2016/05/13 - 2016/05/13
26位(同エリア114件中)
玄白さん
昨年春にいすみ鉄道沿線の菜の花・桜撮影に訪れたとき宿泊した漁師民宿のおかみさんに教えてもらった御宿の海岸の撮影ポイントのことが気になっていた。連れ合いが、友達と軽井沢・上田方面に一泊旅行に出かけたので、この機会に撮影のことを最優先に、気ままな一人旅を楽しんできた。風景撮影は早朝、夕刻、夜が多いので、連れ合いが一緒だと、何かと制約が多いのである。特に最近は星景写真にハマっているので、行動は夜が多い。そのため、宿泊は手軽な車中泊。
まずは、一日目の昼間は、撮影ポイントの下見だ。大波月海岸、小波月海岸、JAXA勝浦宇宙通信所、そしてちょっと遠出して鴨川の大山千枚田を回ってきた。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車
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民宿のおかみさんに教えてもらった撮影ポイントは、ここ「大波月海岸」である。御宿の岩和田漁港から北に700m行ったところに、海岸に降りる入口がある。
昨年も一応撮影に訪れたものの天気が悪くじっくり様子は見られなかったのである。
観光施設、売店、トイレや駐車場などはない。しかし、交通量は少ないので路駐で問題なし。
一般の観光客は、ほとんど訪れることはないらしいが千葉県の風景写真愛好家には、結構知られているポイントらしい。 -
かろうじて踏み跡があるような細い草茫々の道を、7分ほど下っていくと海岸に出る。100mに満たない小さなビーチだ。だれもいない。一人占めのプライトベートビーチだ。
左側に三角に尖がった岩がある。通称「ローソク岩」と呼ばれているらしい。 -
イチオシ
スマホのコンパスで方位を確認し、国立天文台暦計算室のHPの日の出時間を見比べると、2月と10月頃に左の崖とローソク岩の間から日が昇るようだ。今は夏至に近づきつつあるので、日は左側の崖から昇ることになる。期待するのは朝焼けの風景だな。
機会があれば、ろうそく岩の先っぽから日が昇る姿を捉えてみたい。 -
昨年、民宿のおかみさんに教えられて訪れたときは気がつかなかったが、ビーチの右端に海蝕洞がある。ちょうど干潮なので、濡れることなく洞穴の中に入ることができた。
これはいい! ここから見るローソク岩から昇る太陽や月の姿、あるいは星空はまさに絶景だ。
ここが地元の写真愛好家に人気がある理由がわかった。 -
イチオシ
昼間の風景もなかなかいいなあ・・・
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ローソク岩の方に近寄ってみる。かわいらしい滝が流れている。
とにかく、このビーチには人工物が何もないのがいい。ただ、この海岸に降りてくる途中に、ペットボトルなどのゴミが散見された。せっかくの絶景がゴミで汚されるのは残念至極だ。 -
房総半島突端からこの辺りまではリアス式海岸で、いたるところ、波打ち際まで断崖絶壁が迫っている地形が続く。
崖の岩肌にはフナムシがわんさかと動き回っている。 -
ついでに、隣の小波月海岸にも行ってみた。
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こちらは海岸に出る道は途中に民家があるため車が出入りできる広い道である。
民家の庭に植えられた花のこぼれ種がねついたものか、道端には花が咲いている。 -
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ヒルガオも咲いていた。ヒルガオは園芸種として栽培されることはないようなので、砂浜に自生しているものであろう。
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5分ほどで、海岸に出る。
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小波月海岸は、名前の通り大波月海岸より、もっと狭い。ビーチの長さは50mくらい。
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ここにも海蝕洞がある。
しかし、風景写真の被写体としては、やはり大波月に軍配があがるな。 -
こちらは、アクセスが簡単なせいか、小さな子供連れの若夫婦が磯遊びに来ていた。
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このあと、コンビニ弁当で軽く昼食を済ませた後、勝浦へ移動。目指すはJAXA勝浦宇宙通信所へ。
勝浦宇宙通信所(JAXA) 美術館・博物館
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ここには、JAXAが打ち上げた人工衛星のいくつかを追跡・管制するためのパラボラアンテナが設置されている。ここを訪れた目的は、宇宙に向けて据えられたパラボラアンテナと星のコラボ写真を撮りたいと思ったからである。
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ここは無料で一般公開されていて、見学コースが用意されている。せっかくなので見学していくことにした。
受付で住所・名前を記帳し、見学許可証を首にぶら下げて自由に見学できる。見学者名簿を見ると、今日の見学者は玄白が3人目だった。午前中、年配の夫婦一組の見学があったようだ。
受付の人によると、週末に小中学生の見学者が多い、GW中は一日100人以上の来館者があったという。 -
JAXA勝浦宇宙通信所のジオラマ模型が置いてあった。
残念ながら、午後5時に敷地に入る門が閉じられてしまうので、構内での写真撮影はできないとのこと。ジオラマを見る限り、敷地外からパラボラアンテナと星を撮影できる場所はなさそうだ。受付の人に、敷地外から夜撮影できる場所はないか確認してみたが、「ない!」とつれない返事だった。 -
展示室には、ここで管制している人工衛星の模型を中心に展示されている。
これは、海洋観測衛星「もも1号」の宇宙空間での過酷な環境に対する耐性試験用に開発された実物大モデル -
超高速インターネット通信衛星「きずな」の縮小模型。人型との比較で大きさが推定できる。
