2016/04/16 - 2016/04/16
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ウェンディさん
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昔々の記憶、小さな少女のおひさま幼稚園でのたった一つの記憶。
それは、幼稚園の編入面接の時の情景。
初めての面接でカチコチに緊張している幼い少女に、先生が、何色が好き?と優しく聞く。
少女は先生の目を見つめ、迷いなく大好きな色の名を告げる。
少女が口にしたその色は、ぐんじょういろ。
まさか5歳児から群青色と云うシブイ答えが返って来るとは予期していなかった先生は、チョッピリと驚いた顔。
元気いっぱい、群青色が好き♪と少女が答えたあの日からまもなく半世紀。
今の私もあの時と変わらず群青、青、蒼、藍…、ブルーの色が大好き♪
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- JRローカル 私鉄
PR
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イチオシ
大好きな青が一面に広がる世界、その世界を見ることが出来る場所がある。
その場所は【国営ひたち海浜公園】のネモフィラの丘。
ネモフィラの丘の名は有名過ぎるほど有名な場所なのだが、その花の時期はそんなに長くはなく、例年4月下旬から5月上旬の二週間程度と短い。
毎年見に行きたいと思いつつもなかなか実現していなかった。
しかし2016年は春の訪れが早く、4月の下旬を待たずしてのネモフィラの満開情報。
そして、その情報を知った週末の天気予報は晴れ!
旅の神様の甘美な囁き。
このチャンスを逃したら、次の週末の天気は分からない。
(写真:ネモフィラが咲く青い丘) -
せっかく海岸沿いへと向かうならば、春の穏やかな海風を感じながら碧く凪ぐ海も眺めたい。
ネモフィラが咲く丘の近くには白亜紀の地層が見られる海岸線、恐竜が歩いていた大地があり、一度は海の底へと沈んだ大地が隆起した化石海岸もある。
ネモフィラの咲く浜辺から化石海岸までは約5kmの距離。
少し遠いが、歩けない距離ではない。
と云う訳で、春の1 Day Tripはネモフィラの丘と化石海岸へ!
(写真::磯崎の中生代白亜紀層海岸) -
東京からネモフィラが咲くひたち海浜公園へ公共交通機関でアクセスする場合、大きく分けて3通りの方法が考えられる。
移動が楽な順番にランク付けをすると、その方法は以下の3つ。
1. 東京駅から高速バスで、海浜公園までラクチン移動
2. JRびゅうのパック切符を用いて、上野から勝田駅まで特急移動
3. ひたすら各駅停車でトコトコ鈍行移動
方法1〈高速バス〉のメリットは安い事。
平日ならば往復3800円、土日でも4480円で東京駅-海浜公園間が直通で往復でき、バスの乗車時間も約2時間と非常に短い。
だが上手い話には裏があり、デメリットもある。
直通高速バスを使うデメリットは公園での滞在時間が短いこと。
朝イチのバスで海浜公園へと行き最終バスで帰ってくるとしても、公園での滞在時間は約4時間しかない。
方法2〈JRびゅう〉のメリットは上野駅から特急利用+公園の入園券+園内移動のバスのフリー乗車券がついて6500円(普通に全額支払うよりは2000円程度安い)とお得感があるパックプランだという事。
各駅停車で上野から勝田駅まで行ったら2時間以上程度がかかるが、特急利用ならばその半分の程度の時間で行ける。
しかしこの切符は使用制限があり、切符の販売は2名〜。
おひとり様旅には使えない。
方法3〈鈍行移動〉は特急プランよりも安いのだが、ひたすら各駅停車なので勝田までの乗車時間が長い。
〈写真:ネモフィラの丘へのゲート駅である勝田駅(ひたちなか海浜鉄道)の駅名看板)勝田駅 駅
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私的には、方法1〈高速バス〉プランは滞在時間が4時間と短すぎ、駆け足で見るのは好きではなかったのでパス。
