2014/12/27 - 2014/12/28
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エンリケさん
2014〜15年の年末年始、せっかくの9連休を生かそうと、海外旅行を計画。
直前の夏にドイツ・フランスを旅行したところ、周りの観光者が高齢者ばかりで出会いの楽しみがなかったり、計画どおりに行きすぎてあまり非日常性が感じられなかったことから、今回は逆の志向を求め、アジアの旅を選択。
行き先はその前の3月にバンコクを旅行してから気になっていた、東南アジアの田舎の国ラオス。
そのラオスを訪れた結果は・・・忘れていた子どもの頃の記憶が蘇るようなノスタルジーあふれる景色に出会えたり、同じ思いの旅仲間との出会いがあったりと、想像していた以上に大満足の旅となりました。
今回も書きたいことが多くて作成に時間がかかってしまいそうですが(笑)、まずは欧米人にも大人気の世界遺産の町ルアンパバンから旅行記を始めたいと思います。
*晩夏のアルザス・ロレーヌ旅行記はしばらく休載します。
<旅程表>
2014年〜2015年
○12月27日(土) 成田→バンコク
○12月28日(日) バンコク→ルアンパバン
12月29日(月) ルアンパバン
12月30日(火) ルアンパバン→パクセ→チャムパーサック(ワット・プー)→パクセ
12月31日(水) パクセ→シーパンドン(デット島&コーン島)
1月 1日(木) シーパンドン(デット島)→パクセ
1月 2日(金) パクセ→ヴィエンチャン
1月 3日(土) ヴィエンチャン→バンコク
1月 4日(日) バンコク→成田
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- タクシー 徒歩
- 航空会社
- タイ国際航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
2014年12月27日(土)
・・・ということで、2014〜2015年の年末年始は2年ぶりに年をまたぐ海外旅行に出かけます。
旅の開始はいつもどおり成田空港第1ターミナル。
今回利用するタイ国際航空のチェックインカウンターは、14時30分のチェックイン受付時刻前から長蛇の列・・・さすがにこの時期の成田空港は、年末の出国ラッシュで人がいつも以上に多い印象です。 -
チェックインを済ませ、空港のガラス越しに巨大なタイ国際航空のエアバスA380-800を眺めます。
・・・その巨大さが売りのタイ国際航空のこの機体は、記憶も新しいこの年の3月に乗ったばかり。
まさかこんなに早く再搭乗することになろうとは、その時は思ってもみませんでしたね(笑)。
【酷暑のバンコク(1) 2014年3月のバンコク旅行】
http://4travel.jp/travelogue/10873552
ちなみに、今回のラオスまでの航空券は、前回のドイツ・フランス旅行直後の9月中旬にDeNAトラベル(旧スカイゲート)で購入。
出だしが遅かったせいか、残っているのは高い航空券ばかりで、比較的安めのタイ国際空港でも燃油・諸経費含め148,100円と、夏のヨーロッパ旅行並みの出費を余儀なくされました。
年末年始の便は半年以上前の予約が必要でしたね・・・。 -
17時30分、バンコク行きタイ国際航空TG677便は、定刻通り成田を離陸。
安定飛行に入って早々にドリンクサービスがあり、タイビールのシンハビールを選択。
ヨーロッパのビールのようなコクがあって、美味しいですね。
この前のドイツ・フランス旅行の際、大韓航空の機内で飲んだ韓国のビールとは大違いです。
その後にサーヴされた機内食も、辛さは薄いものの、味はグッド。
それほど辛くないのは、タイ料理特有の匂いを抑えて長時間の飛行でも気にならないようにするためでしょうかね。 -
これは帰りの便の写真ですが、タイ国際航空は相変わらず尖閣諸島上空を避けているような飛行ルート。
2014年11月に日中首脳会談が実現した後も、中国公船による尖閣諸島周辺の領海侵犯が繰り返されているようですし、日中間の緊張状態はなかなか解けないですね・・・。 -
タイ国際航空TG677便は、天候不良のためしばらくバンコク上空を旋回し、定刻の30分遅れの23時にバンコク・スワンナプーム国際航空に着陸。
窓から外を見ると、乾季のこの時期には珍しく夕立のような雨が降っていて、乗客はみな驚いていました。
