2015/12/04 - 2015/12/05
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つるまるこさん
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3月に思いつきで長崎へ旅に行った際、アクセスの難しさに泣く泣く立ち寄りを諦めた憧れの町、平戸。東京からはほぼ丸一日かけて行く覚悟が必要な、遠い遠い西の果ての港町を、いつか訪れてみたいと考えていました。
お城と教会とお寺と洋館が不思議なバランスで織り成す和洋折衷の町並み。世界広しといえども、平戸と同じような町並みはきっと、他にはないはずだと思います。
そして、平戸といえば教会群。「以後よく伝わるキリスト教」で語呂を覚えたとおり、1549年にフランシスコ=ザビエルが来日。その翌年、平戸で布教を開始したことを機に、日本にもキリスト教が信仰として広まりました。その後、禁教による苦難の時代を経て、今でも平戸周辺の地域にはキリスト教を篤く信仰する人たちが数多くおり、たくさんの教会が信仰の場として守られ続けています。印象的な教会建築をいろいろと訪問したかったのですが、時間と交通の便に限りがあり、今回は平戸中心部のザビエル記念教会と田平天主堂を訪問してきました。
写真は、平戸を最もわかりやすく象徴する、寺院と教会の見える風景です。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 4.0
- ショッピング
- 4.0
- 交通
- 2.5
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東京から飛行機で九州入り。LCCの就航開始以降、リーズナブルに九州を訪問できるようになり、旅好きとしてはありがたい限りです。
今回は初の春秋航空利用。成田から佐賀空港までのフライトです。午前の便は満席。ビジネスマンや観光客でいっぱいでした。設備は至って快適、職員さんの対応も丁寧でした。しかし、噂には聞いていましたが、デザインがキムワイプそっくりですね。そこかしこにキムワイプ。 -
空港内の諸事情で成田出発が45分も遅れ、佐賀空港→バス→佐賀駅までの移動は猛ダッシュにつぐ猛ダッシュでした…乗車予定の特急にはスーパーギリギリセーフで間に合いました。そのため、佐賀で撮れた写真はこの一枚のみ。駅名標に描かれた鳥が何かも分からないまま、佐賀県を後にしたのでした…。(その後の調べで、こちらの鳥は「カチガラス(カササギ)」だと判明しました。佐賀界隈に多く生息し、県の鳥にも指定されているそうです)
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佐世保駅に到着。ここがJR最西端の駅なのですね。手づくり感あふれる佐世保バーガーのモニュメントがかわいらしい。
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佐世保駅ならびに駅界隈の施設はどれもとても立派。大都会です。いままで佐世保を訪れたことがない私、恥ずかしながらこれまで「某通販会社の本社がある街」というイメージしかなかったのですが、とても栄えている街という印象を持ちました。旅先で活気のある街を訪れると、ほっとします。
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駅構内にあった巨大なコマのモニュメント。
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なぜかはわからないのですが、「桃太郎電鉄」の貧乏神の像もありました。貧乏神の頭の上にサル、で「貧乏が去る像」。
実は、我が家にはこの像の貯金箱があります。桃鉄フリークなのです(笑) -
行き止まりの駅や、駅からすぐに海の見える駅が好きです。階段を降りるとすぐに砂浜に降りられるふるさとの駅を思い出すからでしょうか。
佐世保駅を出ると、すぐ目の前は港。造船が盛んなのですね。また、基地のある街だと聞いて、どことなく横須賀の街にも似ているなと感じました。 -
佐世保駅で、JRからローカル線の松浦鉄道に乗り換えて平戸を目指します。しばらく、電車は佐世保の住宅地の谷間を縫うように走ってゆきました。大きな街だなぁ。斜面にたくさんの住宅が建っていて、阪神間の風景に似ているなと感じました。
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佐世保から1時間ほど電車に揺られ、終着地のたびら平戸口駅に到着しました。ここが、鉄路でゆける日本最西端の駅です。
たびら平戸口駅周辺は、住宅や商店がまばらに存在する程度の静かな地域でした。平戸の観光の中心地は、ここから陸続きではなく、バスで大きな鉄橋を渡った先にある、平戸島の中にあります。すっかり人気もなくなった夕飯時の暗い町中をとぼとぼ、バス停に向かって歩きました。 -
15分ほどバスに揺られて、平戸桟橋バスターミナルに到着。今晩の宿の女将さんが車で迎えに来てくださるのを、船着場で待ちます。
埠頭からは、左手にライトアップされた平戸城、そして右手には同じくライトアップされたザビエル記念教会。これが視界に同時に入ってくるなんて、びっくり!!和洋折衷、まさしく日本でも平戸の町でしか見ることのできない珍しい風景だと思います。 -
今夜のお宿は、平戸桟橋から車で5分ほどの場所にある民宿、銀鱗荘さん。楽しみにしていた夕食は、ごらんの通りお魚尽くし!地酒をちびちびお供に、美味しくいただきました。
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穏やかな島の朝です。
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朝食も、またまたお魚をいただきます。それと、ストローのようなものが巻かれた見慣れない形状のものがお隣に。はて、これは何でしょう。ひっくり返してみて、また、横から眺めてみて、ようやく正体が判明。これは、かまぼこです。「スボかまぼこ」といって、昔は麦わらが巻かれていたそうですが、麦わらの確保が難しくなってからは、ストローで代用するようになったようです。
ストローをひとつひとつ、ヒーヒーいいながらひっぺがしたのち、いただいたかまぼこは上品なお味でした。 -
