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[西日本最高所道路から気軽に登れる超高山群]<br />西日本最高峰・石鎚山の最短登山コース登山口・土小屋から東方に延びる林道は、予佐越(よさこい)峠でUFOライン(いの町町道瓶ヶ森線)に接続される。UFOラインは旧寒風山トンネル東口まで27kmに亘って続くが、その最高所は標高約1700mで西日本一。愛媛・高知県境の長大な石鎚山脈沿いを走っているため、展望は雄大で、雲に覆われることもあり、雲上或いは雲中ドライブを楽しむことができる。<br /><br />その山脈の各高山には散策からハイキング程度で登れる山が多く、伊吹山(1502.8m)の最短登山コースでは僅か5分で登頂できる。一般観光客にも人気が高く、大平原を擁する四国第5位の標高を誇る瓶ヶ森(1896m)ですら、30分台で登頂可。西黒森(1861m)、自念子ノ頭(1701.5m)、東黒森(1735m)、伊予富士(1756m)等もそれ以下のハイキング程度の所要時間で登頂できる。皆、山頂や稜線は森林限界を超えた笹原なので、パノラマが広がる。<br /><br />また、山容が独特な子持権現山(1677m)の垂直の崖には、石鎚山より長い登攀鎖があり、道のない大アレ(1537.1m)や鷹ノ巣山(1596.2m)、潰ヶ谷山(1203m)は有名峰に登り飽きたピークハンターにとっては登り甲斐がある。<br />UFOライン沿いの高山群の登山コースについては、「山と高原地図 石鎚・四国剣山」(昭文社)を入手しておくと良い。<br />因みにUFOラインはUFOの目撃が多いことから名付けられた通称。<br /><br />UFOライン沿いの有名峰は皆、’90年代半ばに登頂しているので、特に登山するつもりはなく、今回は石鎚山脈屈指のアケボノツツジ群生の山・岩黒山(1745.6m)に登った。登山口は石鎚山と同じ土小屋。しかし事前(GW突入時)に問い合わせた久万高原町の観光部署の誤った回答により、先日登った土曜は、花は殆ど散っていた。町内屈指の観光山なのに、自治体が開花状況を把握していないとは、自治体の「姿勢(市政)」が問われかねない。<br /><br />岩黒山山頂からの展望は山脈の他の山同様、優れていたが、このまま帰路に着いたのであれば、一日が無駄になる。そこで以前登った時は天気が悪くなり、展望をあまり楽しめなかった四国第11位の標高の山、西黒森に登ることにし、車でUFOラインに移動した。<br />最短登山コースの登山口は瓶ヶ森との鞍部下、吉野川源流碑下方にあるが道標は設置されていない。因みに高知から徳島へと流れる吉野川の源流点は標高1200m地点にあり、沢沿に登山コースがある。<br /><br />登頂に要する時間は短時間だが、山頂直下では、ロープが欲しいほどの急勾配になっている。道沿いには一部、アケボノツツジの花弁も見られたが、ここは岩黒山より標高が高いためだろう。山頂周辺にはコメツツジ(開花はまだ)の小群落もあった。<br />コースからの展望はいいが、山頂自体は灌木が育っていたため、展望は消えていた。コースから山頂の北側にアケボノツツジの群生が見えていたので、ヤブをかき分けて進むと、北の小ピーク周辺に満開の群生があった。<br /><br />帰路は急勾配の起点の分岐まで引き返し、逆の南東に下ったが、こちらのコースにも満開のアケボノが随所に咲いていた。岩黒山との高度差は僅か100m少々なのに、開花にこんな差が出るとは意外だった。<br /><br />≪ワンポイント情報≫<br />[宿泊施設]<br />岩黒山から西黒森にかけての一般観光客向きの宿泊施設は二ヶ所。土小屋に国民宿舎・石鎚と白石ロッジ(久万高原町)、UFOライン沿いのシラザ峠に山荘しらさ(いの町)。<br /><br />[交通アプローチ]<br />土小屋へは登山シーズン期、松山市や久万高原町からバスの便があるが、日帰り登山に適した便はないかも知れない。<br />宿泊縦走登山が好きな方は、土小屋までバスで上がり、そこかシラザ峠まで縦走して一泊し、次の日、縦走路を西黒森まで縦走した後、瓶ヶ森へ引き返して西条市の西之川に下り、バスで西条市中心部へ向かうプランも考えられる。<br /><br />車では土小屋へは石鎚スカイライン経由と国道194号の高知・愛媛県境にある寒風山トンネルから旧寒風山トンネルに上がり、UFOラインを西進するルート、いの町の県道40号からよさこい峠に上がり、西進するルートがあるが、石鎚スカイラインは二車線なので走行し易い。<br /><br />石鎚スカイラインの麓の起点にはゲートがあるため、通行可能時間は5月まで7〜19時、6〜8月は20時まで、9〜11月は18時までとなっている。<br />UFOラインは現在工事のため、土日以外は時間制通行制限が行われている。

