2015秋のスロバキア　18　ストレチュノ城(Hrad Strečno)

2015/10/21 - 2015/10/27

　10月24日土曜日、旅行４日目。
　下調べ情報が少なかった野外博物館と観光鉄道に挑むには、この日がまるまる一日必要だと想定していましたが、観光鉄道に乗れなかったということもあり、午後早い時間にはジリナに帰ることができました。

　空いた時間で、最終日に行く予定だったお城に、一足先に行くことにしました。

　自分なりにスロバキアの見どころを簡潔に言うとしたら、「洞窟とお城」と言うでしょう。（あくまでもネットで調べた限りですが。）

　洞窟は、夏でも冷え冷えの氷穴やら珍しい鉱物が見られる洞窟など、貴重なものがたくさんあるのです。しかし、洞窟は町から離れた場所にあるの　で、今回時間は時間がなく洞窟を訪問することはできませんでした。

　それに比べるとお城は比較的アクセスが楽です。ニトラ城なんかは市街地にありましたし、ここストレチュノ城も鉄道でアクセス可能です。
　スロバキアのお城といえば、ブラチスラバ城、ボイニツェ城、オラヴァ城、スピシュ城、トレンチーン城、デヴィーン城…、と４トラの旅行記に登場するものだけでも10はくだらないはず。私は華麗な装飾や内装が残る城より、山城のような要塞型の城の方が好きです。
　バーフ河畔にそそり立つ崖の上に立つ廃墟「ストレチュノ城」。ストライクゾーンど真ん中のビジュアルです。

エリア その他の観光地(スロバキア)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 10万円 - 15万円
• 交通手段: 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

　10月24日土曜日、旅行４日目。
　午前中にヴィヒロフカ野外博物館とスタラービストリツァを訪れ、いったんジリナに戻ってきました。
　ストレチュノ城には鉄道やバスでアクセスできるのですが、本数が非常に少ないので往路はタクシーを利用します。ガイドブックや口コミで、駅などに待機しているタクシーは、料金トラブルの可能性が高いようなことが書いてありましたが、時は金なり、躊躇せずバスターミナルのタクシーに乗りました。
　14：00にジリナバスターミナルを出発、11キロ余りの距離を走り、14：14にお城の駐車場に到着しました。最初から最後までちゃんとメーターは動いていて16.5ユーロ。（お釣りはチップにしました。）

　お城への途中、遠くにタトラ山脈が見えました。
　ポーランドとの国境に連なる山脈。チェコとスロバキアが分離独立した際、タトラ山脈がスロバキア側にあることがスロバキア人にとっては誇りだったみたいです。まだ紅葉の時期にある山々の向こうに、光り輝く白銀のタトラ山脈。美しかったですね。スロバキア人の誇りであることも納得です。

　タクシーを降りて、売店がある駐車場からお城を目指します。

　タイトル写真にあるように、お城は崖の上にあります。
　当然登らねばなりません。

　旅は常に上り坂との戦い。

　階段と坂を登った先には砦の入り口。

　ここはまだお城ではなく、中世をテーマにした公園です。

　再現された古い建物が並んでます。

　家族連れが遊んでいました。
　屋根のウェーブがスタラービストリツァの天文時計みたいだ。

　展示館か何かかと思ったら…。

　カフェでした。お休みでしたけど…。

　サクランボ？

　公園の反対端にお城の切符売り場がありました。

　内部見学はガイドツアーです。

　ツアーの時刻表。
　公園の入り口に貼ってありました。私は最終15：00のツアーに参加します。

　お城の情報はこのサイトを参考にしました。
http://pmza.sk/eng/?page_id=26
　ガイドツアーだということはここに書いてないのですが、内部見学はスロバキア語のガイドツアーのみのようでした。

