湯本富士屋ホテル四人旅

2015/06/16 - 2015/06/17

〔旅のテーマ〕
親孝行？をする｡

〔同行者〕
両親と妻

エリア 箱根湯本温泉(神奈川)

• 同行者: 家族旅行
• 交通手段: 自家用車
• 旅行の手配内容: 個別手配

横浜にある自宅を10時ごろ出発し､途中､近所の実家で両親をピックアップ｡その後､横浜新道､西湘バイパスなどを経由し､正午ごろ､箱根町仙石原の｢箱根ガラスの森美術館｣に到着｡

同館からは､噴火警戒レベルが引き上げられ､警戒態勢が続く大涌谷周辺(箱根山)を一望することができた=写真=｡白い噴気が緩やかに上がり､大きな音なども聞こえず､緊迫した雰囲気を感じることはできなかった｡

箱根ガラスの森美術館 美術館・博物館

同館は1996年に日本初のベネチアン･グラス専門の美術館として開業｡約2万7千?の敷地に､ベネチアンガラスや現代ガラスの名品約100点を展示する美術館のほか､バラやアジサイなどが植えられた欧風庭園､ガラスの体験工房､レストランなどを併設している｡

箱根ガラスの森美術館 美術館・博物館

見たことのない可愛らしいバラが満開｡

箱根ガラスの森美術館 美術館・博物館

まさに芸術作品！？

箱根ガラスの森美術館 美術館・博物館

庭園のアジサイと一緒に”咲いていた”のは､アジサイをイメージし､直径約1.4cmのクリスタル･ガラスを約1万4千個使って作られたという｢オルテンシア｣=写真=｡あいにくの曇天だったが､きらきら輝ききれいだった｡

箱根ガラスの森美術館 美術館・博物館

正午ごろ､庭園に面するカフェ・レストラン｢カフェテラッツァ｣で昼食｡パスタなどをおいしくいただく=写真=｡

箱根ガラスの森美術館 美術館・博物館

店内ではカンツォーネの生演奏が行われていた｡この日は､エンツォ・ディ・アマーリオ(ピアノ)=写真左=さんとサルヴァトーレ・マニエリさん(ボーカル)が出演｡2003年にNHK教育テレビ(現Eテレ)｢イタリア語講座｣に出演歴があるというアマーリオさんの郷愁を誘う演奏と､マニエリさんの美声と甘いマスクは店内を魅了していた｡

箱根ガラスの森美術館 美術館・博物館

その後､下山｡14時ごろ､箱根湯本駅にほど近い｢湯本富士屋ホテル｣=写真=に到着｡

箱根湯本温泉 湯本富士屋ホテル 宿・ホテル

1973(昭和48)年開業､客室数149｡富士屋ホテルチェーンの一角｡

1878(明治11)年､創業者の山口仙之助が､箱根･宮ノ下に富士屋ホテルを開業｡その後も一族による経営の下､箱根の観光開発やホテルの拡充が行われ､国際観光地･箱根の地位は不動のものとなり､富士屋ホテルも日本を代表するリゾートホテルとなった｡1966(昭和41)年に小佐野賢治率いる国際興業の傘下に入り､その後､箱根湯本や大阪､東京､甲府などにホテルを開業｡現在の富士屋ホテルチェーンが完成した｡

近年､湯本富士屋ホテルは､箱根最大の収容人数を誇る大会議室を有していることなどから､MICE誘致に力を入れているとのこと｡ただ､当日は中高年客がほとんどで､火山の影響と平日ということもあるのか､館内はやや寂しい雰囲気だった｡

【MICE(マイス)】
MICEとは､Meeting(会議･研修･セミナー)､Incentive tour(報奨･招待旅行)､Convention またはConference(大会･学会･国際会議)､Exhibition(展示会)の頭文字をとった造語で､ビジネストラベルの一形態を指す｡一度に大人数が動くだけでなく､一般の観光旅行に比べ参加者の消費額が大きいことなどから､MICEの誘致に力を入れる国や地域が増えている｡日本でも､国のインバウンド振興策に連動し､自治体による海外向けの誘致活動が盛んになっている｡(JTB総研ホームページより)

箱根湯本温泉 湯本富士屋ホテル 宿・ホテル

｢国際興業って聞いて､何かピンと来ることはない？｣との質問に､妻はキョトンとした様子だったが､私は滞在中､やはり彼のことが頭から離れなかった｡

【小佐野賢治･おさのけんじ(1917-86年)】

日本の実業家｡国際興業グループ創業者｡

昭和の戦時体制下では軍需省に取り入って蓄財し､日本の敗戦後には駐留外国人相手の事業で成功した｡また､運輸･観光事業も手広く行い､日本国内の有名ホテルを複数買収したほか､ハワイの観光資源にいち早く注目してワイキキの名門ホテルを多数手中にするなどして､｢ホテル王｣と呼ばれたこともある｡

また､後の内閣総理大臣･田中角栄との関係が｢刎頸の友｣と言われるなど有力な政商として知られ､政財界と暴力団の橋渡しを行っているなどとの噂から､｢裏世界の首領｣､｢黒幕｣などと揶揄されることもあった｡実際､戦後最大の疑獄事件であるロッキード事件でも関係者として国会に召喚されたが､この証人喚問で小佐野が繰り返した答弁｢記憶にございません｣は当時の流行語となった｡