西日本一の雲上の山岳道路沿いのアケボノツツジ咲く高山

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2016/05/14 - 2016/05/14

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マローズ

マローズさん

[西日本最高所道路から気軽に登れる超高山群]
西日本最高峰・石鎚山の最短登山コース登山口・土小屋から東方に延びる林道は、予佐越(よさこい)峠でUFOライン(いの町町道瓶ヶ森線)に接続される。UFOラインは旧寒風山トンネル東口まで27kmに亘って続くが、その最高所は標高約1700mで西日本一。愛媛・高知県境の長大な石鎚山脈沿いを走っているため、展望は雄大で、雲に覆われることもあり、雲上或いは雲中ドライブを楽しむことができる。

その山脈の各高山には散策からハイキング程度で登れる山が多く、伊吹山(1502.8m)の最短登山コースでは僅か5分で登頂できる。一般観光客にも人気が高く、大平原を擁する四国第5位の標高を誇る瓶ヶ森(1896m)ですら、30分台で登頂可。西黒森(1861m)、自念子ノ頭(1701.5m)、東黒森(1735m)、伊予富士(1756m)等もそれ以下のハイキング程度の所要時間で登頂できる。皆、山頂や稜線は森林限界を超えた笹原なので、パノラマが広がる。

また、山容が独特な子持権現山(1677m)の垂直の崖には、石鎚山より長い登攀鎖があり、道のない大アレ(1537.1m)や鷹ノ巣山(1596.2m)、潰ヶ谷山(1203m)は有名峰に登り飽きたピークハンターにとっては登り甲斐がある。
UFOライン沿いの高山群の登山コースについては、「山と高原地図 石鎚・四国剣山」(昭文社)を入手しておくと良い。
因みにUFOラインはUFOの目撃が多いことから名付けられた通称。

UFOライン沿いの有名峰は皆、’90年代半ばに登頂しているので、特に登山するつもりはなく、今回は石鎚山脈屈指のアケボノツツジ群生の山・岩黒山(1745.6m)に登った。登山口は石鎚山と同じ土小屋。しかし事前(GW突入時)に問い合わせた久万高原町の観光部署の誤った回答により、先日登った土曜は、花は殆ど散っていた。町内屈指の観光山なのに、自治体が開花状況を把握していないとは、自治体の「姿勢(市政)」が問われかねない。

岩黒山山頂からの展望は山脈の他の山同様、優れていたが、このまま帰路に着いたのであれば、一日が無駄になる。そこで以前登った時は天気が悪くなり、展望をあまり楽しめなかった四国第11位の標高の山、西黒森に登ることにし、車でUFOラインに移動した。
最短登山コースの登山口は瓶ヶ森との鞍部下、吉野川源流碑下方にあるが道標は設置されていない。因みに高知から徳島へと流れる吉野川の源流点は標高1200m地点にあり、沢沿に登山コースがある。

登頂に要する時間は短時間だが、山頂直下では、ロープが欲しいほどの急勾配になっている。道沿いには一部、アケボノツツジの花弁も見られたが、ここは岩黒山より標高が高いためだろう。山頂周辺にはコメツツジ(開花はまだ)の小群落もあった。
コースからの展望はいいが、山頂自体は灌木が育っていたため、展望は消えていた。コースから山頂の北側にアケボノツツジの群生が見えていたので、ヤブをかき分けて進むと、北の小ピーク周辺に満開の群生があった。

帰路は急勾配の起点の分岐まで引き返し、逆の南東に下ったが、こちらのコースにも満開のアケボノが随所に咲いていた。岩黒山との高度差は僅か100m少々なのに、開花にこんな差が出るとは意外だった。

≪ワンポイント情報≫
[宿泊施設]
岩黒山から西黒森にかけての一般観光客向きの宿泊施設は二ヶ所。土小屋に国民宿舎・石鎚と白石ロッジ(久万高原町)、UFOライン沿いのシラザ峠に山荘しらさ(いの町)。

