2016/01/25 - 2016/01/25
14位(同エリア250件中)
こあひるさん
昨年12月、仙台市に新しく開通した地下鉄東西線。なかなか乗りに行く機会がなかったのだが、今朝、また積雪のため、連れ合いを会社まで送っていったついでに・・・駅名「薬師堂」というからには、薬師堂があるんだろうな・・・と気になっていた駅に寄り道してみようかな〜なんて思いついた。
全然なんの情報もなく、何の気なしに寄ったのだが、正式名は「護國山醫王院陸奥国分寺」と言い、奈良時代、聖武天皇の詔により、全国に建立された金光明四天王護國之寺(いわゆる国分寺)のうち、最北に置かれた国分寺だった・・・という縁起を持つお寺なんだと知った。
残念ながら、創建時の大伽藍は、鎌倉幕府による奥州討伐(1189年)の戦火により焼失してしまい、現在の伽藍は、江戸時代初めに、仙台藩祖・伊達政宗公によって再建されたもの。
しかしながら・・・まさか奈良時代の聖武天皇の名前がこんなところに出てくるとは〜〜〜全く意外だった〜〜けど、なんか嬉しい〜〜!のである。
陸奥国分寺
http://www.08943.com/
- 交通手段
- 私鉄
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昨年12月に開通した地下鉄東西線。
3年前に仙台に来た時には、その地下鉄開通まで(仙台に)いるかどうかねぇ・・・なんて連れ合いと話していたのですが、あっという間に月日は経ち・・・しっかりと地下鉄開通も見届けることとなっています。
仙台駅で、従来からあった南北線と、新しい東西線がクロスしています。 -
車両はコンパクトと聞いていましたが、確かに、南北線に比べると、幅が、ひと一人分くらいは狭いかもね〜と。
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薬師堂駅に着きました。
昨日の朝の積雪は、ほとんど影響なくすぐに溶け・・・そのまま降らなければ、今朝は夏タイヤでもOKだったのに・・・起きてみたら・・・道路も駐車場も真っ白・・・。また今日も、目の悪い連れ合いを会社まで連れて行かなくちゃ・・・。
1週間前ほどじゃないけれど、けっこう真っ白く積もっているので、つい・・・どこか雪景色を見に寄り道でも・・・と思い、駅名の「薬師堂」が気になっていた薬師堂へ行ってみようかな〜と思いつきました。雪が積もってるから見栄えもいいかも・・・なんてそんな程度。
仙台駅から3つめ・・・薬師堂駅に到着。 -
東西線はこんな駅に停まります。
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駅から上がると・・・小さなロータリーになっていて、そこに道案内の地図や、薬師堂の方向標識などがあります。
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こんな看板も立ててあり・・・え〜〜!?史跡・・・?そんなすごいお寺だったのか〜〜!?とビックリ。
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天平13年(741)、聖武天皇の発願により、全国各地に国分寺が建立されました。正式名称は「金光明四天王護国之寺」で、奈良の東大寺を総国分寺としています。
陸奥国分寺では、昭和30年から継続的に発掘調査が行われています。その結果、仏像を安置した金堂をはじめ、南大門、中門、講堂、僧坊、七重塔などの建物跡や、建物をつなぐ回廊などが見つかっています。
また南大門には、これらの伽藍を囲う形で、築地塀が巡っていました。
規模は、東西約800尺(242m)、南北はそれ以上あり、全国的に見ても非常に広大な規模であったことが分かっています。
また、発掘調査で、瓦や土器などが大量に出土しています。陸奥国分寺の建物が造られたのは、およそ750年代ではないかと考えられています。
その後、平安時代に、貞観11年(869)の震災で、瓦が新たに葺き替えられて復興されたことが発掘調査で明らかになっています。
現在の陸奥国分寺は、古代の南大門の位置に仁王門、講堂の位置に薬師堂が建てられており、これが駅名の由来となっています。
この薬師堂は、伊達政宗公により、江戸時代の初め(1607)に創建されたものです。
(説明看板より) -
1枚前の、現在の航空写真上に描かれた創建当時の伽藍は、このようなものだったようです。
最盛期には、伽藍の西側に300坊にも及ぶ子院が、延々と軒を連ねていたといわれています。
創建当時の伽藍は、鎌倉幕府による奥州討伐(1189年)により焼失したとありますが、七重塔は、承平4年(934)に落雷によって倒壊した・・・とありますので、塔は、それよりも先に失われていたようです。
(説明看板より) -
礎石の一部が発見されていたり、礎石を復元した場所があったり、かつて回廊だったところを示す表示がされていたり、七重塔跡の心礎が残っていたり・・・するようですが・・・今日は積雪のため、そういうものは埋もれちゃって見れませんね〜〜。そんな史跡だとわかっていたら、雪のない日に来たのにね〜〜(爆)。
(写真は説明看板より) -
8世紀(創建期)や震災復興期(9世紀後半)の瓦などが出土しています。
(説明看板より) -
陸奥国分寺薬師堂は、駅から400mほどのところにあります。
その手前に鳥居が・・・これは、お寺に隣接する白山神社の鳥居のようです。 -
鳥居をくぐらず(くぐっても薬師堂へは行けますが)そのまま少し進むと、陸奥国分寺の仁王門が見えてきました。
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美しい形の松の木がありました。
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道以外は、ほとんど誰も足を踏み入れていない雪原が嬉しい〜〜!
