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 富士吉田の紅葉回廊を見て山中湖ロッジに戻りランチ。午後は、撮影行ではなく、その下見に出かけることにした。目指すは、新道峠というところ。河口湖町の夜景と夕焼けや朝焼けの富士山のコラボを見ることができる富士山絶景撮影スポットとしてその筋のカメラマン達には知られたところである。<br />カーナビでセットできるようなランドマークはないので、富士山撮影ガイド本の地図とスマホのGoogleMapを連れ合いが見ながらのドライブである。<br /> 旧芦川村(平成18年に笛吹市と合併)の上芦川という集落からさらに車一台がやっと通れるような狭い山道を終点まで登り、さらに徒歩で15分ほど山道を登ったところ。<br />帰りに集落に立ち寄り、畑仕事をしていた村の人に教えられて、とある古民家へ。そこで無料のお茶とお茶菓子のもてなしを受け、さらに目の前の畑から採ったばかりの大きな大根2本のお土産までもらったのであった。まったく観光地ずれしていない素朴な限界集落での思わぬおもてなしに心が和んだ午後のひとときだった。

2015年秋 山中湖ロッジ滞在記(6)観光地ずれしていない山間の集落で思わぬおもてなし

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2015/11/12 - 2015/11/12

58位(同エリア265件中)

旅行記グループ 山中湖ロッジ滞在記

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25

玄白

玄白さん

 富士吉田の紅葉回廊を見て山中湖ロッジに戻りランチ。午後は、撮影行ではなく、その下見に出かけることにした。目指すは、新道峠というところ。河口湖町の夜景と夕焼けや朝焼けの富士山のコラボを見ることができる富士山絶景撮影スポットとしてその筋のカメラマン達には知られたところである。
カーナビでセットできるようなランドマークはないので、富士山撮影ガイド本の地図とスマホのGoogleMapを連れ合いが見ながらのドライブである。
 旧芦川村(平成18年に笛吹市と合併)の上芦川という集落からさらに車一台がやっと通れるような狭い山道を終点まで登り、さらに徒歩で15分ほど山道を登ったところ。
帰りに集落に立ち寄り、畑仕事をしていた村の人に教えられて、とある古民家へ。そこで無料のお茶とお茶菓子のもてなしを受け、さらに目の前の畑から採ったばかりの大きな大根2本のお土産までもらったのであった。まったく観光地ずれしていない素朴な限界集落での思わぬおもてなしに心が和んだ午後のひとときだった。

旅行の満足度
4.5
同行者
カップル・夫婦(シニア)
交通手段
自家用車

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  • 河口湖北岸の湖北ビューラインを西湖方面に向かい、大石公園を過ぎてから右折して県道719号を北西に向かう。県道36号との合流点で右の細い道を入ると、旧芦川村(現笛吹市)の上芦川集落に至る。<br />旧芦川村は、人口1000人以下、65歳以上の老齢人口が50%超の過疎の村で、ここ上芦川はすでに限界集落に認定されてしまっている。地理的には山梨県のほぼ中央部に位置するが、甲府盆地と富士五湖の間の山塊の中にひっそりと取り残され、時間が止まっているような静かな集落で、山梨のチベットというあまりありがたくない別名をつけられている。

    河口湖北岸の湖北ビューラインを西湖方面に向かい、大石公園を過ぎてから右折して県道719号を北西に向かう。県道36号との合流点で右の細い道を入ると、旧芦川村(現笛吹市)の上芦川集落に至る。
    旧芦川村は、人口1000人以下、65歳以上の老齢人口が50%超の過疎の村で、ここ上芦川はすでに限界集落に認定されてしまっている。地理的には山梨県のほぼ中央部に位置するが、甲府盆地と富士五湖の間の山塊の中にひっそりと取り残され、時間が止まっているような静かな集落で、山梨のチベットというあまりありがたくない別名をつけられている。

