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 さて、JICスタッフの中でも、自称「登山好き」はアヴァチャ山ベースキャンプ(B.C.)にてテントを設営し、軽い昼食を摂りました。<br /><br /> 日本の山でもテント泊の場合、テント内でコーヒーとチキンラーメンを食すると、どういう訳か果てしない元気を頂ける気がいたします。そして、テントの中から見るお山に「早く登りにおいでぇ〜」と呼ばれている気がしてきます。不思議な現象ですよね。自然は本当に未知の力に溢れています。<br /><br /> 本日の予定は、一時間の休憩を挟んでから、翌日の登頂を前にガイドさんと足慣らしで標高約1,150m「ラクダ山」の往復です。B.C.の標高が855mですから約300mの高低差です。私の登山経験では1時間の登りで約300〜350mの高低差をクリアしていますので、軽く見積もっても休憩込みで往復2時間ちょっとというところでしょうか。ところが、他社さんのツアー案内によると、このラクダ山の往復(無降雪期)に4時間を費やすところがほとんどです。ということはかなり手強いお山と予想されます。ちょっとドキドキ&ワクワクですよね。テントから見えるラクダ山もアヴァチャ山も、はたまたコリャーク火山も雪を被っています。残雪のお山です。雪山登山歩行の基本中の基本“キックステップ”で登るというよりも、半分溶けかかっているシャーベット状の雪なので、ほとんどズボ足で(って、これももしかしたら登山用語なのかしら…)、登ってゆく感じでしょうか。とにかく雪の感触を確かめないと何とも言えません。<br /><br />「ラクダ山足慣らしツアー」スタート時間13時を少し過ぎたころガイドさんが私のテントに来て、「準備はできていますか?」と声をかけてきました。もちろん今すぐにでもスタートしたい気分の私。「OK!」即答です。

カムチャツカ・アヴァチャ山 登山記(2)

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2015/07/18 - 2015/07/22

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JIC旅行センター

JIC旅行センターさん

 さて、JICスタッフの中でも、自称「登山好き」はアヴァチャ山ベースキャンプ(B.C.)にてテントを設営し、軽い昼食を摂りました。

 日本の山でもテント泊の場合、テント内でコーヒーとチキンラーメンを食すると、どういう訳か果てしない元気を頂ける気がいたします。そして、テントの中から見るお山に「早く登りにおいでぇ〜」と呼ばれている気がしてきます。不思議な現象ですよね。自然は本当に未知の力に溢れています。

 本日の予定は、一時間の休憩を挟んでから、翌日の登頂を前にガイドさんと足慣らしで標高約1,150m「ラクダ山」の往復です。B.C.の標高が855mですから約300mの高低差です。私の登山経験では1時間の登りで約300〜350mの高低差をクリアしていますので、軽く見積もっても休憩込みで往復2時間ちょっとというところでしょうか。ところが、他社さんのツアー案内によると、このラクダ山の往復(無降雪期)に4時間を費やすところがほとんどです。ということはかなり手強いお山と予想されます。ちょっとドキドキ&ワクワクですよね。テントから見えるラクダ山もアヴァチャ山も、はたまたコリャーク火山も雪を被っています。残雪のお山です。雪山登山歩行の基本中の基本“キックステップ”で登るというよりも、半分溶けかかっているシャーベット状の雪なので、ほとんどズボ足で(って、これももしかしたら登山用語なのかしら…)、登ってゆく感じでしょうか。とにかく雪の感触を確かめないと何とも言えません。

「ラクダ山足慣らしツアー」スタート時間13時を少し過ぎたころガイドさんが私のテントに来て、「準備はできていますか?」と声をかけてきました。もちろん今すぐにでもスタートしたい気分の私。「OK!」即答です。