6500円と少々高いが、朝一から好きな時間までユックリと滞在でき、往復の電車の時間を選べる方法2〈JRびゅう〉プランが候補として挙がっていた。
しかし、びゅうの切符を購入しようとした日にJRのホームページを確認すると、ページの下の方に小さく“この切符のご利用は2名以上〜”の文字。
分身でもしない限り二名にはなれないので、泣く泣く諦めて、方法3〈鈍行列車〉に乗り、勝田駅まで行くことになった。
〈写真:勝田駅東口 勝田駅→国立ひたち海浜公園行き 2番バス乗り場〉 -
朝5時台の電車で地元駅を出発し、2時間強をかけて朝8時に勝田駅に到着し、カフェで朝食タイム。
利用したカフェは、勝田駅の改札の前にあるハースブラウン勝田店。
ハースブラウンには普通にお得なモーニングセットもあるのだが、わざわざ此処のカフェまできて朝食をとるのは、お目当ての勝田餡パン(150円)を食べるため。
勝田餡パンは、パン表面にゲン担ぎの勝の文字が焼印してあり、その中身も粒餡と生クリームでなかなか美味しいとの噂を聞いていた。(勝田餡パンを食すれば、勝負ごとに勝てるとも噂もある)
そして肝心の勝田餡パンのその味は…というと、噂に違わず二重丸。
久しぶりに美味しい餡パンを食べることが出来た。
ただ、此処のカフェスペースは食事や飲み物は美味しかったのだが、店内の分煙が完全分煙ではないところが玉に傷な部分。
喫煙エリアと禁煙エリアの完全な仕切りが無く、禁煙エリアにも煙草の香りが漂ってくるのは、やはり非喫煙者にとってはあまり嬉しいことではない。ハースブラウン 勝田店 グルメ・レストラン
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勝田駅を朝8時半に出発するバスでひたち海浜公園の西口へと向かう。
バスの乗車時間は20分、運賃は400円でスイカやパスモは使えずに基本は現金払いだ。
公園の西口到着は9時前。
バスに乗っていた人たちの殆どが、一目散に西口ゲート前へと向かう。
今の時期の開門時間は9時半なので時間は余裕の筈…と思っていたら、あっという間に入場待ちの列の出来上がり。
入場券券売機もまだ動き出していないのに、みなさん、きちんと並んでいる。
公園の入口にはネモフィラ見頃・チューリップ5分咲の案内看板。
何年も楽しみにしていたネモフィラの咲く丘。
開門を待つ間のドキドキ感がたまらない。
券売機が動き出したのは9時過ぎ。
入場チケット(410円)を購入して、9時半にゲートから入場する。
開門時点で入場待ちのは列は非常に長く伸び、私の後ろには見える所迄でも200名以上。
その先へも列は続いていた。
私が並んでいた場所は、前から50人目位。
もしかして開門前に500人位は並んでいたのかもしれない。
さすが有名過ぎるネモフィラ、大人気だ。 -
公園内に入ると、今度は皆さん、走る・走る。
ネモフィラ目指して一直線・まっしぐら!という感じ。
でもね、ネモフィラ以外にだって綺麗な景色が広がっている。
東京よりも少しだけ遅い春の茨城。
桜が満開だった。 -
ネモフィラが咲くみはらしの丘までの1本道。
最初、目の前に見えていた青いものがネモフィラの丘だとは気付かなかった。
空の青と同じ青のネモフィラ・ブルー。
その景色が見えてきた。 -
イチオシ
初めて見るネモフィラ・ブルーの世界。
色々な写真を見てきたが、やはり自分の目で見るのではその衝撃が違う。
私の配偶者に言わせると、ただ植物を人工的に植え付けただけの人工の丘でしょ!とのことだが、人工の丘だろうが何だろうが、美しい景色であることには変わりはない。
空と同化したようなネモフィラ・ブルー。
青い空に咲く花・ネモフィラ。
天空の青い花…。
この景色が見たかったんだ。国営ひたち海浜公園 公園・植物園
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初めて会うネモフィラの花。
もっと小粒な花なのかと思っていたのだが、思っていたよりも大きく直径が3cm位ありそうだ。