  • 新道峠に向かう細い山道には、なんとすずらんの花を模した真新しい街灯が設置されている。新道峠の近く、黒岳と釈迦が岳という山の間に自生のすずらんの群生地がある。そこを観光の目玉にしようとこんなインフラ整備をしているようだ。

    新道峠に向かう細い山道には、なんとすずらんの花を模した真新しい街灯が設置されている。新道峠の近く、黒岳と釈迦が岳という山の間に自生のすずらんの群生地がある。そこを観光の目玉にしようとこんなインフラ整備をしているようだ。

  • 集落の中に「農啓庵」という古民家カフェがあったので、新道峠を下見したあと立ち寄ってみるつもり。<br />後で調べたら、この古民家カフェ、ダイハツのCMのロケに使われたそうだ。

    イチオシ

    集落の中に「農啓庵」という古民家カフェがあったので、新道峠を下見したあと立ち寄ってみるつもり。
    後で調べたら、この古民家カフェ、ダイハツのCMのロケに使われたそうだ。

  • 集落のはずれには、ススキの大群生。

    集落のはずれには、ススキの大群生。

  • 上芦川の集落からすれ違いできないような細い山道を5キロほど走ると、スズランの群生地入口に至る。今は花の季節ではないのでパスして、さらに2kmほど行くと道は行き止まりになる。Uターン用にスペースがあるので、そこの隅っこに車を停めて、山道を15分ほど登ると尾根に出る。

    上芦川の集落からすれ違いできないような細い山道を5キロほど走ると、スズランの群生地入口に至る。今は花の季節ではないのでパスして、さらに2kmほど行くと道は行き止まりになる。Uターン用にスペースがあるので、そこの隅っこに車を停めて、山道を15分ほど登ると尾根に出る。

  • 尾根伝いに5分ほど行くと、新道峠第二展望台にたどり着く。この先15分ほど行くと第一展望台があったが、富士山撮影には、第二展望台の方がよさそう。<br />眼下に河口湖が見える。正面に富士山があるのだが、今日は全く見えない。<br />様子は確認できたので、上芦川集落に戻る。

    尾根伝いに5分ほど行くと、新道峠第二展望台にたどり着く。この先15分ほど行くと第一展望台があったが、富士山撮影には、第二展望台の方がよさそう。
    眼下に河口湖が見える。正面に富士山があるのだが、今日は全く見えない。
    様子は確認できたので、上芦川集落に戻る。

    新道峠「FUJIYAMAツインテラス」 自然・景勝地

  • 集落の入口に炭焼き小屋があり、炭焼きの真っ最中。

    イチオシ

    集落の入口に炭焼き小屋があり、炭焼きの真っ最中。

  • 炭焼き小屋の脇に4〜5台停められる駐車スペースがある。コンクリートで舗装された真新しい駐車スペースである。ここに車を停めて、古民家カフェ「農啓庵」に向かう。すると、近くで畑仕事をしていた村人に「今日はカフェは定休日だよ。その代り、むこうに見える萱葺の古民家に行くとタダでお茶が飲めるよ」と行き方まで丁寧に教えてもらった。

    炭焼き小屋の脇に4〜5台停められる駐車スペースがある。コンクリートで舗装された真新しい駐車スペースである。ここに車を停めて、古民家カフェ「農啓庵」に向かう。すると、近くで畑仕事をしていた村人に「今日はカフェは定休日だよ。その代り、むこうに見える萱葺の古民家に行くとタダでお茶が飲めるよ」と行き方まで丁寧に教えてもらった。

  • 村人によると、築300年の古民家なのだそうだ。<br /><br />連れ合いはまもなく還暦。被写体としての魅力は失せており、本人も観光地での記念写真は撮られたがらなくなり、最近はめったに連れ合いの写真は撮らなくなった。今日は珍しく一枚記念写真。

