2014年ドイツ旅行~12年ぶりの再訪~【第8日目:アイゼナハ観光】(3)ヴァルトブルク城(後編)各自で回る博物館の展示のつづき~ルターが新約聖書をドイツ語訳した小部屋まで&美しい城の中庭と塔から眺め
2014/07/10 - 2014/07/10
26位(同エリア105件中)
まみさん
2014/07/10木 アイゼナハ観光
・カール通りからマルクト広場散策
・ゲオルク教会(修復中で入れず)
・ヴァルトブルク城見学(11:30~15:50)
11時50分からのガイドツアーに参加
14時頃まで博物館見学
塔に上る
・ニコライ教会でテレマンの室内楽コンサート(18:30~19:30)
【アイゼナハ泊:シュタインベルガー・ホテル・チューリンガーホフ】
ヴァルトブルク城内部の見学を終えた後、外は雨が降っていたので、ランチ代わりに城のカフェでケーキセットをいただいて少しのんびりしました。
幸い、その間に雨がやみました。
城の本館見学の前に少し中庭を散策しましたが、もっと城の外観やまわりを味わいたかったし、写真も撮りたかったので、雨がちょうどやんでくれてとても助かりました。
しかも、城の石造りの部分や木組みの漆喰・黒塗りの板などは、雨にぬれたおかげで、しっとりとさらに味わい深いものになっていました。
塔からのテューリンゲン地方の森や谷間の村の景色はとてもすばらしかったです。
雨がやまなかったら、見学するのは大変だったでしょうから、ほんとうに良いタイミングで雨がやんでくれました。
しかも、ドラマチックな雨雲がまだ視界に残る一方で、雲間から太陽の光も差してきたりして、まるで魔法使いが登場するヨーロッパの時代劇映画のような世界だと思いました@
そのあと、さらに城の周辺をぐるっと回ったのですが、その見学も含めて城訪問をそろそろ切り上げてもよいと思えてきた頃に、また雨がぶりかえしました。
タイミングとしてぎりぎりでした。
というわけで、カフェで雨宿りした時間もありましたが、ヴァルトブルク城では思った以上にゆっくり過ごしたました。
城に着いたのは11時半頃で、ガイド付き城内見学は11時50分から約1時間。そのあとは1人で見学し、城を出たのは15時50分でしたから。
ヴァルトブルク城は、アイゼナハにやってきた理由の筆頭なので、これだけのんびり満喫できたのも、個人旅行ゆえの醍醐味でしょう。
代わりにアイゼナハ市内の他の見どころを見るひまはなくなってしまいましたけどネ。
写真もこころゆくまで撮れました。
写真フリークの私にとって、それがなにより嬉しかったりします。
このヴァルトブルク城見学の後編の旅行記は、各自で見学できる代官館のミュージーアム部分のつづきからです。
ルターが聖書をドイツ語翻訳した部屋の写真もこちら。
見学に来た誰もが感じた思いますが、ルターは10ヵ月間ほんとに翻訳に集中したんだろうな、と感心してしまうほどの簡素な部屋でした。
ガイド付きでしか見学できない本館は、中世の城らしく、質実剛健さを見せつつも、豪華絢爛さがありましたが、各自で回った代官館は、召使い部屋があったりして使用人向けというかんじがしたものの、木のぬくもりが感じられるステキな館でした。
いや、召使い部屋やルターのように質素派の者の部屋だけでなく、前編の旅行記に載せた人文主義者の他から異説されて復元されたものでしたが、裕福な市民クラスの少し豪華な部屋もありました。
<2014年ドイツ旅行:簡易旅程>
07/02水 職場から成田前泊
07/03木 成田第2空港からJALでヘルシンキ経由でベルリンへ
07/04金 ベルリン観光1日目
07/05土 ベルリン観光2日目
07/06日 ベルリン観光3日日
07/07月 ベルリン観光4日目
07/08火 ライプツィヒへ移動&観光
07/09水 ナウムブルク日帰り観光
07/10木 アイゼナハへ移動&観光★
07/11金 ゴタ日帰り観光
07/12土 エアフルト&ワイマール日帰り観光
07/13日 フランクフルトへ移動&観光
07/14月 イトシュタイン日帰り観光
07/15火 マールブルク日帰り観光
07/16水 ハーナウ&シュタイナウ日帰り観光
07/17木 フルダ日帰り観光
07/18金 ハイデルベルク日帰り観光
07/19土 フランクフルト半日観光~夕方出国
07/20日 JAL直行便で14時頃に成田第2空港着
※この旅行記の対象の日に★をつけました。
詳細旅程はこちら。
「2014年ドイツ旅行~12年ぶりの再訪~【旅程一覧】
http://4travel.jp/travelogue/10909977
準備編や帰国後の背全体の感想は、ブログ「まみ’s Travel Diary(http://4travel.jp/dynamic/jump.php?url=http://mami1.cocolog-nifty.com/travel_diary1/)」