美人で気さくな宿の女将さんに別れを告げ、いよいよ平戸の町並み散策スタートです。桟橋付近は綺麗に整備され、観光に力を入れている様子がうかがえました。
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桟橋のすぐ近くにあった石造りの鳥居と、右手には平戸城。
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なんと、ここは江戸時代初期の住居跡でした。そこかしこに、町の長い歴史を感じさせる遺構が残っていました。
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オランダ商館近くの「オランダ井戸」。大小2種類の井戸で構成され、ふたつの井戸は地下でつながっていたのだとか。
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こちらが、平戸オランダ商館。江戸時代初期に幕府から貿易の許可を得た東インド会社が、東アジアにおける貿易の拠点として建設した商館を復元した建物です。
洋館なのですが、よく見ると屋根が瓦葺きだったり、ところどころに日本建築のエッセンスも加えられた建物になっています。 -
オランダ商館の……ゆるキャラ?
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石塀などもところどころに残っています。
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オランダ商館の横には、日本とオランダとの友好関係をしるす記念碑がありました。
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記念碑にはオランダの国花、チューリップも刻まれていました。
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よく見ると、帆船の形のモニュメントが電灯についています。
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昨晩越えてきた平戸大橋が遠くに見えます。
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水も透明できれい。
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景観保護のためか、自動販売機が茶色でした。
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歴史を感じさせる落ち付いた町並みです。
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うで湯と足湯がありました。寒い日は、ここでゆったり温まるのもよいですね。
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フランシスコ=ザビエル像。
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王直像。日本とポルトガルの交易開始にあたり、仲介人的な役割をした中国の貿易商人だそうです。
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戦国時代の大名、松浦隆信の像。王直とネットワークをもち、平戸でポルトガルとの交易を開始するきっかけを作った人物だそうです。
平戸港交流広場から松浦史料博物館へと続く道に、平戸ゆかりの偉人たちの銅像が並んでおり、この他に初代平戸イギリス商館長のリチャード・コックス、初代平戸オランダ商館長のジャックス・スペックス、リーフデ号航海長のウィリアム・アダムス(三浦按針)の銅像があります。 -
歴史の道の坂を登りきると、松浦史料博物館に到着。
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立派な史料館です。
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なにやら不思議な形の井戸を発見。
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さきほど登場した王直が作ったといわれる中国式の井戸、六角井戸。四角い井戸よりも一度に複数の人数で水を汲めて便利…なつくり、だったとか。なるほど。
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今度は、目の前に巨大なソテツが現れました。
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推定樹齢は400年ほどだとか…ヒェーッ
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平戸ザビエル記念教会へと続く「教会坂」には、宣教師の人形が並んでいます。ほっこり。
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坂道が多いですね〜
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坂を登りきり、ようやくザビエル記念教会に到着!ミントカラーが鮮やかで、とても美しい。
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教会のふもとには、石でできた洞窟があり、その中には穏やかな表情を浮かべるマリア像がありました。
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さらに、その下には敬虔な祈りを捧げる少女の像も。
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この、小さな人造の洞窟は「ルルド」と呼ばれており、少女の前に聖母マリアが降臨したときの様子を表したスペースになっているそうです。
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平戸の町を高台から見下ろす神父さんの像。