今朝の雪は、1週間前の雪よりも、軽くてさらさらした細かい雪でした。 -
仁王門。
創建時期は明らかではありませんが、薬師堂の創建と同時期か、それ以前の室町時代と考えられています。
古代の南大門の礎石を転用し、古代の南大門の位置に建てられています。
三間一戸の八脚門、入母屋造りで、屋根は茅葺きです。せっかくの茅葺きが雪で見えないしねぇ。 -
金剛力士像。柱や網に囲まれていて、よく見えないわ・・・。
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室町末期頃の作と考えられています。
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正面奥が薬師堂。現在の伽藍の中心となっています。
ちなみに、かつては国分寺として祈願寺でしたが、現在は真言宗・智山派となっており、檀家ももっているようです。 -
薬師堂の手前には鐘楼。
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袴腰が優美です。
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手水のお水は凍っていました。つ、冷たすぎる・・・。
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お寺の人が、雪かきをしていらっしゃいます。
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陸奥国分寺薬師堂。
伊達政宗公が、中央から工匠駿河守宗次等を招いて、慶長12年(1607)に創建したものです。古代の講堂跡の上に建てられています。
桁行五間、梁間五間、入母屋造りの本瓦葺きで、仙台市内における桃山時代の代表的建造物です。明治36年に、国の重要文化財に指定されています。 -
御本尊は、薬師瑠璃光王如来です。
ご朱印を頂いたときに伺ってみたら、秘仏で、年に一度、修正会法要の最中に、ほんの数十秒だけ厨子が御開帳されるそうです。でも、扉もすこ〜しだけしか開けられず、その数十秒、わずか数十センチ(?)の隙間から、みなさん、お賽銭を投げ入れるそうですので、まぁ、仏さまをじっくり見ることはできなそうですね・・・。
それにしても・・・その時の光景を想像すると・・・金が飛び交う光景をちょっと体験してみたい気もしますね(こら!)。
いつの時代の薬師如来さまなのか伺いましたが、はっきりわかっていないようでした。陸奥国分寺跡陸奥国分寺薬師堂 寺・神社・教会
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薬師堂の後ろの杉林がキレイです。
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ご朱印をお願いして、その間に、境内をもうちょっと歩いてみます。
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境内のあちこちに石碑や石仏があります。江戸時代頃の物が多いように見えました。
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誰も踏んでいない雪面を踏んでいくのは気持ちいい〜〜!
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薬師堂から少し離れたところにある準胝(じゅんてい)観音堂。
延享2年(1745)、6代藩主伊達宗村公が、母の菩提成就のために再建したもの。 -
雪の中に朱色が映えますねぇ。
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準胝観音さまも、秘仏のようです。こちらも御開帳大護摩祈祷という日があるようですが、観音さまを拝観できるのか・・・不明です。
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準胝観音堂のあたりにも、いっぱい石碑が並んでいました。
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松尾芭蕉の句碑。
松尾芭蕉は、元禄2年(1689)に仙台を訪れました。その折、薬師堂を参拝した・・・と奥の細道に書かれています。 -
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ご朱印を頂きました。
陸奥国分寺
http://www.08943.com/ -
これは、きっとシダレザクラなんだろうな〜。春になったらまた来てみようかな。
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先ほど鳥居がありましたが、薬師堂に隣り合って、白山神社がありました。
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拝殿。
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白山神社本殿。
陸奥国分寺創世期(8世紀後半)に、地元の守護神として祀られたと言われています。
天正年間(1573〜1591)に再興され、のちに伊達家においても深く崇敬されました。
現社殿は、2代藩主・忠宗公により、寛永17年(1640)に再建されたもの。
社殿の位置は、しばしば移動したらしく、近年まで旧国分寺七重塔跡の礎石上に建っていましたが、現在は、江戸時代初期の位置に近い、塔跡の西方に移築・修復されています。 -
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本殿は一間社流造り。
あら・・・?また雪がちらちら降り始めてきました〜。 -
小さな境内に、色々な神さまが祀られています。こちらは須賀神社。
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八幡宮。
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雷神宮。
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紫神社、稲荷明神。
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天満宮。
手前の梅の蕾・・・まだほんとにちっちゃいけど、少しピンクに色づいていました。 -
陸奥国分寺薬師堂のすぐ近くに、陸奥国分尼寺跡や薬師堂東遺跡があるようですが(遺跡が見学できる状態になっているのかは不明)、雪が降ってきたうえ、コンデジの電池切れのマークが点灯しているので、そろそろ帰って・・・雪かきでもするか・・・。
わが家の車の上には・・・今日は6センチほど積もっていました。先日の雪よりも軽くて、雪かきするのがちょっと楽でした。
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この旅行記へのコメント (4)
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- マリアンヌさん 2016/01/25 23:18:04
- 国分寺☆
- こあひるさん、こんばんわ。
雪景色の中、風情があって素敵ですね。
当たり前ですけど、武蔵国分寺に似てますね。
伽藍復元図とか瓦とか…
宝暦年間(江戸時代中頃)に建てられた薬師堂もあります。
何だか拝見して親しみを感じてしまいました。
新幹線どころか電車も車もない時代、睦はずい分都から遠かったでしょう。聖武天皇の下、統一されてたこと実感しますね。
いつも旅行記楽しませていただいています。
マリアンヌ
- こあひるさん からの返信 2016/01/26 10:52:35
- RE: 国分寺☆
- マリアンヌさん、こんにちは!
