2014/09/29 - 2014/10/01
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East of Edenさん
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プクタル・ゴンパからパドゥムに戻り、また長い道のりをレーまで戻る。
パドゥムからカルギルまで10時間プラスそしてレーまで6時間プラスの道のり、サンズカールとスルの絶景を見ながら、タクシーで一緒になった物理学者とチベット僧と、科学と宗教の話で盛り上がる。
レーでは前回の旅行で忘れられない思い出だったティクセ・ゴンパの朝のプージャに行った。静寂と音の洪水、光と陰、のコントラストがすばらしい。
今回の旅の課題、仏陀の悟りとはなんだったのか、の答えが出たような気がする。
物理学者とチベット僧と会って話しができたことで、今回のインド旅行、精神的にも充実したものになった。
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朝6時にパドゥムの街の中心に行き、カルギル行きのタクシーを探す。1台いたが予約でいっぱい。前日のタクシーの運転手は、人数が集まらないので、今日はカルギルには行かない、という。
他にも待っている人が2人いたので声をかける。
一人はフランスから来ている物理学者でレーに行くということ、もう一人は僧侶でこれからレーそしてダラムサラに行くという。
タクシーは運転手はカルギルまで13000ルピーだ、と言い張ったが、結局9000ルピーに負けさせて、3人で分ける。一人3000ルピー。
途中スル・バレーで一泊とも考えたが、どっちみち滞在時間は短いだろうし、タクシー見つけるのも大変なので、カルギルまで直接行くことに。 -
絶景を見ながら物理学者と僧侶と話が盛り上がる。
物理学者と僧侶に、自分が昨日プトゥカル・ゴンパから戻ってきたこと、ゴンパの学校で光の早さとビッグバンの話をしたことを話した。
すると。。。。物理学者は。。。。「ビッグバン理論はBS(牛の糞)だ。あれは、相対性理論と量子論の妥協の産物であり、ビッグバン理論を正しいというのは、信仰と同じである」と言う。。。。こんな人と会って話をしたかったのです。 -
「で、あんたはどっちが正しいと思う?」と物理学者に聞くと、「どっちも完全に説明できないのだから、どっちも完全ではない。」
では、いったい何が正しいという前提で考えればいいのかのか?
「GPSだって相対性理論を無視できないし、半導体だって量子論を無視できないよね?」と聞けば、物理学者は「ニュートン物理学が多くの点で正しいが、正しくない部分もある、それと同じだ」と言う。
まあそれはそうか。
「じゃあブラックホールはどうよ?」と聞くと、
物理学者は「ブラックホールは存在するとは限らない」。
そういやぁ、ホーキンズ博士がそんなことをおっしゃっていたか。
そこから彼はひも理論の話を始めるが、よくわからん。 -
物理学者の仕事は、粒子と粒子をぶつける実験をしているそうだ。粒子同士がぶつかる時にでるスペクトラムがなんたらかんたら。。。。と難しい話をしてくれた。CERNでやっているのとは違って、コンピューターで計算するそうな。計算に時間がかかるので、その間の時間で旅行に出るそうだ。
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「相対性理論や量子論を正しいとするのが信仰であるのであれば、いったい科学とは、何が正しいという前提で考えればいいのか?1+1=2が正しいということは前提にできないのか?」と言うと、物理学者は、「1や2の定義はひとつではない、従って1+1=2を定理とすることはできない」と。
カルギルからパドゥムに行くときに考えていたことも物理学者に聞いてみた。パドゥムへの道路が悪くてとても時間がかかるので、重力波を反射または屈折させて高速で動く乗り物ができないかと思っていたのだ。物理学者によれば、アインシュタインの仮説であるグラビトンは見つかっていないし、あるかどうかもわからないので、現実的な話ではないと。。。。 -
今度は僧侶と話をする。僧侶は、ザンスカールの村を回っていろんな人に前世の記憶についてインタビューをしてきて、それを元に本(英文)を書くそうだ。本のタイトルは、Searching for Answers。ある村に生まれた子供が隣の村の全くあったこともない人の記憶を共有しているという話し。自分も小さいころ同じ経験があったと言うことだ。
遠い村や外国の人の記憶を共有するケースは無いという。
うーん、どうなんだろう。お母さんか誰かに聞いた話を覚えていたとか? -
この辺りがPensi La 4400メートル もう4400メートルくらいでは平気。
オレは、仏教の教えにはだいたい合意するが、輪廻転生と地獄は納得できない。これが仏教を哲学ではなく宗教とする要素であると思っている。ただ、ダライラマが自分が最後のダライラマであり輪廻転生は無い、と言ったことは仏教を哲学に近づけたのではないか、と思っている。
この話を僧侶にすると、僧侶は「地獄の話しは、人に恐怖心を与え宗教に帰依させるための作り話であり、仏教では地獄を認めていない」と言う。
え〜そうだったかぁ?日本の仏教でも地獄絵図とかあったと思うんだが。
僧侶は、輪廻転生も仏教では認めていない、と言う。 -
物理学者は、「チベット仏教は輪廻転生を信じている、これまでのダライラマが輪廻転生により継承されてきたように、ただ、仏陀は輪廻転生ということは言っていない」と。
二人によれば、仏教をヒンズー教徒に広めるにあたって、輪廻転生を信じているヒンズー教徒に対して輪廻転生を否定しなかったため、輪廻転生が仏教に入ってきた」と。
そうだったのか。自分の知識の乏しさに愕然とする。 -