さて、ラオスへの便は翌日のお昼に出発のため、この日はいったんタイに入国し、空港近くのホテルに宿泊。
まさかこんなに早くタイに再入国することになるとは、タイ国際航空への再搭乗と同じく、当時は思ってもみませんでした(笑)。
・・・この日宿泊するのは、スワンナプーム国際航空近くのトランジット客メインのホテル、トンタリゾートスワンナプーム(Thong Ta Resort Suvarnabhumi、送迎付き・朝食なしプランで22.05USD(ホテル税7%・サービス料10%込み)、1USD=110円として約2,400円)。
空港までの送迎プランを予約していたので、指示された空港到着口の4番ゲート近くに行ってみたところ、想像以上に待ち合わせの客が多くて送迎係の人がなかなか見つからず・・・。
23時30分、5分ほど歩きまわってようやく、4番ゲート近くの通路脇で自分の名前が書かれた紙を表示している係員を見つけます。 -
やっと出会えた送迎係員からは、迎えの車が来るまで10分待てとの指示が。
が、ここはタイ。15分後の23時45分になって、ようやく空港の外に出て、迎えの車まで案内されます。
同じく送迎を依頼していた日本人の子ども連れのご夫妻とともにワゴンに乗り、24時ちょうどにホテル到着。
エレベーターのないホテルでしたが、トランジット滞在ながら眺めがいい部屋をリクエストしたところ、5階の部屋へ案内。
階段を昇るのがたいへんだったものの、部屋は広々としていてきれい。
ここでようやく横になれます。
この日はこれでおやすみ・・・。 -
12月28日(日)
7時30分、起床。
この日のラオス、ルアンパバンへの便は12時25分発のため、朝はのんびりペース。
前夜のバンコク到着時に激しく降っていた雨もすっかり上がり、気温もそれほど暑くなく、絶好の観光日和です(今回バンコク観光はしませんが・・・)。
前回のバンコク訪問が3月の酷暑の時期で暑さに苦労しただけに、バンコクはこの時期に訪れるのがいちばんですね。 -
出発のため1階に降りてくると、同じく空港へのワゴン待ちの多数の欧米人が騒いでいます(送迎は通常30分ごと)。
到着時は真夜中で気が付きませんでしたが、このホテルにはアジア系だけでなく欧米人も数多く泊まっていたようですね。 -
ホテルから10分ほどで空港に到着し、建物内に入ると、タイ国際空港のチェックインカウンターには長い行列・・・。
スワンナプーム国際空港のタイ国際航空のカウンターはいつも混み合うそうなので、早めの行動が必要ですね。
入国から1日も経たないうちに出国の手続きをし、12時25分、ルアンパバン行きTG576便は定刻通りバンコクを離陸。
眼下にはすっかり都市化されたバンコク近郊の街並みがしばらく続きます。 -
バンコクからルアンパバンまでは1時間半程度の飛行時間ですが、しっかり機内食が提供されます。
タイ国際航空のトレードマークである蓮(ロータス)の花をあしらったこんなボックス型の弁当箱を開けてみると・・・。 -
匂いも刺激的なこんな中身が。
成田〜バンコク間では封印されていた、つーんとする匂いが鼻をつきます。
しかしこれこそタイの香り。
右下の唐揚げのようなものを付属のソースをかけて食べてみると、舌の上に懐かしのタイの味覚が広がってきて、じーんと思いがこみ上げてきます。
やっぱりタイ航空の機内食はこうでなきゃ(笑)。 -
TG576便は北上を続け、窓の外の景色はいつのまにか山岳地帯に。
山の間を流れる茶色く濁った川は、ラオスを北から南に縦断するように流れるメコン川でしょうか。 -
13時50分、険しかった山岳地帯がなだらかになり、川岸にはところどころ集落も見えてきて、いよいよルアンパバンが近づいてきた感じです。
-
そして14時、TG576便は定刻通りラオス一の観光地、ルアンパバンに到着。
空港もこんな山の間にあり、のどかな山あいの村の雰囲気が漂ってきます。
欧米人に大人気の世界遺産の町ルアンパバン、いったいどんなところなんでしょう? -
ルアンパバン国際空港の入国審査はカウンターが4つしかない上、外国人をひとりひとり直立させて写真をとっていくため時間がかかり、列に並んでから審査を終えるまでに30分ほどを要します。
14時40分、ようやく審査を終え、空港出口の脇にある両替所で両替を済ませたのち(この日のレートは1円=65.53kip(10,000kip=152.6円)、街なかの両替所は1円=64又は65kipだったので、空港の方が若干有利)、いよいよルアンパバンの街へ。
