2015/04/16 - 2015/04/16
198位(同エリア497件中)
玄白さん
今年最後の花見は北上する桜前線を追いかけ、福島県へ。福島県中通り地方には、日本3大桜の一つ、三春の滝桜を筆頭に桜の名木・古木が散在している。そんな風格ある桜たちを巡る一泊ドライブ旅行へ。
2日間で訪ねた桜は
1日目:霞ケ城公園→合戦場の枝垂れ桜→小沢の桜→芹ケ沢桜→雪村桜→天神夫婦桜とデコ屋敷→三春滝桜(夜桜)
2日目:朝の三春滝桜→上石不動桜→紅枝垂れ地蔵桜→中田忠七桜→今出川・北須川桜並木
とテンコ盛りのスケジュール。
この旅行記では、霞ケ城公園のあと、二本松市、郡山市、三春町に散在する枝垂れ一本桜の名木を見て回る。このあたり一帯を称してあぶくま桜回廊と呼ばれているらしい。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 自家用車
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今回の福島県内の桜巡りを計画するに当たって、ネット上で色々調べていて見つけたのが、この番付表。福島県のアマチュアカメラマン有志の集まり「桜を愛するアマチュアカメラマンの会」が毎年発表している福島県内の写真写りの良い一本桜のリストである。小結以上の上位陣は、ほとんど顔ぶれが変わらないが、前頭クラスは入れ替えがあるようだ。滝桜は、不動の東正横綱である。
この番付表を参考に、開花時期、効率よく回れる場所などを考慮して見て回る桜を選定した。
一日目 合戦場の桜→小沢の桜→芹ケ沢の桜→雪村桜→天神夫婦桜→滝桜ライトアップ
二日目 滝桜→上石不動桜→紅枝垂れ地蔵桜→中田忠七桜 -
まずは西正大関の合戦場の桜。霞ケ城公園から国道459号を東の方向に車で30分ほどのところにある。
平安時代後半に起きた戦い、前九年の役で、朝廷から派遣された源頼義と地元の有力武将、阿部貞任との合戦場と伝わる地にある2本のベニシダレザクラ。遠目には一本桜に見える。 -
「三春の滝桜」の孫桜と言われており、滝が落ちるような見事な紅の花を咲かせ、その姿はおばあさんゆずりである。樹高18m、枝張り33mの堂々とした立ち姿。推定樹齢は150年とも170年とも言われている。
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三春の滝桜に次いで知名度が高い桜で、訪れる人も多い。50台以上駐車できる駐車場も整備されている。駐車料金は無料。
この桜が立っているのは私有地で、地主さんのご好意で桜の開花シーズンだけ一般開放されている。入場は無料だが、駐車場の整備や桜の保全に費用はかかるはずであり、協力金募金箱が桜の前においてある。地主さんのご好意に感謝の意を込めて、少しばかりの金額を募金。 -
色々なアングルから眺めてみる。これは東側からのビュー。
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北側の林に通じる小道を登ると椿の木があった。椿と桜と。
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遠目には一本桜に見えるが2本の桜であることが、このアングルからだとよく判る。
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林の中を進むと小さな稲荷神社があった。こんなところまで来る人は他にはいない。
直ぐにもとの場所に戻る。 -
ちょうど満開を迎えている。例年より数日早い満開だそうだ。よいタイミングだった。
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桜の周りの歩道をはさんで反対側が一段低くなった田んぼがある。そこの斜面に菜の花が咲いている。この田んぼの中に三脚を立てたカメラマン達が大勢いる。ここが合戦場の桜の定番の撮影ポイントのようだ。
さっそく、降りていって、仲間入りする。 -
手前の密集した菜の花の黄色と合戦場枝垂れ桜のピンクのコントラストがすばらしい。ただし、この田んぼには入れ替わり立ち代わり、見物客が降りてくるので、その通路上から人が居なくなる瞬間を待たないと右側に人物が写り込んでしまう。
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イチオシ
縦構図でも一枚。
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ここは、夜間ライトアップもされる。
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昼食の時間となったので、合戦場の桜から国道459号を1kmほど走ったところにある道の駅「さくらの郷」でランチ。辺鄙な山里なので他には食事ができるところはなさそうである。
合戦場の桜が見頃を迎えているので、平日にもかかわらず、道の駅のレストラン「さくら食堂」は大混雑。注文したそばができるのを待っていると、食堂のおばさんがマイクを取り出し、観光案内を始めた。「皆さ〜ん、合戦場の桜だけが桜じゃありませんよ〜、新殿神社の桜、福田寺の糸桜など、道の駅の周りにもステキな桜がたくさんありま〜す」 ふむふむ・・・・
せっかくの観光案内だったが、昼食後は国道349号を一路南下して、田村市、三春町方面に向かう。 -
次に立ち寄ったのが、小沢の桜。田村市船引町の国道349号沿いにある。