ラングダム・ゴンパを過ぎる。
すると今度は僧侶が、「さっきの話だけど、仏教はビッグバンを認めていない」という。
仏教はエネルギーは常に保存されると考えるため、無から巨大なエネルギーが発生することはありえないと考えるのだ、と。
エネルギー保存則か。
僧侶によると、チベット仏教では、みんな物理学を勉強するそうだ。アインシュタインが科学と共存できる唯一の宗教は仏教だと言ったと。
僧侶に「なぜチベット仏教では僧侶は結婚しないのか?結婚しなければ女性のことが分からないのではないか?そして子供が持たなければ子供のことが分からないのではないか?悟りを得たいのだったら、なるべく多くの経験をした方がいいのではないか?」と。
僧侶によれば、結婚や子供に費やす時間を研究に費やしたいのが理由である、という。まあこれは彼の意見なのだろう。 -
ラングダムで昼食
そして、悟りの話に。僧侶は「お寺だと悟りが得やすいが、お寺の外の生活では悟りが得られにくい」という。
えっ、そんなに簡単に悟りって得られるもの?
「では、悟りとは何なのか?悟りが全知全能を得ることであるならば、相対性理論と量子論の矛盾を解決できるはずだ」と二人に聞いてみる。
すると僧侶は、悟りとは理解するという意味に近い。一つのことを悟り、そして次のことを悟る、全知全能を得るわけではない」と言う。
物理学者はその悟りの定義には反対のようだ。「悟りとはただ理解するという意味ではないと思う。」と。 -
では、仏陀の悟りとはなんだったのか?全知全能を得たわけではないのか?ちょっとした疑問の答えが見つかっただけなのか?
ひょっとして。。。。悟りを得たというのは、自分の中の妥協ではないのか?これまで解決できなかった問題があった。ある時その問題が解決した、または、解決するような気がした。これでひょっとして他の問題も解決できるはずだという、単なる思い込み、他者への誇示、自己満足?
仏陀が悟りを得たのだったら、ニュートンも、アインシュタインも、それぞれの理論に限界はあるが、かなりの問題を解決することができたんだから、悟りを得たと言えるのでは?
物理学者は、15歳で禅宗に入り、自分は一休禅師の生まれ変わりであると(冗談ではあるが)。。。。
ますますおもしろいやつだ。後から聞いたが、ヒンズー教のGuruでもあるらしい。仏教だけでなく、他の宗教についてもやたら詳しい。 -
キリストは実在したかどうか怪しい、デミトリスという人がキリストのモデルではないか、とか、いう話で盛り上がる。
行きに見れなかったラングダムとパドゥムの間のきれいな山や氷河を見ながら、楽しい話が続く。
今回の旅のテーマ、仏陀の悟りとは何だったのだろうか?の結論がでたような気がする。
それは、仏陀は悟りによって全能全知を得たのではない、ということだ。そして、全知全能を得る悟りは存在しないこと。 -
スル・バレー サンク村
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カルギルに着いたのは夕方。
翌日のレー行きのタクシーを確保して、
物理学者が行きに泊まったParadise Guesthouseに泊まる。病院の隣でちょっと街はずれなので、静かであることを期待したが。。。。
とんでもなかった。夜遅くまでテレビの音がして、30分おきに犬が遠吠えして、一時間おきにトラックが轟音を建て、これが5時のアザーンまで続いたのだった。今回の旅行で一番寝られなかった。
翌朝タクシーがゲストハウスに迎えに来て、7時にカルギル出発。7時に出発したのには理由がある。物理学者が、カルギルは埃っぽくて息ができないのでなるべく早く出たいということ。
彼は非常に大気汚染に敏感であり、彼の住んでいるパリでは、車のほとんどがディーゼルエンジンでそれから出る排気ガスで、いつも口に金属の味がする、という。彼が言うには、環境汚染対策で出てきたクリーンディーゼルエンジンは、クリーンではない、といっていた。
ラマユールを過ぎて -
Moon Landを過ぎ
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Khalsiで休憩
トラックが灰色の排気ガスをもくもく出して通り過ぎる
なぜインドの車は灰色の排気ガスを出すのか?大昔の車でもないだろうに。
エンジンの技術が低いのだろうか?排気ガス対策を無視しているのだろう。そして政府は排気ガス規制をしていないんだろうな。
インドの空港に着いてすぐ感じることは、マサラの匂いに、コールタールと排気ガスの匂いが混ざっている。都市だけでなく、こんな田舎の町でもそう。もう既にかなりの健康被害が出ているはずだが。 -
お昼は、テイクアウト
チャパティーを新聞紙にくるみ
おかずのカレーは、そこいらにあった袋に入れてくれた
こんなものを食べているが、今回の旅行でも一度もお腹を下すことはなかった。 -
レーにつき、物理学者は王宮ビューにこだわり、Old Ladakhiゲストハウスに。オレは隣のTakゲストハウスに。僧侶はラマユールレストランの向かいのゲストハウスに。
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Takゲストハウスは、きれいなで明るい部屋 おばちゃんがとても親切な人で
お湯はバケツだったけど、ごみ捨てはしてなかったけど、あとは満足
普段は千いくらかだが、シーズンオフなので、安くしますよ、いくらがいい?と聞かれたので、じゃあ800ルピーくらい?と聞いたら、後から600ルピーでいいよ、って言ってくれた。言い値より安くしてくれるって、めずらしい。 -
王宮の丘に登り
レーの街を見る -
日が沈んで暗くなってきた
話しかけてきたデリーから来たインド人の3人組みが去った後は、静かだった。静かさを堪能した。夕方のアザーンまで。 -
