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 源氏に負け続けた平家が、日本中に落ち延び、そのまま山奥深くの仙人郷を作る。<br /> 住んでしまえば、そこが都になるのかなあ。

平家落人の谷に差す光

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2015/01/18 - 2015/01/18

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ちびのぱぱ

ちびのぱぱさん

 源氏に負け続けた平家が、日本中に落ち延び、そのまま山奥深くの仙人郷を作る。
 住んでしまえば、そこが都になるのかなあ。

旅行の満足度
4.5
同行者
カップル・夫婦
交通手段
レンタカー

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  • 香川のうどん<br /><br /> 昨晩ホテルに着いて、夕食は是非ともうどんにしようと考えていました。<br /> ホテルのある宇多津は丸亀駅のすぐ隣なのですが、「丸亀」というと「丸亀製麺」が短絡的に頭に浮かぶ。<br /><br /> 丸亀製麺と丸亀市は無関係なのは知っていますが、丸亀にはうまいうどんやが有るに違いないとは思っています。<br /><br /> 札幌の我が家の近くにも、このお店があって手軽に美味しいうどんが食べられるのです。<br /> 丸亀製麺のうどんが本当に美味しいのかは、実のところよく分からない。<br /><br /> 全国展開しているから、<br /> 「あんなのは本当の讃岐うどんじゃあない。」<br /> という意見はきっとあるのだろう、ぐらいは漠然と考えていました。<br /><br /> ともあれ、宇多津の駅前には、この小ぎれいなルートイン以外には何も見あたらないので、夕方6時、丸亀に繰り出すことにします。

    香川のうどん

     昨晩ホテルに着いて、夕食は是非ともうどんにしようと考えていました。
     ホテルのある宇多津は丸亀駅のすぐ隣なのですが、「丸亀」というと「丸亀製麺」が短絡的に頭に浮かぶ。

     丸亀製麺と丸亀市は無関係なのは知っていますが、丸亀にはうまいうどんやが有るに違いないとは思っています。

     札幌の我が家の近くにも、このお店があって手軽に美味しいうどんが食べられるのです。
     丸亀製麺のうどんが本当に美味しいのかは、実のところよく分からない。

     全国展開しているから、
     「あんなのは本当の讃岐うどんじゃあない。」
     という意見はきっとあるのだろう、ぐらいは漠然と考えていました。

     ともあれ、宇多津の駅前には、この小ぎれいなルートイン以外には何も見あたらないので、夕方6時、丸亀に繰り出すことにします。

  • iPad mini<br /><br /> 妻は最近iPad mini2を購入し、どこに行くにも肌身離さず持ち歩いています。<br /> 格安Simカードをさしてあるから、どこでも繋がっています。<br /><br /> 「丸亀駅近くで美味しいうどんの店を教えて。」<br /> シリ、という音声認識アプリにさっそく情報を尋ねています。<br /><br /> 「丸亀駅周辺には、美味しいうどんの店は見あたりません。」<br /> という、ぎょっとするような返事が返ってきました。<br /><br /> 「そんなばかな、その機械、壊れてるんじゃないの?」<br /> と、納得できない私が抗議します。<br /><br /> 妻は、このシリというソフトに絶大な信頼を寄せ、深い友情を築いています。<br /><br /> 以前に、<br /> 「シリには家族はいるの?」<br /> という、男であれば絶対しないような質問を真顔で投げかけていました。<br /><br /> で、その答えが<br /> 「あなたが私の家族です。」<br /><br /> 歯の浮くような殺し文句。<br /> 私も見習わなければと思いました。<br /><br /> さらに、<br /> 「なんかおもしろい話をして。」<br /> という、私にも時々振られる無茶ブリに対して<br /><br /> 「冗談は、シリ ません。」<br /> という高度なおやじギャグを返していました。<br /><br /> 「どうしてシリっていうの?」<br /> には、<br /> 「シリません。」<br /><br /> 「なんで教えてくれないのよー。」<br /> には、<br /> 「おもしろい質問をしますね。」<br /><br /> ……ただ者ではありませんな。<br /><br /><br /> それはさておき、とにかく丸亀駅前まで行ってみることにします。

