山の中にひっそりとエメラルドブルー。秋のおしらじの滝を探して。

2015/10/31 - 2015/10/31

登山道も無い山の中、人知れず流れ落ちる滝の滝壷はエメラルドブルーの美しく珍しい色だと聞いて、いつか行ってみたいものだと思っていました。
「スッカン沢」の滝めぐりの後、車を移動してその滝を探しに来ました。
案内は無く、詳しいルートも特にはない場所にあるので、初めてだと、入り口を見つけるのが難しい。
踏み後を探しながら、枯れ沢を下り、たどり着いた滝は、濃いブルーの滝壷を持った2段の滝でした。
静かな森の中で滝を眺め、その後は、「山の駅たかはら」裏手の池と湿地の草紅葉もチェックしてきました。

旅行記掲載時は地図にも載っていない、案内もない「おしらじの滝」でしたが、
現在は道路沿いに駐車場と案内版も設置されています。

エリア 矢板・塩谷(栃木)

• 旅行の満足度: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: 自家用車 徒歩

荒れた道をゆくスッカン沢。美しい紅葉と渓流、滝めぐり
http://4travel.jp/travelogue/11073043
の続きです。
地図にも載っていない、という「秘滝」として最近は行く人も増えてきたようで、検索すればその美しい景観の画像をすぐに見る事ができます。
しかし、「地図に載っていない」位ですから、観光用の案内などなく、入り口がどこなのかが 良く判りません。
「このあたり」だという漠然としたものだけです。
車道の脇にチェーン着脱所が何箇所かあるあたりです。
車止めが置いてあり、着脱所に車は入れられません。
道路脇のスペースに停めるしかないのです。
チェーン着脱所の入り口はこんな風にバリケートで閉められているのです。

チェーン着脱所はコンクリートの四角い土台みたいなのが作られたばかりのようですが、
これは、この後どうなるのだろう？？なんで一段高くなってるのかな？？
謎です。

一度、踏み後と言うか、入り口（ガードレールの切れ目など）を探して道路沿いに歩いたのですが、このまま進むと沢を越えてしまうし 等高線をあがる事になるので、間違っている、と地図で確認し戻ります。
たまたま、同じ「 おしらじの滝」へ行こうとしているらしい人が藪に入って行くのが見えたので、入り口が判りました。初めてだったら、判らないだろうなぁ・・・。
入ってすぐは踏み後がかなりはっきりと残っています。

しかし、その先客は この場所に慣れた人らしく、あっと言う間に姿は見えなくなりました。
滝を目指すので水音が聞こえるだろう、沢の先にあるはず、と、行く方向を見極めます。
普段の山歩きでは、登山道が判り難ければ、マーカーのリボンやペイントをチェックしながら迷わないように歩いたりしますが、ここにはそういったものは全くありません。
道も登山道ではないので、荒れていると言うか、手付かずで、踏み後を探すか 歩きやすそうな場所を選んで下って行くだけです。
秋なので、落葉して ある程度見通しはきくからいいのですが、夏草が茂る頃は、どうなんでしょうね？？

車道から歩く事10分ほど、滝の流れる音がして、紅葉の中 「おしらじの滝 」全容が見える場所に出ました。
2段になって流れ落ちています。滝壷はたしかに、見たことが無いほど青い色をしています。

水は豊富に流れています。季節によっては、落水が止まっているそうです。

正面の大きな岩の上に登って眺め、写真を撮ります。
正面、一段下の滝壷レベルの場所には三脚を立てた2人の方がカメラを向けていました。

岩の上のドウダンはすでに色あせて、赤いもみじと並んでいました。

私も一段下の場所へ降りてみます。
落ち葉が青い滝壷の水面に沢山浮かんでいます。
今はさほど目立ちませんが、滝の周りの岩 夏は苔がびっしりで緑が美しいようです。

滝の流れ口は岩が丸く削られ、真上から日が降り注ぐすばらしい景色になっている画像を見ましたが、今日は、曇っていて明るさが足りません。
滝壷の色も もっと緑がかって見えることもあるようですが、天気のせいか、今日はかなり濃いブルーに見えます。

少し登り返すと滝を斜め上から覗ける場所もあります。さきほど、ドウダンともみじがあった場所の方にあがれます。
上からみると、滝壷の神秘的な色合いがもっと良く見えました。

