2016/05/14 - 2016/05/14
107位(同エリア155件中)
マローズさん
[西日本最高所道路から気軽に登れる超高山群]
西日本最高峰・石鎚山の最短登山コース登山口・土小屋から東方に延びる林道は、予佐越(よさこい)峠でUFOライン(いの町町道瓶ヶ森線)に接続される。UFOラインは旧寒風山トンネル東口まで27kmに亘って続くが、その最高所は標高約1700mで西日本一。愛媛・高知県境の長大な石鎚山脈沿いを走っているため、展望は雄大で、雲に覆われることもあり、雲上或いは雲中ドライブを楽しむことができる。
その山脈の各高山には散策からハイキング程度で登れる山が多く、伊吹山(1502.8m)の最短登山コースでは僅か5分で登頂できる。一般観光客にも人気が高く、大平原を擁する四国第5位の標高を誇る瓶ヶ森(1896m)ですら、30分台で登頂可。西黒森(1861m)、自念子ノ頭(1701.5m)、東黒森(1735m)、伊予富士(1756m)等もそれ以下のハイキング程度の所要時間で登頂できる。皆、山頂や稜線は森林限界を超えた笹原なので、パノラマが広がる。
また、山容が独特な子持権現山(1677m)の垂直の崖には、石鎚山より長い登攀鎖があり、道のない大アレ(1537.1m)や鷹ノ巣山(1596.2m)、潰ヶ谷山(1203m)は有名峰に登り飽きたピークハンターにとっては登り甲斐がある。
UFOライン沿いの高山群の登山コースについては、「山と高原地図 石鎚・四国剣山」(昭文社)を入手しておくと良い。
因みにUFOラインはUFOの目撃が多いことから名付けられた通称。
UFOライン沿いの有名峰は皆、’90年代半ばに登頂しているので、特に登山するつもりはなく、今回は石鎚山脈屈指のアケボノツツジ群生の山・岩黒山(1745.6m)に登った。登山口は石鎚山と同じ土小屋。しかし事前(GW突入時)に問い合わせた久万高原町の観光部署の誤った回答により、先日登った土曜は、花は殆ど散っていた。町内屈指の観光山なのに、自治体が開花状況を把握していないとは、自治体の「姿勢(市政)」が問われかねない。
岩黒山山頂からの展望は山脈の他の山同様、優れていたが、このまま帰路に着いたのであれば、一日が無駄になる。そこで以前登った時は天気が悪くなり、展望をあまり楽しめなかった四国第11位の標高の山、西黒森に登ることにし、車でUFOラインに移動した。
最短登山コースの登山口は瓶ヶ森との鞍部下、吉野川源流碑下方にあるが道標は設置されていない。因みに高知から徳島へと流れる吉野川の源流点は標高1200m地点にあり、沢沿に登山コースがある。
登頂に要する時間は短時間だが、山頂直下では、ロープが欲しいほどの急勾配になっている。道沿いには一部、アケボノツツジの花弁も見られたが、ここは岩黒山より標高が高いためだろう。山頂周辺にはコメツツジ(開花はまだ)の小群落もあった。
コースからの展望はいいが、山頂自体は灌木が育っていたため、展望は消えていた。コースから山頂の北側にアケボノツツジの群生が見えていたので、ヤブをかき分けて進むと、北の小ピーク周辺に満開の群生があった。
帰路は急勾配の起点の分岐まで引き返し、逆の南東に下ったが、こちらのコースにも満開のアケボノが随所に咲いていた。岩黒山との高度差は僅か100m少々なのに、開花にこんな差が出るとは意外だった。
≪ワンポイント情報≫
[宿泊施設]
岩黒山から西黒森にかけての一般観光客向きの宿泊施設は二ヶ所。土小屋に国民宿舎・石鎚と白石ロッジ(久万高原町)、UFOライン沿いのシラザ峠に山荘しらさ(いの町)。
[交通アプローチ]
土小屋へは登山シーズン期、松山市や久万高原町からバスの便があるが、日帰り登山に適した便はないかも知れない。
宿泊縦走登山が好きな方は、土小屋までバスで上がり、そこかシラザ峠まで縦走して一泊し、次の日、縦走路を西黒森まで縦走した後、瓶ヶ森へ引き返して西条市の西之川に下り、バスで西条市中心部へ向かうプランも考えられる。
車では土小屋へは石鎚スカイライン経由と国道194号の高知・愛媛県境にある寒風山トンネルから旧寒風山トンネルに上がり、UFOラインを西進するルート、いの町の県道40号からよさこい峠に上がり、西進するルートがあるが、石鎚スカイラインは二車線なので走行し易い。
石鎚スカイラインの麓の起点にはゲートがあるため、通行可能時間は5月まで7〜19時、6〜8月は20時まで、9〜11月は18時までとなっている。
UFOラインは現在工事のため、土日以外は時間制通行制限が行われている。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 3.5
- 交通
- 3.0
- 交通手段
- 自家用車
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岩黒山登山道の木の根道
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岩に根を張る木
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五葉松の林
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山頂を目指して
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岩門のような箇所や巨岩が随所にあるため「岩黒山」と名付けられた。
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辛うじて残るアケボノツツジ
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花弁が残っている木は極めて少ない
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もう少しで岩黒山山頂
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石鎚山その他の石鎚山脈を見渡せる岩黒山山頂
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復路は反対側の尾根を下る
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石鎚山方面を望む
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二本の道路の合流点がよさこい峠で、その上のだだっ広い山が伊吹山。その背後に瓶ヶ森~西黒森~自念子ノ頭。
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ミツバツツジ
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ウラジロモミの林
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土小屋の駐車場に辛うじて残るヤマザクラ。
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UFOラインから見た子持権現山。見る角度によっては、子供を背負っているように見える。
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UFOラインから望む瓶ヶ森
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UFOラインのすぐ上になだらかに盛り上がる西黒森だが、急勾配もある。
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雲に包まれるUFOライン
町道瓶ヶ森線 (UFOライン) 乗り物
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尾根道を西黒森に向けて
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振り返ると瓶ヶ森から続く縦走路が見える。左下がUFOライン。
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アケボノツツジ
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雲が迫る瓶ヶ森とその下のUFOライン
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西黒森山頂
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まだまだ満開のアケボノツツジ
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復路のコース沿いにはアケボノツツジの群落が
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アケボノツツジ群落
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アケボノツツジ群生地
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復路の終盤。右奥に神鳴池跡の笹原が見える。
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神鳴池跡。昔、この池畔で雨乞いをしていると、池から巨大な蜘蛛が現れたという。
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