とここで、同じくバンコクから来た一人旅の同年輩の日本人女性と出会い、ホテルまでのワゴンタクシー(一組50,000kip=約760円)をシェアすることに。 -
ワゴンタクシーは空港から10分ほどでプーシー(ルアンパバン旧市街の中心にある小高い山)南側のその女性の宿泊するホテルへ。
その女性とは夕方プーシーに登ることを約束していったん別れ、自分はワット・シェントーン近くのゲストハウスまでの道を歩いて行きます。
・・・気温は20℃超くらいでしょうか。
寒かった真冬の日本よりは暖かいですが、半袖シャツ一枚で十分というほど滅茶苦茶暑いわけではありません。
そして15時30分、地元の人々よりも欧米の観光客の姿ばかりが目に付く見知らぬ街を10分以上歩いて、ようやく自分の泊まるゲストハウス、ヴィラ・ソンポン(Villa Somphong)に到着(朝食、ホテル税21%込みで1泊34.8USD=約3,800円)。
ゲストハウスのおかみさんは流暢な英語を操る気さくな人柄で、出会って早々、見知らぬ土地を旅しているという緊張感が解け、何とも言えない安心感が広がっていきます。
ああ、世界中の旅人が評価しているルアンパバンの良さって、地元の人々のこういうところにあるんだなあ・・・。 -
ゲストハウス内は土足厳禁で、入口で靴を脱いで上がります(ほっといても誰も盗む人はいません)。
部屋は1階のフロント脇を案内されましたが、掃除が行き届いていてきれいな感じ。
シャワーも、お湯の温度、水圧ともに問題はありません。 -
部屋に荷物を置いて、早速街歩きに出発。
まずは、ゲストハウスのあるワット・シェントーン南側、ナムカーン川沿いのスッカースーム通り(Soukkaseum Rd.)はこんな感じ。
のんびりした南国の街といった印象で、車の往来はほとんどなく、ジョギングやサイクリングをしている欧米人の方をよく見かけます。 -
スッカースーム通りから眺めたナムカーン川。
東南アジアの街にしてはゴミもほとんどなく、本当に自然の美しさが堪能できますね。 -
昼下がりのこんなのんびりとした道路を歩いて、ルアンパバン旧市街を挟むように流れる、ナムカーン川とメコン川が合流する半島の先っぽのような地点まで行ってみます。
-
てくてくと歩いてナムカーン川とメコン川の合流地点へ。
写真左端を流れるのがメコン川で、ルアンパバン旧市街をぐるりと取り囲むように流れているナムカーン川の水が注ぎ込まれています。
乾季になって水量の減ったナムカーン川には木の橋が架けられ、地元の人々や外国人観光客の恰好の遊び場となっているようです。
・・・こんな風景、なんだか昔の日本でも見たことがあるような景色で、なんだか心が癒されますね。 -
さて、今度は旧市街の中央を貫くサッカリン通り(Sakkaline Rd.)を通ってワット・シェントーンへ向かいます。
・・・メインストリートとはいえ、端の方は人通りも少なくのどかな雰囲気。
ラオスは内陸国ですが、東南アジアの国としては人口が670万人(2013年推計値)と、周辺国よりも一ケタ少なく、どこか離島のようなのんびりした雰囲気がありますね。 -
サッカリン通りからワット・シェントーン(Wat Xiengthong)の参道へ。
両端ではお供え物やお土産を売る女性たちの露店が開かれていますが、外国人観光客に物を買わせようとしつこく売り込みをかけてくる様子は全くありません。
このへんも、同じ東南アジアの仏教国であるミャンマーやカンボジアなどとは違って落ち着いているところです。
(その後経済開放されたミャンマーでは、わたしが訪れたとき(2011年11月)とは変わっているかもしれませんが。)
【ミャンマー紀行(2) バガンの寺院群で待ち受ける土産売りの女性陣】
http://4travel.jp/photo?trvlgphoto=23875189 -
入口の脇で待ち構えていた女性係員に入場料を支払い(20,000kip=約300円)、ワット・シェントーンの境内に入場。
正面に見えるのは、ルアンパバンのシンボルたる本堂。
横を向いたその姿は、“ルアンパバン様式”ともいわれる3層になっている流線形の屋根のフォルムが際立って見え、美しさが一層引き立ちます。