    iPad mini

     妻は最近iPad mini2を購入し、どこに行くにも肌身離さず持ち歩いています。
     格安Simカードをさしてあるから、どこでも繋がっています。

     「丸亀駅近くで美味しいうどんの店を教えて。」
     シリ、という音声認識アプリにさっそく情報を尋ねています。

     「丸亀駅周辺には、美味しいうどんの店は見あたりません。」
     という、ぎょっとするような返事が返ってきました。

     「そんなばかな、その機械、壊れてるんじゃないの?」
     と、納得できない私が抗議します。

     妻は、このシリというソフトに絶大な信頼を寄せ、深い友情を築いています。

     以前に、
     「シリには家族はいるの?」
     という、男であれば絶対しないような質問を真顔で投げかけていました。

     で、その答えが
     「あなたが私の家族です。」

     歯の浮くような殺し文句。
     私も見習わなければと思いました。

     さらに、
     「なんかおもしろい話をして。」
     という、私にも時々振られる無茶ブリに対して

     「冗談は、シリ ません。」
     という高度なおやじギャグを返していました。

     「どうしてシリっていうの?」
     には、
     「シリません。」

     「なんで教えてくれないのよー。」
     には、
     「おもしろい質問をしますね。」

     ……ただ者ではありませんな。


     それはさておき、とにかく丸亀駅前まで行ってみることにします。

  • 哀愁の丸亀駅前<br /><br /> 丸亀駅前は、シリの言う通り寂れきっておりました。<br /> 1月の寒風の吹きすさぶ中、昨晩41度の高熱を出した身体を励まし歩き回ってみましたが、侘びしさに駆られるばかり。<br /><br /> しかたなく、駅に付属していたスーパーで食材を買ってホテルの部屋に戻りました。<br /> 事情があって、ホテルの部屋はアップグレードされたデラックスツインですから、部屋で食事をするのがベストチョイスに思えました。<br /><br /> 宇多津に戻る列車から見たライトアップされた丸亀城が、燦然と輝いておりました。<br /> きっと寂れているのは駅前商店街だけで、どっかに賑やかな場所があるのでしょう。

    哀愁の丸亀駅前

     丸亀駅前は、シリの言う通り寂れきっておりました。
     1月の寒風の吹きすさぶ中、昨晩41度の高熱を出した身体を励まし歩き回ってみましたが、侘びしさに駆られるばかり。

     しかたなく、駅に付属していたスーパーで食材を買ってホテルの部屋に戻りました。
     事情があって、ホテルの部屋はアップグレードされたデラックスツインですから、部屋で食事をするのがベストチョイスに思えました。

     宇多津に戻る列車から見たライトアップされた丸亀城が、燦然と輝いておりました。
     きっと寂れているのは駅前商店街だけで、どっかに賑やかな場所があるのでしょう。

  •  宇多津のサンルート瀬戸大橋は、まだ新しくて小ぎれいなホテルでした。<br /> 朝食付きなので、瀬戸大橋を遠望する最上階のレストランで朝の優雅なひとときを過ごします。<br /><br />

     宇多津のサンルート瀬戸大橋は、まだ新しくて小ぎれいなホテルでした。
     朝食付きなので、瀬戸大橋を遠望する最上階のレストランで朝の優雅なひとときを過ごします。

  •  しだいに日が昇り、遠くに瀬戸大橋が浮かび上がってきます。<br /><br /><br />駅近の格安レンタカー<br /><br /> このホテルから、歩いて1分の処に宇多津のニコニコレンタカーが有って、この系列のお店としては珍しくソフィストケイトされた係の方が、まあたらしいタントを用意しておいてくださいました。<br /><br /> このホテルに泊まって朝一番(午前8時から)でニコニコレンタカーを利用するというのは、なかなかなアイデアであったと自画自賛。

