2014/08/10 - 2014/08/17
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anemoneさん
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2014年8月10日から17日の間に「キルギス共和国」というところに行ってきました。
「というところ」とつけてしまうのは、やはりこの国の名前が日本ではさほど有名ではないという理由による。
「8月に1週間ほど休みをとって(うちの会社には夏休みがない)旅行にいってきます」
「どこへ行くの?」
「キルギスです」
「え?どこ、それ?」
キルギスに行く、と決めてから何度も繰り返された会話です。
まあ、そもそもわたしも去年の秋までは「どこそれ、国?」と言っていたのだけれど。
キルギス共和国は旧ソ連領で、かつては「キルギスタン」でした。
「キルギスタン」は今も別称として、国に公式に認められているそうです。
だから「正式国名キルギス共和国・別名キルギスタン」というわけ。
地理を説明するならば、北から時計回りに、カザフスタン、中国、タジキスタン、ウズベキスタンに隣接している国、というのが一般的。
そんなふうに説明すると、今度は
「治安は大丈夫なの?」
ときかれました。
それというのも、あのあたりは治安があまりよくなさそうだという一般観念と合わせて、検索サイトで「キルギス」と入力するといちばん最初にヒットするのが「誘拐婚」という言葉だからです。正直言って最初はわたしも「大丈夫か?」と思った。
これは、年齢的にはわたしたちのおばあちゃん世代くらいまでが実際にした結婚の方法。ようするに、気に入った娘をさらって自分の家に連れて行き、ときには親戚ぐるみで家に閉じ込めて帰れないようにして無理やり結婚する、というやり方です。
イスラム教では純潔でないと結婚できないそうなので、たとえ既成事実がなくても、こんなふうに男の家にとじこめられたらもうほかに嫁の貰い手がない、ということになるのらしい。
現地に住む友人「Mぽん」の話だと、現在はほぼこの風習はないそうです。
時折、この風習を模した「なんちゃって誘拐婚」のようなことを儀式的にすることはあるみたいだけど。
「Mぽん」は現地の某ボランティア団体で活躍する女の子です。
わたしの友人「サイちゃん」が、任地キルギスで働く彼女に会いに行く、と言ったのがそもそものはじまりでした。
じつは「サイちゃん」とわたしは趣味を通じて去年の冬に知り合ったばかり。その後「サイちゃん」の親友の「Kちゃん」も旅行に加わることになり、さらに、現地ではMぽんと同じボランティア団体で働く友人とその友人・計3名と合流して2泊3日をすごすことになったり。
ほぼほぼ「知人レベル」の7人が「キルギス」という未開の地(少なくともわたしにとっては)を旅する、というかつてない(わたし史上)旅行がはじまったのです。
なにもかもわかり合ってる親友同士、というわけではないので逆にお互いを思いやることができた旅行だったんじゃないかな、と今は思います。
わたしは「人を思いやる」ということをしようとするといろいろ裏目に出て失敗するタイプなので(汗)どこかで誰かを無意味に不快な気持ちにさせたりしたかもしれないけれど、、、それでもなお、楽しく、有意義な旅行にしてくれた今回の仲間に心から感謝しています。
彼らに感謝の意を表しつつ、ここに1週間の旅行記を書きたいと思います。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 交通手段
- タクシー
- 航空会社
- アエロフロート・ロシア航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
- 利用旅行会社
- JTB
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-
2014年8月10日
関西地方で猛威をふるった台風11号の影響で出国が危ぶまれるかと思ったけれど、台風は予想に反して関東地方をかすめる程度で日本海へと抜けていきました。
午前中の成田空港の天候は晴れときどき曇り、気温28度。
日本からの旅の仲間はサイちゃん、Kちゃん、わたしの3名。
予定通り正午ごろに日本を出発しました。
キルギスの首都ビシュケクまでの飛行ルートは成田〜モスクワ(9時間)〜ビシュケク(4時間)。
モスクワで5時間(!)の乗継時間を経て、ビシュケクのマナス空港へ到着したのは翌11日の朝でした。 -
2014年8月11日
空港内は写真撮影禁止でした。まだ夜が明けたばかりで、少し肌寒かったです。タラップを降りて、歩いて入国審査場へ。カウンターはふたつありました。
小さな子どもを連れた家族連れが、係員によって優先的に審査を通ります。そのせいで家族連れでない人々はどんどん後ろへ追いやられる。まあ、いいけど。なんだか不思議な対応だなと思う。
ちょっともたもたしたけど、無事、入国。預け荷物を取りに行く。
