西へ西へ（5）：ほとばしるガウディの才能 カサ・バトリョ

2015/08/20 - 2015/08/30

　サグラダ・ファミリアを後にし、グエル公園へ向かいました。ここも有名な観光ポイントのひとつ。しかしそこで私たちを待っていたものは・・・

【ここまでの旅の行程】

□8月20日　中部国際空港→【飛行機】→ヘルシンキ（フィンランド）→【飛行機】→バルセロナ（スペイン）
□8月21日　バルセロナ郊外（スペイン）
■8月22日　バルセロナ（スペイン）

エリア バルセロナ(スペイン)

• 同行者: カップル・夫婦
• 一人あたり費用: 20万円 - 25万円
• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

　サグラダ・ファミリアを後にし、私たちはサン・パウ病院Hospital de Sant Pauへと向かいました。グエル公園へと向かうバスがサン・パウ病院近くのバス停から出ているためです。

　・・・と簡単に書きましたが、サグラダ・ファミリアからサン・パウ病院まで、一本道のはずなのになかなか辿り着かない（泣）どこでどう間違えたのやら…。道行く人に聞きながら、ようやくたどり着いたサン・パウ病院です。

　サン・パウ病院も世界遺産に認定されています。スペイン版アールヌーヴォー、モデルニスモ建築のひとつで、ガイド・ツアーで見学することが出来ます。

サン パウ病院 現代・近代建築

　病院の壁。さりげなく、そしてあたりまえのように美しいものがあります。

　こういう標識があっても、間違うときは間違うんですよね〜。

　とりあえず、目標物であったサン・パウ病院が見つかったので、近くのカフェでお昼ご飯を摂ることにしました。

　メインは生ハムとメロンのサラダとサーモンのムニエルです。

　デザートはクレマ・カタラーナcrema catalanaと、カッテージチーズみたいなチーズの蜂蜜がけ。クレマ・カタラーナはフランスで言うところのクレーム・ブリュレで、とても美味しかったです。蜂蜜がけはチーズの不思議な食感とあま〜い蜂蜜がなんとも言えないハーモニーを奏でていました。

　そして、なぜか最初に出てきたのがコーヒー類。注文の仕方が悪かったのでしょうか…。

　食事が終わってカフェを出ると、まっすぐ先にサグラダ・ファミリアが見えています。ああ、どこで間違えたんだろう…？

　さて、気を取り直して、92番のバスに乗りグエル公園へと向かいます。

　グエル公園に着きました。時刻は15時過ぎ。チケット売り場に向かうと、案内係のお姉さんが近づいてきて、衝撃（？）の一言を告げました。

　「今日の入場だと、19時過ぎになります」

　サグラダ・ファミリア見学の所要時間がどのくらいかわからないし、次の予定を気にせずゆっくり見たいと思い、その後に訪れる予定だったグエル公園の予約はしていなかったのですが、どうやら甘く見ていたようです。

　悩んだ挙句、翌日の9時に入場するチケットを買って帰ることにしました。うん、明日も寝坊できないぞ。

グエル公園 広場・公園

　この日のグエル公園を諦めた私たちは、バスに乗り、とりあえず街中に戻ることにしました。しばらく乗っていると、賑やかそうな界隈に出たのでバスを下車。カサ・ミラCasa Milàなどがあるグラシア通りPasseig de Gràciaのようです。
　お天気もいいことですし、散歩がてら歩いてみることにしました。

カタロニア ディアゴナル セントロ ホテル ホテル

　しばらく歩いてみると、明らかに曲線で特徴的な建物が見えてきました。あれ、カサ・ミラじゃない？

カサ ミラ 現代・近代建築

　間違いありません、カサ・ミラCasa Milàです。とても有名なガウディ建築のひとつで、こちらは現役のマンションであり、現在もここに住んでいる方がいらっしゃいます。そしてここもやっぱり世界遺産に認定されています。