樹齢100年のソメイヨシノの木で、番付表では、堂々の西の正関脇。
田んぼの脇の小高い丘の上の畑のあぜにあり、根元には小さな祠がある。遠くの山容のきれいな山に覆いかぶさるような枝振りがよい。満開になれば、なかなか良い構図の日本の原風景的シーンなのだが、残念ながら、まだ2〜3分咲きで見頃にはちょっと早かった。
撮影に来ていたカップルの話では、小沢の桜は、周りの桜より開花が遅いのだそうだ。見頃の目安は、合戦場の桜が散る頃だという。 -
田んぼに水が張られ、満開の桜が写り込んでいると申し分ない絶景なのだが・・・
ここは田中麗奈主演映画「はつ恋」(2000年公開)に「願いの桜」として登場し、ラストシーンにも使われたロケ地である。映画は見ていないので、どんな映画なのかは知らないが・・・・ -
次は芹ケ沢の桜。三春町芹ケ沢地区、磐城街道(県道300号)が磐越自動車道と交差する付近の信号を南側から来たとき、右折して農道をちょっと走った道沿いにある。駐車場はなし。交通量が少ないので地元の民家の入り口を避けて路肩に駐車すれば問題ない。
私有地の畑のそばに立っているので、路上から見上げることになる。樹齢350年の紅枝垂れ桜で滝桜の子供だそうだ。 -
ネットで見た2年前の写真では、合戦場の桜のように、斜面一面が菜の花で埋め尽くされていたが、今年は菜の花は少ない。代わりに根元には水仙が植えられていた。
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少しだけ咲いていた菜の花と一緒に。
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イチオシ
我々以外に4台の車が停まっていた。ナンバープレートを見ると、仙台、福井、相模原、名古屋と、すべて県外からの来訪者だった。
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イチオシ
そばに椿も咲いていたので、椿とのコラボで撮影。
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イチオシ
4番目の桜は雪村桜。三春駅前の県道28号を行き、最初の信号で左折して400mほどのところが雪村庵の入り口。20台ほど停められる駐車場が整備されている。
背が高い竹林に囲まれて樹齢400年の枝垂れ桜が咲いている。番付表では東小結。
桜の下の赤い屋根の庵は、雪村庵。室町時代の禅宗の画僧、雪村周継(せっそん・しゅうけい)が晩年をここで過ごしたと言われている。ただし、現在の建物は後世に建てられたもの。 -
すでに3時を過ぎ訪れる人は少ない。最近、どこに行っても遭遇する中国人観光客の騒々しい話し声もなく、聞こえるのは風にそよぐ竹林のざわめきのみ。さながら一幅の水墨画のような情景を静寂の中で楽しむ。
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竹林を背景に、椿と雪村桜の枝と。
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梅も咲いている。
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梅と桜と。
ちなみに三春という地名は、梅、桜、桃という春の代表的花が一度に咲くからだとか。 -
庵には雪村庵の扁額が掲げられている。
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痛んだ幹の治療の跡が痛々しくもあるが、400年の風雪に耐えて、どっしりとした太い幹は、揺らぐことがない威風堂々とした風格に満ち溢れている。
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花は小ぶりで可憐、逞しい幹とのコントラストが面白い。
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本日、最後の目的地は、デコ屋敷と天神夫婦桜。
デコ屋敷とは、郡山市西田町(旧三春藩領内)に300年前から伝わる三春駒や三春張子人形などの郷土玩具を、今に伝わる民芸品として売っている観光施設である。今では4軒の民芸店が軒を並べている。
これは、その中の一軒、彦治民芸。店の前には三春張子人形の模型が飾られている。 -
こちらは、看板代わりに置かれている三春駒
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張子人形は、いずれも素朴な玩具である。特段買って飾りたいとも思わないので、ちょっと眺めるだけ。
店の中に入って、買う気はないのに店の主人と世間話をさせてもらった。話題は必然的に原発事故に及ぶ。三春や郡山東部の放射能汚染は、飯館村などよりはるかに少なく、何の問題もないのに、風評被害で観光客は激減したままだという。我々自身が、安全だということをもっとアピールしていかないといけないとご主人は強調されていた。 -
張子人形制作中のおばあさん。
木型にどろどろに溶かした和紙を塗っていく。乾いたら2つに割って木型を取り出し、張り合わせて完成。4軒の店が持っている張子人形の木型は、すべて福島県の重要文化財に指定されているそうだ。 -