Mぽんからの大量のたのまれものでスーツケースひとつと段ボール箱をひとつ預けていましたが無事2個ともゲット。中には日本食がどっさりと日本の化粧品など・・・とくに日焼け止めを大量購入。よっぽど日に焼けるのだな、と思ったのでわたしたちもそれぞれ強力なやつを持参しました。
段ボールはちょっと壊れて、スーツケースの取っ手がひとつ、なくなっていましたが、中身は無事な様子。まあ、よかった。紛失しなかったのがせめてもの救いです。
迎えに来てくれたのはMぽんとその元ホストファミリーの男の子でした。英語がぺらぺら。優秀なんだろうなー。でも車はかなりボロボロで、直前に窓が壊れたりしたらしい。彼みずからなおしたそうですが。でもこんな朝早くに迎えに来てくれて、なにはともあれ感謝です。
Mぽんの住む町まではビシュケクから車で約4時間。この彼にはバスターミナルまで送ってもらい、そこからタクシーに乗り換えるとのこと。
あとできいた話ですが、この国で「タクシー」と呼ばれているものはほとんどが一般車なのだそうです。首都ビシュケクにはメーターのタクシーもあるけれど、長距離の場合は乗合バスか一般タクシー。一般のタクシーは距離によって値段の相場があって、基本的にはドライバーと交渉して値段を決め、目的地まで連れて行ってもらう、という仕組みになっているとのこと。
危なくないのか?と思ったけど、実際のところ、それしか移動手段がないのであればそうするしかないわけです。それにちゃんとしたタクシー会社が安全かというと長距離の場合はそういうわけでもないのらしい。
いわば白タク天国。
この国では「タクシードライバー」という職業は、イコールもれなく自営業。それだけが職ならば、無職、とも言えなくもないかも。もしくはフリーターか。
というわけで、ビシュケクのバスターミナルでタクシーをつかまえます。交渉はもちろんMぽん。つかまえた車はホンダのステップワゴンでした。子供ひとりを含む総勢7名の乗合客とわたしたちの荷物で車は文字通りいっぱいになりました。 -
見渡す限りなにもない草原をひたすら走る。道はわりとよくて、わたしたちの目的地イシク・クル湖まではこの舗装された道をひたすらまっすぐ約4時間。
真夜中に飛行機に乗って明け方に着いたので寝不足で、となりのおばちゃんにときどきよっかかりながら睡眠をむさぼりました。
途中、チョルポン・アタという町でUSドルを現地通貨のソム(COM)に両替。今はだいたい1USドルが100円で、10ソム=約20円という計算になります。ひとりあたり350USドルくらいを目安に両替をしました。 -
途中の休憩所にて。ちょっとしたコンビニのような店が2,3軒あるエリアです。
基本的に、景色は見渡す限り赤茶けた平原でほんとになにもないので、こういう店が2,3軒あるだけでもちょっとほっとする。
おばちゃんが大きななべでトウモロコシをゆでていて、おいしそうだったので4人で2本購入。たぶん、ふつうにゆでて塩をふっただけなのでしょうが、めちゃめちゃ甘くておいしかったです。 -
車を走らせること約4時間。Mぽんの住む町?村?に到着です。
交渉した金額はひとりあたり350ソム(約700円)。4時間で2,800円。
こちらではガソリンスタンドに入った時などにささっと金額を渡すのがふつうらしいです。
Mぽんは【中央アジアの真珠】と呼ばれる美しい湖のほとりに住んでいます。
景色はどこまでものどか。
ただし天気が良すぎて、日差しが強い。さっそく日焼け止めを塗ります。
でも空気はからっとかわいて気持ちが良い。
Mぽんの家の庭先ではフルーツや野菜を売っていました。現地の物価からすると、こここのお店はちょっとだけ高いらしい。 -
Mぽんの家からイシク・クル湖までは徒歩で行けます。
ここはとあるリゾートホテルのプライベートビーチ。
ほんとはひとり50ソム払うのらしいけれど、このホテルに知人がいるMぽんが
「50ソム払え、って言われたことないから」
と言うので顔パス?で入場。なぜかわたしたちもタダで入れてもらう。
ビーチにはパラソルがいくつか立っていて、そのうちのいくつかは有料らしい。でもぱっと見、どれが無料でどれが有料なのかはぜんぜんわかりません。最初に陣取ったところは有料だったようで、少年がお金を取りに来ました。ちょっと移動してちがうパラソルの下へ行くと、だれも来ない。無料らしい。(笑)
だれもお金を取りに来ないのでありがたくつかわせてもらいました。 -
イシク・クル湖はなんと日本の琵琶湖の約9倍の大きさです。とにかく広い。地図で見ても広いけど、実際に見ても広い。目隠ししてつれてこられたら絶対に海だと思ってしまいます。
ここへ流れてくる川はあるのだけれど、出ていく川はないのだそう。それでも水の量は変わらない、という不思議な湖です。晴れていれば対岸の山々がきれいに見えるのだけど、この日はあいにく薄雲がかかっていました。
晴れていてあたたかいのですが、水が冷たい・・・
Kちゃんは手足が真っ白になってしまい、早々に撤退。やせているからか?
