2015/06/13 - 2015/06/13
53位(同エリア194件中)
naoさん
滋賀県長浜市木之本町は、かつて北国街道と北国脇往還の分岐点に開かれた木之本宿だったところで、本陣、脇本陣、問屋が一軒ずつ置かれ、旅篭屋、伝馬所、高札場などが点在する町並みの中央を、柳の木が植えられた小川が流れる風情豊かな宿場町でした。
また、「木之本のお地蔵さん」で名高い木之本地蔵院の門前町でもあった木之本の町は、街道を行き交う旅人や地蔵院への参拝客で賑わいました。
切妻屋根の平入りの、伝統的な町家が点在する現在の木之本宿の町並みには、昔ながらに商いを続けておられる造り酒屋や醤油醸造場が今も街道筋に看板を掲げ、かつて本陣を務めていたお屋敷で、現在は薬局を営んでおられるお宅には古めかしい木製の薬の看板が掲げられているなど、かつての面影を彷彿とさせる、豊かな風情をたたえています。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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JR北陸本線の木ノ本駅にやって来ました。
木ノ本駅 駅
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駅の駐車場に車を停めさせてもらって、町歩きを始めます。
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こちらは北国街道の手前にある町家です。
木部に塗られたベンガラが、くっきりと残っています。 -
旧木之本町の汚水枡の蓋。
旧木之本町の町章を中心に、高時川、杉野川、余呉川や、町の花・コブシがモチーフになっています。 -
北国街道木之本宿の町並みです。
では、木之本宿の北の端から南に向かって歩きます。 -
1階にも袖壁のある町家。
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妻面に表した木組みが特徴的な町家。
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宿場町時代の一里塚の跡地には案内板が立てられています。
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お庭や土蔵に通じる木戸の前に、小さな石橋が架けられています。
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いろんなところに木彫り細工が施されています。
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1軒の町家ですが、2階の中間部にも防火用の袖壁が付けられています。
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黒漆喰塗の壁や格子が、ある種風格のようなものをただよわせています。
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街道に面する部分全てがガラス張りと云ってもいいような町家です。
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北国街道の北側の町並みを見たところです。
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2階の戸袋には白漆喰が塗られています。
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木之本宿でもベンガラ塗の町家が結構あります。
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2階屋根の受け梁を白漆で塗り籠めておられる町屋が・・・
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向かい合って建っています。
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北国街道の南側の町並みを見たところです。
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戦国時代の武将で、後に土佐藩主に登りつめた山内一豊は、妻の内助の功により、ここ「馬宿平四郎」で名馬「摺墨」を手に入れたと伝えられています。
江州木之本 馬宿平四郎 名所・史跡
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この名馬のお陰で、山内一豊は信長の目にとまり、出世の道を歩み始めることになります。
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「馬宿平四郎」に隣接して、木ノ本牛馬市跡の石碑が立っています。
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木ノ本牛馬市は、室町時代から昭和初期まで開かれていたようで、江戸時代には彦根藩も保護奨励し、近江はもとより但馬、丹波、伊勢、美濃、越前、若狭から数百頭もの牛馬が集まり、盛んに取引されたそうです。
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こちらは天文元年(1532年)創業の造り酒屋さんです。
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こちらの造り酒屋さんの銘柄は、その名も「北国街道」と名付けられています。
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こちら造り酒屋さんは、宿場町時代には脇本陣や伝馬所も務めておられたそうで、格式高い表門が残されています。
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こちらは、店主の他界後閉鎖されたままになっていた元工芸店を再生したコミュニティ施設です。
住民の手作り作品の発表会などを通じて、地域の活性化を目指しておられます。 -
伝統様式を踏まえた、この町の典型的な町家です。
新しく改修された1階の格子戸には、大きな円弧がデザインされています。 -
北国街道の南側の町並みです。
かつては街道の中央を小川が流れ、風にそよぐ柳の木が宿場町の風情をたたえていたそうです。 -
2階の袖壁には、鏝絵の家紋が浮き出ています。
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こちらの屋根では、恵比寿様と大黒様が微笑んでいます。
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街道筋に面する部分がきれいに模様替えされています。
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今度は、北国街道の北側の町並みです。
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路地から見た町並み。
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家主さんの趣味の品が展示するまちかどギャラリーです。
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緋毛氈を敷いた床机が玄関先に置かれていますが、この町並みでよく見る光景です。
お客さんをお迎えする、暖かい心遣いの表れでしょうか・・・。 -
建築当時のままの姿を保っている町家。
どうやら空家のようです。 -
犬矢来が風情を添える町家です。
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北国街道の南側の町並みです。
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こちらの町家には、ありし日の木之本宿を撮影した写真が掲げられています。
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こちらは元庄屋の上阪家住宅です。
一階を千本格子が飾るこの建物は、弘化4年(1847年)の建築だそうです。 -
こちらの玄関の格子戸には、三日月が浮かび上がっています。
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こちらは、地元の風土記を紹介する本を中心に扱っておられる書店です。
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主屋に続く板塀がしつらえられた町家。
板塀の内側がお庭になっているようです。 -
北国街道の宿場町として開かれた木之本は、もう一つの顔「木之本のお地蔵さん」で名高い、木之本地蔵院の門前町として賑わった町でもあります。
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眼病に霊験あらたかと云われる「木之本のお地蔵さん」には、『寺の池に棲むカエルが地蔵尊の願いにより、目を患った旅人に片目を与え、旅人は旅を続けることが出来た』と云う、「身代わりカエル」の伝説が伝えられています。
