2014/12/05 - 2014/12/08
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彷徨人MUさん
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1).旅の始めに
散る姿 競り合う銀杏 落葉かな
中国大陸の「北京」から「杭州」を結ぶ『京杭大運河』は、途中、「長江」と「黄河」を横断する、全長1,794㎞に及ぶ大運河である。2014年、第38回世界遺産委員会で「世界文化遺産」に認定されている。蘇州の街を流れる『京杭大運河』を、この旅では、「宝帯橋」から辿ることにした。
2).「宝帯橋」へ
「宝帯橋」は、漢の武帝時代(紀元前159年~同87年)からあったようだが、唐代の元和14年(819)に、現在の基になる橋の着工が始まっている。「宝帯橋」は、当時の蘇州刺史「王仲舒」が、地元の富豪に寄付をさせるため、率先して、自ら家宝?の「宝帯」を売り払い、橋を造る基金として寄付をしたことから名付けられたと、言われている。
その日、僕は、蘇州市内の「広済南路」で地下鉄2号線に乗り、終点の「宝帯橋南」へ出かけた。運河沿を歩いて行くと、鉄製の扉が置かれてあり、その先へ行くことが出来なかった。扉越しに、その先を眺めると、雑草の茂る上り坂になっており、水辺付近には、アーチらしきものが見えていた。嘗て、長い虹が横臥した様な姿だと言われた「宝帯橋」が、雑草に覆われ、そこに架かっていた。アーチを多くして、橋の傾斜を緩やかにしたため、人も荷馬車なども渡り易い橋であり、水が溢れても、アーチが水を速やかに排出する役目を果たし、当時としては、極めて先進的な橋であった。
3).「澹台湖」公園界隈
蘇州市の旧城内は、今も四方を、「外城濠」で取り囲まれている。その「東外城濠」を南に下っていくと、杭州から北上してきた「大運河」と、「宝帯橋」付近で合流する。南から北上してきた「京杭大運河」は、ここで、流れは、西に大きく曲がり、運河の幅が、広がる辺りは、嘗ては、「澹台湖」という湖があった処で、今もその界隈は、その名で呼ばれている。「澹台湖大橋」橋詰の「澹台湖公園」の前を流れる「京杭大運河」を行き交う船の多さから、大運河は、今も重要な物流ルートである事が分かる。
4).「寒山寺」へ
「大運河」は、蘇州市の中心市街地の南を、東から北西に向かって流れているが、幾つかの水路を介し、中心市街地と繋がっている。更に、運河沿いを歩いて行くと、「金門路」に架かる「何山橋」が見え、その背後に、森が広がり、木々の間から、塔や、伽藍の甍も見えていた。「寒山寺」がある「楓橋風景区」である。
楓橋を 仰ぎ見渡る 師走かな
「寒山寺」は、蘇州古城の西方の「楓橋鎮」にあり、古運河に沿って建てられている。そこは、嘗ては「封橋」と呼ばれる舟溜りであったが、後に、些か文学的な表現を感じさせる、「楓橋」と書かれるようになった。
嘗ては、寒山寺の門は、街道筋に面しており、東へ約5キロ行けば「蘇州城」の西の「しょう門(しょうは、門構えに昌))に、北へ向えば、「金陵(現在の南京)」に至り、南に下れば、「浙江」、「福建」に行くことが出来たのである。
5).旅の終わりに
「空海」さんは、805年5月から12月に掛けて、長安で、「真言密教」の灌頂を「恵果和尚」から得ている。20年を目途とする長期滞在留学僧にも拘らず、翌806年3月には、長安を出発し、帰国の途に着いている。その年の4月、現在の浙江省の「紹興」(当時の越州)に滞在、806年8月、「寧波」(当時の明州)を出港し、10月、九州の「大宰府」に到着している。従って帰国時の、806年の3月から4月に掛け、舟で下る途中、七堂伽藍が、ほぼ整いつつある「寒山寺」を、尋ねられておられるに違いない。