・・・このワット・シェントーン、建立はラオ族によるラオス最初の統一王朝であるラーンサーン王国時代(1353-1707年)の1560年で、ヴィエンチャンの有名な寺院であるタート・ルアンも建設したセーターティラート王によるもの。
彼の時代にルアンパバンとヴィエンチャン双方を代表する寺院が築かれるなんて、よほど国力が充実していた時期だったのでしょうかね。
ちなみに参拝客に地元の人々はほとんどおらず、欧米系や中国系の人々を中心とする外国人観光客ばかり・・・。
悪く言えば、厳かな宗教的な場というより、ディズニーランドのようなテーマパークっぽい感じがするかも。 -
こちらが、逆光にはなっていますが、正面から見た本堂。
一見、タイで見た寺院とも非常によく似ているものの、屋根の湾曲度合いがこちらの方が美しいと感じさせますね。
【酷暑のバンコク(2) バンコクのワット・パトゥムコンカー】
http://4travel.jp/photo?trvlgphoto=33192730
【酷暑のバンコク(3) アユタヤのウィハーン・プラ・モンコン・ボピット】
http://4travel.jp/photo?trvlgphoto=33625716 -
靴を脱いで本堂に上がると、入口にはこんな金色の門が。
かたちはタイやミャンマーの寺院にあるものと似ていますが、色はまるっきり“金ピカ”というほどではなく、日本の古いお寺にもありそうなしっとりとした感じの金色で、日本人でも抵抗感なく受け入れられそうな色ですね。 -
中に入るとご本尊である大きな仏像が。
やはりタイやミャンマーの仏像と比べて、けばけばしさはそれほどでもありません。 -
本堂の両側の壁面にも細かな装飾。
漆と金箔を使った日本の蒔絵のような技法を使っているのでしょうか、なんだか先ほどからラオスの寺院には親しみや懐かしいものを感じますね。 -
一方、本堂の背面には、日本の寺院にはないこんな壁画が。
内戦中の1960年代に地元の職人たちによって製作されたというその壁画は、赤い下地に天に向かって枝を広げる大樹を描いた“マイ・トーン”(黄金の木)というモザイク画。
かつてこの場所に立っていたと伝えられる高さ160mの大樹がモチーフで、仏教に関する物語がガラスのモザイクで表現されています。 -
本堂の斜め後方には、壁面が赤で彩られたこんなユニークな建物が。
赤堂(レッド・チャペル)と呼ばれる祠堂で、内部には1569年にセーターティラート王によって搬入されたという寝仏が祀られています。 -
この赤堂の壁にも、先ほど見た本堂の背面と同じく、細かなガラスモザイクによる絵が描かれています。
王朝時代のルアンパバンの人々の生活を描いたもののようにも見えますが、実は1957年に仏陀生誕2500年を記念して描かれたものだそうで、本堂に描かれているものと同じく、やはり仏画ということなのでしょうか。 -
ぐるっと回って赤堂入口正面へ。
赤地に金の装飾が少しまぶしいような感じは受けますが、やはりタイやミャンマーの寺院ほどのけばけばしさは感じません。 -
そしてこちらが赤堂内に祀られている寝仏。
この黒ずんだ金色の感じ、本当に日本の古寺の仏像のようですね。
・・・同じインドシナ半島の仏教国でありながら、仏像の色の嗜好がここまで違うのは、ラオスはタイやミャンマーに比べ、金色が大好きな華人の数が圧倒的に少ないからでしょうかねえ。 -
赤堂のさらに後方にはこんな仏塔。
こちらもけばけばしさはなく、素朴な感じが日本人好みです。 -
最後に本堂の右手前方に配置されているのは霊柩車庫。
第二次世界大戦後にフランス領インドシナから独立したラオス王国の初代国王、シーサワンウォン(在位:1949-59年)の葬儀で使われた霊柩車が収められている建物で、西日を浴びてきんきらに輝いています。
この建物はワット・シェントーンの敷地内でいちばん金色が目立っているものの、下地の彫刻がしっかりしていて色に頼っていないせいか、それほどけばけばしさは感じません。 -
入口をくぐった先、建物のど真ん中に安置されているのがその霊柩車。
キングギドラのような黄金の龍の首を持った威厳あるその乗り物は、なかなかに巨大で、狭い車庫内ではとても全体がカメラには収まりきりません。
・・・そういえばこんな霊柩車、バンコクの国立博物館でも見かけましたね。
ラオスとタイ、古くから交流があっただけに、王室のしきたりは共通しているんですね(ラオスは現在では王政は廃止)。
