2015/08/26 - 2015/08/26
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鯨の味噌汁さん
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ヘルシンキで2泊のあとは、とっととフェリーでエストニアに向かう。
本日も快晴。気持ちのいい青空だ。
チケットはネット購入で2人で59.66ユーロ。
バルト海をひとまたぎし、2時間でエストニアの首都タリン港に到着する。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 船 タクシー 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
パスポートチェックもなく船を降りると、タクシー乗り場の先に「チャリ・タクシー」が何台か止まっていた。
「地球の歩き方」によると、このチャリタク、夏だけ出現するらしい。
とゆうことは学生たちのアルバイトだな、と見当をつける。観察すると、案の定、ドライバーはみんな10代後半、高校生くらいの感じだ。
が、その中になんとなんと、かわいいおねえちゃんもいる。
チチもでかいしパツキンなので、池袋のロシアパブで好みのタイプを見つけた気分だ。
「指名入りまーす」
などといいかけ、おねえちゃんが巨乳ではあるが、やや細身であることに気づく。
ワシ90キロ(公称)、配偶者55キロ(詐称)、荷物15キロであるから、合計160キロである。
どう考えても細身にはムリだ。
それに無理やり乗っかって傷モノにするのもいかがなものか。
(なんか違う話になりそうだが大丈夫です)
とゆうわけで、断腸の想いでおねえちゃんは見送り、客待ちをしている青年の中から把瑠都(エストニア出身の大関)風体格の持ち主に声をかける。早い話が一番デブ。
ホテルの名前をゆったらデブは少し考え「15ユーロだ」などとゆう。タクシーなら10ユーロ前後の距離だから、ちと高い。
が、とりあえず体格で選んだので値切るのはよし、そのまま乗り込む。
乗ってから気づく。デブだけに前が見えんがな。
今から痩せろコラ。 -
さらに根本的な問題として、アスファルトはいいが、石畳になると物凄く揺れる。
どれくらいかとゆうと、脳みそがシェイクされて差し歯が抜けそうになる程度である。
なおかつしばらく鳴りを潜めていたワシのイボ痔がその衝撃で「なんだなんだ、どーしたどーした」と覚醒し、進撃の巨人に変身してタリンの街を破壊し始める程度である(うそ)。
デブは石畳・上り坂の悪条件下でも、一生懸命に自転車を漕ぐ。
お、あそこに見えるのは「太っちょマルガリータ」だな。
とゆうことはここが旧市街の入口か。
乗ってるのもデブ、漕いでるのもデブであるから、ホテルの前にたどり着いた時にはチャリタクはそのまま息絶えてバラバラになるのではないかと思ったが、そんなことはなかった。 -
イチオシ
「ここだよー」
デブはニコニコと15ユーロを受け取る。
かつ、さっさとは帰らず
「ちょっとチップがもらえるのではないか、何しろ2人ともデブだし」
なんて顔をしている。
かわいい笑顔なんで、ついつい財布が緩みそうになるが。
よく考えてみればエストニアの物価は日本の半分以下のはずであるから、そのまま「サンキュー」と追い返すことにする。
デブよ許せ。 -
ホテルは旧市街の真ん中に取った。
1階は飲み屋さん、2階以上がホテルになっているタイプで、ツイン1泊71ユーロ。
ヘルシンキから来るとなんでも安く見えるけど、ホテルもそうだ。
入口は古いが、室内はまずまずの広さ。 -
イチオシ
一休みして、町歩き開始。
赤い屋根の塔と城壁があちこちに残り、それが緑の間に見える。その向こうには穏やかなバルト海が広がる。 -
展望台近くのカフェで一休み。
ワシはコーヒー、彼女はチョコレートケーキを頼む。
デコレーションがしゃれてる。 -
ちなみにそのカフェ、テラス席から店内へは、地下の階段をおりてゆく。
トイレを借りたついでに店内を覗くと、石造りの古い構造が残っていた。
15世紀あたりの商家の地下室だったのかしら。 -
トイレのドアが立派だ。
てか、無駄に立派。
「荘厳」とか「重厚」とか、さらには「背徳」やら「淫靡」なんて形容詞が浮かぶ。