に掲載しています。
「いくつもの貴重なテーマをもつヴァルトブルク城
“消滅した文化的伝統”、“文明のまれな証拠となるもの”という世界遺産基準に最もふさわしい城である。これほど数々の歴史的文化の足跡を残した城も珍しい。
城は11世紀後半、後にテューリンゲン方伯となる一族によって建設された。12世紀、ヘッセンからライン地方にまで及ぶ広大な土地を所有していたテューリンゲン方伯の拠点となったのがヴァルトブルク城だった。全盛を誇った12~13世紀には吟遊詩人たちが集まって壮絶な歌合戦を繰り広げた。1211年、ハンガリー王女エリーザベトはテューリンゲン方伯と結婚するためにアイゼナハにやってきて、夫の死までこの城に住んでいる。16世紀にはマルティン・ルターがここに身を隠して聖書をドイツ語に翻訳した。その後、城は忘れさられていくが18世紀後半にゲーテがヴァルトブルク城の歴史的価値を重んじ、建物の修復保存を訴えた。工事が始まったのはゲーテの死後だったが、彼のお陰でヴァルトブルク城は荒廃を免れた。
城は大きく分けて石造りの本館と木骨壁の代官館から成り立っている。本館はガイドツアーのみ見学可能。代官館は博物館になっており、ルターの部屋もここにある。」
(「地球の歩き方 ベルリンと北ドイツ 2014~15年版」より)
- 同行者
- 一人旅
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
前編に引き続き、代官館のミュージーアム展示のつづき
1600年頃の装飾的な甲冑。
あまりにも豪華なので、写真を撮っておきました。 -
浮彫装飾の豪華さ!
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これはとても実用ではもったいなくて使えまい@
-
ルーカス・クラナッハ(子)による絵
1570年頃
山城とふもとの町の絵。
実は、この城はヴァルトブルク城かと思ったのですが、残念ながら違いました。
Hartefelsにあるサクソン選帝侯の宮殿でした。 -
可愛らしい街並みと、隣接する森には……
クマがぞろぞろ!? -
荒々しい崖の上にある城
-
ルーカス・クラナッハ(父)
1525年頃
クラナッハの絵の後景にちっちゃくあるのはヴァルトブルク城ではないかと推測。
聖クリュソストモスらしき影もあり。
クラナッハが描く独特な妖艶さのある女性像の魅力を知ったのは、いまはすでに内容は忘れましたが、10代の頃に読んだ渋沢達彦さんのエッセイからです。
その解説の対象の1枚はこういう絵ではなかったかと思います。なつかしい。
この絵の母子は、クラナッハらしい解釈の聖母マリアとイエスだろうと思ったのですが、解説によると、聖クリュソストモスに陵辱された王女とありました。
伝説によると、聖クリュソストモスはその償いとして、残りの生涯をずっと動物のように四つ足で生活したそうです。
ネットでぐぐる限り、聖クリュソストモスは4世紀のコンスタンチノープルの大司教で、生涯を見てももっと禁欲的で、そういう衝撃的な伝説はヒットしませんでした。日本語以外まで検索範囲を広げたらどうだったかわからないですが。 -
精巧な装飾入りの家具
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扉の浮彫装飾の1つに注目
モチーフは、いばらの中の裸の男女とシカ。
ギリシャ神話のアクタイオンと女神アルテミスの話を疑いましたが、違うような気もします。 -
イチオシ
分厚いガラスが入った窓の外は……雨(泣)
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外の木組みの家が少しにじんで見える古めかしいガラスの窓
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チェスのようなゲームセットかな
コマの緑の部分は孔雀石(マラカイト)ではないかと思います。
だとしたら、とても豪華なセット。 -
18世紀の銀製のフォークやナイフやスプーン
絵の部分がとてもおしゃれなので注目。 -
16世紀と17世紀の銀製のフォークとナイフ
ヴァルトブルク城ではこんな食器が使われていた時代もあったんだろうな、と想像。 -
味わいのある通廊
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通廊の窓から眺めたヴァルトブルク城の中庭
おおっ、雨がやんだ? -
通廊の窓から眺めた木組みの壁
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もうすぐ通廊の終わり