    村人によると、築300年の古民家なのだそうだ。

    連れ合いはまもなく還暦。被写体としての魅力は失せており、本人も観光地での記念写真は撮られたがらなくなり、最近はめったに連れ合いの写真は撮らなくなった。今日は珍しく一枚記念写真。

  • 家の前でウロウロして写真を撮っていると、中から女性が出てきて、中にどうぞと招き入れてくれた。

    家の前でウロウロして写真を撮っていると、中から女性が出てきて、中にどうぞと招き入れてくれた。

  • 囲炉裏には薪がくべられ、家の中は煙が充満していてチト煙たい。<br /><br />囲炉裏端で、お茶とお茶菓子をごちそうになりながら、よもやま話。<br />この家は藤原さんという方が最近まで住んでいたのだが、ここを離れることになって、家は取り壊されることになった。しかし、築300年の古民家は歴史的価値があるというので、笛吹市が2年前に買い取って、「古民家藤原邸設置および管理条例」という条例まで作って歴史遺産として村の観光に役立てようとしているのだそうだ。<br />この女性は、家の住民ではなく、市の嘱託として、この古民家の管理をしているのだという。<br />(名前を伺うのを忘れたが、インターネットで写真を公開することは了解済み)

    イチオシ

    囲炉裏には薪がくべられ、家の中は煙が充満していてチト煙たい。

    囲炉裏端で、お茶とお茶菓子をごちそうになりながら、よもやま話。
    この家は藤原さんという方が最近まで住んでいたのだが、ここを離れることになって、家は取り壊されることになった。しかし、築300年の古民家は歴史的価値があるというので、笛吹市が2年前に買い取って、「古民家藤原邸設置および管理条例」という条例まで作って歴史遺産として村の観光に役立てようとしているのだそうだ。
    この女性は、家の住民ではなく、市の嘱託として、この古民家の管理をしているのだという。
    (名前を伺うのを忘れたが、インターネットで写真を公開することは了解済み)

  • 囲炉裏がある「ざしき」の隣の部屋「でえ」には、年代物の古いミシン(たぶん藤原家で使用されていた)が陳列されていた。<br /><br />部屋の呼び名については http://4travel.jp/photo?trvlgphoto=41443369 参照<br />

    囲炉裏がある「ざしき」の隣の部屋「でえ」には、年代物の古いミシン(たぶん藤原家で使用されていた)が陳列されていた。

    部屋の呼び名については http://4travel.jp/photo?trvlgphoto=41443369 参照

  • 茅葺屋根の葺き替え作業の様子を示す古い写真も展示されている。茅葺屋根は15〜20年ごとに葺き替えねばならず、大変な手間と労力がかかる。葺き替え作業が出来る人も減り、最近ではトタン葺きや銅板葺きに変わりつつある。過日、訪れた南会津の集落も、かつては茅葺だったと想像できる家は、ほとんどトタン葺きに代わっていた。

    茅葺屋根の葺き替え作業の様子を示す古い写真も展示されている。茅葺屋根は15〜20年ごとに葺き替えねばならず、大変な手間と労力がかかる。葺き替え作業が出来る人も減り、最近ではトタン葺きや銅板葺きに変わりつつある。過日、訪れた南会津の集落も、かつては茅葺だったと想像できる家は、ほとんどトタン葺きに代わっていた。

  • 排煙設備はなく囲炉裏で薪を燃やすと煙たいが、この煙の防腐効果で茅葺が長持ちしたという面もあるのだろう。昔の人たちの知恵である。

    排煙設備はなく囲炉裏で薪を燃やすと煙たいが、この煙の防腐効果で茅葺が長持ちしたという面もあるのだろう。昔の人たちの知恵である。

  • 古い柱時計

    古い柱時計

  • 土間。<br /><br />午前中に訪れた富士吉田の歴史民俗資料館の古民家と違い、ここは委託管理人とはいえ、人が居て火を使い、生活の匂いがしているというのがいい。心が和む。