すばらしい眺めです。
手が入れられていない場所の滝だから、色々な角度から覗いて見る事ができるのです。

上から覗いて見える 滝壷はかなり深いようです。
青から緑への色の移り具合に引き込まれそうです。
この滝の色は、よく「エメラルドブルー」と言われます。
エメラルドはグリーン、緑の石なので、エメラルドブルーというのは色の名前としてはちょっと納得できない感じなのですが、
この滝壷の色は、緑でも青でもなく、角度や日差しによっても見える色が変わり その不思議な青がかった緑色は「エメラルドブルー」という呼び方にぴったりだと思うのです。

滝の流れの真上に来てみました。
もちろん柵などありませんので、自己責任で覗き込みます。
今日は、壊れた遊歩道と言い、アクセス道が作られていない滝といい、どっちも自己判断で道を進んで来なければならない場所でした。
少々危ない場所もあり・・・。
でも、この美しい景観はそれだけの価値のあるものだと思います。

滝の落ちる手前は石がゴロゴロした沢です。ここの流れは穏やかな印象。
ここに居る間にも何人かのカメラマンが写真を撮りに来ていました。
秘滝であっても、道路からの距離は大して遠くもないので、もっと知られるようになれば、いずれ、歩道も整備されるかもしれませんね。
でも、あまり知られていない、と言うところがミソでもあります。

来た道を登り返して、車に戻り、「山の駅たかはら」へ戻って来ました。
売店でお土産を買います。
前に量が多すぎて買わなかった経木の束を今回は購入。
これでおにぎり包んで山へ持っていったらいい感じじゃないか？？
雑貨店ではワックスペーパーが売られていますが、もう、そんなの普通だからこれからは経木でおにぎり包むのがカッケーと思う。エコだし、殺菌性にもすぐれているんだよね。
そして・・・山歩きのご褒美（？）にソフトクリームを食べます。今はバニラオンリーでしたが、の〜こ〜でうまかったよ〜〜。

朝来た時は車4.5台だったけど、今は結構停まっている。
観光で紅葉を見に来ている人も多いでしょうし。

買い物後、近くの「八方湖」に行ってみました。
ちょっとガタガタする道ですが、車で行かれます。
池の周りの紅葉はもう終わりかけでした。

こちらまで来る人はほとんど居ないようですね。
少しだけ赤い葉っぱが残っていましたが、ここの紅葉は10月中旬位が見頃だったようです。

後ろに見えるのは「桝形山」かな？
風がないので、湖面の水鏡に写っています。紅葉が落ちる前だったら、きれいだったろうなぁ。

地図で見ると、この「八方湖」の手前にもっと小さな池があるので、そこにも寄ってみます。
それは、湿原の中の小さな地糖っぽい池でした。ここは柵があるので、柵の外からしか眺める事ができません。

このあたりは牧草地の端なので、道は作業道路になっているのだと思います。
そんな狭い道の反対側には草紅葉の見られる場所がありました。

小さな湿原のようです。
ダケカンバも。
狭い湿原ですが、草紅葉がきれいです。

道の周りにも赤や黄色の葉っぱがみつかります。

曇った空はまだ午後2時過ぎですが、夕方のよう。そろそろ帰るか・・・と車に戻ると、フロントガラスにポツポツと雨粒が落ちて来ました。

今日はあまり長い山歩きのコースを選ばなくてよかった。
予報ではもっと良い天気だと思ったけど、山の天気は大雑把な地域の天気予報ではあてになりませんね。（それは山歩きを始めてから、つくづく判りました）
今日の山歩き・滝探しはこれで終わり。高原山の紅葉を見ながら帰ります。

少し遠回りして「栃木県民の森」の方を通って帰ってみましたが、雨がパラパラと降っていたので、そのまま帰宅となりました。
今日は、壊れた遊歩道を無理やり進んだり、道なき道を進んでの滝探し、と いつもと違う冒険チックな山歩きとなってしまい、けっこう大変だった場所もありましたが、見ごたえのある渓流・紅葉・滝を見る事が出来てよかったです。
危ない箇所もあるので、お勧めできるコースでは無いですが、
季節が違うとまたすばらしい景観が望めそうな場所だと思いました。
また、来てみたい場所です。