青で縁どりされた白い花。
その花が丘全体に青の絨毯を作り出している。 -
すこしだけ丘を登る。
春の柔らかい青色の空。
その色とネモフィラの花色がコラボする。 -
ゆっくりとネモフィラを愉しもうと考えていたのだが、足が勝手に見晴らしの丘の頂上を目指して歩き出す。
でも、ネモフィラの景色が美しく、数歩歩いては足を止めてその景色に見とれてしまう。
結局、10分が経過しても全然高さを登っていない。 -
ネモフィラの花色は青色だけではなく、白単色の花も有る。
白色のネモフィラは固めて植えられているのだが、種が零れたのか青の花の中にときたま白い花が見える。 -
丘の頂上まで登ると、ネモフィラの丘の全体像が見渡せる。
この日は見頃(7分咲)という事で、丘の斜面にはまだ花が少ない部分も有ったが、青空とのコラボを考えたら、十分な咲き具合。
ネモフィラの丘の向こうに広がる丘陵地帯の緑色がアクセントカラーとなっている。 -
ネモフィラの向こうには古民家が見える。
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そして、菜の花畑も。
例年だと5月の連休には菜の花は殆ど終わっているのだが、今年はネモフィラの開花が早く、菜の花とのコラボが実現♪ -
瑠璃唐草とも呼ばれるネモフィラの瑠璃色、菜の花の黄色、そして空の青色。
春から初夏への季節の移ろいを色覚化したような、最高の配色だ。 -
目の前一面に広がるネモフィラの花畑。
こんな中でゴロンと寝ころびたいとも思うが、花畑の中は(当たり前だが)侵入禁止。
どこかに天然のネモフィラのお花畑、ないかなぁ…。 -
丘を登ったり下りたり、古民家の方へと行ってみたりと、気が付いたら見晴らしの丘エリアで2時間も過ごしていた。
ネモフィラを見に来ている方の数も朝の何倍にも膨れ上がり、丘への道はかなりの混雑気味。
そろそろネモフィラとはお別れの時間だ。 -
名残り惜しく後ろを振り返りつつ、ネモフィラの丘を後にする。
-
今年は開花が早かったネモフィラ。
その開花の早さのおかげで、ネモフィラと時期を同じくして園内ではまだ水仙が咲いていた。
種類によっては終わりかけの花もあったが、全体的には見頃な状態。
そして、水仙の後ろには山桜の姿も。 -
イチオシ
植えられている水仙は変わった品種も多く、この八重咲のお花は初めて見たと思う。
少し淡い黄色の花びらが幾重にも重なる様子は、なかなか可愛らしかった。 -
オーソドックスな水仙の花もあったが、そんな水仙も改めて近くで見ると
なんだか吸盤みたいで、異世界からやってきた吸血生物にも見えて来る。 -
水仙の花は香りがあるので、花畑の中へと入ると強い香りが体を包み込む。
花粉症持ちには少しキツイかな。 -
イチオシ
チューリップの花も咲いていて、寄せ植えの花壇は満開状態。
公園西口前の案内ボードには5分咲と書いてあったが、感覚的には7分咲以上だと思う。 -
チューリップにも様々な品種があり、花には全く縁のない生活をしている私には珍しいものばかり。
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このチューリップはわざと花色がくすんだアンティーク調になるように品種改良された花だそうだ。
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ネモフィラが目当てでひたち海浜公園へと来たので、チューリップがこんなに綺麗に咲いているとは想定外で嬉しい誤算だった。
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チューリップの間には引き締め色となるムスカリも植えられていて、花壇にメリハリを添えていた。
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チューリップを堪能した後は公園内の散策開始。
ひたち海浜公園は広大でその面積は約200ha。
東京ドーム41個分の面積に当たる!