ドアの向こうに拷問の責め具でもあるのではないか、なんて妄想したけど、当然そんなことはなく、清潔なトイレでした。 -
最盛期には土地不足で、商家は鉛筆みたいに上に伸びた。
真ん中の家に「大魔神の額の杭」みたいな棒が刺さっていますが、商品を倉庫に揚げる滑車の跡。
鯨の地元の浦和あたりでは、やっぱり土地不足で、旧家跡を4分筆して鉛筆みたいな家を建てますが、あれとそっくりだなぁ。
土地が高いと考えることは同じなんだね。
500年経ったら浦和も世界遺産になるのであろうか。(ないない) -
展望台から坂道を下ったところで、真新しい記念碑を見つけた。
ロシア初代大統領・エリツィンの顕彰碑だった。
1991年この国が独立できたのはエリツィンのおかげである、なんてことが書いてある(らしい)。
ロシアは嫌いでも、独立を認めたエリツィンへの恩義をちゃんと形に残しているのだ。
義理堅いじゃないかエストニア人。 -
立派な塔があちこちに残っていて、えっとこやっとこ階段を上り、そこから町を見下ろすのが正しい観光スタイルなので、マメなデブにとっては辛い町歩きである。
それでも町の美しさにボーゼンとしつつ、暗くなるまで二人で歩き倒した。 -
きっとおそらく、この先この町は日本人がどっと押し寄せる人気の観光地なる予感がする。
-
ちなみに、塔の中はどんな風になってるのかしら、もしかしたらサンダーバード1号とか格納されているのではないかしら、なんて思って中に入ってみると、こんな感じ。
中はサンダーバードの基地ではなく、「紅の豚」に出てくる魔女みたいなオバーチャンが格納されていた。
そのオバーチャンに入場料2.5ユーロを払い、塔の中を上がってゆく。 -
城壁部分に出る。
日本の城でゆうところの「武者走り」。
右側が旧市街側、左側が城壁。
ところどころに穿たれた銃眼には弩(いしゆみ)の台座らしいものも残っていた。 -
この町で是非とも行きたいところが一ヶ所だけあった。
アレキサンドルネフスキー聖堂。ロシア正教の建物だ。
日露戦争で沈められたロシア・バルチック艦隊の慰霊碑があるとゆう。
エストニアはかつてロシアの一部だった。
ロシアは不凍港を求めて太平洋を南下し、やがて日本とぶつかり日露戦争が始まる。
が、もともとは陸の大国である。海兵は現在のバルト三国のあたりから、船乗りの息子たちをかき集めて連れて行ったのだろう。 -
つまりエストニア人と日本人は、今から110年前に日本海で生死を賭けた全滅戦を戦っていたわけだ。
聖堂を入った横に「1905」と刻まれた大理石ボードを見つけた。(撮影は禁止)
こんな遠いところから日本海まで、はるばる喜望峰の先を回って行ったんだね。
たった110年前なのに、それを覚えているのはこの慰霊碑だけだ。 -
タリンの旧市街は、敷石に自然石の丸石を使っている場所が多い。所によっては一部だけ平石を敷いて歩きやすくなっているけど、小道は基本丸石。
ハイヒールだとかなり苦労しそう。底の平らな靴の似合う街。
ちなみに彼女は丸石に何回かコケてました。 -
ちょっとくらい観光しようよ、ということで、覗いてみた聖ニコラス教会。
13世紀に建てられ、最初は交易の倉庫、要塞として使われ、後にカトリック教会になり、宗教改革を経てルター派に「宗旨替え」。
なんとか生き延びてきたものの、二次大戦でドイツに占領されたら、あーらフシギ、母国であるはずのソ連に空爆されてしまう。
メチャクチャだけど、ここらへん、大国は小国に対して情け容赦ない。
たった一晩で半壊し、貴重な芸術作品の大半が灰になってしまったそうな。
800年持ちこたえても、壊すのはたった一日だ。
写真はかろうじて焼け残った「死のダンス」を眺める観光客。 -
下の文字は「王も妃も死ねば同じ」なんて書いてあるそうだ。
宗教改革のさいに描かれたものだそうだけど、宗教改革って実は政治活動だったんだなー、ってことがなんとなくわかる絵。 -
聖ニコラス教会にあった骸骨の乙女の墓。
貴族や有力な商人は、こうして教会内に墓標を置くことができた。
お嬢さん、ソ連の空襲にも耐えたんだね、くぼんだ眼窩でいろんなことを見たんだろうね。
「花嫁衣裳かな」
と彼女がぽつりといった。
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この旅行記へのコメント (9)