この地でも、空海さんの足取りを辿りながら、僕は歴史の面白さを、楽しんでいた。(完)
* Coordinator: H. Gu
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蘇州
ホテルから見た白壁に黒瓦の蘇州の街並み、遠くに【北寺塔】が見える -
蘇州
大運河地図 -
蘇州
胥門(掲示写真より) -
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胥門近くの復元した城壁 -
蘇州
胥門 -
蘇州
胥門近くの【伍子胥】像 -
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胥門近くの【西外城濠河】 -
蘇州
大運河【宝帯橋】の石碑 -
蘇州
大運河【宝帯橋】の碑 -
蘇州
大運河【宝帯橋】の入り口、現在は通行禁止になっている -
蘇州
【宝帯橋】付近の呉江古紆道(船を引く道)旧景(掲示写真より) -
蘇州
【宝帯橋】付近の大運河 -
蘇州
【宝帯橋】付近の大運河 -
蘇州
大運河【宝帯橋】付近 -
蘇州
大運河【宝帯橋】 -
蘇州
大運河【宝帯橋】 -
蘇州
大運河【澹台湖公園】とその周りの地図 -
蘇州
大運河【澹台湖公園】から大運河の中にある【澹台湖】を眺める -
蘇州
【澹台湖公園】から、大運河に架かる【澹台湖大橋】を眺める -
蘇州
大運河【澹台湖公園】から、大運河の対岸を眺める -
蘇州
大運河【澹台湖大橋】から、【澹台湖】方向を眺める -
蘇州
【運河公園】南の大運河に架かる【獅山橋】 -
蘇州
【運河公園】南の大運河に架かる【獅山橋】から北に向かう大運河 -
蘇州
【運河公園】南の大運河に架かる【獅山橋】から北に向かう大運河 -
蘇州
寒山寺を含む【楓橋景区】(掲示写真より) -
蘇州
【楓橋景区】寒山寺の正面 -
蘇州
寒山寺を含む【楓橋景区】の中を流れる楓江(掲示写真より) -
蘇州
楓橋と、その下を流れる楓江 -
蘇州
寒山寺を含む【楓橋景区】の中を流れる楓江に架かる【楓橋】、その背後には【鉄鈴関】 -
蘇州
寒山寺を含む【楓橋景区】の中を流れる楓江
「楓橋夜泊」の漢詩の作者である張継像 -
蘇州
楓橋景区
【楓橋】から眺める【楓江】 -
蘇州
楓橋景区
【楓橋】から眺める【楓江】 -
蘇州
寒山寺を含む【楓橋景区】の中を流れる楓江 -
蘇州
寒山寺を含む【楓橋景区】の中を流れる楓江 -
蘇州
寒山寺を含む【楓橋景区】の中を流れる楓江 -
蘇州
寒山寺を含む【楓橋景区】の内、江楓洲の北端に位置する、大運河の嘗ての渡【〇虹渡】(掲示写真より、大運河側から渡を見た景色) -
蘇州
寒山寺を含む【楓橋景区】の内、江楓洲の北端に位置する、大運河の嘗ての渡【〇虹渡】(江楓洲側から大運河を眺める) -
蘇州
寒山寺を含む【楓橋景区】の西を流れる大運河 -
蘇州
寒山寺を含む【楓橋景区】の西を流れる大運河 -
蘇州
寒山寺を含む【楓橋景区】の西を流れる大運河 -
蘇州
寒山寺を含む【楓橋景区】の西を流れる大運河 -
蘇州
寒山寺を含む【楓橋景区】の西を流れる大運河 -
蘇州
【楓橋景区】の南隣の地区の「大運河」に架かる【何山橋】 -
蘇州
【楓橋景区】の南の「大運河」に架かる【何山橋】の下を行く大型の貨物船、
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