そんなに長い通廊だったわけではないのですが、とてもステキな通廊だったので、外を眺めながらゆっくり歩いたわけです。 -
通廊を抜けたところ
白壁と木組みがいいかんじでした。
左手の小部屋がルターの部屋かと思ったのですが、違っていました。 -
召使いの部屋の扉と扉の前
はじめこれが有名なルターの部屋かと勘違いしかけました。
宗教改革で当時のヨーロッパ社会でも有名人だったルターが聖書翻訳のために過ごした部屋は、ほんとにこんなに質素なんだ、とびっくりしかけ……(苦笑)。 -
召使いの部屋
小農家の家のような質素な部屋でしたが、暖房設備=ストーブはきちんとしていたようです。
ここはもともとは城の防御のための出窓で、要塞の一部だったそうです。
それが後に、召使いの中でも地位の低いものや、町から城へ食料・水を運搬するロバの荷車を引く者の部屋となりました。 -
ルターやデューラーと同時代の人文主義者Willibald Pirckheimerの書斎
1863年、ニュルンベルクにあった彼の義父の家にあった書斎が移設されました。
解説によると、代官館の改築の記念として、同時代を思い起こさせるものを組み込んだようです。 -
窓から光が入ってきて……なんだかフェルメールの世界のよう@
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木のぬくもりも感じられて、装飾も贅沢な壁と……
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贅沢に装飾された近世くらいのイス
後ろの柱あたりの装飾にも注目。
けっして座り心地良くなさそうですが、中世くらいの玉座のような豪華さでした。 -
出窓の天井の美しさ!
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城本館に負けない豪華な出窓の全体
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少し周囲の壁も含めて、ヨコ構図で
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豪華な出窓をあとにして、さらに進む
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白漆喰の下半分の壁の木の部分の浮彫装飾
ブドウのモチーフの浮彫装飾が気に入りました。 -
おそらく教会にあった、古いお賽銭箱
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ルターの部屋の隣の非公開の部屋の扉
木の扉そのものに注目。 -
この城のハイライトの1つ、ルターの部屋の前
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イチオシ
ルターが新約聖書のドイツ語訳をしたという有名な部屋
さきほどの召使の部屋とどっこいどっこいの質素さでしたが、部屋は2陪くらいの広さがありましたし、家具もよく見たら上等そうでした。 -
少しアングルを変えて眺めたルターの部屋
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クラナッハ(父)によるルター像の複製画がかかった壁と
テーブルはオーク材で1600年のもの。
テーブルの上にはルターによるドイツ語翻訳の聖書の複製。
ルターの椅子は後の19世紀の複製。 -
ルターが聖書翻訳をした机といすをじーっと見る
写真ではちゃんととらえませんでしたが、他に家具は16世紀のオーク材の衣装箱のみでした。
ルターの部屋を最後に、代官館の見学は終わりました。
城周りを散策したかったのですが、まだ雨が降っていたので、ランチをとる代わりに城のカフェに入ってケーキセットを食べました。
アイゼナハで入ったレストラン・カフェや食べ物レポートはこちらのハイライト旅行記にまとめました。
「2014年ドイツ旅行〜12年ぶりの再訪〜ハイライトその6【ドイツのグルメ(!?)──朝食以外で入ったレストランとカフェ】ライプツィヒとアイゼナハと日帰りした東ドイツの都市編」
http://4travel.jp/travelogue/10936067 -
城見学を終えて外に出ると
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雨上がりの青空と塔のシルエット
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代官館の美しい木組みの壁と木の屋根と……はしご?
