大分訪問2015②（臼杵Ⅱ：臼杵石仏）

2015/03/20 - 2015/03/22

臼杵と言えば石仏。

平安後期から鎌倉時代に造立された石仏群は、
平成7年に彫刻としては、九州初の国宝となりました。

60余体にも及ぶ多くの石仏群と、周辺に広がる長閑な風景は、
心を癒してくれる貴重な場所でした。

市街からは離れた場所にあるので、車で行くのが一番都合が
いいと思いますが、自転車だと駅から約30分の場所となります。
本数は少ないですが、バスで訪れる事も出来ます。

エリア 臼杵・津久見(大分)

• 旅行の満足度: 5.0

臼杵石仏に向かう途中の、道路沿いにある龍源寺です。
関ヶ原の戦いのあった慶長5年(1600)、藩主の稲葉貞通により創建されました。

江戸時代の安政5年(1858)に建てられた三重の塔です。
内部に聖徳太子像が安置されており、太子堂と呼ばれているそうです。

あかねこばしの橋上には、臼杵のあかねこの可愛らしい石像が設置されていました。

深田の鳥居です。
臼杵石仏群の駐車場に向かう道沿いに、田んぼが広がっていますが、
その中にポツンと鳥居が建っています。
詳しい事は分かっていないそうですが、鎌倉時代もしくは室町時代に
建てられた鳥居で、度重なる水害により、徐々に埋もれたものと考えられているそうです。

駐車場近くでチケットを購入して、石仏見学に向かう途中で、石仏頭部が祀られていました。

国宝臼杵石仏 名所・史跡

入り口には、臼杵石仏が国宝である事を表す石碑が建てられています。

国宝臼杵石仏 名所・史跡

入り口から一番近くにある、平安時代後期に作られた
ホキ石仏第二群第一龕の石仏です。
ホキとは、岸險(がけ)という意味の地名だそうです。
右側：観音菩薩立像
中央：阿弥陀如来座像
左側：勢至菩薩立像

国宝臼杵石仏 名所・史跡

ホキ石仏第二群第二龕の九品の弥陀像です。
傷みが激しく分かりづらいのですが、中央の阿弥陀如来座像を
中心に両脇に4体ずつの阿弥陀如来立像が並んでいます。
両端には菩薩立像が、安置されています。

国宝臼杵石仏 名所・史跡

平安時代後期に作成された、ホキ石仏第二群の石仏群です。

国宝臼杵石仏 名所・史跡

ホキ石仏第二群の近くには、礎石が置かれています。
鎌倉時代には、石仏を守る為に覆屋が建てられていたようで、
現在の覆屋建設時に当時の礎石が発見されたそうです。

国宝臼杵石仏 名所・史跡

国宝臼杵石仏 名所・史跡

ホキ石仏第二群から少し階段を登っていくと、ホキ石仏第一群に到着します。
ホキ石仏第一群第一龕の石仏群です。
中央：伝釈迦如来座像
右側：阿弥陀如来座像
左側：伝薬師如来座像
両脇には、菩薩立像が安置されていますが、左側の立像は
ほとんど欠損してしまっています。

国宝臼杵石仏 名所・史跡

ホキ石仏第一群第二龕の石仏群です。
中央：阿弥陀如来座像
右側：伝釈迦如来座像
左側：薬師如来座像
左脇：愛染明王坐像

国宝臼杵石仏 名所・史跡

ホキ石仏第一群第三龕の石仏群です。
中央：大日如来座像
右側：伝釈迦如来座像
左側：阿弥陀如来座像
こちらも両脇には、観音菩薩と勢至菩薩立像が安置されています。

国宝臼杵石仏 名所・史跡

ホキ石仏第一群第四龕の石仏群です。
こちらの石仏背景は、彩色が残っているのが分かりますね。
中央：地蔵菩薩半跏像
両側に計10体の十王立像が彫られています。

国宝臼杵石仏 名所・史跡

ホキ石仏第一群の石仏群です。

国宝臼杵石仏 名所・史跡

お線香を供える場所が大きいですね。石仏香と書かれています。

国宝臼杵石仏 名所・史跡

現在はこのような建物で覆われており、風雨から石仏を守っています。

国宝臼杵石仏 名所・史跡

山王山石仏です。
ホキ石仏第一群からスロープを登って行き、建物前の階段を登ると石仏が現れます。
こちらの石仏は柔和な童顔をしており、「隠れ地蔵」とも呼ばれているそうです。
中央：伝釈迦如来坐像
右側：伝薬師如来坐像
左側：阿弥陀如来坐像