だから、歩いても歩いてもなかなか次の目的地には辿り着かない。
公園内にはシーサイド・トレインという移動のための列車型のバスが走っているのだが、夏に向けてのトレーニングが必要な私は、そんな軟弱な乗り物には乗ることはない。
ひたすら歩く…。
公園内は全部で7つのエリアに分かれていて、草原エリアへとやってくると、“ネモフィラの咲くみはらしの丘の混雑状況は同じ公園内の出来事か?”と思えるほど、人がいない。 -
私が目的としていたのは公園内の7つのエリアの内の一つである砂丘ガーデンと呼ばれるエリアだ。
砂丘ガーデンと云うその名前からSand Dune―つまりサハラ砂漠っぽい砂山や鳥取砂丘の様なモノがあるモノだと勝手に想像していた。
ところが行けども・行けども、目の前に現れるのは、林・林・林。
時折姿を見せる満開を迎えた山桜が歩く慰みとはなったが、どこにも鳥取砂丘の様な砂山なんて無かった。
歩きながら、気が付いた。
砂丘ガーデンなんてしゃれた名前がついているが、要は浜辺の防砂林地帯を指す…てことに…。 -
そして防砂林の端まで歩いてようやく海が見えたが、そこにはやはり大きな砂丘は無く、有るのは砂浜だけ。
遠くに埋め立て工事をしている湾岸が見えた。
石灰岩処分場の建設だそうだ。 -
時刻はもう昼をとっくに過ぎ、14時近い時間。
昼食は海沿いにあるガラス張りの建物グラスハウスで食べることにする。
グラスハウスはカフェと軽食があり、簡単な昼食(ボンゴレパスタとドライカレーのみ)がある。
まあ、国立の施設なので多くを要求は出来ない。 -
イチオシ
このグラスハウスへ来た理由。
それは、グラスハウスのテラス席からの海を見たかったから。
グラスハウスの前はインフィニティプールになっていて、テラス席からは海とプールが一体化したかのような景色を眺めることができる…と聞いていた。
でも、本当のところを云えば、そんなに期待はしていなかったのだが…。
テラス席から見る景色はナカナカのモノ。
お昼のピーク時間を外したことも有り、ゆっくりと休憩できた。グラスハウス グルメ・レストラン
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グラスハウスでの昼食で、ひたち海浜公園の散策はおしまい。
公園の南口から出て、太平洋へと向かい歩き出す。
この日は朝からずっと歩き通しで、休んだのは昼食休憩の30分だけ。
でもこれから更にハードな歩き旅へと出発する。
まず最初に向かうのは、阿字ヶ浦浜だ。 -
実は、この日の予定で当初予定していた物はネモフィラのみで、その後の予定は現地の成り行きで考えるつもりでいた。
那珂湊のお魚市場へ行き海鮮丼を食べるのも良いし、阿字ヶ浦浜近くの日帰り温泉に行きユックリと湯につかるのもいいかなぁ…。
最近お疲れなので温泉も悪くはないと思っていたのだが、やはり化石海岸への思いが捨てられなかった。
昼食を食べながら考えたのは、歩けるまで歩いてどうしても駄目だったらタクシーで最寄りの駅まで行けばいい…そんな考えだった。
と云う訳で、海のブルーを愉しめる阿字ヶ浦浜へと到着し、しばし浜辺に佇み海の色と香りを堪能する。
そして歩き始めたのだが、歩き始めてしばらくして自分の考えの甘さを後悔することになった。阿字ヶ浦海水浴場 ビーチ
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この地図は、ひたち海浜公園から最終目的地の中世代白亜紀層と呼ばれる化石海岸までの道のりで、公園の南口からの距離は約5km弱。
地図をざっと見て、ひたすら海岸沿いを歩けばいいものだと思っていた。
まさか海岸沿いにアップダウンのある道があるなんて想像していなかった。 -
そして、通る車も殆どいない…と云う事実も。
一般車も殆ど通らない道を、空のタクシーが通る筈なんてあり得ない。
結局、頼りになるのは、私の丈夫な足だけだった。 -
阿字ヶ浦浜までは大体20分。
そこからさらに15分ほど坂道を歩くと、2つ目の目的地:高台の上に建つ酒列磯前(さかつらいいそさき)神社へと到着した。
此処までの上り坂がだらだらとしていて辛かったので、私的には、坂辛い磯前神社だ…。
酒列磯前神社は大洗磯前神社と対を成す神社で、少彦名命を祀っている。