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- pedaruさん 2016/02/29 22:03:43
- エストニア
- ももであさんの掲示板から辿り着いたはまれに見る軽妙洒脱な人物、いや文章です。はじめまして・・・・
冒険が苦手な私でありますので、なかなか新しいトラベラーさんには巡り合わないのですが、こんな旅行記を書く文章家を知って、私の人生、新しい
光が射してきました。と、大げさな性格は治りませんが、真実を述べているつもりです。
果たしていかなる旅行記が次に私を待っているか、(待ってません、とおっしゃらずに、ここは円満に・・)たいへん楽しみです。
よろしくお願いします。
pedaru
- 鯨の味噌汁さん からの返信 2016/03/01 13:51:11
- RE: エストニア
- pedaruさん
こちらこそ始めまして、コメントありがとうございます。
ワシももであさんの大ファンです。
なおかつファンとして「よいお付き合いをさせていただいております」。(⇒げーのー人のコメントかよ!! と突っ込むところです)
>果たしていかなる旅行記が次に私を待っているか、(待ってません、とおっしゃらずに、ここは円満に・・)たいへん楽しみです。
年にいっぺんしか旅に出ず。したがって更新も年いっぺん、あとは旅先の情報を仕入れるために人様の旅行記を不定期につまみ食いする不良会員ですが、今後ともよろしくおねがいしますね。
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- cheriko330さん 2016/02/02 10:05:14
- 懐かしいタリン
- 鯨の味噌汁さんへ
初めまして♪ cheriko330と申します。
旅行記を見てたら 鯨の味噌汁さんの所へ 辿り着きました。
ヘルシンキ、タリンが載ってたので 懐かしく見せて頂きました。
どちらも大好きな街です。
楽しく、面白くて ポチッと 行っちゃいました。ご夫婦でステキな旅ですね。
羨ましいです。
バルト三国は エストニアしか行った事がありませんが、リガもステキな街ですね。
期待以上で、きれいな建物多しです。
また 旅行記を拝見させて頂きたいです。宜しくお願いします。
cheriko330
- 鯨の味噌汁さん からの返信 2016/02/02 11:27:07
- RE: 懐かしいタリン
- cheriko330さん、
初めまして。お立ち寄りとコメントありがとうございます。
>ヘルシンキ、タリンが載ってたので 懐かしく見せて頂きました。
>どちらも大好きな街です。
ワシもタリンは好きですー。想像以上の町でした。
ヘルシンキじゃなくてこちらに2泊したかったなー。
いやいやヘルシンキも綺麗でしたが、どうしても物価高のトラウマが!!
(サッカー見られたから良かったけど)
>バルト三国は エストニアしか行った事がありませんが、リガもステキな街ですね。
>期待以上で、きれいな建物多しです。
ですです。リトアニアも行き損ねましたが、どうもこれがまたエライ綺麗なとこらしい。
>また 旅行記を拝見させて頂きたいです。宜しくお願いします。
はい、お暇な折にまたどうぞ!
ほぼ年一更新、シモネタありでやっております。
-
- ももであさん 2016/01/31 08:44:53
- 笑う骸骨
- 鯨さん
まっこと空と海が美しいですね。
ええっ〜!?
チャリ・タクでは、ナターシャを指名しなかったんですか!?
腸がちぎれる思いまでしてアンドレを指名するなんて、デブ専と
思われちゃいますよ!!
鯨さんのキャプションを読んで再認識しましたが“バルチック艦隊”
は、文字通りバルト海の艦隊なんですよね。
半年もかけて日本までやってくるなんて、ヴァスコ・ダ・ガマと
あまり変わらない。既に勝敗は決まっていたのかも知れませんね。
「チチもでか細身のナターシャも、デブ専のアンドレも死ねば同じ」
死は全ての生き物に公平なのでしょうか。
半年かけたバルチック艦隊は3日で壊滅
800年かけた都市も一晩で壊滅
壊滅しないのは、イボ痔のみ
骸骨が笑っていそうです。
ももであ
- 鯨の味噌汁さん からの返信 2016/02/01 10:04:35
- RE: 笑う骸骨
- ももであさん、
すっかりご無沙汰しております!!