     しだいに日が昇り、遠くに瀬戸大橋が浮かび上がってきます。


    駅近の格安レンタカー

     このホテルから、歩いて1分の処に宇多津のニコニコレンタカーが有って、この系列のお店としては珍しくソフィストケイトされた係の方が、まあたらしいタントを用意しておいてくださいました。

     このホテルに泊まって朝一番(午前8時から)でニコニコレンタカーを利用するというのは、なかなかなアイデアであったと自画自賛。

  •  快適に市街地をぬけ、遠くの山肌に昨日訪れたコンピラ神社を眺め、峠を一つ越えると秘境っぽくなってきます。<br /><br /> 左手の方の山道を行くと、有名なうどん工場あるようですが、今日は高知まで行って戻ってきたいので、残念ながらうどんはいつかまたの機会にします。<br /><br /> どうも、うどんには縁がない。

     快適に市街地をぬけ、遠くの山肌に昨日訪れたコンピラ神社を眺め、峠を一つ越えると秘境っぽくなってきます。

     左手の方の山道を行くと、有名なうどん工場あるようですが、今日は高知まで行って戻ってきたいので、残念ながらうどんはいつかまたの機会にします。

     どうも、うどんには縁がない。

  •  うつくしい。<br /> 途中、時間を気にしながらも、車を駐めては辺りの景色に見とれる。

     うつくしい。
     途中、時間を気にしながらも、車を駐めては辺りの景色に見とれる。

  •  この狭い渓谷を、土讃線が併走しております。<br /> 場所によっては、岸壁を這うように線路が進む。<br /><br /> いつか、この路線の鈍行にも乗りたい。

     この狭い渓谷を、土讃線が併走しております。
     場所によっては、岸壁を這うように線路が進む。

     いつか、この路線の鈍行にも乗りたい。

  •  すがすがしい朝日が、峡谷に濃い陰影を作る。<br /> 陰影は、みなそこに濃淡を描き、一つの芸術作品を生み出します。

     すがすがしい朝日が、峡谷に濃い陰影を作る。
     陰影は、みなそこに濃淡を描き、一つの芸術作品を生み出します。

  •  大歩危(おおぼけ)という、漫才コンビが泣いて喜びそうな地名の分岐で吉野川を離れ、さらに山深き祖谷(いや)渓谷に踏み込みます。<br /> 平家落人の里であることを知らせる看板を過ぎ、祖谷川を遡って行くと、

     大歩危(おおぼけ)という、漫才コンビが泣いて喜びそうな地名の分岐で吉野川を離れ、さらに山深き祖谷(いや)渓谷に踏み込みます。
     平家落人の里であることを知らせる看板を過ぎ、祖谷川を遡って行くと、

  •  山の斜面にへばりつくような家。<br /><br /> うねうねと曲がる狭い道を走ること10分、かずら橋の看板が目に入ります。

     山の斜面にへばりつくような家。

     うねうねと曲がる狭い道を走ること10分、かずら橋の看板が目に入ります。

  •  透き通った水を湛える河辺に降りて見上げると……

     透き通った水を湛える河辺に降りて見上げると……

  •  「橋を直しているみたいだね。」<br /><br /> なにやら、作業をしておられます。

     「橋を直しているみたいだね。」

     なにやら、作業をしておられます。

  •  狭い道を川に沿ってかずら橋の方に歩く。

     狭い道を川に沿ってかずら橋の方に歩く。

  •  橋の架け替えの作業中でした。

     橋の架け替えの作業中でした。

  •  この釜で蔓を蒸しているのでしょうか。<br /> 重油のニオイが漂っています。

     この釜で蔓を蒸しているのでしょうか。
     重油のニオイが漂っています。

  •  その昔、源氏の追っ手を逃れて落ち延びてきた平家の人々は、どのようにしてこの橋を架けたのだろう。<br /><br /> 追っ手が来れば、すぐに切って落とせるように、このような橋にしたという話を聞きました。<br /><br /> 「作業自体は、その昔と変わらないのではないか。」<br /> しばらく、掛け替えの作業を眺めているうちに気付きました。<br /> 四人の屈強な男性が、かけ声をかけながら太い蔓をまいて行きます。<br /><br /> 今日は日曜日ですが、訪れる人もほとんど無い中、真剣な眼差しで作業をする人たち。<br /> 男たちの吐く息は、白い湯気となっては凛とした山峡の空気の中に消えて行きます。