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上から眺めた代官館の中庭のドラゴン井戸
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木組みの壁とあの豪華な出窓
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ドラゴン井戸のドラゴン
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お城とは思えない(?)一角
チケット売り場のあるゲートタワー前は、ふつうなら人が切れることがないと思いますが、ちょうど雨が上がったばかりで、みんな建物の中に避難していましたから、シャッターチャンスでした! -
石壁と木組みの壁のコントラスト
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イチオシ
美しい民家のような一角をアングルを変えて
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雨上がりでひとけがほとんどなくなった城本館前の中庭
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ゲートタワーのアーチ越に眺めるオレンジ屋根の代官館
晴れてきて空がうっすら青くなってきて、代官館がくっきり浮かび上がりました。 -
19世紀のレンガのタワーホールはどこか英国風
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中庭のはじにある20世紀の新しい南塔と彼方の景色
あの南塔に上ります。 -
ベールがはらわれるように現れた青空を背景に
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太陽が美しいテューリンゲン地方の緑を照らす
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木組みの壁とレンガの壁のコンビネーションがすばらしい19世紀のゲストハウス
現在、中はカフェ。 -
イチオシ
超広角レンズでとらえてみた@
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城壁と城壁の間の道と
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調整の城らしい城壁
南塔へ上っている途中、
雷が発生したらすぐに塔から離れてください、という注意書きがありました。避雷針になってしまうんでしょうね。
雷のときに塔の上にいる場合はリスクは自分で負え、とも書かれてありました。 -
19世紀のゲストハウスとゲートホール
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塔の上からの城とテューリンゲン地方の眺め
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城壁の向こうのテューリンゲンの森
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イチオシ
塔の上から見下ろした城壁前
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塔の上から見下ろした中庭
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城の彼方に見えるアイゼナハの町
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12世紀の城本館とテューリンゲンの森
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オレンジ屋根の家が点在する美しい景色
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超広角レンズでさらに彼方を望む
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本館の屋根の上の獅子像
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19世紀のレンガの塔が明るくなった空に映える
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超広角レンズでドラマチックな景色をめざす
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空に残るさっきまでの雨雲が景色をさらにドラマチックに
ドラマチックというより現実感すら薄れ、まるで映画のスクリーンの中の景色に入り込んでしまったような気分になりました。 -
イチオシ
霧がはれたようにくっきりと現われたアイゼナハの町並みのある素晴らしい景色
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塔を下りる
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塔の屋根ごしのゲストハウス
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二重城壁の間の道を進みながら、白漆喰の木組みの壁を見上げる
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城の建設当時の資材運搬に使われた装置
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城の建築現場を描いたイラスト
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この装置自体も作るのも設置するのも大変
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城の裏手の小さな広場と職人たちのエリア
向こうに見えている建物は、現在はシュロス(城)ホテルでした。 -
城の職人たちの仕事ぶりのイラスト
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職人のの作業場
おそらく、城が建築しおわった後は撤去されていたのを、19世紀の修復時に復元したのではないかと思います。 -
現代の職人も作業していた作業場
城の維持のために昔ながらの手作業が多いのだと思います。 -
職人の作業小屋
このあたりからまた雨がしとしと降り始めました。
ここでちょっとだけ雨宿り。 -
小屋での中の作業の様子のイラスト
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小屋の中の様子・その1
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小屋の中の様子・その2
鉄を熱するための窯もありました。 -
外にもあった窯
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ちょっと新しめな煉瓦の壁の木組みの盾ののシュロス・ホテル
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庭に野外舞台があったシュロス・ホテル
どうせ夜に一人でここまで来られないので、上演スケジュールは確認しませんでした。
2014年7月はロミオとジュリエットが上演されるようです。 -
シュロス・ホテルを横目に、どんどん下る
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シュロス・ホテルの野外劇場の上演案内版と城への入口
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イチオシ
シュロス・ホテルのステキな外観
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城の入口前からバス停のある通りへ下りる坂道
往路ではここの階段を上らず、シャトルバスでラクしたわけです。
アイゼナハ&ヴァルトブルク城編おわり。
翌日、アイゼナハから日帰りしたゴタ(ゴータ/Gotha)編へとつづく。
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この旅行記へのコメント (2)
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- jijidarumaさん 2015/04/09 18:54:51
- 聖クリュソストモス
- まみさん
旅行記中のクラナハの母子画のことですが、
”ナルツィスとゴルトムント”という題で書かれたプログに、デューラーの版画『聖ヨハネス・クリュソストモスの悔悛』があります。
ご参考までに。
http://stundenbirne.jugem.jp/?eid=233
jijidaruma
- まみさん からの返信 2015/04/10 08:48:47
- RE: 聖クリュソストモス
- jijidarumaさん、
気になっていた聖クリュソストモスの逸話の情報ありがとうございます。
しかし女性の身からすると身も蓋もない逸話でしたが、いろんなドラマがつまっていそうです。
クリュソストモスに限らず、聖人の生涯もびっくりするほど多面的なものがありますね。
パロディという言い方は軽く感じるかもしれませんが、実像は不明でも、聖人の生涯に後世いろんなエピソードが付け加わることはよくありますよね。
最近はそういうのも面白いと思えてきていて、聖人についてもますます興味がわいてきました。
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