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  • ■ラクダ山足慣らしツアーは「楽勝」<br /><br /> ブーツの紐を固く縛り、ストックをいつものポジションまで伸ばし、アタックザックに忍ばせたハイドレーションのマウスピースをクリップ、グローブを装着…。その姿を見ていたガイドさんは、「このおっさん…妙な気合い入れていやがるな…」と少々呆れ顔。そんなの関係ありません。自分の登山スタイルは変更させないのが鉄則でございます。<br /><br /> 13時10分B.C.スタート。<br /><br /> スタートしてから直ぐに思いましたが、まったくもって夏の富士山(5合目〜6合目にかけて)を歩行するような感じでした。細かい溶岩石の上を歩く、あの感じですね。そして30分くらい歩いたでしょうか。途中何度かB.C.を振り返り自分の位置を地図無し、GPS無しの目測のみで何となく測りながら思いました。距離は歩いているが標高は全然稼いでおりません。確かにラクダ山はどんどん近付いてきていますが…、少々拍子抜けの足慣らし。「ふ〜ん」という感じです。<br /><br /> 目の前に突如別の山小屋が表れました。ガイドさん曰く、山岳救助隊の小屋のようです。もしかして、ガイドさんと同じく山岳救助隊員も真っ青な瞳で妙にさわやかな青年集団なのでしょうか、…。要らぬ想像をしてしまいました。<br /><br />「この雪渓に降ります。雪の上は歩けますか?」とガイドさんが傾斜のある雪面を指さしながら訊いてきました。そちらをチラ見して「もちろん、全く問題無し」とスマートに答えた私。『厳冬期の八ヶ岳の方が遙かに怖いじゃない』と心の中で思いました。このくらいの傾斜ならアイゼンも全くいりません。少し斜面を下りて雪の感触を確かめたところ予想通りのシャーベット。ズボ足です。こういっちゃなんですが「楽勝」です。<br /><br /> ガイドさんのあとを涼しい顔して下っていると…、ラクダ山に取り付いている日本人グループが見えました。軽く立ち休憩をしながら日本人グループを眺めていると、どうも手こずっている様子が見受けられます。シャーベット状の雪面に足をとられているのでしょう。なかなか進むことができないトレッカーが数人います。<br /><br /> ガイドさんが不安そうに私を見ました。すかさず、「日本の冬山も結構登っているから大丈夫だよ」と応えました。<br /><br /> 30秒くらいの立ち休憩の後、私とガイドさんはサクサクと雪面を歩き始めました。10分も経たずに先ほどの日本人集団を追い越し、B.C.から見えるラクダ山の背面に回り込み、ちょっとした急登をクリア。ラクダ山のコル(稜線上のピークとピークの合間)に到着。左右に30mくらいと10mくらいの岩のピークが2つありました。<br /><br /> 大きなピークの方をすかさず攻め込みクリア。速攻で降りてきて元のコルで軽い休憩。<br /><br /> B.C.に設営した自分のテントを遙か遠くに確認してタバコを一本深く吸い込みました。何とも至福な一時です。どんな山でも山頂で吸う一本のタバコはたまらないものです。<br /><br /> 10分くらいの休憩をとり、ガイドさんが「下山にとりかかりましょう」と一言。ストックを長めに調整してコルを後にしようとしたころ、先ほどの集団がコルに到着してきました。<br /><br />「お疲れ様です」と日本語で言うと、「こんにちは」と返事がかえってきました。皆さま「山の人」でした。山ですれ違う時、どんなにつらくても笑顔で「こんにちは」は良い挨拶ですよね。個人的に山の「こんにちは」を翻訳すると、「こんにちは」=「大丈夫」だと思います。<br /><br />「こんにちは」(Aさん)×「こんにちは」(Bさん)とした場合、<br />これを訳すと<br />「大丈夫ですか?」(Aさん)×「大丈夫ですよ」(Bさん)となります。みんながみんなすれ違う人への気遣いだと思います。<br /><br /> さて、挨拶を交わした後はさらに早いものです。スノーシューで歩くようにジャンプしながら一気にラクダ山を下山。再び雪渓歩きです。

    ■ラクダ山足慣らしツアーは「楽勝」

     ブーツの紐を固く縛り、ストックをいつものポジションまで伸ばし、アタックザックに忍ばせたハイドレーションのマウスピースをクリップ、グローブを装着…。その姿を見ていたガイドさんは、「このおっさん…妙な気合い入れていやがるな…」と少々呆れ顔。そんなの関係ありません。自分の登山スタイルは変更させないのが鉄則でございます。

     13時10分B.C.スタート。

     スタートしてから直ぐに思いましたが、まったくもって夏の富士山(5合目〜6合目にかけて)を歩行するような感じでした。細かい溶岩石の上を歩く、あの感じですね。そして30分くらい歩いたでしょうか。途中何度かB.C.を振り返り自分の位置を地図無し、GPS無しの目測のみで何となく測りながら思いました。距離は歩いているが標高は全然稼いでおりません。確かにラクダ山はどんどん近付いてきていますが…、少々拍子抜けの足慣らし。「ふ〜ん」という感じです。

     目の前に突如別の山小屋が表れました。ガイドさん曰く、山岳救助隊の小屋のようです。もしかして、ガイドさんと同じく山岳救助隊員も真っ青な瞳で妙にさわやかな青年集団なのでしょうか、…。要らぬ想像をしてしまいました。

    「この雪渓に降ります。雪の上は歩けますか?」とガイドさんが傾斜のある雪面を指さしながら訊いてきました。そちらをチラ見して「もちろん、全く問題無し」とスマートに答えた私。『厳冬期の八ヶ岳の方が遙かに怖いじゃない』と心の中で思いました。このくらいの傾斜ならアイゼンも全くいりません。少し斜面を下りて雪の感触を確かめたところ予想通りのシャーベット。ズボ足です。こういっちゃなんですが「楽勝」です。

