2015/10/03 - 2015/10/03
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たびたびさん
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石見銀山から温泉津温泉に移動して、今夜のもう一つのお楽しみは龍御前神社という神社の本殿で公演される石見神楽。6月には、花巻の早池峰神楽(http://4travel.jp/travelogue/11022428)も拝見したんですが、そこは撮影禁止。今度は大丈夫なので、ちゃんとレポートできるのもいいですね。
ちなみに、龍御前神社は温泉津温泉の中ほど。神社の拝殿で見る石見神楽って、そうそうはないということのようですが、あとは有名な高千穂の夜神楽(http://4travel.jp/domestic/area/kyushu/miyazaki/takachiho/takachiho/tips/10390977/#main)くらいかもしれません。どちらにしても、大いに期待を持って訪ねた次第。そして、その期待はまったく裏切られることはありませんでした。
時間は1時間。二部構成でしたが、第一部は塵輪(じんりん)という帯中津日子(たらしなかつひこ)が白鬼と戦うもので、最後は素戔嗚尊とヤマタノオロチ。煙を吐くヤマタノオロチが最前列に座っていた私に、時には枝垂れかかってきたりする大迫力。これ以上ないくらい楽しませてもらいました。
そして、その前に入った温泉津の温泉がまたまた最高。こんなレトロ感あふれる温泉もなかなかないかも。噂には聞いていましたが、これも世界遺産級の素晴らしさだと思いました。昼間の石見銀山も目一杯でしたが、がんばればまたちゃんと御褒美がある。うーん。やっぱり、旅はこうじゃないといけません。
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石見銀山の興奮も冷めやらぬ中ではありますが、
温泉街の入口の駐車場に車を止めて市街の方に向かいます。もうすっかり、日は暮れています。 -
温泉津温泉の街並みに入ってすぐにある建物は内藤豪商屋敷です。
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大きな蔵も備えているし、すぐにそれと分かる目立つ建物です。門前に説明板があって、それには「内藤家庄屋屋敷」と書かれていまして、この内藤家は毛利氏の時代に銀山奉行に任ぜられていたとのこと。外から見るだけですが、これだけ豪壮な建物ですから、徳川幕府の時代になってもそれなりの役割を担っていたのではないかと思います。 ここもやはり石見銀山の街なんですね。
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さて、これが龍御前神社。
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まだ誰もいなくて、
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ひっそりとしています。まだ一時間以上あるので、では、一風呂浴びてきましょうか。
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さらに街の奥に進んで、
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イチオシ
これが薬師湯です。おしゃれなレトロ館があって、なるほどいいですねえ。
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温泉津にはいい温泉があるよと聞いていたのですが、それがこれのようですね。
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風呂はこの先なんですが、
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イチオシ
はーー。これってなんですかあ。
赤い鉄分の湯の花がたまっていて、ど迫力。それに、分厚く重なった湯の花は、白と赤の組み合わせがなんて美しいんでしょう。湯もちょっと熱めで気持ちいいし、すべてにしびれるしかありません。
この温泉だけでも、温泉津温泉に来た甲斐があったというものです。 -
洋風の二階にはサンルーフのような休憩部屋もあるようで、それもチェックしてみましょう。階段を上がって、
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これが休憩室。籐の椅子も気持ちいいです。
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さらに三階に上がると、屋上のスペースもありました。いや、薬師湯。なかなかやりますね〜。
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風呂を出て、隣りの建物も何気なく覗いてみると、
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あれ。
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中には灯がついていて、
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これまたレトロな美しい店内です。
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店はもう閉まっているんですが、こうして内部を見せることで街が寂しくなることを防いでいるんですね。こういうのをみると、私はスイスのルツェルンを思い出します。夜になってお店は閉まっても、灯を点けてお店の内部を見せることで、街全体の華やかな雰囲気が続いていく。観光地としての魅力を強く意識した街並みに感心しましたが、ここもそれと同じような姿勢を感じます。
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さて、龍御前神社に戻って、
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いよいよ始まります。
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いただいたパンフレットは冊子のようになっています。
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まずは、塵輪(じんりん)。
主役の登場です。 -
これは、帯中津日子(たらしなかつひこ)
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後の第十四代の天皇、仲哀天皇のことです。
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仲哀天皇は、実在が疑われる天皇でもあるんですが、
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三韓征伐で知られる神功皇后の夫。
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熊襲を攻めようとする仲哀天皇に対し、神功皇后はその前に朝鮮を攻めるようご宣託を伝えますが、仲哀天皇はいうことを聞かない。結局、仲哀天皇は熊襲との戦いで傷つき、亡くなってしまいます。その後、一人になった神功皇后が三韓征伐を決行し、これに成功するんですね。
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イチオシ
ただ、これは日本書紀の話で、この神楽の塵輪とは別の話ですが。
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さて、改めて。塵輪は、帯中津日子が異国から日本に攻め来る数万騎の軍勢を迎え撃つという物語。
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塵輪というのはその軍勢の中にいた、身に翼があり、黒雲に乗って飛びまわる悪鬼のことなんです。
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そして、帯中津日子は、その悪鬼に立ち向かうべく、天の鹿児弓、天の羽々矢を持って、討伐に向かうのです。
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イチオシ
キリッとしたいい面構え。
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かつては、天皇自らが戦いの前面に出るのが当たり前だったんですよね。
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むむ。怪しい霧が立ち込めてきました。
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なんだ、なんだ。
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視界がきかなくてよく見えないんですが、何やら妙な気配が。。
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イチオシ
う。この得体のしれないのが悪鬼ですね。
それにしても、見るからに凶暴な姿。 -
それに、底知れぬパワーを秘めている雰囲気がムンムンして、これはすごい化け物です。
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静かで凛とした会場の空気が一転しました。
悪鬼は、いきなり帯中津日子に襲い掛かります。 -
しかし、帯中津日子も負けてはいない。
天の羽々矢を突き付けて、 -
えいやあ。えいー
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どうだあ。思い知ったか。悪鬼も少したじろぎます。
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ちょっと甘く見ていたが、今度はそうはいかんぞ。
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悪鬼も再び反撃です。
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お互いに、
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死力を尽くして、
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大立ち回り。
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イチオシ
悪鬼も、
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得意の得物を使って、
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これでもかあ。
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勢いに任せて、
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はっしと
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イチオシ
襲い掛かる!