【酷暑のバンコク(5) バンコク国立博物館の“偉大なる勝利の山車”】
http://4travel.jp/photo?trvlgphoto=34348193 -
入口の裏側では、黒い漆のようなものを塗って、扉の修復をしているおじさんも。
-
車庫の奥には、にび色がかった金色の仏像群が。
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そして壁には、赤堂で見たのと同じような鮮やかなガラスのモザイク画が。
描かれているのは王宮やメコン川を行き交う船でしょうか・・・このルアンパバンの町が交易や文化の中心であった証ですね。 -
16時30分、空港からのワゴンタクシーをシェアした女性とプーシーに登る約束をしていたので、急いで待ち合わせ場所である国立博物館前へ。
・・・と言っても、ルアンパバンの通りは、どこか懐かしさを感じる魅力的な景色ばかり。
たびたび足を止めては、パチリ、パチリと写真を撮りまくりです(笑)。
・・・こちらの写真はメインストリートであるサッカリン通りの脇道。
欧米からの観光客で賑わうサッカリン通りからひとつ足を踏み外せば、こんな地元の人々の生活の匂いが漂う静かな風景が広がっているところも、ルアンパバンの魅力のひとつ。 -
サッカリン通りを国立博物館に向かって歩いて行きます。
町のメインストリートであるにも関わらず、東南アジアとは思えないゴミの落ちていない整然とした様子にある意味驚き。
ミャンマーやエジプトなどで感じた、発展途上国の街にはよくある“ほこりっぽさ”も感じませんね。
大河ドラマで言えば、“龍馬伝”や“平清盛”のようなコーンスターチを多用したリアルな風景ではなく、“八重の桜”や“花燃ゆ”のような、ある意味小奇麗な、リアルさを感じない風景といったところでしょうか。 -
手前の店先からは、昔懐かしさを感じさせる、腸詰めをいぶる煙が。
時代を感じさせる建物と相俟って、平和でのどかな風景です。 -
脇道を見ると、すぐ近くに山が迫る山あいの村の風景。
こちらも路上にはゴミひとつ落ちていません。
ああ、なにもかもが素晴らしい・・・。
ルアンパバンの町は、この小奇麗さ、観光客の多さと観光客慣れした人々、ぼったくりやスリ、ひったくりのいない安心感などから、ある意味超現実的な、自然のテーマパークのようなところだと感じました。
海外旅行先としてヨーロッパは大好きだけど、アジアはほこりっぽさとか小汚しさがちょっと・・・という方にもオススメの観光地です。
実際、出会うのは地元の人々よりも欧米人の方が多くてヨーロッパのような雰囲気もありますし。 -
16時45分、なんとか待ち合わせ時間に間に合い、その女性と合流して、国立博物館のすぐ目の前にある登山道からプーシーへの山登りスタート。
この日の日没時間は17時30分頃。
1時間前からたくさんの観光客が夕暮れの景色を目当てにプーシーに登り始めています。 -
階段の後ろを振り返っても、続々と観光客が。
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半分登ったところにある検問所で入場料20,000kip(約300円)を支払い、さらに木立の中の階段を登っていきます。
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16時55分、10分ほどでプーシーの登山道を登り切り、頂上へ。
階段は328段あるとのことですが、思ったより早く着いて拍子抜けした気がするかも。
・・・頂上には金色の仏塔をもった寺院があり、その中にはやはり金色の仏像が安置されていました。
大勢の外国人観光客が取り巻いている中で、ひとり仏像に向かって祈りを捧げる地元の人も。 -
そして寺院の先の展望スポットから眺める町の南側の風景はこんな感じ。
のんびりした山間の町という雰囲気が漂ってきますね。 -
町の南側を蛇行して流れるのはナムカーン川。
その東側の街並みは夕日を浴びて幸せな時間を迎えています。 -
西の方に目を向けると、町全体が夕日に包まれて・・・なんだか見ていてハッピーになれる景色ですね。
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そして夕日の見える西側の展望スポットに行ってみると・・・すでに大勢の観光客で人だかりができて大混雑。
あまりにも人が多すぎて自由に身動きがとれません。