ひょっとして、5年ぶりくらいのお越しでしょうか?
冬眠から覚めて、旅行記再開されましたね。楽しみにしてましたよ!
> ええっ〜!?
> チャリ・タクでは、ナターシャを指名しなかったんですか!?
ああ!
いきなりそんなベタなボケを!!
> 腸がちぎれる思いまでしてアンドレを指名するなんて、デブ専と
> 思われちゃいますよ!!
デブ専で若人好きですか。ディープだ、ディープすぎる!!
> 鯨さんのキャプションを読んで再認識しましたが“バルチック艦隊”
> は、文字通りバルト海の艦隊なんですよね。
> 半年もかけて日本までやってくるなんて、ヴァスコ・ダ・ガマと
> あまり変わらない。既に勝敗は決まっていたのかも知れませんね。
そうなんですそうなんです。
吉村昭の「海の史劇」とか、司馬遼の「坂の上の雲」とかに詳しいですよね。
ワシ両方守備範囲なんで(よってデブ専ではない)、なんとなーく頭に残ってたんです。
28センチ砲弾、なんてのも日露戦争時代のものですよね。。。
- ももであさん からの返信 2016/02/01 18:36:24
- 会員登録申請
- 鯨さんは相変わらず文学青年ですね〜
歴史への造詣が深く、しかも解説がメッチャ分かりやすい。
お笑いのセンスは、4traで右に出る者がいない!
絶妙な“お下”のセンスは、銀河で左に出る者がいない!
それでいて鯨リーグのコミッショナー(←どんど昇級してる)
ホント守備範囲が広い!! もしかしてフリーメイソン!?
また三日坊主で終わりそうですが「恥ずかしながら帰って参りました」
これを機に「夫婦で年1回は長めの旅に出たいよネ友の会」No3に
会員登録させて下さい! 改めましてよろしくお願いします♪
↓実は会員No2のおkeiはんとは、飲み友達です♪
いつか鯨さんとも飲みたいなぁ!!
- 鯨の味噌汁さん からの返信 2016/02/01 22:24:57
- RE: 会員登録申請
- ももであさん
> 歴史への造詣が深く、しかも解説がメッチャ分かりやすい。
ンなこたあないです。一夜漬けの浅漬けのカリ首のナスです(ヲイヲイ)
> また三日坊主で終わりそうですが「恥ずかしながら帰って参りました」
ももであさんがブログをほとんど落とした時。。。「ひょっとして出版の準備をしてるんでは」なんて思ってたんですよ〜。今でも期待してるんですけど。。。ワシの中で単行本になっても読みたい方は4Tで2人しかいないんですが。。。今でも本にならんかなーと勝手に期待しちょります。
> これを機に「夫婦で年1回は長めの旅に出たいよネ友の会」No3に
> 会員登録させて下さい! 改めましてよろしくお願いします♪
>
> ↓実は会員No2のおkeiはんとは、飲み友達です♪
> いつか鯨さんとも飲みたいなぁ!!
えー、そんなこと言っていただけると嬉しさのあまり尿道が開きます。
ももであさんセントレアがホームですから中京圏の方ですよね。ワシは関東ですから、お互い近くにおるときに連絡すれば実現可能でしょう。keiさんとも飲みたいなぁ。名古屋方面に出かけるときはお声をかけさせていただきますね!
実は、別のSNSでは結構飲み会やってるんです。でも4Tだと年1回の更新だから、発情が年に1回しかこないワンコみたいなもんで、なかなかタイミングがないんですよー(→ヒドイ例え)
- ももであさん からの返信 2016/02/01 22:56:14
- 1号, 2号, 3号
- ぼくはちょうど関空とセントレアの中間くらいの
中途半端な滋賀です。
だから大津はもちろん、京都や大阪だったら、
すぐにアクセス可能です。
不思議な縁でkeiさんはご主人の仕事のご都合で、
うちのすぐご近所に引っ越して来られたんです。
「夫婦で年1回は長めの旅に出たいよネ友の会」
1号, 2号, 3号で飲めると何かカッコいいですね!?
その日を尿道を閉めてお待ちしております♪
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