国宝臼杵石仏 名所・史跡

山王山石仏のお堂には、参拝者用に数珠が用意されています。
文鎮？も石仏になっています。

国宝臼杵石仏 名所・史跡

山王山石仏横のよく滑るスロープを登っていくと、日吉社に到着しました。
深田の鳥居は、日吉社の鳥居だった可能性もあるそうです。
社殿の横には、土俵が設置されています。

国宝臼杵石仏 名所・史跡

社殿の狛犬は、赤く装飾されています。

国宝臼杵石仏 名所・史跡

石造五輪塔です。
塔の一部が土中に埋まっているため、正確な高さは分からないそうです。

国宝臼杵石仏 名所・史跡

山王山石仏からスロープを下って5分程歩いていくと、古園石仏群に到着します。

国宝臼杵石仏 名所・史跡

石仏群手前の岩石にも、彫像が彫られていました。

国宝臼杵石仏 名所・史跡

古園石仏群が安置されている場所は、少し高台になっており、のどかで見晴らしのいい風景が正面に広がっています。

古園石仏群です。
臼杵石仏の中でも中心的な石仏群で、「古園十三仏」または「大日山石仏」とも呼ばれているそうです。

国宝臼杵石仏 名所・史跡

古園石仏群が、修復される前の写真も展示されていました。
中央の大日如来座像の頭部は、風化の為下に落ちてしまい、正面に安置されていましたが、平成5年に修復され元の位置に戻されたそうです。
当時の写真では、左右の坐像群も苔や草に埋もれていますね。

国宝臼杵石仏 名所・史跡

中央：大日如来座像
大日如来座像右から、伝無量寿如来座像、伝不空成就如来座像、伝普賢菩薩坐像、
観音菩薩坐像、伝降三世明王坐像、多聞天立像(右端)。
大日如来座像左から、伝阿門如来座像、伝宝生如来座像、伝文殊菩薩坐像、
勢至菩薩坐像、不動明王座像、伝増長天立像(左端)。

国宝臼杵石仏 名所・史跡

国宝臼杵石仏 名所・史跡

天気も良くポカポカ陽気の中、のどかな風景を散策するのは気持ちがいいですね。
前日まで結構な雨だったらしく、観光案内所や食堂で「雨止んで良かったねえ。」と声を掛けられました。これも石仏のご加護かも。

鎌倉時代に建てられた宝筺印塔です。
周りには菜の花が咲いていて、春の息吹が感じられます。

満月寺の境内にある「木原石仏」と呼ばれる仁王像です。
鎌倉〜室町時代に作成されたと推測されています。
膝から下は、土中に埋もれています。

満月寺 寺・神社・教会

満月寺の本堂です。
真名長者の発願により 蓮城法師によって創建されたと云われています。
昭和25年に復興され、現在のお堂が建てられたました。

満月寺 寺・神社・教会

満月寺の境内にある深田観音石仏です。
左が蓮城法師像、右が真名長者夫妻像です。
大分県の民話では、臼杵石仏造営に関係した人物として伝わっているそうです。

満月寺 寺・神社・教会

化粧の井戸です。
顔にイボのあった玉津姫が、この井戸で顔を洗ったところイボが取れ、美人になったという伝説の残る井戸です。

臼杵石仏チケット売り場手前にある、ヤマコ臼杵美術館博物館の入り口に展示されていた臼杵城の模型です。
当時は海に面していて、天守を含め、数多くの櫓に囲まれた堅城でした。
博物館では、臼杵石仏や領主の稲葉家に関する資料が展示されています。

ヤマコ臼杵美術博物館 美術館・博物館

臼杵石仏から、市外に戻る途中で大日石仏に寄ってみました。
車道の坂を上っている途中で、車の通れない細い道を少し下ると、段々畑の上段に位置するかなり分かり辛い場所にあります。

こちらの石仏は、顔部分が欠損しており、かなり風化が進んでいました。

荷物回収のため大分駅に戻ったついでに、府内城を訪れました。
復元された大手門から、城内に入ります。

大分城址公園 府内城跡 名所・史跡

城内は駐車場などになっており、広いスペースが広がっています。
天守台の前には、大友宗麟の胸像が建てられていました。

大分城址公園 府内城跡 名所・史跡

往時は、四層の天守が建てられていた天守台です。
天守台には登る事が出来ます。

大分城址公園 府内城跡 名所・史跡

天守台からの眺めです。
復元された二重櫓と堀の向こうには、市街が広がっています。

大分城址公園 府内城跡 名所・史跡

こちらも復元された櫓と庭園を眺める事が出来ます。

大分城址公園 府内城跡 名所・史跡

復元された廊下橋内部の写真です。

大分城址公園 府内城跡 名所・史跡

廊下橋の外観。

大分城址公園 府内城跡 名所・史跡

大手門から廊下橋に抜けて、大分駅に戻ります。

大分城址公園 府内城跡 名所・史跡