プーシーの頂上がまさかこんなに人気スポットだったとは。 -
なんとかメコン川の方向の夕日が見える場所を確保して、夕日観賞スタンバイ。
それでも、写真を撮ろうとすると目の前でスタンバっている大勢の観光客たちの頭が入ってしまいますね(笑)。 -
17時10分、すでに傾いていた太陽が、メコン川の向こうの山に沈み始めました。
観光客たちは皆、思い思いに写真を撮りまくっています。 -
後ろを振り返ると、ででーんとそびえる金色の仏塔。
サングラスをかけて夕日をみつめる金髪の女性がなかなか様になっていて、かっこいいですね(笑)。 -
北の方向には滔々と水を湛えるメコン川。
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17時15分、大きくなった太陽が、山の端とメコン川をオレンジ色に染め始めます。
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17時25分、澄んだ空にきれいな夕焼けが広がって・・・。
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観光客たちは歓声を上げて皆、幸せな気分に。
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17時30分、最後の輝きが辺りをオレンジに染め上げて・・・。
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17時35分、夕日がついに山の向こうに沈んでいきました。
このあたりで観光客たちはぼちぼち山を降り始めます。 -
17時40分、余韻に浸りながら西の空を眺め続けていましたが、だんだんと景色がモノトーンになってきたところで下山。
久しぶりに大自然の中の夕日を眺められ、一日を平和で有意義に過ごせたことの喜びを感じられた30分間でした。 -
17時50分、すっかり薄暗くなった登山道を下っていくと、降り切ったところに明かりが。
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なんと、夕日を見にプーシーに登っている間に、国立博物館前のシーサワンウォン通りは、赤や青のテントを構えたお店が立ち並ぶナイトマーケットに様変わり。
こういった演出も、ルアンパバンがテーマパークっぽいとされるところですね。 -
テントはシーサワンウォン通りいっぱいに、すき間なくびっちりと立ち並んでいます。
-
売られているのは主に、地元で生産される布地を使ったバッグや服などの民芸品。
値段も安くて手頃なものばかりです。
ラオスは(いい意味で)田舎っぽい国民性を反映してか、それとも社会主義体制のためか、初めから正規の値段で物を売っている店ばかりで、旅先での値段交渉を楽しみたい人にとっては少し物足りない感じがするかも・・・。 -
ナイトマーケットの売り子はほとんど女性。
男は昼に観光業や畑仕事、女は夜にマーケットで商売が基本なんでしょうかねえ・・・。
道行く観光客に対して積極的に売り込みをしている売り子はまったくおらず、煩わしさを感じずにマーケット巡りを楽しむことができます。
スマホをいじって暇そうにしている女性もあちらこちらにいて・・・このへんの緩さがラオスのいいところですね(笑)。 -
こんなオシャレな提燈を売るお店も。
でも、こんなの飛行機じゃ持ち帰れないよなあ(笑)。 -
18時15分、マーケットの中を西側のチャオファーグム通りに向かって進んで行き、ひとつ横道に入ってみると賑やかな屋台街が。
一品料理が主で、値段はどれも安い感じ。
一緒にプーシーに登った女性と、この日はここで夕食をとることにしました。 -
どの店にしようかといろいろ見て回った挙句、決めたのはこのお店。
お皿をひとつ渡され、どれを盛っても全部で15,000kip(約230円)とのこと(串ものは別に10,000kip=約150円)。 -
せっかくなのでこんなふうにごちゃ混ぜの山盛りにして(笑)、隣にあった空いている席へ。
店頭に並べられていたためアツアツではありませんでしたが、それでもピリッとしたスパイスが効いていてなかなかの美味しさ。
ラオスの料理はピリ辛度をタイ料理よりも若干薄くした感じで、それほど辛くなく、日本人にとっても食べやすいです。