     その昔、源氏の追っ手を逃れて落ち延びてきた平家の人々は、どのようにしてこの橋を架けたのだろう。

     追っ手が来れば、すぐに切って落とせるように、このような橋にしたという話を聞きました。

     「作業自体は、その昔と変わらないのではないか。」
     しばらく、掛け替えの作業を眺めているうちに気付きました。
     四人の屈強な男性が、かけ声をかけながら太い蔓をまいて行きます。

     今日は日曜日ですが、訪れる人もほとんど無い中、真剣な眼差しで作業をする人たち。
     男たちの吐く息は、白い湯気となっては凛とした山峡の空気の中に消えて行きます。

  •  生の営みを感じる時間を過ごしました。

     生の営みを感じる時間を過ごしました。

  •  橋のすぐ近くに「琵琶の滝」という清廉な一筋の水流があります。

     橋のすぐ近くに「琵琶の滝」という清廉な一筋の水流があります。

  •  壇ノ浦の合戦で敗れた源氏方の擁した幼き安徳天皇は、馬閑の海に身を投じたと思っていましたが、

     壇ノ浦の合戦で敗れた源氏方の擁した幼き安徳天皇は、馬閑の海に身を投じたと思っていましたが、

  •  壇ノ浦の戦いの前、阿波の国、屋島の地でも合戦が有りました。<br /> 那須与一の放った矢が、敵方の船上の一朶の扇を射落とした話が有名です。<br /><br /> その戦いで敗れた後、安徳天皇ともどもこの地に逃れ、祖谷で終焉を迎えた話があるとは。<br /><br /><br /> この滝の落ちる淵に響く琵琶の音とは、どんなものだったのでしょうか。

     壇ノ浦の戦いの前、阿波の国、屋島の地でも合戦が有りました。
     那須与一の放った矢が、敵方の船上の一朶の扇を射落とした話が有名です。

     その戦いで敗れた後、安徳天皇ともどもこの地に逃れ、祖谷で終焉を迎えた話があるとは。


     この滝の落ちる淵に響く琵琶の音とは、どんなものだったのでしょうか。

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この旅行記へのコメント (2)

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  • わんぱく大将さん 2015/02/09 09:54:41
    シリません
    ちびのぱぱさん

    私が4トラ見てない間に旅行記を続々とUPされてますね。 今度は四国ですか。 私はそばよりうどん党で、何処に行ってもうどんですが、流石にここではスパゲティ派に。
    ぼちぼち来させていただきます。

    旅行記の最初のシリ、一体何者ですか? 機械に疎い者にはついていけませんわ。

     大将

    ちびのぱぱ

    ちびのぱぱさん からの返信 2015/02/09 15:36:30
    RE: シリません
     大将さん、ご無沙汰しています。

     1月の旅を少しずつ整理しています。

     シリ(siri)というのはiPadに付いている機能で、話しかけるとちゃんと答えてくれるんです。
     この面の技術の進歩には本当に驚かされます。
     かなり正確にこちらの言うことを認識して、おそらくインターネット回線を活用して回答を検索し、表示したり音声で答えたりします。

     噂では、アップル社で利用者が発する質問を解析して、随時回答のレパートリーに加えているとか。

     妻の知り合いの女性は、
     「私と結婚して。」
     と言ったら
     「それは無理です。」
     と、答えたといいます。

     男には理解の及ばない世界です。
     こんど、iPadを見かけたらお試しください。
     画面下のボタンを長押しすると起動します。

               ちびぱぱ

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