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しかし、お互いに一歩も引かず、
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戦いは
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一進一退を
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繰り返します。
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二人のほとばしる気合と息使いが
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こちらにも伝わってくるようです。
何度も何度も打ち掛け合って、この身のこなしはスピードもあるし、すごいですよ〜 -
と、さしもの悪鬼も少し弱ってきたか。
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これでとどめだあ。
帯中津日子は、悪鬼に向かって、天の鹿児弓につがえた天の羽々矢を放ちます。 -
見事、悪鬼を討ち果たした帯中津日子。これで日本は救われました。めでたし、めでたし。
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第二部は、素戔嗚尊とヤマタノオロチ。
この若い娘さんは川で洗濯?赤い帯を一生懸命洗っています。 -
しかし、背後でうごめくものが。。
ギロリと光る眼は、娘をロックオンしたみたいです。なんで気が付かないのー -
うわわわ。迫ってきてますよ〜
早く気が付いてー -
うわー。
もう大蛇の胴に囲まれているじゃないですか。 -
徐々に巻き込まれて、
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イチオシ
最後はもう逃げられない。
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体全体が大蛇に埋もれて、締め上げられていきます。
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あーれー。
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ズルズルと大蛇に飲み込まれていく。こんなのってありですかあ。
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この大蛇って、憎たらしいですねえ。
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娘を丸のみにして、
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満足そうな仕草。
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あー、憎たらしい。
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こいつ、このままでは済まさないぞー
許さん!まったく頭来るやつです!! -
そこへ登場は、スサノオノミコト。
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待ってましたあ
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こうしてみると、このスサノオノミコトは
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なんとも力強い風貌。
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みなぎる力を存分に披瀝してくれて、
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これは頼りになりそうです。
姉のアマテラスオオミカミにまで愛想をつかれた天上界の暴れ者。下界に来て、敵になるものなどいるはずもありません。 -
これは老夫婦。足名椎(あしなづち)と手名椎(てなづち)です。
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泣きながら訴えるには、「私たちには以前八人の娘がありましたが、 ヤマタノオロチという大蛇に みな飲み込まれてしまいました。最後に残されたこのクシナダヒメももうすぐ飲まれてしまいます。」
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なんとかお助けください。
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よーし、わかった。私が助けよう。
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これで本当に助かるんでしょうか。
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喜びの反面、
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やっぱり不安もある。
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策を授けられて、大蛇に飲ませる酒を用意します。
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よいしょ
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よいしょっと。
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憎い大蛇をやっつけるため、
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二人は酒の準備に
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大忙しです。
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よしよし。
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これで準備万端。
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あとは自分に
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任せなさい。
と、早くも霧とともに -
大蛇が出現。
一匹、 -
二匹、
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三匹と。。
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うわー、何匹も出てきます。
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大蛇は、クシナダヒメを発見。
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いつものように丸呑みしようと、狂い始めました。
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うわわー。
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うわわー。
目の前に迫ってすごい迫力です。枝垂れかかってくる大蛇の胴体がゴゴゴゴ。これ、けっこう痛いんですけど。。。 -
と、大蛇は酒にも気づいて
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イチオシ
飲み始めます。
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ぐび
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ぐび、ぐびー。ふー
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大蛇がいい気持ちになったその時です。
剣を持ったスサノオミコトが現れました。 -
とぐろを巻く大蛇たちの真ん中に踊り込んで、バッサバッサと切り払う。
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イチオシ
そして、首を上げて雄叫びです。やったー。
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しかし、大蛇はまだまだいますから、くんずほぐれつの立ち回り。
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大蛇は激しく抵抗しますが、
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次々と
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首を取られてしまいます。
悪は滅びる。さしもの大蛇もスサノオノミコトにはかなわない。すべて退治されてしまいました。 -
うおーおー
出雲の国に平和が訪れ、スサノオノミコトはクシナダヒメを妻に娶ります。
その時、クシナダヒメに送った歌が有名な「八雲立つ出雲八重垣妻込みに八重垣造る其の八重垣を」です。
めでたし、めでたし。
ところで、出雲神話は、次の世代のオオクニヌシノミコトへと繋がって行く。つまり、国引きの神話や宮崎神話の天孫降臨はこの後のお話になるんですね。皆さん、宮崎神話より出雲神話の方が古いって、知ってましたか?一応、参考まで。 -
1時間の神楽でしたが、十分堪能。これで、石見銀山とから始まった長〜い一日も無事終了。お疲れ様でした。
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