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中に入ってお祈りさせていただきました。午前の礼拝に備えてでしょうか、信者の方々が熱心に教会の中を清掃されていました。
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教会の裏は、竹やぶや木々がうっそうと茂る細道になっており
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振り返ると・・・
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なんと、寺院の向こうに教会が見えるという、珍しい風景が!こんなコラボレーションは、平戸の町でしか見られないかもしれませんね。
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坂道を下りきると、大きなスーパーがありました。朝から地元の方々がせっせとお買い物。旅先のスーパーめぐり、大好きなんです。早速私も・・・
(この後、1時間ほどこのスーパーにこもって地元のあれこれを購入してしまいました。ここで買った材料でつくったちゃんぽんが、もう美味しくて美味しくて。自宅で美味しいちゃんぽんを作れる長崎の方々がうらやましいです) -
スーパーに長居しすぎて、平戸城を観光する時間がなくなってしまいました(汗
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立派な石橋を渡って、ひとまずお城の入口まで。。。
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ここから平戸城をめぐる予定だったのですが、バスの時間が迫ってしまったため、泣く泣く次へ移動します。
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平戸の花といえば、ヒラドツツジ。たびら平戸口駅の駅名標にも描かれていましたね。
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美しい港の風景。
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綺麗に整備されたデッキ。お散歩が楽しくなります。
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美しいモニュメントがありました。
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ここで、平戸のおやつタイム。平戸名物のあるお菓子を、こちらのお店で購入します。
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軒先の玉飾りが、オランダ国旗カラーになっていますね!
(いや、フランス国旗じゃないかと?そこは突っ込まないでください;) -
平戸の銘菓、カスドースを入手しました!
長崎のお菓子といえばカステラが有名ですが、こちらのカスドース、カステラに卵黄と糖蜜をしみこませて揚げた後、さらにザラメ砂糖をまぶしてできあがり♪という、くいしん坊万歳(笑)な、手間ひまのかかったお菓子なのです。おひとつなんと170円。高級品!
ちなみに、食べた感想は・・・意外にもあっさり上品な味でした。食べ進んだら、カロリーが大変なことになりそうですね^^; -
平戸桟橋にあるぴかぴかのバスターミナル内で、もうすぐやってくるバスを待ちながら、ブラックコーヒーと一緒にいただきまーす。
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再び、たびら平戸口駅方面へと戻ります。昨日は暗くて見えなかった平戸大橋ですが、とっても鮮やかな朱色が見えます。こんなに美しい鉄橋だったんですね。
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たびら平戸口駅に戻ってきました。と、昨日は気づかなかったあるものに目が留まります。それは・・・
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ギャーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!
カ、カ、カ、カマキリーーーーーー(しかも超巨大)!!!
ほ、捕食される!!!!!
なんじゃこりゃああああああああああ -
その足元には松浦鉄道の係員さん(人形)。果敢にも捕獲を試みています。しかも虫捕り網で(ツッコミ待ちのニオイがプンプン)。
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・・・・・・・・・・・・無理でしょう。
土台の部分に「カマキリ襲来」と力強く書かれているあたりも、シュール。 -
恐怖のモニュメントが存在しているのは、田平地区に「昆虫自然園」があることと関係しているようですね。
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たびら平戸口駅からは、レンタサイクルで移動です。次なる目的地・田平天主堂は、田園地帯にひっそりと建つ静かな教会。ここから30分ほど自転車を漕いで目指します。
たびら平戸口の駅長さんは女性の方で、とても親切に田平天主堂までの道のりを教えてくださいました。私のような無謀な旅人がいるのかしらと思って心配していたのですが、意外にもレンタサイクルで目指す観光客は自分のほかにもいるようです(笑)。
公園の柵にも、昆虫イラストがいろいろ。 -
電動レンタサイクルですから、坂の多い平戸の町もへっちゃらです。
最初は軽快な下り坂でしたが、早速、手ごわい上り坂がやってきました。
せっせせっせと漕ぎ続けます。電動でも、なかなかの負荷がかかる道です。 -
まだまだ続きます。人にも車にもなかなか出会わない〜
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のどかな風景が続きます。
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「田平天主堂」の案内板が見えてきました!