     ガイドさんのあとを涼しい顔して下っていると…、ラクダ山に取り付いている日本人グループが見えました。軽く立ち休憩をしながら日本人グループを眺めていると、どうも手こずっている様子が見受けられます。シャーベット状の雪面に足をとられているのでしょう。なかなか進むことができないトレッカーが数人います。

     ガイドさんが不安そうに私を見ました。すかさず、「日本の冬山も結構登っているから大丈夫だよ」と応えました。

     30秒くらいの立ち休憩の後、私とガイドさんはサクサクと雪面を歩き始めました。10分も経たずに先ほどの日本人集団を追い越し、B.C.から見えるラクダ山の背面に回り込み、ちょっとした急登をクリア。ラクダ山のコル(稜線上のピークとピークの合間)に到着。左右に30mくらいと10mくらいの岩のピークが2つありました。

     大きなピークの方をすかさず攻め込みクリア。速攻で降りてきて元のコルで軽い休憩。

     B.C.に設営した自分のテントを遙か遠くに確認してタバコを一本深く吸い込みました。何とも至福な一時です。どんな山でも山頂で吸う一本のタバコはたまらないものです。

     10分くらいの休憩をとり、ガイドさんが「下山にとりかかりましょう」と一言。ストックを長めに調整してコルを後にしようとしたころ、先ほどの集団がコルに到着してきました。

    「お疲れ様です」と日本語で言うと、「こんにちは」と返事がかえってきました。皆さま「山の人」でした。山ですれ違う時、どんなにつらくても笑顔で「こんにちは」は良い挨拶ですよね。個人的に山の「こんにちは」を翻訳すると、「こんにちは」=「大丈夫」だと思います。

    「こんにちは」(Aさん)×「こんにちは」(Bさん)とした場合、
    これを訳すと
    「大丈夫ですか?」(Aさん)×「大丈夫ですよ」(Bさん)となります。みんながみんなすれ違う人への気遣いだと思います。

     さて、挨拶を交わした後はさらに早いものです。スノーシューで歩くようにジャンプしながら一気にラクダ山を下山。再び雪渓歩きです。

  • ■何故かスイカの匂いがするピンクの雪<br /><br /> 途中、ガイドさんが話してくれて実際に試してみたのですが、雪面をよく見ると、ところどころピンク色の雪があることに気がつきました。雪をすくって匂いを嗅ぐとなんとスイカの匂いがするのです。これには驚きました。どういう化学変化が起きているのか分かりませんが、間違いなくスイカの匂いがします。ガイドさんもよく解らないと言っていました。こういうヘンテコな話はやはりガイドさんとお山に登らないと見過ごすところです。為になるような話ではなく不思議な話ができる山岳ガイドは個人的に優秀な人だと思います。<br /><br /> 雪渓歩きも終わり、砂礫のような溶岩を歩きB.C.のテントへ戻ってきて時計をみると15時20分。途中休憩10分くらいだったので、予想タイム通り2時間でラクダ山を往復してきました。ビンゴです。わたくしの登山経験そのままです。ガイドさんも、「普通、外国人登山客と歩くと時間をかけて歩くように心がけているけど、久しぶりに普通に歩けた」と仰っておりました。やりました!ガイドさんのお墨付きとでも言うんでしょうか。このようなお言葉を頂けると少々鼻息が荒くなってしまいますよね。でも舞い上がってはいけません。ここは山です。明日のアヴァチャ山登頂と無事の下山ができて初めて喜べるのです。<br /><br />(つづく)<br /><br />

    ■何故かスイカの匂いがするピンクの雪

     途中、ガイドさんが話してくれて実際に試してみたのですが、雪面をよく見ると、ところどころピンク色の雪があることに気がつきました。雪をすくって匂いを嗅ぐとなんとスイカの匂いがするのです。これには驚きました。どういう化学変化が起きているのか分かりませんが、間違いなくスイカの匂いがします。ガイドさんもよく解らないと言っていました。こういうヘンテコな話はやはりガイドさんとお山に登らないと見過ごすところです。為になるような話ではなく不思議な話ができる山岳ガイドは個人的に優秀な人だと思います。

     雪渓歩きも終わり、砂礫のような溶岩を歩きB.C.のテントへ戻ってきて時計をみると15時20分。途中休憩10分くらいだったので、予想タイム通り2時間でラクダ山を往復してきました。ビンゴです。わたくしの登山経験そのままです。ガイドさんも、「普通、外国人登山客と歩くと時間をかけて歩くように心がけているけど、久しぶりに普通に歩けた」と仰っておりました。やりました!ガイドさんのお墨付きとでも言うんでしょうか。このようなお言葉を頂けると少々鼻息が荒くなってしまいますよね。でも舞い上がってはいけません。ここは山です。明日のアヴァチャ山登頂と無事の下山ができて初めて喜べるのです。

    (つづく)

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