創建時の国分寺は、現在まで残っているところは少ないのでしょうねぇ。江戸時代あたりになって、ブランク後に再建となると・・・奈良時代の建物を再現して復興ということにはならないようで・・・ちょっと残念です。
陸奥国分寺が創建された頃は、まだ東北は蝦夷と呼ばれ、中央にたてついて暴れていた時期かな〜と思うので、中央は、陸奥国にも大きな国分寺を造って力を示したって面もあるのかもしれませんね〜。
こちらこそ、いつも遊びにいらしてきていただき感謝しています。
こあひる
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- aoitomoさん 2016/01/25 19:11:38
- シャッターチャンスは逃がさない!
- こあひるさん
昨日は凄い雪で私の家の車の上にも5センチほど積雪がありました。
本日の昼ですっかり雪は消えましたが、昨日はとんでもなく寒い1日でした。雪景色は好きでも、こう寒いと出ていこうという発想がないです。
雪をみたらじっとしていられないこあひるさん、
寒さもなんのそので、あっぱれです。
『陸奥国分寺』
史跡のマップをみたら昔の巨大さに驚きます。
これを見ると聖武天皇により建立されたというのも納得します。
『陸奥国分寺薬師堂』
美しい雪景色です。
出向けば、いい景観が待ってますね〜
しかし、こんな日に訪れるのはこあひるさんぐらいです。(笑)
御本尊は薬師瑠璃光王如来で秘仏で拝見できず、御開帳でも見れるかは微妙で。
せめて御本尊写真の絵はがきでも作ってもらわないと、ピンとこないですね。(笑)
『準胝観音堂』
ここも白と朱色の雪景色が絵になります。
準胝観音さまも秘仏で、気になります。
もっと興味を持ってもらえるように公開してほしいものです。
白山神社
一間社流造りの本殿、横から見ると構造がよく分かります。
周辺にも色々な神さまが祀られているんですね〜
見れるようで見れない貴重な雪景色を楽しませていただきました〜
aoitomo
- こあひるさん からの返信 2016/01/26 10:13:56
- RE: シャッターチャンスは逃がさない!
- aoitomoさん、おはようございま〜す!
昨日は、西日本や九州あたりで、大雪のところがけっこうあったようですね〜。aoitomoさんのところも積もったんですね〜。
今年はずっと暖冬で、まわりでも雪の話題があまりなかったので、雪景色が恋しいな〜と思っていたのです。
1週間前の雪の時には、途中で雨になっちゃったりしたので、出かける気合いが削がれてしまったのですが、昨日は朝のうちなら、キレイに積もっていましたので、どこか近所で雪景色を撮りたいな〜と思ったのです。
たいがいのお寺がそうだったように、陸奥国分寺も、かつてはかなりの敷地を持っていたようですね〜。今では、奈良時代に始まったというお寺・・・という匂いは全くない寺の様子ですが。
雪景色のお陰で・・・江戸時代的なよくある寺院も、目新しく感じられました。
でも、奈良や京都と違って・・・秘仏すぎて、私としてはいまひとつ興味が削がれます(こら!)。せめて、どんな仏像でいつのものか・・・くらい情報がほしいですが・・・政宗公が再建した建物のことや、かつては国分寺だったこと・・・ばかりで・・・。まぁ、奈良時代の薬師如来がそのまま焼けずに残ったとは考えにくいかな・・・と思ってはいますが・・・(もしそうなら何らかの文化財となっていてもいいですものね)。室町〜江戸時代のものなのかな〜〜!?
白山神社は、とっても小さな境内だったのですが、お社に何を祀ってあるのかいちいち書いてあるので、わかりやすくてよかったです。本殿も小さいですが、流造の屋根がとってもキレイですね。
こちらでも、積雪は午後にはほとんど溶けてしまっていましたので、つかの間の雪景色楽しみました〜〜!
こあひる
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