UIO - 世界遺産 キト市街

2015/07/01 - 2015/07/01

3年前にマドリードからキトに移住した友人グスタボを訪ねて、初めての南米、初めてのエクアドルに行ってきました。
グスタボとそのパートナーのサンドラさんの家にステイさせていただいき、観光はもちろんですが、エクアドル人の生活を間近に見させてもらいました。

キトの市街は、街としての世界遺産登録第1号です。
（1978年に登録された最初のユネスコ世界遺産12件のひとつ）
16世紀中旬にスペインに植民地支配され、南米大陸におけるキリスト教布教の拠点となりました。旧市街には当時の立派な教会がいくつも残っています。
スペインの荘厳な教会を見慣れている目には、キトの教会のインディヘナ色が影響したカラフルな美しさが物珍しかったです。

キトは標高 2850m。行く前は高山病が心配でしたが、着いてみればへっちゃら。
年中春の陽気だそうですが、行った7月は夏。
日中の陽射しは結構きつく、時間によっては暑さを感じました。
（日中長袖シャツ1枚、夕方から薄手の上着を羽織る程度）

表紙の写真：　パネシージョの丘から見たキト市街

エリア キト(エクアドル)

• 旅行の満足度: 4.0

キトには公園があちこちにあります。
公園や街両側に迫る山々、自然の中にある街です。

サンドラさんの用事が済むのを待つ間、近くの El Ejido 公園をちょっくら散策。
周辺に出ていた、果物売りの屋台や靴磨きを観察。
果物食べたーい　（→「市場を覗こう！」旅行記参照）

市内にはバスやトロリーバスが走っていますが、いつも車で移動したので一度も乗りませんでした。地元の人でも、バスの中で掏摸に遭うそうですので、利用する場合は充分注意が必要です。

車で旧市街に入りました。坂道の多い街です。
おぉ〜　パネシージョの丘が目の前に見えた！
この日、最後に行きます。

エクアドル中央銀行。

キト旧市街の街並み。
旧スペイン領、コロニアル風のカラフルな建物が並びます。
スペインのカナリア諸島で見た街並みに似ています。

サント ドミンゴ広場　Plaza de Santo Domingo

同広場にあるサント ドミンゴ教会　Iglesia de Santo Domingo
16世紀建設の教会及び修道院。

私のキト滞在と重なって、ローマ法皇もキト訪問！
この4日後にキト入りする法皇を、私もチラッと見ちゃいました。

教会内を拝見。
おぉ！　ここでムデハル様式の天井に出会うとは！

サイドの礼拝堂は、金箔で装飾されて豪華です。

このカラフルさは、スペインの教会には見られない。

フレスコ画も中南米だな〜と感じる。

このようなキオスクが街中にたくさんあり、飲み物、お菓子、タバコなど色々と売っています。
携帯電話の電源チャージもできます！
そして、タバコは1本から売っています。

子供のパティー用品の店。
ピニャータ、エクアドルでもあるのね！
幼少メキシコに住んでいた私は、誕生日には必ずピニャータを割りました。
中にお菓子をたくさん詰めて吊り下げ、目隠ししてスイカ割りの要領で棒で割り、割れてお菓子がばら撒かれるのを子供たちが拾うのです。

サン フランシスコ広場　Plaza de San Francisco にあるサン フランシスコ教会と修道院。
16世紀中旬に建設始められ、出来上がるのに150年かかった大きな建物で、南米随一の大きさの歴史的建造物のため、「新世界のエル エスコリアル」と呼ばれているそうです。

（エル エスコリアルは、スペイン・マドリード郊外にある大きな宮殿及び修道院）

サンフランシスコ教会 修道院 寺院・教会

法皇訪問の警備リハーサルで、エキストラでも雇ったのか！と思うほどの警察官が街に出ていました。

ラ コンパニーア デ ヘスス教会　Iglesia de la Compania de Jesus
キトで必見の教会です。
1605-1765年に建設、中は豪華絢爛！　
内部全体が23金の金箔で覆われています。
撮影禁止で写真でお見せできないのが残念ですが、こんな豪華な教会は欧州では、ポルトガルのポルトのサン フランシスコ教会くらいしか見たことありません。

ラ コンパニーア デ へスス教会 寺院・教会

エル サグラリオ教会　Iglesia de el Sagrario
17世紀上旬建設

最初に見たサント ドミンゴと同じく、内部の色使いが意外。

マリア像は・・・　バービー人形でも飾っているようだけど・・・

でも、彫刻は立派です。

内門も素晴らしい。

キト中心地、プラサ グランデ 又の名を独立広場に出ました。
Plaza Grande (Plaza de la Independencia)