　切符を買ったら、こんな道を歩いてお城へ向かいます。
　お城はまだまだ先にあるんです。当然上り坂。

　貴重な動植物を大切にしましょうね、っていう看板でしょうか。
　ヒグマにヨーロッパオオヤマネコ…。遭遇してしまったら、大切にするとか言う以前の問題です。

　やっとお城の入り口。
　城門前には木製の橋。敵が攻め上がって来たら、橋を引き上げるやつですね。

　手前は工事中。

ストレチュノ城 城・宮殿

　崖側の眺めは抜群。
　青き美しきバーフ（川）。はるか下流ではドナウ川になるだもんね、この川。

　ジリナの方向。

　17世紀末、時の皇帝によって意図的に廃墟にされた城です。　

　川の対岸方面はのどかな眺め。

　城の主な役割は、通行料の徴収だったようですが、戦いもありました。

　大砲のところにあった説明書き。全く読めません。

　矢狭間でしょうか。ここから大砲を撃つには狭すぎますよね。

　いいお天気でした。

　３世紀にわたって廃墟だったそうですが、その割に保存状態がいいのでは？修復作業の賜物でしょうか。

　城壁の窓からの眺め。

　ガイドツアーが始まるまで時間があるので、景色を眺めて過ごします。

　暇だからやたらと写真を撮る。
　ほかにも家族連れとカップルがいましたが、みなさん写真を撮りまくってました。

　15：00、ガイドさんがやってきました。ツアーが始まる時刻です。
　総勢10名くらい。私以外はカップルか夫婦連れ、スロバキア人７割、ドイツ語圏人、あるいはそれ以外のヨーロッパ圏人が３割くらいの感じ。つまり３割くらいの人はスロバキア語の解説を理解してない風でした。

　入り口で簡単な説明があり、その後中へ入ります。

　写真を撮っていいのかわからなかったので、立派なカメラを持ったスロバキア人が写真を撮るのを伺っていましたが、その人だけでなく誰もカメラを構えません。最初に禁止と言われたのかな？ダメ元でガイドさんに英語で聞いてみました。すると「全く問題ないですよ」と英語で答えてくれました。聞いてみてよかった〜
　私が撮影を始めると、皆さん一斉にカメラをとりだして撮影。なんだ、みんなお互いを伺ってたのね。言葉の通じる人は率先して尋ねてよね。

　これが廃墟になる前の模型。
　現在この状態だったら、断崖にそびえる白亜のお城が、まるでテーマパークみたいでしょうね。

　上の写真の説明書き。17世紀の姿です。

　お城のキッチン。

　薪コンロ。

　ところどころで説明がありますが、スロバキア語がわからないメンバーは、ガイドさんに失礼にならない程度にキョロキョロウロウロ。聞いてわからない分の情報を視覚から得ようとしてます（笑。
　英語ツアーだと、わかってないのは私だけ、という孤独な状況になるのですが、今回はお仲間がいて居心地いいです。

　このようなお城ができたのは14世紀ごろなのですが、発掘調査にでより古い時代から人が住んでいたことがわかっています。お城のＨＰには鉄器時代から言及されていますが、展示には青銅器時代のものもあった気がします。（見学の最初の方だったので写真が撮れてない…）

　さすがに塔は立ち入り禁止。

　井戸は廃墟にされた際に埋められてしまっています。

　ガイドツアーで入れる最も高いところから。

　展望案内もあります。

　もう一度バーフ川。

　お城を絡めてもう一枚。川の右側にストレチュノの駅が見えます。

　あかり取りの穴でしょうか。下の階が見えます。

　ツアーで一緒だったみなさん。

　熱心に写真を撮ってます。

　城内で展覧会も開かれてました。
　Art castle XXXVIII : “Hefaistov odkaz”
　Blacksmith arts and crafts presentation

　礼拝堂。
　ここだけはしっかり修復されています。天井の装飾が独特。
　礼拝堂の地下は埋葬所（納骨堂？）でした。

　縦長の窓からはしっかりと光が入って十分な明るさがあります。
　礼拝堂の音響の良さを体感できるように、電子ピアノの生演奏がありました。床に「音楽へ」と書かれた箱が置いてあって、みなさんお金を入れてました。中を見たらほとんどが２ユーロコイン。チップの最低相場は２ユーロなんでしょうか。私は２ユーロコインの持ち合わせがなく、こそっと１ユーロ入れました。

　この写真は中庭にあった地下への穴。何の穴なのかは不明。

　中庭に面した城壁。

　自然の岩の表面に巧みに石を積み上げてますね。

　15：50ツアー終了。坂を下って帰路につきます。

　最初にタクシーで到着した売店前に戻ってきました。
　朝からフライドポテト以外何も食べてないので、ここで買い食いします。

　山小屋風の店内。
　店内が禁煙なせいか、ほかのお客さんは外の席にいました。

　ホットドッグとお水を購入。合わせて1.3ユーロ。
　ホットドッグはソーセージがデニッシュ生地で捲かれたものでした。

　この後は鉄道でジリナに戻ります。
　駐車場の入り口にわかりやすい案内看板がありました。

　16：15。
　案内に従って駅へ向かいます。