少彦名命は856年に降臨し、神が塩を精製する労働者にとり憑き自分は神である…と名乗った…とされている神様だ。酒列磯前神社および酒列磯前神社の樹叢 寺・神社・教会
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神社の参道は300mと長く、鬱蒼とした木々が生い茂るトンネルの様で、日中にも関わらず薄暗くちょっと神秘的な感じがする。
この参道の木々は暖帯性樹叢と呼ばれていて、樹齢300年を超える古木も多いとか。
どおりで、なんだか不思議な気が充満していた筈だ。 -
仄暗い樹叢を抜けると、そこは神社の本殿。
主神は医薬の神でもある少彦名命。
この神様は、醸造の神、百薬の長であるお酒の神としても崇拝を集めている。 -
本殿には左甚五郎の手によると伝わる、リスと葡萄の彫刻がある。
保護のためネットに覆われていてはっきりとは分からないのだが、向かって右の動物がリスらしい。
でも、その尖った鼻、長い尻尾は私にはネズミにしか見えないって言ったら怒られるかな? -
また境内には亀の石像があった。
この石像は幸運の亀と呼ばれ、宝くじの高額当選者が奉納したモノ。
亀の脇には看板があり、この亀に祈願すれば宝くじ高額当選も夢ではない!との内容の文章が書かれていて、妙に俗っぽさが満載だった。 -
そして、最後に笑ったのがこの張り紙〈きもだめし禁止〉。
たしかに鬱蒼とした暖帯性樹叢は、日が暮れてきたら木のシルエットが浮かび上がり、それなりに不気味なイメージの場所になるかもしれない。
でも、きもだめし…とは。
ゲーム機ばかりで遊ぶ最近の子どもたちは、肝試しなんていう単語を知っているのだろうか。 -
神社の前には看板があり、そこには中生代白亜紀層まで700mの文字。
なんだ、思っていたより化石海岸までは近いかも…。
でも、この看板に騙されてはいけない。
この看板が示すのは化石海岸の始まりの部分だ。 -
神社から700mほど歩いた場所にあったのは岩海岸。
先ほどまでの阿字ヶ浦浜は砂浜だったのに、ここからは岩海岸となっている。
いかにも化石海岸っぽい雰囲気だ。
でも念のため…と磯で魚取りをしていた地元の方に、ここが化石海岸かと確認をしてみる。
地元の方の答えは「ここは化石海岸の端だが、地層がはっきりと表れているのはもっと先。ここから車で5分〜10分のところだ」。
やっぱりね…。近すぎると思った。
車で10分ならば歩いて30分位で着くだろう。
此処まで来て、化石海岸まで行かなかったら絶対に後悔する。 -
そして、更に歩くこと35分。
化石海岸と思われる場所に到着した。
先程、地元の方に場所を聞いた時、水産加工場のあるすぐ下の岩海岸。そこが、一番地層が綺麗に表れているところだと教わった。
その場所は茨城交通バスのバス停留所「総合住宅前」で、看板には「畜生岩」の名前があった。
余談だが、この場所は海沿いの何もないところで住宅地なんて見える範囲にはどこにもない。どうして、総合住宅前なんていうバス停名なのだろうか。
そしてもし仮に今後、中生代白亜紀層の化石海岸にバスで来よう!と考えている旅人がいるならば一つ忠告がある。
その考えは止した方が良い。
ネットで調べた限り、このバス停に停車するバスは1日に1本だけで朝の8時3分の便しかない。 -
中生白亜紀層(平磯白亜紀層)の化石海岸の特徴は“一様に北東方向に35°〜50°傾斜したごつごつとした岩礁群の連続地層で、その岩の様子は海岸からノコギリの刃が生えているように見える”ということ。
-
潮の干満表は全くチェックしていなかったのだが、この日の干潮時間は17時ごろ。
この時の時刻が15時半だったので、地層を観察するには調度よい時間に訪れたようだ。
ゆっくりと潮が引いて行き、岩がどんどん水面に現れてくる。磯崎海岸 自然・景勝地
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イチオシ
完全に水上に出ている地層部分には特徴的な斜めの線が入っている。
最近ではこの地層から翼竜の肩甲骨が発見され、ヒタチナカリュウと命名されている。 -
海岸線からノコギリの刃の様に伸びる中生白亜紀層の化石海岸の独特な地形は、国の天然記念物にも指定されている。
この化石海岸の地形がこんな面白い形をしているのは、岩を構成する岩石の種類のため。
