謎の隠れ里ユガテは桃源郷のような

2016/06/12 - 2016/06/12

奥武蔵の山々はアクセスもよく、初心者にも手ごろな標高なので、
よく行くエリアです。　とりわけ、西武秩父線の吾野３兄弟駅から
東側の尾根歩きは見晴らしもよく、お気に入りです。

さて東吾野駅から山中に分け入ると、ある所に突然異界が現れる
のだと雑誌で読んだ憶えがあり、いつか訪れてみたいと思って
いました。

まあ異界というのは大げさですが、山中に突然花の咲き乱れる
美しい集落が出現するんだとか。　

今日はそんな隠れ里に迷い込んでみましょう。

エリア 飯能(埼玉)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0
• 交通: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: 私鉄

ということで、やって来ました東吾野駅。

東吾野駅 駅

天覚山あっち 顔振峠こっち
ハイカー向けの大ざっぱな標識ですね

「ユガテってどんな意味かなあ、どんないわれがあるんだろう・・・・」

東吾野駅 駅

東吾野駅から渓流沿いに舗装路を行きます。

「ホタルか、きれいなんだろなあ」。

しばらく行きますと趣あるお寺が。

福徳寺ね。

臨済宗建長寺派の楊秀山福徳寺です。

建暦２年（１２１２）の創立で、開山は、宝山禅師と伝えられ
ている。永く無住であるが檀家一同の深い信仰心に護られて
今日に至っているとのことです。

この立派な阿弥陀堂は国重要文化財です。

さーて、山に分け入ります。

「あんが・・　 く・くまって」ここ都内から１時間すよ。

そういえば今年の春は東北地方でクマの被害がひどい
年だったなあ。 歌いながら行けばましかしら。

今まで頼りないながらも舗装路が続いてきましたが、
ここからが本番の登りですね。 右手に行きます。

バイクだったら絶対左選択すね。

杉林の中をとぼとぼと。

眺望はまったくありません。

見事にまっすぐな杉と思ったら電柱が突然・・

なんでこんな所に？

おっ ユガテって書いてある。

厳しい登りの後、ぽっかりと開けた地に。

軽自動車なら入ってくる道があるのか・・・

ユガテ到着！

標高２９０ｍなり。

里の入り口は緑のトンネル。

風流を解する人達なんでしょうね。

おー 人家がある。

昔はもう少し人家も多かったのかもしれない。

畑をつくりここで暮らす。　何代も前からこの地に根付いているの
だろうなあ。

平地のコメつくりの暮らしとは違うけれど、畑では芋、胡麻、唐辛子や
キビなど順調に育っているようだ。

これぞ日本の里山

夜は寂しいかなあ

でも、胡麻畑の上に月が上ったらいい風情だろうな

植えたのか自然に生えたのか

山中に突然出現したお花畑

ぼーっと眺めていたら、ここがなぜ桃源郷といわれるのか
理解できたような気がしました。

「どうしてこんな不便な所に・・」という感想はお住まいの方には
失礼ですね。

ユガテ　興味深い名前です。
「湯ガ手」「湯ガ天」いくつかいわれもあるようですが、
はっきりしませんでした。　いずれにせよ、かってはお湯が湧いていた
ことをうかがわせます。　温泉があれば人気の観光地になっていたかも
しれません。

そろそろ帰路につきましょう。

いうべきほど、見るべきほどの観光スポットではありません。
でも不思議なことにぼくの心の深いところに、くっきりと心象風景が
焼き付いた旅でした。

おつきあいいただいた皆さま、ありがとうございました。