ラオスビールのビアラオ(Beer Lao、10,000kip=約150円)もコクがあって美味い! -
満足の夕食を終え、翌日はルアンパバン郊外のツアーに参加しようと、旅行会社を物色。
“象使い”になる練習ができるツアーに興味があったものの、ハイシーズンのため、使える象に空きがないとのこと・・・。
あとは、まる1日とか数日間のトレッキングタイプのツアーが多かったのですが、ルアンパバンに2日しか滞在しない忙し旅スタイルの日本人には日程が合わず・・・。
結局、シーサワンウォン通りの先の交差点にある旅行会社(All Lao Service)で、クアンシーの滝(タート・クアンシー)の半日ツアーに参加することに(入場料別、送迎のみで50,000kip=約760円)。
ここまで一緒だった女性とは、翌日の滝ツアーでの再会を約して別れます。 -
さて、旅行会社を物色していたら、いつの間にか時刻は21時。
長袖一枚のシャツ姿では寒いくらい、辺りが冷え込んできました。
そろそろ宿に帰ろうとサッカリン通りを歩いていると、目に入ってきたのはライトアップされた寺院の姿。
湾曲した屋根の形が美しい、1714年に建立されたワット・セーン(Wat Sene)の本堂です。
手前に配置された金色の仏塔や、背後の空に輝く月影と相俟って、何やら幻想的な雰囲気。 -
ライトアップされた大きな仏像も独特の雰囲気を醸し出していますね。
-
だいぶ肌寒くなってきましたが、せっかくなので、日中見学したワット・シェントーンにも行ってみることに。
境内に足を踏み入れると、予想通り、ささやかではありますが、本堂などがライトアップされていました。
(さすがに夜は受付に誰も人がおらず、料金徴収はありません。) -
霊柩車庫もこのとおり、下からの光を受けて、金色の彫刻が浮かび上がっています。
-
側面の彫刻もこんな鮮やかに。
周囲に人がいない分、日中よりも落ち着いて見られるかも(笑)。
ちなみに、夜の境内はやはり同じように見学している人がぽつりぽつりといるくらいでひと気が少ないのですが、危険は全く感じません。
逆に、子どもの頃に暗い時間まで神社で遊んだことなどが思い起こされ、なんだかノスタルジックな気分に浸れます・・・。 -
ささやかにライトアップされたルアンパバンの象徴、ワット・シェントーンの本堂をバックの月影とともにパチリ。
・・・さて、時計を見ると21時30分。
もういいかげん寒くなってきたので、ここらで宿に戻ります。
ルアンパバンの町、まだ半日しか滞在していませんが、欧米人が“世界で最も訪れたい都市”に選ぶその雰囲気の良さがじわじわと浸透してきた感じです。
翌日は早起きしてルアンパバン名物のひとつ、僧侶の托鉢風景を観賞します!
(ラオス旅行3日目〜ルアンパバンの托鉢風景に続く。)
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この旅行記へのコメント (6)
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- moonさん 2015/04/25 20:42:11
- こんばんわ。
- エンリケさんへ
初めましてではありませんが、私の旅行記を拝見していただきありがとうございます。
エンリケさんの旅行記は大変丁寧に書かれていて、その町の良さがとてもわかります。
見習いたいけど、見習えない。
ヨーロッパは好きだけど、アジアはちょっと・・・・まさに私もその一人です。
訪れて初めてわかる事も多いですからね。
先入観はいけないなぁと思いました。
続きもゆっくり読ませてもらいます。
moonより
- エンリケさん からの返信 2015/05/23 20:31:33
- 最近はヨーロッパよりもアジアの穏やかさに惹かれます。
- moonさん
こんばんは。
わたしもmoonさんのように、海外旅行を始めた最初の頃は、落ち着いた美しい街並みのヨーロッパが大好きで、アジアは雑多で騒がしい感じがして好きではなかったのですが、最近はだいぶ嗜好も変わってきましたね。
それだけ長く海外旅行を続けていることもあるのでしょうが、雑でうるさく見えるアジアでも、ルアンパバンを含むラオスの町は落ち着いていて、ヨーロッパ好きでもきっとわたしのようにハマってしまう人が多いのではないかと思います。
そんなラオスの雰囲気が少しでも伝えられたら嬉しいですね。
ぜひまた遊びに来てください!