　しかしガウディ建築は入場料が高い！ここカサ・ミラも20.5ユーロです。しかも結構時間がかかるので、あちこちのガウディ建築を網羅しようとするとお金も時間もかかって仕方ない。
　検討の末、私たちはカサ・バトリョCasa Batllóの見学を選び、ここカサ・ミラは外観のみの見学にしました。もったいないことしたかな〜と思いはしますが、時間も限られていますしねぇ。

　カサ・ミラは山をイメージした建物で、曲線ばかりで構成され直線はないんだそうです。くねくね、うねうね波打っております。

　実業家のミラさんからの依頼でつくられた高級アパートだそうです。カサは「家」という意味ですから、カサ・ミラは「ミラさんち」ってところでしょうか。

　あんな奇抜な形をした建築物なのに、町に溶け込んでいるというか、ふつうにそこにあって人が住んでいる、バルセロナって不思議な町です。

　グラシア通りをさらに海の方向に向かって歩いていきます。あ、お土産やさんだ。どこから見ても「バルセロナに行ってきました！」という布かばん（お買い物袋？）。

　足元のタイルも素敵な意匠です。これもガウディのデザインなんだとか。

　美味しそうな生ハム発見！スペインは美味しい生ハムで有名ですもんね。

　天気もいいし、いい散歩日和ですなぁ。

　と思ったら、いきなり奇抜な建物が！はい、ガウディ建築のカサ・バトリョCasa Batllóです。
　こちらはバトリョさんから依頼を受けて手がけたので、カサ・バトリョ「バトリョさんち」ですな。

カサ バトリョ 現代・近代建築

　海をモチーフとしたこのカサ・バトリョは、カサ・ミラよりも更にうねうねと波打つような外観をしています。下から見たら、鼻の穴みたいにも見えます…というかもう鼻にしか見えない。

　21.5ユーロを支払っていざ入場です！

　オーディオガイドは日本語もあるので安心。スマホサイズのちっちゃなタブレットとヘッドフォンを借りて、2階へ上がります。いきなりうねった階段です。

　ドアもドアの木枠も、どこでも見たことがない形。

　天窓も当然四角形ではなく、真ん丸でもない、不思議なかたち。カサ・バトリョ内部は海の底や海底洞窟を建築化したものと言われていますが、となると、ガラスの丸は気泡を表しているのかな？

　階段の手すりも螺旋状で巻貝みたい。

　シャンデリア。

　オーディオガイドは、その部屋に入ると音声がスタートし、併せて映像も映し出されます。当時の部屋の様子とかを見ることが出来ます。だから皆それぞれがあちこち向いて画面と実際の部屋を見比べています。