砂岩、泥岩、礫岩で構成された化石海岸の岩は、柔らかい泥岩から順に海水で浸食され、残った硬い礫岩がノコギリの刃型となった。 -
中生白亜紀層から見つかった化石はアンモナイトが多く、更にそのアンモナイトは異常巻きと呼ばれる通常はありえない巻き方をしたアンモナイトだ。
せっかくの干潮のチャンス。
私もそんな異常巻きアンモナイトを見つけられないかな〜と岩場の上をピョンピョンと歩く。
今回はハンマーも軍手も持ってきていないので岩を割ることは出来ないので、アンモナイトを見つけるのは難しいだろう。
分かってはいたが、チャレンジするだけの価値はある。中生代白亜紀層 自然・景勝地
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30分位、化石海岸の岩の上を飛び歩き昔の生物の痕跡を探したが、やっぱり見つからなかった。
時刻は16時。
もう帰らなくてはならない時間だ。 -
化石海岸の最寄り駅はひたちなか海浜鉄道の磯崎駅。
駅への道なんて調べてこなかったが、スマホの出番。
スマホはしっかり道案内をしてくれ、歩いて15分位で駅へと到着した。 -
磯崎駅は無人駅で、電車の運行も1時間に1本か2本しかない。
私が乗りたい勝田行は5分ほど前に出たばかりだった。 -
自販機で切符(530円)を買い、暇なのでホームに出てみる。
無人駅なので、そんなところは気ままでいい。
磯崎駅はホーム自体がカーブを描いているところが鉄道ファンの心を惹き付ける駅。
カーブした線路の先は、一面の畑。
サツマイモ畑が広がっていた。磯崎駅 駅
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だから、磯崎駅の駅名を表す看板の文字はサツマイモ入り。
ひたちなか海浜鉄道の各駅では、駅名看板にそれぞれの駅名にちなんだ絵文字を取り入れているのが有名だ。 -
イチオシ
ホームで景色を眺めていたら、下り列車がやってきた。
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あんまり可愛い車体だったので、1枚パチリ。
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まるで幼稚園バスみたいな列車だ。
この車両はキハ37100でアニマルトレインと呼ばれていて、車両に描かれた絵は沿線にある小学校の児童たちが描いたそうだ。 -
のんびりとホームで佇んでいたら、先ほどのアニマルトレインが阿字ヶ浦駅から折り返し運転で帰ってきた。
列車の中へと乗り込むと、そこは、私だけの貸切車両。
車窓のノンビリとした田舎の景色を見ながら、最高に贅沢な時間。
旅の最後の優雅な時間は、那珂湊駅から大勢の観光客が乗り込んできてお終いとなってしまったが、ネモフィラ・ブルーから始まったこの日の旅は、大満足の旅となった。 -
ずっと憧れていたネモフィラの丘へと行き、ついでに水仙やチューリップ、そして山桜まで愉しんだ。
更に海岸線を歩き、中生白亜紀層の化石海岸へ。
今から7500年前の昔、翼竜が飛び、恐竜が歩いたかもしれない大地を踏みしめた。
ネモフィラの瑠璃色、空の宇宙の青、海の深い蒼…
大好きなブルーの世界を感じて、心も体もリフレッシュした日。
人生いろんなことがあるけれど、また、明日から前を向いて頑張ろう♪ -
【旅行記の最期に】
この日、電車の中で見たネットのニュースで、九州で大きな地震があり被害が甚大であることを知りました。
大きな地割れや家屋の倒壊に、地球規模での地殻変動の恐ろしさへの認識を新たにしました。
そんな時に見た青の景色。
ネモフィラと空が織りなす青の情景に、鎮魂の心、復興への祈り、そして、明日への希望を感じました。
被災地の方々が、少しでも早く心穏やかに眠ることの出来る日が来ますように…。
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この旅行記へのコメント (6)
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- まーやんさん 2016/04/19 22:16:53
- 青と青のコラボ
- ウェンディさん、こんばんは。
青いネモフィラと青空のコラボ、すごく綺麗ですね〜♪
天気も味方してくれないと見られない景色…本当に絶景ですね!