-
- karasukkoさん 2015/02/26 14:38:05
- はじめまして。
- エンリケさん
はじめまして。そして、旅行記への閲覧、投票ありがとうございました。
ラオスに行かれたのですね。
時折みられる他のアジアの国々の極彩色のお寺とちょっと趣が異なり、寺院の形、色彩の美しさを、昼、夜と両方楽しませていただきました。
また、長い坂を上った先に待っていたうっとりするような夕日の景色。圧巻でした。
さぞや、その後のビールがおいしかったことだろうと想像しています。
写真を通して空気(匂いや湿、温度)まで感じられるようでした。
ラオスもいいですね。
karasukko
- エンリケさん からの返信 2015/02/28 22:14:44
- ラオス、本当に雰囲気のいい国でした。
- karasukkoさん
こんばんは。ラオス旅行記にご訪問ありがとうございます。
ラオス、東南アジアのほかの国々と違って街がこじんまりとしていて、人も車もがつがつしていなくて、落ち着きと安らぎが感じられる、なんだかいい国でした。
自分にとっては旅の終着点とも言えるようなところでしたね。
そんな国の雰囲気が感じられるように旅行記を書いていきたいと思っていますので、ぜひまた遊びにきてください。
-
- 川岸 町子さん 2015/01/25 16:30:29
- ルアンパバン うらやましいです〜!
- エンリケさん、こんにちは
いいなぁー(@^▽^@) ラオスへ行かれたのですね。
私、ラオスはまだです。
12年前に真剣に行こうと考えたのですが、結局はベトナムへ。
2年前に検討した時は、スリランカへ行き、縁がないままです。
NHKの「世界街歩き」でルアンパバンの放送を見て、改めて穏やかで美しい街だと感じました。
やはり、夕陽を眺める観光客の様子がありました。
そして夕陽を見に来る外国人に話しかけて、英語を勉強している地元の勤勉な若者の姿。
それを見ながら、私はいつ行けるかなー?
・・・同じインドシナ半島の仏教国でありながら、仏像の色の嗜好がここまで違うのは、ラオスはタイやミャンマーに比べ、金色が大好きな華人の数が圧倒的に少ないからでしょうかねえ。
→なるほどーです。
ガラスのモザイク画の見事さ
寺院の屋根の曲線の優美さ
街並みの清潔さと穏やかさ
緑、自然の豊かさ
屋台料理のおいしそうなこと
お買い物も楽しそう
夜の寺院の厳かさ
ホテルも充実していそうですね。
ルアンパバンの良さを沢山見せて頂きました!(^^)!。
ノスタルジックなお気持ちになりながらの街歩きは、いいお時間でしたね。
翌日のツアーは、有名な滝ですよね?
次回もとっても楽しみです!!
町子
- エンリケさん からの返信 2015/01/25 23:50:12
- ラオス、久々に“当たり”の旅でした。
- 川岸 町子さん
こんばんは。いつもご訪問ありがとうございます。
町子さんもやはりラオスにご興味あるんですね。
ラオスにはタイからの観光客も多いようで、すっかり都市化されてしまったバンコクなど都市部の人々が、昔を懐かしがって訪れるのかなと思いました。
ラオスにはトヨタのハイラックスとかいい車も多いのですが、軽トラのようなトゥクトゥクもまだ多く残っていて、そういったものに乗るたびに、何とも言えない“旅してる感”に襲われましたね。
本当に“載せたい写真”や“書きたいこと”が多すぎて、なかなか先に進まなそうですが(笑)、この先もよかったら是非のぞいてみてください。
ラオス、ルアンパバンだけでなくほかの地方も含めて、久々の“当たり旅”でした。
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