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「木之本のお地蔵さん」の門前には、木之本宿の高札場跡があります。
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既存の古い町家を改修する際や・・・
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新たに建て替える際には、町並みの風情を壊さないような心配りがされています。
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町家の玄関先に置かれた石像。
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こちらは旧本陣だった竹内家です。
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現在は本陣薬局という名前で、薬局を営んでおられます。
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玄関脇には、古風な木製の薬看板とともに、駒繋ぎの環が取り付けられているのが見えます。
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細かい手仕事で作られている看板を一目見れば、この町家が薬局であることが判ります。
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古めかしい看板の中に、今も販売されている薬の名前が見てとれます。
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旧本陣の斜め向かいには、造り酒屋さんがあります。
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店先には、造り酒屋のシンボルである杉玉が吊り下げられています。
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三層の複雑な屋根が架けられた主屋は、延享元年(1744年)に建てられたものだそうです。
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こちらは江戸末期創業と云う歴史をもつ醤油醸造場です。
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店先の醤油樽に活けられた紫陽花。
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こちらの妻入りの町家はカフェ。
町並みにある造り酒屋さんの銘柄の空瓶が、ずらっと並んでいます。 -
この洋館はきのもと交遊館です。
使われなくなった滋賀銀行木之本支店の建物を活用しています。 -
取り替えられたアルミの玄関戸は、古い千本格子と同じデザインで作られています。
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北国街道の南側の町並みです。
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こちらは手打ちのお蕎麦屋さん。
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ガラス戸の中に、関ヶ原合戦場の模型を展示しておられるのが見えます。
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こちらの町家も醤油醸造場です。
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こちらの玄関の格子戸も、デザインに工夫を凝らしておられます。
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こちらの町家の2階の外観は、すっかり今風に様変わりしています。
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そろそろ町並みの南端が見えてきました。
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修景のために大小の石で組んだ石組みをあしらった町家。
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こちらは、町並みに3軒ある醤油醸造場の最後の1軒です。
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入り口のガラス戸に屋号の文字が擦られています。
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この大きな町家の屋根には・・・
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金で化粧された龍の細工瓦が嵌め込まれています。
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町並みの南端が北国街道と北国脇往還の分岐点になります。
北国街道は、中山道の鳥居本宿で分かれ、ここを通って金沢へ向かう街道です。 -
北国脇往還は、ここを起点に関ヶ原宿や大垣へ向かう街道で、木之本宿から江戸方面へ向かう旅人が中山道鳥居本宿を迂回せずに関ヶ原宿へ向かう近道として使われました。
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建築当時そのままの風情をたたえる町家です。
では、このあたりで引き返して駅へ戻ります。 -
北国街道の南端から見た北側の町並みです。
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木之本のお地蔵さんや高札場跡のある角を西に曲がって、駅の方に向かう途中にある、モダンな外観の和菓子屋さん。
外観に魅かれて店内に入ると、「葛とうふ」が涼しげだったので、我が家へのお土産に買い求めました。 -
煙出しの越屋根のある立派な町家です。
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こちらが先ほどの「モダンな外観の和菓子屋さん」の元々のお店です。
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最近改修されたと思われるこの辺りの数軒の町家は・・・
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判で押したように、木部にベンガラが塗られており・・・
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かつての風情を彷彿とさせる・・・
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良い町並みが再現されています。
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駅前通りにある雰囲気溢れるお店の前では、大きな柳の木が存在感を示しています。
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今回、初めて木之本宿を訪れましたが、延長800mほどのかつての宿場町の町並みに点在する、江戸時代以降に建てられた建物たちが生活の場として現役で使われているのを見るにつけ、いつまでも残ってほしいと祈らずにはいられませんでした。
再訪したい町が、また一つ増えました。
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この旅行記へのコメント (2)
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- hiro3さん 2015/08/03 18:57:58
- 木之本宿、イイですね。
- naoさん、こんばんは。
木之本宿を散策されたのですね。
自分は、山本山のおばあちゃんを訪ねた時と北びわこ号の時などに訪問しています。
街並みもしっかり残っていて、その時はきのもと交遊館の駐車場を利用したり、駅前を利用したりしています。
龍の細工瓦は、見逃していたようです。今度確認します。
伊香具神社や地蔵院、見どころ一杯の木之本宿、四季を通して楽しめますね。
- naoさん からの返信 2015/08/04 19:49:41
- 今度は・・・!
- hiro3さん、こんばんは。
いつもありがとうございます。
来たい来たいと思っていた木之本宿を、初めて訪れました。
今も人々の生活の場として、宿場町の面影を残す町並みを大切にしているのに接することができて、訪れた甲斐がありました。
「山本山のおばあちゃん」と呼ばれているオオワシが居るのは聞いたことがあるんですが、実際にご覧になったんですね。
今度は、「山本山のおばあちゃん」に会いに再訪ですかね・・・!
nao
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