　天井もぐるぐる。貝の螺旋のよう。

　ひとつとして同じものがない、ように見えます。

　多くの人がいますが、てんでバラバラの方向を見ております（笑）

　ステンドグラスと青空。

　廊下だってまっすぐはありえない？のが、ここカサ・バトリョ。

　洗面台。鏡に映る扉も個性的ですね。

　カサ・バトリョには吹き抜けがあり、それに沿ってエレベーターがあります。天井からは光が差し込み、とても明るいです。

　カサ・バトリョの模型の横には、点字での看板が。

　単なる模型に見えますが・・・

　タブレットを通してみると、模型が立体的に（飛び出す絵本状態？）見える仕組みです。なかなか飛び出してこなかったですが・・・（笑）

　吹き抜け。青いタイルが美しい。

　自撮り棒を使って吹き抜けの下を覗いてみるとこんな感じです。

　一部分は事務所などとして今も使われています。部屋番号を示すアルファベットのデザインも、ガウディが行っています。

　扉の取っ手もガウディのデザイン。握りやすい形になっていて、指にフィットします。

　階段の踊り場にある波打つガラスが素敵。このガラスいいなぁ。

　エレベーターの外扉。エレベーターは止まっていないので、ちょっとわかりづらいですが。手すりがいい。すごくいい。

　屋上へと向かう通路。この曲線もさかさづり実験で得られたカーブなのでしょうか。

　カサ・バトリョの模型に映し出されるプロジェクション・マッピング。

　屋上に出ました。屋上だって普通じゃない。あまり広くはありません。

　ガウディらしさが満載の屋上。

　1階まで降りてきました。1階のトイレと出入り口の間は事務所のようですが、こんなガラス張りでいいのかなぁ。

　こちらはスタッフのお姉さんたち。みんな背が高くて、黒い制服がとてもよくお似合いです。かっこいい♪

　出入り口。見学が終わり、階段を下りてきたところでオーディオガイドは返却です。

　カサ・ミラの隣にもなんだか可愛らしい建物があります。
　こちらはカサ・アマトリェールCasa Amatllerといい、モデルニスモ建築のひとつなんだそうです。

　このグラシア通り近辺には、カサ・ミラ、カサ・バトリョ、カサ・アマトリェールの他にも、カサ・カルベCasa Calvetやカサ・リェオ・モレラCasa Lie Moreraなどまだまだ見どころはあります。
　私たちはカサ・バトリョでお腹一杯になったし、メトロの駅も目の前だったので、大人しく帰ることにしました。

　前日の夕食は、スーパーで買ったパンやおやつなどで済ませたので、今日はホテルの最寄駅近くのタパスバーEl racó de les Tapesで食べて帰ることにしました。

　生ハムのコロッケ、スペインオムレツ、ラム肉のステーキ、そしてビールとサングリア。このスペインオムレツが本当に美味しかった！この味を求めて、ほかの店でも何回かスペインオムレツを頼んでみましたが、ここが一番美味しかったです。

　ただ問題はサングリア。ピッチャーで出てくるのが一般的だということを忘れていました。メニューも見落としていました。

　ここ！ちゃんと1リットルって書いてあるし！だからこそこのお値段ですかいっ！

　旅の連れである夫はあまりお酒が飲めません。普通はワイン1杯程度。1リットル出てきても、飲み干せる訳ありません。当然ワタクシも一緒に飲むことに（自分のビールもあるのに）。でもワタクシも（年のせいか）そんなに飲めない。でも飲みました・・・そして潰れました（泣）

　お店の外観。よく見るとカタルーニャ地方の旗がかけてありますね。

　しかし、無事にホテルまで本当に帰れてよかったよ・・・。

この旅行記へのコメント （2）

• たらよろさん 2015/11/07 17:09:47

  ガウディ

  こんにちは、錫さん。はじめまして
  
  スペインに行きたいなぁなんて思いながら
  何もわからない状態なので、旅行記を見させていただいていたのですが
  やはりスペインはあちこちでガウディに出会え、
  本当にガウディ建築の町なんですね。。。
  
  そんな建築物をテーマにするのも楽しいですね。
  
  ほかの旅行記でもまたいろいろ参考にさせて頂きます。
  これからもどうぞよろしくお願い致します。
  
  　　たらよろ

  錫さん からの返信 2015/11/15 21:20:02

  RE: ガウディ

  たらよろさま
  
  こんにちは、コメントありがとうございます。
  これまでスペインにはあまり興味がなかったのですが、行ってみて本当に素敵な町でした。
  バルセロナはガウディだけでなく建築がとても素晴らしく、とてもじゃないですが日程が足りませんでした（笑）
  
  記録が遅々として進んでいませんが、書き進めていきますので、よかったらまた覗いてください。
  
  錫
  
  
  > こんにちは、錫さん。はじめまして
  >
  > スペインに行きたいなぁなんて思いながら
  > 何もわからない状態なので、旅行記を見させていただいていたのですが
  > やはりスペインはあちこちでガウディに出会え、
  > 本当にガウディ建築の町なんですね。。。
  >
  > そんな建築物をテーマにするのも楽しいですね。
  >
  > ほかの旅行記でもまたいろいろ参考にさせて頂きます。
  > これからもどうぞよろしくお願い致します。
  >
  > 　　たらよろ