一方､山梨交通など倒産寸前だった数多くの企業の再建に成功し､その際には｢人切り｣をしないことで知られた｡小佐野の経営手法の中心は徹底した現場主義と､不採算部門の大胆な整理であり､事業家としての評価は高かった｡(ウィキペディアより)

写真出典:47news.jp

私たち夫婦は最もリーズナブルな本館ツインルーム(23?)｡2013年にリニューアルされたばかりとのことで､築40年以上という古さをまったく感じさせず､2日間､とても快適に過ごすことができた｡

箱根湯本温泉 湯本富士屋ホテル 宿・ホテル

3階にある部屋からの眺め｡

箱根湯本温泉 湯本富士屋ホテル 宿・ホテル

両親は最上階の9階にある本館デラックスツインルーム(48?)｡

箱根湯本温泉 湯本富士屋ホテル 宿・ホテル

最上階の部屋からは箱根湯本駅や温泉街､早川などが一望できた｡

箱根湯本温泉 湯本富士屋ホテル 宿・ホテル

その後､妻と二人で周辺散策｡ホテル下には箱根旧街道が通っていた=写真=｡

箱根湯本温泉 湯本富士屋ホテル 宿・ホテル

街道脇に咲くアジサイ｡

箱根湯本温泉 湯本富士屋ホテル 宿・ホテル

旧街道と並行する早川ではアユ釣り客がちらほら｡

箱根湯本駅 駅

火山の影響なのか､閑散とした箱根湯本駅前｡

箱根湯本駅 駅

同駅構内｡

箱根湯本駅 駅

同駅を出発してすぐにある､箱根登山鉄道の最急勾配である80パーミルの勾配を上ってゆくモハ1形｡

箱根湯本駅 駅

散策から帰還後､大浴場で入浴｡

18時ごろ､1階のレストラン｢姫沙羅｣で夕食｡レストラン内も閑散とした雰囲気｡フィリピン･マニラ出身で流暢な日本語の好青年が給仕担当だった｡

写真は酒菜(水無月豆腐ほたる豆､烏賊軟骨れもんゼリー､椎茸東寺寄せ､おからサラダ､桜桃海老サーモン､チーズカステラ､海の幸緑風伸し)｡

姫沙羅 グルメ・レストラン

お椀(鱧葛打ち､ひすい茄子､つる菜､梅肉)｡

姫沙羅 グルメ・レストラン

御造り(本日の御造り四種､つま色々､山葵)

姫沙羅 グルメ・レストラン

御造りの別盛り(生雲丹山かけ､タタキオクラ)｡

姫沙羅 グルメ・レストラン

焼物(鮑磯焼､時鮭照焼､穴子新丈雲丹焼､グリーンアスパラ､はじかみ)｡

姫沙羅 グルメ・レストラン

焜炉(牛しゃぶしゃぶ､れたす､椎茸､新玉葱)｡

姫沙羅 グルメ・レストラン

酢肴(野菜博多､トマト蜜煮､じゅんさい､蟹､焼目帆立､鱚昆布〆)｡

姫沙羅 グルメ・レストラン

食事(桜海老ご飯､留椀､香の物)=写真=｡その後､甘味(水羊羹とフルーツ盛合せ)｡どれもおいしくいただく｡ごちそうさまでした｡

姫沙羅 グルメ・レストラン

その後､妻と2階にある居酒屋｢箱根路｣で二次会｡

箱根湯本温泉 湯本富士屋ホテル 宿・ホテル

生ビールのほか､焼きおにぎり=写真=などをおいしくいただく｡隣接するカラオケボックスからコンパニオンと思しき若い女性が醤油を借りに来ていたのが､なぜかおもしろかった｡また､居酒屋の大将が外国人客に英語で対応していたのには驚いた｡

箱根湯本温泉 湯本富士屋ホテル 宿・ホテル

その後､館内を探検｡写真は静まり返る1階ロビー(22時半ごろ)｡

箱根湯本温泉 湯本富士屋ホテル 宿・ホテル

ハイセンスで昭和チックなシンボルマーク｡

箱根湯本温泉 湯本富士屋ホテル 宿・ホテル

再び､大浴場=写真=で入浴し､0時ごろ就寝｡

箱根湯本温泉 湯本富士屋ホテル 宿・ホテル

翌朝6時半起床｡大浴場で入浴後､7時半ごろ､昨夜と同じ｢姫沙羅｣で朝食=写真=｡

姫沙羅 グルメ・レストラン

バイキングなのでいつも通りガッツリと｡

10時ごろチェックアウト｡風祭の｢鈴廣かまぼこの里｣でお土産などを購入し､正午過ぎには､自宅に無事帰還｡

【旅の感想】
思いがけず､大涌谷を見ることができたのはよかった｡旅行者として正しい選択なのか､それとも深刻な風評に過ぎないのかは別として､閑散とした箱根湯本駅前の風景にはいろいろ考えさせられるものがあった｡湯本富士屋ホテルに関しては､”サプライズはないが､抜群の安定力”という言葉に尽きると思う｡ありがとうございました｡親孝行できたかどうかは分かりません｡

姫沙羅 グルメ・レストラン