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農業高校の脇を通ります。
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到着しました!こんなのどかな場所にあるんですね。
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田平天主堂にも、平戸ザビエル記念教会で見かけたのと同じ「ルルド」が。
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聞こえるのは、風の音だけ。とても、とても静かな地です。
この地で、ひっそりと信仰が続いていたのでしょう。およそ1世紀前に建てられた、煉瓦造りの聖堂。どんな歴史が刻まれてきたのでしょうか。その存在感に、しばし、ぼんやりと立ち尽くしてしまいました。 -
美しいステンドグラスの数々。中はもちろん撮影ができませんでしたが、それはそれは美しい聖堂でした。長崎の教会、とりわけ平戸や五島列島の教会には、椿のレリーフが描かれていることが多いそうで、田平天主堂にも美しい椿の花のレリーフがありました。キリスト教の象徴の花といえばバラが代表的ですが、椿の花は、禁教時代にキリスト教信仰のカモフラージュとして描かれていた、という説もあるようです。
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遠い遠い西の果てに佇む美しい教会。ほんのひとときでしたが、この地で信仰を続けた人々のまっすぐな想いに触れられたような気がして、心が洗われました。わざわざ足をのばして来る価値のある、素晴らしい場所でした。
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再び自転車に乗って、帰ります。
農業高校の無人野菜販売所。 -
帰りは下り坂がメインなので、とっても楽です…
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平戸大橋が見えてきました。本当に美しい、ぱっと明るい朱色です。
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海峡を、船が行ったり来たり。
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…と、ここで私、大変なことに気づきました。
なんと、帰り道の終盤まで、電動自転車のバッテリーをオフにしたまま漕ぎ続けていたのです…
電動のはずなのに、やけに上り坂がきついなー、体力落ちたのかなあ、いや、電動でも楽できないほどきつい坂道に違いない、などと考えをいろいろ巡らせながらヒーヒーハーハー、必死で自転車を漕いでいたのですが、そりゃ、きついはずですよね(笑)なんのための電動自転車だったのか…という話は置いておいて、意外と自分体力あるじゃん!と、自分をほめて解決させることにしました。。。 -
岸辺に泊まった漁船。夜の漁で、あかりを灯すのでしょうね。ガラスの提灯がかわいらしくて、思わず写真に収めてしまいました。
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お土産を求めて、道の駅「平戸瀬戸市場」にやってきました。観光客と地元の方とで、たいへんな賑わい。平戸はどこに行っても観光施設が寂れていなくて、地元の方々の努力を感じます。
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夫へのお土産に、平戸牛のお肉を格安で購入した後、一息つくために2階のレストランへ。
地元の特産サマーオレンジ「夏香」のジュースで爽やかに一服。 -
地元の高校生の手描きのコースターがついてきました。かわいい!!
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そろそろ、平戸の町を発つ時間になりました。スーパーで入手した、長崎のお正月のお菓子「ヘソ菓子」をつまみながら電車を待ちます。カラフルなクッキーの中身は、生姜風味の甘くスパイシーなフィリングでした。
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さよなら平戸。素敵な町をはるばる訪れることができて、幸せでした!次はいつ来ることができるのかな…
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またまた佐世保駅に戻ってきました。ここからは、福岡空港へ高速バスで向かいます。駅のホームで、はじめて「ななつ星」を見かけました!
複雑な歴史の背景を知り、もっと勉強してから訪問すれば良かったかなと思いつつ、素敵な旅ができて、とても幸せでした。とくに東日本からはなかなか訪問の難しいエリアですが、果ての地に位置するからこそ、これまで大切に守られてきた文化や建物、信仰が今も息づいているのかも、そう感じました。ぜひ、機会があればより多くの方に訪れてみていただきたいです!
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