりあえず静かに就寝

明けて7月2日，目が覚めると意外にも雨ではなく東から陽の光も感じさせる朝となった
ダウンタウンの中心なので外も中も値段的には変わりないだろうと，ホテル内の2階レストランで朝食を摂る

メニュー方式にするか”バッフェ(Buffet)"方式にするかというので後者を選択。$16前後の値段だったと思うが，塩を頼んだら”隣の席から勝手にもってこい”などというものだから，キッチリ清算し，コーヒーを注ぎにきたウェーターのチップとして$1.00をテーブルに置いて退去する。

Crowne Plaza Hotelは一応世界ブランドだが，風呂の件といい，客への応対といい，あまり褒められたホテルではない

9:30に予約をとっているので，セントルイスの象徴であるゲートウェイアーチへと急ぐ

入場できるのはNorth Gate，今は公園の改装工事中だったのでぐるりと回らなければならなかった。

South Gateの出口側

ミシシッピ川岸には観光用のクルーズ船も停泊している

North Gateの入口側

セキュリティ確保の観点から，不特定多数の人が集まるところでは手荷物検査が必ずある。昨日のBusch Stadium もそうだった

これが日本国内でインターネットから予約したチケット，値段は $13.00と若干安いようだ。9:30の入場という予約だったが，必ずその時刻に入場できるというわけではないようだ

地下通路へと案内される

地下の広くなっているスペースではゲートウェイアーチの歴史や概要，そして注意事項などの説明がある

ゲートウェイアーチは国定記念建造物となっている”Jefferson National Expansion Memorial”公園内の一施設であり，「ここから西部開拓の歴史が始まった」として建設が開始され1965年に完成した。高さと最大幅はともに192mある。

最上部には展望スペースがあり，そこへは遊園地のゴンドラのような「トラム」でガタゴト揺られて昇っていく

トラム内は5人掛けの狭い空間になっており，1回の昇降で8基程度のトラムを数珠のように連結し運行される

トラムに乗って数分で展望スペースに到着する。トラムを降り狭い階段通路を上がればそこが展望スペース

頂上部の展望スペース

こうして小さな窓から外界を眺める

セントルイスのダウンタウンを展望し，ミシシッピ川の雄大な流れを見下ろし，アメリカ西部への夢をはせる

西側のこちらはミズーリ州（Missouri），東側にはミシシッピ川が見え，その向こう側はイリノイ州（Illinois)，「アメリカの西部とはミシシッピ川の西側をいう」との説に従えばミズーリ州は西部に属する（4枚連結）

地下には建築工事関係者の功績を記念するレリーフがある。ゲートウェイアーチだけでなく，マウント・ラシュモアやワシントン記念塔，フィラデルフィア独立記念館などのアメリカの歴史的建造物も描かれていた

時刻は10:30頃，試合開始は13:15（土曜日なのでデイゲーム）だというのに，熱心な地元カージナルスファンがもう集まてきている。大雨が心配されたが，現時点ではまだ降っていない。でも試合開始までもつかどうか

ホテルをすでにチェックアウトしているので，入場後はまず手荷物を預けなければ身動きができない。幸い手荷物はこのファンサービスの事務所で預かってもらえた

今日はホームベース側の3階席
この時点でポツリポツリと雨が降り出してきた。グランドはすでに防水シートでカバーがかけられていた

熱心なファンとそのファンを大事にする選手とで，何やら親し気に話をしているみたいだった

これが予約席1-11，日本国内でインターネット予約したが，ホームベース側ということで$66.90とやや高額だった

多くのファンはもうポンチョを被り臨戦態勢だ

アメリカの球場は観客を退屈させることはしない。この金網の中では投球練習ができる

この雨模様では警察官も時間を持て余し気味なのだろう，試合開始の13:15になって開始時間の延期のアナウンスがあったが，試合中止のアナウンスはない。よほどのことがない限り大リーグでは試合中止にはならないのだ

とはいえ，天気予報では大雨・嵐の注意が出されるほどだったので，早々と諦め家路につく人たちもいた。
当方はといえば，飛行機の時間があったので遅くとも15:30までには退出しようと思っていたのだが，この雨で14:00には球場を後にし，市内電車（ライトレール） MetroLink の最寄り駅の Stadium 駅へと移動した

市内電車（ライトレール）の MetroLinkの車内のようす。

Busch Stadium を出る時はくどいほど手にスタンプがないと再入場できないヨと繰り返されたが，この雨だと100％試合中止だろうし再入場することもないだろうと心の中で思った。しかし次の日にカージナルスからのメールで知らされたのだが，何と3-0で勝利したとのこと。ああ結局試合は行われたのだとビックリ

市内電車（ライトレール）の MetroLinkに初めて乗ることになったのだが，切符の買い方がわからない。折りよくStadium駅に球場関係者がいたので親切に教えてもらって乗車。乗車券は$2.50これは事前に調べておいた。

セントルイス空港（Lambert-St. Louis Int'l Airport）に到着したので，乗客の一人にアメリカン航空はここでいいのか尋ねたら，右方向を指さしたので慌てて電車を降りた。

ところが実際は1つ手前の East Terminalだったようで，サウスウェスト航空のカウンタぐらいしかない。結局再度空港の案内所で善後策を尋ねてTerminal Shuttleで移動した

ようやくLambert-St. Louis Int'l Airport に着いた

ところが乗る予定のAA2190は遅延（delayed）となっていて18:25発になるという。たっぷり3時間をセントスイス空港で過ごすことになった

広い空港の一角に”Freedom Shrine”とあって，その中の1つに1946年9月2日に戦艦ミズーリ号で調印された日本の降伏文書のコピーが展示されていた。そこには重光葵（当時外務大臣）と梅津美治郎（当時参謀総長）の署名がはっきりと読み取れた（2枚連結）

雨も降って（予想された大雨ではなかったが）やや肌寒いセントルイスのランバート空港，遅延もあってただ時間をやり過ごす以外にテはなかった

案内のとおり出発は18:25となるようだ，今朝の天気予報では行先のダラスは100°F（38℃換算）とあってアメリカの広さをここでも実感した

アメリカ旅行は初の雨模様となったが，念願だったセントルイスでの大リーグ観戦もできてとても満ち足りた気分だ。とりわけセントルイスのファンは野球をよく知っていて，ホーム・アウェイ関係なくいいプレー，いい選手には惜しみない拍手をおくっていたのが印象的だった。

この旅行記へのコメント （1）

• M-koku1さん 2016/08/01 06:14:52

  セントルイスのGateway

  cozy-nさん
  
  多分 始めまして！(^.^)
  
  セントルイスの表紙写真に引かれて
  旅行記 拝見しました
  
  Gateway は 新しい出張者が
  来るたびに 必ず 行っていました
  
  懐かしいです
  でも 予約なんか したことが なかった！
  cozy-n さんは
  まめなんですね！
  
  野球場へは 野球好きの 仕事仲間は
  イチローが来るから と
  行ったようですが 私は チャンスが
  なかったです
  
  バドワイザーの工場見学は
  行きましたが("⌒∇⌒")
  
  最後にビールの飲み放題が ありました
  
  犯罪率の高い街だから いつも びくびくしながら 行っていましたが
  それでも 味のある街だと 思っています
  
  ではまた
  Mより