標高2850mの街の中心地の空はとても澄んでいます。
キトは車が多いし古い車もかなり走っているので、大通りでは排気ガスが気になったのですが、空はとても綺麗でした。

独立広場 広場・公園

Arupos アルポスというエクアドルを代表する木。
ピンクの花がとても鮮やか！
意外なことに、オリーブの木の親戚だそうな。

そして、キトでたくさん見かけたのが、ハイビスカスの木！
こんなに大きな木になるんですね。並木になっている場所もありました。

ハイビスカスって南国の花というイメージを持っていましたが、標高の高いキトの街にもたくさん綺麗に咲いていました。

広場の3辺には立派な白い建物がそれぞれ建っています。
これは Palacio Arzobispal （大主教邸）

大主教邸のある部分、中に入るとこんなパティオになっていて、周辺に民芸店やレストランが並んでいます。こんなパティオもカナリア諸島でたくさん見ました。スペインの中でも、新大陸にはカナリア諸島の影響が建築物には多く見られます。

「Hasta la vuelta Senor...」 というレストランで軽い昼食をとりました。
http://hastalavuelta.com

キトは「伝説の街」と呼ばれるほど色々な伝説があるそうで、このレストランの名も、実際に存在した飲兵衛のある神父の話に由来しています。

その伝説を記した紙マットを記念に1枚下さいと頼んだら、慣れた手付きで紙ナプキンを巻いてクルクルと止めてくれました。

ここでの食事に関しては、別冊「エクアドル料理」旅行記を作成しますので、そちらに載せます。

階下にあった甘味売り場。
ドゥルセ デ レチェ（液体キャラメル）やグアヤバ ゼリーなど、超甘〜いお菓子ばかりです。

サンドラさんが買ったお菓子を味見。
ピーナッツ（エクアドルではマニーという）のトゥロン。
これは、甘さそこそこで美味しかったです。

独立広場のもう一つ目立つ建物は、大統領官邸 Palacio de Carondelet
1801-1810年建設。
スペイン統治時代には、「王宮」と呼ばれた。
カロンデレット宮と呼ばれるのは、ファサードを手掛けたフランスの建築家の名より。

下部には、こんな風に店舗が入っています。
ほとんどが土産物店でしたが、中に散髪店が一軒ありました。

上、柱の部分の通路に行けます。

中央には衛兵が門を守っていました。
生真面目に、ニコリともせずに観光客のカメラに収まってました。

しばらくしたら、中から交代の二人が出てきて、簡単な衛兵交代式を見ることができました。
パスポートを持っていたら大統領官邸内部見学入れたのですが、私は滞在中はコピーのみ持ち歩いていたので、入りませんでした。

南米大陸の国々（コロンビア、ボリビア、エクアドル、パナマ、ペルー、ベネズエラ）をスペイン支配から解放し独立に導いたシモン ボリバールが、この場所を初めて訪れた日（1822年6月16日）を記した記念プレート。

2007年から大統領の座にあるラファエル コレア
政府に対するデモが、官邸前で行われていました。

メガフォン持って官邸に向けてデモ抗議していた女性。

広場のもうひとつの白い大きな建物は、カテドラル（大聖堂）。

せっかくだから、内部見学有料ですが、サンドラさんと私は中を見学しました。
ちょうど、ガイドさんが付いて回ってくれて、色々と興味深い話を聞けました。

16世紀建設
中も立派でした。

ガイド付きで見学しているとは知らず、待ちくたびれたグスタボは、広場のおじいさんたちに混じってタバコをふかしていた。

こちらは、内部がまたカラフルで素敵だったサン アグスティン教会。

キトにこんなに教会がたくさんあるとは知りませんでした。

サンアグスティン教会 修道院 寺院・教会

最後に目指すは、パネシージョの丘。
丘の麓の集落は危険地帯だと何かで読んだのですが、こちらは現地の人と車移動ですので安心です。

Virgen de El Panecillo エル パネシージョの聖母
1976年にスペイン人アーチストによって作成された、アルミでできた像。
中には有料で入れます。
中に入らなくても十分にキトの街並みが見晴らせたので、私は入りませんでした。

手前、格子状なのが旧市街。
標高2850m、山の中の街！

さっきまで歩いていた旧市街の教会や修道院の辺り。

北部新市街、グスタボとサンドラさんが住む地域は、どことなく東京の街並みに似ていました。

中央の目立つ建物は、バシリカ。
ここは絶対に見たかった場所のひとつ。
最終日に行きます。

キトの新空港は谷間にあります。
到着した日、車からキト市街地が崖縁の上に見えた時は、びっくりしました。

パネシージョの丘より南側の地域は、もっと貧しい地域だそうです。

民芸店を冷やかして、この日の散策はお終い。