私もこの景色を見たい〜!と開花情報はチェックしていたのですが、
今年は2週間も早いんですよね…。
ちょっと難しそうなので、来年以降にしようと思ってます。
早かった分、水仙などいつもなら終わっていそうな花も一緒に楽しめて
ラッキーでしたね♪
グラスハウスも気になっていた場所ですが、やはり素敵な景色が見られるようで、
こちらも次回訪れる時に行ってみたいです。
10月にコキアを見に訪れた時、車庫に停まって正面の顔だけが見えたので
気になっていたアニマルトレイン。
地元の小学生が描いたものだったのですね。
可愛いサイドの絵も見られて、得した気分になりました〜!
まーやん
- ウェンディさん からの返信 2016/04/20 22:06:37
- RE: 青と青のコラボ
- まーやんさん こんばんは。
青色のネモフィラが丘陵に咲き、空の青とネモフィラの青が区別つかなくなるほど一面の青の世界。
ずっと見たかったそんな世界へと行ってきました。
私もネモフィラの開花が今年は早そう!と知ったのは水曜日の事。
月末に行こうか、5月に入ってからにしようか…とホームページに開花情報を見に行ったら、まさかの見頃とのこと。
例年より2週間も早く見頃を迎えたとは吃驚でしたが、週末は晴れの予報!に飛び乗り、早速行ってきました。
茨城は車だと近いのですが、電車利用だと東京エリアからは往復5時間の旅。
でも、その時間を苦とも思わないすてきな景色でした。
まーやんさんは、ご家族と一緒にJRのびゅー切符で行かれたのですよね。
先程、まーやんさんの旅行記を再度拝見して、いくつかの事実を再発見しました。
再発見その1
JRびゅ−や公園の入園料、値上げしたみたいです。
JRは500円、公園は10円の値上げ幅。JRの500円は結構強気な値上げですね。
再発見その2
私はネモフィラの丘とコキアの丘は公園内の別の場所にあるとばかり思っていましたが、同じ場所なのですね。
ネモフィラが終わったら、すぐに秋のコキアに向けて苗の植え替え作業。
美しい景色を作るために大勢の方が働いてらっしゃるのでしょうね。
再発見その3
阿字ヶ浦駅の駅名標。
今回、唯一駅名標を見ることが出来なかったのが阿字ヶ浦駅。
魚(フグかな?)と温泉がデザインされた駅名票、見たかったんですよね。
まーやんさんの旅行記で、見せていただきました。
今回、思いの外楽しめたので、今度は秋のコキアを行きたいな〜と密かに狙っています。
まーやんさんも次回はグラスハウスからの展望、見に行って下さいね。
大人な雰囲気が味わえます。
ウェンディ
-
- fujickeyさん 2016/04/18 10:11:56
- すごい!すごい!!
- ウェンディさん、こんにちは。
ネモフィラ…1度は観てみたいと思っているこの景色。。。
バスツアーではよくコースの設定がありますが、
個人で行くとなるとけっこう厄介な場所なんですね。
お得に行くならば…2名からですね....〆(・ω・。)メモメモ
群青色が好き、という幼稚園児(笑)
群青色という言葉を知っていたことに先生は驚いたのかもしれませんね。
夏に向けてのトレーニング、とありましたがどこかにいかける予定ですか?
そんな一文に反応してしまいました。
p.s 今年はオーシャン・ブルーの時期を逃さないようにしないとですね!
fujickey
- ウェンディさん からの返信 2016/04/18 23:08:34
- RE: すごい!すごい!!