[交通アプローチ]
土小屋へは登山シーズン期、松山市や久万高原町からバスの便があるが、日帰り登山に適した便はないかも知れない。
宿泊縦走登山が好きな方は、土小屋までバスで上がり、そこかシラザ峠まで縦走して一泊し、次の日、縦走路を西黒森まで縦走した後、瓶ヶ森へ引き返して西条市の西之川に下り、バスで西条市中心部へ向かうプランも考えられる。

車では土小屋へは石鎚スカイライン経由と国道194号の高知・愛媛県境にある寒風山トンネルから旧寒風山トンネルに上がり、UFOラインを西進するルート、いの町の県道40号からよさこい峠に上がり、西進するルートがあるが、石鎚スカイラインは二車線なので走行し易い。

石鎚スカイラインの麓の起点にはゲートがあるため、通行可能時間は5月まで7〜19時、6〜8月は20時まで、9〜11月は18時までとなっている。
UFOラインは現在工事のため、土日以外は時間制通行制限が行われている。

旅行の満足度
5.0
観光
5.0
ホテル
3.5
交通
3.0
交通手段
自家用車

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  • 岩黒山登山道の木の根道

    岩黒山登山道の木の根道

  • 岩に根を張る木

    岩に根を張る木

  • 五葉松の林

    五葉松の林

  • 山頂を目指して

    山頂を目指して

  • 岩門のような箇所や巨岩が随所にあるため「岩黒山」と名付けられた。

    岩門のような箇所や巨岩が随所にあるため「岩黒山」と名付けられた。

  • 辛うじて残るアケボノツツジ

    辛うじて残るアケボノツツジ

  • 花弁が残っている木は極めて少ない

    花弁が残っている木は極めて少ない

  • もう少しで岩黒山山頂

    もう少しで岩黒山山頂

  • 石鎚山その他の石鎚山脈を見渡せる岩黒山山頂

    石鎚山その他の石鎚山脈を見渡せる岩黒山山頂

  • 復路は反対側の尾根を下る

    復路は反対側の尾根を下る

  • 石鎚山方面を望む

    石鎚山方面を望む

  • 二本の道路の合流点がよさこい峠で、その上のだだっ広い山が伊吹山。その背後に瓶ヶ森~西黒森~自念子ノ頭。

    二本の道路の合流点がよさこい峠で、その上のだだっ広い山が伊吹山。その背後に瓶ヶ森~西黒森~自念子ノ頭。

  • ミツバツツジ

    ミツバツツジ

  • ウラジロモミの林

    ウラジロモミの林

  • 土小屋の駐車場に辛うじて残るヤマザクラ。

    土小屋の駐車場に辛うじて残るヤマザクラ。

  • UFOラインから見た子持権現山。見る角度によっては、子供を背負っているように見える。

    UFOラインから見た子持権現山。見る角度によっては、子供を背負っているように見える。

  • UFOラインから望む瓶ヶ森

    UFOラインから望む瓶ヶ森

  • UFOラインのすぐ上になだらかに盛り上がる西黒森だが、急勾配もある。

    UFOラインのすぐ上になだらかに盛り上がる西黒森だが、急勾配もある。

  • 雲に包まれるUFOライン

    雲に包まれるUFOライン

    町道瓶ヶ森線 (UFOライン) 乗り物

    西日本一高い所を走る雲上山岳道路 by マローズさん
  • 尾根道を西黒森に向けて

    尾根道を西黒森に向けて

  • 振り返ると瓶ヶ森から続く縦走路が見える。左下がUFOライン。

    振り返ると瓶ヶ森から続く縦走路が見える。左下がUFOライン。

  • アケボノツツジ

    アケボノツツジ

  • 雲が迫る瓶ヶ森とその下のUFOライン

    雲が迫る瓶ヶ森とその下のUFOライン

  • 西黒森山頂

    西黒森山頂

  • まだまだ満開のアケボノツツジ

    まだまだ満開のアケボノツツジ

  • 復路のコース沿いにはアケボノツツジの群落が

    復路のコース沿いにはアケボノツツジの群落が

  • アケボノツツジ群落

    アケボノツツジ群落

  • アケボノツツジ群生地

    アケボノツツジ群生地

  • 復路の終盤。右奥に神鳴池跡の笹原が見える。

    復路の終盤。右奥に神鳴池跡の笹原が見える。

  • 神鳴池跡。昔、この池畔で雨乞いをしていると、池から巨大な蜘蛛が現れたという。

    神鳴池跡。昔、この池畔で雨乞いをしていると、池から巨大な蜘蛛が現れたという。

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