2015/08/10 - 2015/08/12
5位(同エリア8件中)
kazimさん
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アンカラとイスタンブールの間に位置する人口65万あまりの中都市、エスキシェヒル。ガイドブックにはまともに紹介されないけれど、エスキシェヒルは、新しいものと古いものがマッチし、そのうえ交通機関がうまく計画され、さらに気候がほどよく涼しくて、旅行者にとって歩きやすく楽しい街だ。旅をするにとどまらず、私はこの街に住みたくなった。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 4.5
- 交通
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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エスキシェヒルに着いた夕刻、オトガルからトラムで中心に出て、ホテルを決めた後、さっそく街に繰り出した。トラムのチャルシュ駅周辺が繁華街で、歩行者天国の道を驚くほど多くの人が散策している。
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アラアッディン・ジャミィのあたりまで歩いた所で暗くなり、食事をしてこの日はホテルに帰る。翌日、丸1日たっぷり歩き回るのだ。
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イチオシ
翌朝、真っ先に向かったのは、オトガルからちらりと見えたケント・パルク(市営公園)だ。
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トラムでオトガル駅に戻り、5分ほど歩いて門を入ると、いきなり美しくしつらえられた花壇が目に飛び込んでくる。
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小さな橋を架けていたり、噴水を作っていたり…。街の中心をポルスクという川が流れているのだが、その水辺をうまく利用しているのだ。
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おそらく、この街の上層部には都市計画の有能な専門家がいる。その成功例の1つ目が、この公園だ。
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内陸の街だからか、単なるプールではなく、人工的に砂浜のようなものも造ってある。ただし、日差しは強いが、標高800メートル近くに位置しているので、泳ぐにはちょっと寒かろう。
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再びトラムでアタチュルク・リセスィ駅で降りる。目的は、その裏あたりにあるオドゥンパザル地区だ。
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オスマン様式の、2階が飛び出した形の民家が蝟集している。これはすばらしい。
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この地区の中心にクルシュクル・ジャミィがあり、この建築も悪くない。
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アーチの装飾も見事なものだ。
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また、アタチュルクが泊まった家も保存されており、中にも入れる。ただし、アタチュルクを顕彰するため、このような名付けの家は、トルコの至る所にあることは確かだ。
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イチオシ
それより何より、この家々が素晴らしいではないか。ゆるゆるとした坂道になっているのも、景観に迫力を加えていよう。
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「オドゥンパザル」は「薪市場」であることからわかるように、もともとこの地区には古い民家が残っており、改築する際に伝統の様式を残したらしい。
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イチオシ
表札にあたる、番地標示のプレートにも細かな気配りがある。
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民家はさまざまな色に塗り分けられてあるが、パステルカラーというほどの軽さはなく、微妙に土の色が混ざったような奥深さを感じさせる色だ。
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この街の都市計画の成功例2つ目が、このオドゥンパザル地区で間違いない。
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「ミュジェリット・ソカク」と書いている。「ソカク」は「小道」の意であり、これも街側が作った通り名の表示板だ。
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家々の一部は商店やレストランになっているが、他の家は実際に住む人がおり、生活がうかがわれる。
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「エスキ・シェヒル」で「古い街」を意味するが、新しさも入れながら、こうした古い部分も残し、観光的にもすぐれた街並みを作ったことに、大拍手である。
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都市計画成功例の3つ目は、トラムを中心とする交通計画だ。中都市なのに街にはトラムが6路線も走っている。そのぶん車を入れなくてすむので、中心部には歩行者天国の道が縦横に広がっているので、大変歩きやすい。
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トラム乗車にはもちろん1回券もあるのだろうが、私は「エスカルト」という、チャージ式のカードを買った。カード自体が6リラ、それに14リラをチャージし、前夜のオトガルからチャルシュ駅までと、この日の市内散策で存分に使った。
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オトガルの出口に、写真のような緑色のキオスクがあり、そこでトラムのチケットやエスカルトが買える。
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市内では、トラムの駅そのものには切符売りの窓口が併設されておらず、近くの写真の標示のある店で、切符やカードを扱っている。必要以上に切符売り場を作らず、民間に委託するという、これも頭のいいやり方だと思う。
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私の街歩きは続く。これは街角で見つけたドネル屋。「市の星、ドネル(ケバブ)の都」みたいなことが、染色された石で描かれている。看板の一種なのか。
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トラムで街の北西に移動し、アナドル大学を訪問する。この大学はトルコ最大の学生数を誇っており、そのメインキャンパスがここだ。学生数24000人、さらに通信課程で100万人以上が籍を置いているそうで、トルコの明治大学とでも言おうか。
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ぼんやりキャンパスを歩いたが、広大で見尽くせるものではない。外国語学部は一番奥にあり、そこまで行き、かつ休暇の時期でなかったならば、日本語を学ぶ学生に出会えたかもしれない。
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また、大学周辺は若い学生向けに、小洒落たカフェやカフェバーがいくつも並んでいた。その1軒で、トルココーヒーと水の小さいボトルを飲んだら、6.5リラだった。普通の店の5割り増し程度のおしゃれさだ。
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半袖では涼しすぎると感じる夕刻、食事をとりに、昨夜行かなかったチャルシュ駅の西側に足を踏み入れて、私はまた感動した。川沿いが、もちろんここも歩行者天国で、気持の良さそうなレストランやカフェがずらり並んでいるではないか。
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イチオシ
そのうちの酒が飲めるカフェバーで、店員の薦めでビールセットのようなメニューとビールをまず1杯。料理はトルコ式のソーセージとサラミ、スィガラ・ボレーイにフライドポテト、そしてこの街の名物チー・ボレーイがセットになっている。おいしかったので、ワインを追加。店の名と住所は、Twenty Six Cafe&Bar Hoşnudiye Porsuk Blv. No:50。
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ほろ酔いでホテルに帰りながら、歩きやすい通りと計画された交通システム、美しい公園、伝統を残したオドゥンパザル地区、爽やかな気候(冬は寒いのか)により、私はここに住みたいと、強く思った。トルコの街はずいぶん回ったけれど、住むならエスキシェヒルが一番だ。
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翌朝は、エスキシェヒル駅からトルコ高速鉄道でイスタンブールに帰った。イスタンブールのペンディッキ駅までわずか2時間半、45リラ。イスタンブールから日帰りはきついかもしれないが、1泊旅行で来るのも良いと思う。
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