- fujickeyさん こんばんは。
3年間思い続けたネモフィラのBlue Worldへと出かけてきました。
国営ひたち海浜公園は東京や埼玉からは、公共交通機関利用ではちょっと時間がかかってしまうのが大変なところですが、鎌倉に行くのと大差ない時間と思えば、近く感じませんか?
便利で簡単なバスツアーとかも出ていますが、お勧めは個人旅。
青の世界に時間制限なしでゆっくりと浸れるのは個人旅のみです。
写真にしてしまうと一面の同じようなネモフィラの青ですが、自分の目で見ると光の加減等で青の発色が異なり、様々な青のバリエーションを楽しめます。
ネモフィラを見るのにお勧めの時間は、太陽高度が低めの時。
お昼近く(南中高度付近)だと、光が強すぎて青色のネモフィラが白っぽく見えてしまいます。
青と言えば、久喜のラベンダーオーシャン・ブルーですよね。
花の時期の予測は難しく、そろそろかな?なんてホームページを覗くと、もう最盛期は終了!なんてことも有るので要注意。
桜のピンクが終わった後は初夏の青色。
(ポピーやツツジの赤も有りますね〜)
今年は国内を愉しもうと決めたので、行きたいところがありすぎて大変です。
夏に向けてのトレーニングとは…
夏に母と北海道の北を旅して、ひたすら歩いて・歩いて・登ってくる予定です。
昨年の夏に交通事故でけがをした母も、なんとか調子が戻り、歩きたい!という事でプランニング。
70歳代の母にしてはハードな旅になりそうですよ♪
ウェンディ
-
- こあひるさん 2016/04/18 01:30:41
- 今年は早いですね!
- ウェンディさん、こんばんは。
今年のネモフィラ、すごく早いですね〜〜!例年はたいがいGW頃だったような・・・ここのところは少しずつ早くなっているような印象です。
開放的な丘の斜面一面のネモフィラ・・・ほんとに夢の世界のような美しさと色彩ですね〜。お天気もバッチリで・・・。
水仙、まだ咲いているものがあるのですね〜!水仙ファンタジーの頃は一面水仙でゴージャスなんですが、今頃まだ咲いているものがあるとは・・・。ネモフィラの時期は、チューリップもカラフルに咲くので、見ごたえがアップしますね。
そして・・・よくあそこをあれだけ歩こうと思ったな〜と感心してしまいました。
神社もなかなかいい感じですが、化石海岸まで行った甲斐がありましたね〜。潮の加減もちょうどよく・・・。
可愛らしいローカル鉄道も独り占めで、のんびりとした雰囲気が伝わってきました。
こあひる
- ウェンディさん からの返信 2016/04/18 22:55:50
- RE: 今年は早いですね!
- こあひるさん こんばんは。
今年は初春の出だしからどのお花も駆け足気味で咲いているみたいですね。
水仙も、菜花も、桃も…。
唯一桜だけが、比較的例年に近かったみたいです。
ひたち海浜公園のネモフィラはいつか見たいと思い続けて3年目かな。
ようやく自分の目で見ることができました。
イメージではもっと大きな丘陵地帯だと思っていたのですが、ちょっとこじんまりという感じでしたが、ネモフィラの青と空の青のコントラストは絶妙ですね。
あの丘にネモフィラを植えることにした公園の担当者の方の発案は凄い!と思います。
水仙は満開を過ぎ終わりの花も有りましたが、様々な黄色がグラデーションの波を描くかのように植えられた花壇はインパクトがありました。
チューリップも風車へ向かって川が流れる様子をムスカリで表していたりと絵画みたいな植え方で面白いですね。
公園内には半日いましたが、かなり楽しめました。
でも園内が広すぎて歩き回るには結構大変!
次回行く時はレンタサイクルが必要かもしれません。
茨城の海岸地方は大洗しか行ったことが無かったので、今回色々と調べたら興味深いものが沢山。
ひたちなかだけでも行きたいところが何カ所かできました。
虎塚古墳も春と秋の公開時に行ってみたいな〜と思っています。
ウェンディ
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