僧侶と物理学者とは、オールド・フォート・ロードのラマユールレストランで待ち合わせ
ツクパを注文 -
ベジタリアン・モモも注文
ツクパもモモもまあおいしいけど、このレストランの食事は、地元の味ではなく、旅行者用の味付け -
翌朝、早起きして、物理学者とティクセ・ゴンパへ朝のプージャを見に行く。6時45分から始まるということで、6時にレーを出た。
ティクセまで往復タクシー600ルピー
僧侶は飛行機のチケットをとるために空港に行くことになり参加できず。
ティクセゴンパは9年ぶり レーに行くなら是非もう一度行ってみたかった所。 -
翌日、大法要があるため、曼荼羅を作っている。ほぼ完成。
法要が終わると、壊してしまう。もったいない。 -
ティクセの礼拝堂の中
9年前と変わったのは、ライトがハロゲンになったことか。
堂内が大分明るくなった。 -
礼拝堂の奥にある仏像
前来たときはここは暗くて写真がとれなかったが、今はライトが明るい。 -
礼拝堂の中から入り口を望む
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色彩豊か
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入り口の壁画
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地獄
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スノー・レパード 雪豹
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朝のプージャを知らせる
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きれいな壁画
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こんなお寺がもし京都にあったら、大人気になるだろう
このお寺は世界遺産になり、プージャは世界文化遺産になるだろう
まあ、そうならないところがこのお寺の魅力のひとつでもある。 -
入り口から礼拝堂内をみる
この古い感じがいい -
プージャが始まり、お坊さんたちがぞくぞくと入ってくる。
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子供たちがプージャを知らせる歌を歌う。
言葉はわからないが、趣のある歌だ。 -
入ってくるお坊さんは、手を合わせて
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臥して
これを繰り返す -
音が伝えられないが、お坊さんたちがお経を読み、時々太鼓や笛やシンバルがなる。
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太鼓をたたく
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笛を吹く
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全身に響く
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体をゆすって読経
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読経の間、ソルトティーを注ぐお坊さん
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ソルト・ティーをいただく。
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ソルト・ティーをちょっと残して、ツァンパを入れてもらい、練って食べる
プージャをみながら食べるツァンパ、最高 -
ねずみが何匹かいて、時々顔を出す
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1時間20分ほどちょっと座っていたが、まだ終わりそうにもないので、礼拝堂を出て、他の建物に。
ここはタラ(女の仏様)を集めた部屋 -
ここは古い礼拝堂
ここでも一人のお坊さんがプージャをしている。 -
ヤクと牛の絵
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古いタンカ
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骸骨
ちょっとお茶目なかんじ -
古い礼拝堂の仏像
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そして、ティクセ・ゴンパを代表する仏像
ティクセ・ゴンパまた来れてよかった。何度来てもすばらしい。 -
レーの街に戻り、りんごを買う。
天秤のおもりは石 -
メインバザールのJama Masjidの周りは、昔のレーがそのまま残っている。
いくつもパン屋さんがある。 -
このパン屋さんでパンを買う。
粉は大麦粉ではなく小麦粉
薄すぎず、分厚すぎず、エジプトのパンに似ている -
夕方に王宮に向かう
王宮のゴンパ -
日が暮れて
明日は早朝デリに
ラマユールレストランで、僧侶と物理学者と食事をして、再会を誓って別れる。 -
レー空港で、プトゥカル・ゴンパで会った、ドイツ人とイタリア人の新婚さんと会う。同じ便だった。
飛行機でデリに向かう。
ザンスカールの山が見える
今度来るころは大分変わってしまうんだろう。
デリからは午後の便でバラナシに向かう。
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