予定より3年遅れて2008年に、H2-Aロケットで打ち上げられ、静止軌道に乗った。これにより、離島や僻地のインターネット環境整備、大規模災害時の通信インフラ整備が可能になるのだが、この衛星そのものは商用サービスに使う機能はなく、あくまでも技術実証試験衛星である。当初予定では2010年に商用サービス用の衛星が打ち上げられる計画だったが、未だに実現していない。 -
JAXAの人工衛星で、一番人気はやはり奇跡の生還を果たした小惑星探査衛星「はやぶさ」であろう。なにしろ、映画化までされたのである。
勝浦宇宙通信所は、「はやぶさ」や我々に身近な存在の気象衛星「ひまわり」の追跡・管制はやっていないが、来館者に興味を持ってもらうには、「はやぶさ」関連の展示が必要なのであろう。 -
子供向けに、「はやぶさ」の打ち上げ、スィングバイによる軌道変更、小惑星タッチダウン、途絶した通信の復旧、大気圏再突入までの過程をゲーム感覚で学べるシミュレータが展示されている。
「上級者向けチャレンジ、人工衛星の軌道設計」に挑戦してみたが、いや難しい、歯が立たなかった。 -
月周回衛星「かぐや」の縮小模型。
「はやぶさ」や「ひまわり」のような派手さはないが、純科学衛星として、月の詳細な重力分布測定や25億年前まで月の裏側では火山活動があったことを解明するなど、世界に誇れる成果を挙げている。 -
従来の主力ロケットだったH2−Aとこれからの主力となるH2−Bの比較模型。いかにコストをかけず、性能アップさせたかという解説がされている。
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各国のロケットの比較模型。左上はご存知、スペースシャトル、真ん中は欧州のアーリアンロケット、右上はロシアのソユーズ、左下は日本のH2−A、真ん中は小型衛星打ち上げ専用の次世代の低コスト個体燃料ロケット、イプシロン、右下が役目を終えたミュー?型ロケット
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パラボラアンテナと星の撮影は断念することにして、「かんぽの宿勝浦」に立ち寄り、日帰り入浴。
亀の井ホテル 鴨川 宿・ホテル
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高台にあるので、風呂から外房の梅が眺められる。(写真はロビーにて撮影)
ここの温泉は、源泉温度27度の鉱泉なので加温しているが、ジャグジー、サウナ、打たせ湯など設備は充実している。もちろん露天風呂有り。入浴料¥800 -
次に向かったのは、鴨川の大山千枚田。房総半島のほぼ真ん中の中山間にあり、首都圏から一番近い棚田として、知られている。
大山千枚田 名所・史跡
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大小375枚の棚田が連なっている。棚田は風景写真愛好家にとって人気の被写体だが、ここは首都圏に近いこともあって一般観光客も増えているようだ。畦を保全するため、棚田のオーナー以外は、田んぼの畔に入ることは禁止されている。
棚田の端に「棚田クラブ」という施設があって、都会の棚田オーナーと地元保存会の人との交流ができるようになっている。ここで、棚田に入る特別許可をもらって腕章をつければ棚田の中に入ることもできる。ただし、¥500の腕章代、さらには半ば強制的に保存会入会(年会費¥3,000)を勧められるらしい。
それゆえ、撮影はもっぱらアスファルト道路上からである。 -
イチオシ
ネットでは東西に棚田が広がっているというので、夕日の棚田への映り込みを期待していたのだが、西から東に傾斜しているため、夕方になると棚田全体が影になってしまう。ここでの撮影ベストタイムは朝のようだ。
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イチオシ
黄昏時になっても、おばあさん一人田植えの後の補修作業をしている。あとで、仕事を終えたおばあさんとちょっと立ち話をさせてもらった。棚田の一部を使って地元の小学生に農作業実習の指導をしているという。先日、子供たちに田植えの授業をしたのだが、その後、ザリガニが苗を痛めてしまったので、傷んだ苗を植えなおしていたのだそうだ。
棚田にはザリガニのみならず、いろいろな生物が息づいていて、生物多様性の観点からも、棚田保存の意義が高まっていて、各地の棚田がオーナー制度を取り入れている。 -
6年前に千葉国体が開催され、天皇皇后両陛下が臨席の折、この大山千枚田も視察になられたというので、記念碑が建てられている。ここで読まれたという御製の和歌が刻まれている。
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棚田クラブの入り口付近から棚田を俯瞰する。観光客向けに展望デッキまで設えてある。すっかり、観光地化している棚田である。
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日の入りの時間になった。棚田の一番上まで行き、西側をのぞいてみた。こちらには整然とした棚田はなく、道路横に一枚の田んぼがあるだけだ。かなたには棚田らしき地形がみえるのだが、どうやら、耕作放棄地になっているようで、水は張られていない。
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イチオシ
夕焼けも大したことはなかった。
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西の空には月が出ているので、棚田への月の映り込みが見えるところはないか、ウロウロしてみたが、棚田の中に入れないので良い撮影ポイントは見つけられなかった。
そろそろ撤収。4人いたカメラマンもすでに全員帰っていった。 -
御宿に戻る途中、鴨川市内の寿司屋で夕食。
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車であるし、連れ合いはいないのでアルコールはご法度。ノンアルコールビールで寿司をつまむ。
いくつかの寿司を記録として残しておこう。
上段から地魚食べ比べ(左よりワラサ、アジ、ホウボウ、カツオ)
中段 桜エビ(駿河湾産)
下段 アナゴ
満腹になったところで御宿に戻り、撮影本番だ。
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