もう一軒、本家大黒屋という店を覗いてみた。この店の二階に、等身大の白熊の張子人形が飾られていた。元プロサッカー選手、中田英寿氏が主催する日本の伝統文化・工芸の発展を目的にした「REVALUE NIPPON PROJCET」という活動に、この店の21代当主、橋本彰一氏が、参加する形で、4ヶ月かけて製作したものだという。
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これも橋本氏の作品だろうか? 売り物の張子人形より繊細な美術工芸品に見える。
この店の二階は、三春の郷土民芸の資料館のようになっている。 -
デコ屋敷の敷地の奥に天神夫婦桜という山桜と江戸彼岸枝垂れ桜が、寄り添うようにたっている。桜番付表によれば西前頭10枚目で、評価はそんなに高くないが、十分見応えはある。なにより、2種類の桜が並んで花を咲かせているのが面白い。
ここも、根元に祠がある。学問の神様、菅原道真を祀っているという。 -
樹齢500年と言われているが、枝を支える支柱もなく、すこぶる元気な桜だ。
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イチオシ
だいぶ、日が傾いてきた。夕日をバックに一枚。
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ズームアップして。
これにて、今日の桜巡りは終了。 -
先週、房総半島一泊旅行に行ったばかりであり、宿泊費の節約と夜桜の撮影もしたいので、車中泊にするつもりだったが、連れ合いに反対され、一泊することになった。
郡山市南部の住宅街の中にある日帰り温泉と宿泊を兼ねた「月光温泉クアハイム」に宿泊。 -
ここは天然温泉が楽しめ、ビジネスホテルより安上がりだが、設備は清潔で部屋も広い。温泉はアルカリ単純泉で、ぬるぬるした泉質で湯上りは肌がつるつるになる、いわゆる美人の湯である。
夕食はついていないが、日帰り温泉の休憩室の食事を好きな時に出前で部屋に運んでもらうことができるのが、とても便利。食事も悪くない。
羽生結弦選手の大ファンの連れ合いは、夜桜よりフィギュアスケート国別対抗戦のTV観戦が大事ということで、一人で滝桜のライトアップに出掛かる。
以下、「福島の桜名木巡り(3)」に続く。
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この旅行記へのコメント (4)
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- Oakatさん 2015/04/27 08:13:53
- タッチのさですれ違い!
- 玄白さん、こんにちは!
4/16、私もこの日、三春滝桜〜不動桜〜紅枝垂地蔵桜〜雪村桜〜天神夫婦桜を巡ってました。
雪村桜は午後2時頃から30分ほど、天神夫婦桜は2時45分頃から30分ほどいたので、玄白さんより少し早い時間に訪れていたようです。
30分程遅ければ玄白さんと並んで写真を撮っていたかもしれませんね。
福島の桜名木の多さには改めて驚きました。
今回は滝桜とその周辺の限定数か所に絞っての訪問でしたが、今度は違ったところを訪ねたいと思っています。
関連旅行記その2を楽しみにしています。
oakat
- 玄白さん からの返信 2015/04/28 14:37:15
- RE: タッチのさですれ違い!
- Oakatさん、こんにちは
奇遇でしたね。4travelの会員数は20万人以上なので、こういうことも良くあることなのかもしれませんね。以前にも、ある4Travelerの方と全く同時刻にいたことが後で判ったことがありました。なんと、彼の旅行記の表紙写真に玄白の後姿が写っていたのです。
福島は、見応えのある桜がたくさんあるので、来年以降また訪れたいと思っています。
玄白
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- 銭形幸一さん 2015/04/26 18:03:07
- 「あぶくま桜回廊」素敵なネーミング!
- こんにちは。
合戦場の垂れ桜、夫婦桜、雪村桜。
私も数年前に三春の親戚に案内してもらい回りました。
改めて自分の旅行記見てみましたら変なモードで撮影し、ケバケバしい写真で赤面もの。
良い風景目の当たりにしたのにがっかりです。
長兄が郡山市に住んでいて、父親の墓も郡山市にあるので、そう遠くない将来、また桜観に行きたい気分にさせられました。
義姉のお父さんが三春に住んでいて写真撮るのが好きなのでまた案内してもらうつもりです。
今度は玄白さんのような写真撮ってみたいものです。
電車通勤で大人の休日倶楽部のポスターが、桜満開の鶴ヶ城と吉永小百合。
ポスター見るにつけ、福島行きたいと思ってました。
どんぴしゃりのタイミングで玄白さんの旅行記。
良い写真見させてもらいました。
続編も楽しみにしております。
- 玄白さん からの返信 2015/04/28 14:27:55
- RE: 「あぶくま桜回廊」素敵なネーミング!
- 銭形さん、こんにちは
あぶくま桜回廊にはすばらしい一本桜が、たくさんありますね。番付表の全部を見て回ろうとすると、数年がかりになりそう。
今回の桜巡りでは銭形さんの旅行記も参考にさせてもらいました。出掛ける日は、一週間まえに開花情報と天気予報をにらみながら決めたので、タイミングはバッチリでした。こういうことができるのは、リタイアした自由人の特権です。
玄白
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