    土間。

    午前中に訪れた富士吉田の歴史民俗資料館の古民家と違い、ここは委託管理人とはいえ、人が居て火を使い、生活の匂いがしているというのがいい。心が和む。

  • 土間にある梯子のような階段を上って、2階をのぞいてみた。<br />笛吹市が買い取ったとき茅葺の葺き替えが行われたのであろう。屋根の竹組みや縄は真新しい。二階には、何も置かれてはいなかったが・・・

    土間にある梯子のような階段を上って、2階をのぞいてみた。
    笛吹市が買い取ったとき茅葺の葺き替えが行われたのであろう。屋根の竹組みや縄は真新しい。二階には、何も置かれてはいなかったが・・・

  • しばし、管理人の女性と歓談をして帰ろうとすると、畑の大根が食べ頃になっているから、持っていけという。遠慮なく、いただいていく。<br />いつのまにか、もう一人おばあちゃんが現れて、その隣の大根の方が大きいからそっちを抜けだとか何かと指図しているのがほほえましい。

    しばし、管理人の女性と歓談をして帰ろうとすると、畑の大根が食べ頃になっているから、持っていけという。遠慮なく、いただいていく。
    いつのまにか、もう一人おばあちゃんが現れて、その隣の大根の方が大きいからそっちを抜けだとか何かと指図しているのがほほえましい。

  • このおばあちゃんも笛吹市からここを管理委託されているのだそうだ。<br />記念にツーショットで写真を撮らせてもらった。いい笑顔だ。<br /><br />限界集落の存続に向けて官民ともに頑張っている様子が感じ取られる。しかも観光地くささが全くない純朴さに、心癒される思いがした。

    このおばあちゃんも笛吹市からここを管理委託されているのだそうだ。
    記念にツーショットで写真を撮らせてもらった。いい笑顔だ。

    限界集落の存続に向けて官民ともに頑張っている様子が感じ取られる。しかも観光地くささが全くない純朴さに、心癒される思いがした。

  • いただいた大根をロッジに持ち帰り、洗ってから記念写真。<br /><br />自宅に戻ってから、おでんやイカ大根などに調理して食べたが、普段スーパーで買う大根より、身が締まっていて味が濃く、とても良い味だった。

    いただいた大根をロッジに持ち帰り、洗ってから記念写真。

    自宅に戻ってから、おでんやイカ大根などに調理して食べたが、普段スーパーで買う大根より、身が締まっていて味が濃く、とても良い味だった。

  • その後、西湖のほとりにある日帰り温泉に入ってからロッジに戻ることにした。<br /><br />一日中、どんより曇っていたが、夕暮れになって西の空に少し青空がのぞいた。西湖の夕暮れ。

    その後、西湖のほとりにある日帰り温泉に入ってからロッジに戻ることにした。

    一日中、どんより曇っていたが、夕暮れになって西の空に少し青空がのぞいた。西湖の夕暮れ。

  • 富士西湖温泉「いずみの湯」入浴料¥800 露天風呂、サウナ完備だが、泉質に特徴はなく、可もなく不可もなくといったところ。<br /><br />今回の山中湖ロッジ滞在では、塩山の甘草屋敷、富士吉田、芦川とやけに古民家との縁が深かった滞在であった。明日はロッジの清掃をしてから帰宅だ。<br />11月下旬になると友人オーナーがロッジを冬季閉鎖するので、来年4月までお預けである。<br /><br />「2015年秋 山中湖ロッジ滞在記」完<br />

    富士西湖温泉「いずみの湯」入浴料¥800 露天風呂、サウナ完備だが、泉質に特徴はなく、可もなく不可もなくといったところ。

    今回の山中湖ロッジ滞在では、塩山の甘草屋敷、富士吉田、芦川とやけに古民家との縁が深かった滞在であった。明日はロッジの清掃をしてから帰宅だ。
    11月下旬になると友人オーナーがロッジを冬季閉鎖するので、来年4月までお預けである。

    「2015年秋 山中湖ロッジ滞在記」完

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