(余談ですが、しばらく自分自身の写真を見ていなかったのでこのときの自分の水着姿にかなりの衝撃を受けたわたし。帰国したらダイエットしよう、と固く心に誓ったのでした・・・)
水はちょっとだけしょっぱかったです。
Mぽん、サイちゃん、Kちゃんはパラソルの下でお昼寝。わたしは何度か湖とパラソルの下を行ったり来たり。ひさしぶりにきれいな水で思い切り泳げて気持ちよかったです。 -
ビーチでは日本にもよく売っているトルネードポテトみたいなのが売ってました。1本40ソム(約80円)。くるくるとまわしてスライスする機械にじゃがいもを入れて串にさし、すすすーっとのばしてこの状態に。そして油の入ったフライヤーに浮かべてあげたてを出してくれます。
モスクワの空港でも思ったのだけれど、このあたりの人々(旧ソ連のひとたち?)は、一度に2つ以上の動作をすることがむずかしいようです。なにかほかの仕事をやっていると、呼んでもこちらを向いてくれない。
このときも、何個かじゃがいもをスライスして置いとけばいいんじゃないかとか、2本同時にあげちゃえばいいんじゃないかとか、いろいろ思うがじっと待つ。なにしろよその国に来てるんだし、よその国にはその国の文化や習慣というものがあるのだ、とがまん。指摘できる語学力もないけど。
でも、揚げたてのかりっとしたトルネードポテトはとてもおいしかった。1本目と2本目のかりかり具合がすこしちがいましたが、ま、そこはいいとして。カウンターにはフレーバーがいくつかあって、好きなのをかけてくれます。
前に並んでたおじさんたちがこれでもか!と言うほどかけていってしまったおかげで塩が品切れになってしまったので、うしろに並んでた英語を話せるおねえさんにおしえてもらったオニオン&チーズをかけてもらいました。塩気がちょうどよいのが◎ -
午後3時くらいまで海辺でのんびり。
おなかがすいたので、おそい昼食をとりました。
これはキルギスビール「アルパ」。
ちょっとだけハーブのような、フルーティーな味と香りがします。女の子がビールを飲むときはストローがついてくるそうです。当然はずして飲んだけど。泡がないのはこのビールの特性なのか、それともわざと泡を出さずに注いでいるのかは不明。あとで別のレストランでビールを飲んだ時も、あまり泡立ってなかった。なんででしょう。 -
ロシア料理のスープ、サリャンカです。
ズッキーニ、かぼちゃ、たまねぎ、じゃがいもなどを細かく切って、トマトベースのスープで煮込んだもの。味の決め手はレモンスライスとディルという香草です。松の葉に似た細い茎のような葉っぱで、独特の味と香りがします。
キルギスは旧ソ連なので、ロシア料理がいろんなところで食べられます。ロシア料理にはこのディルが欠かせないのだそう。苦手な人はほとんどの料理が口にできないかも、というくらいよく入っています。タイ料理で言うパクチーみたいなものかな。
幸いわたしは香草はほぼ食べられる、というかむしろ好きなので、すぐ好きになりました。 -
こちらはキルギス料理。名前は忘れちゃったけど、羊のリブを焼いたものです。それほど油っぽくもなかったし、わたしは結構おいしかったけど、羊が苦手な人はやっぱり うっ と来るのらしい。
これはほとんど感じなかったけど、家庭で作るキルギス料理はかなりの油を使うのだそうです。
「え?え?そ、そんなに入れるの?え?まだ入れる?」
というくらい入れるらしい。
幸か不幸か、今回はそういう料理には当たりませんでした。
どれだけのものなのか、ちょっとためしてみたい気がしないでもない。 -
ついでなのでもう一品。角切りのハム、ツナ、オリーブ、パプリカのサラダです。
この手のサラダがキルギスで食べられるとは思っていなかったのでうれしい誤算。夏の間は野菜が豊富だそうで、トマトやキュウリもとてもみずみずしくておいしいです。ドレッシングの味はシンプルに塩・オリーブオイル・酢、でしょうか。どことなくフレンチドレッシング的な味がする。
そういえば、あとになって
「そんなにバシャバシャ食べ物の写真を撮るのは日本人くらいだ」
と同行した人に言われた。たしかに、外国人がアングル気にして食事撮ってるのをあんまり見たことないかも。
日本にいるときは、たまにフェイ○ブッ○とかでファミレスのランチをアップして載せてる人なんかを見ると「このひと普段何食べて生きてるんだろ」と思うことはあるけど、外国に旅行に来たらなにを食べたのか記録しておきたくなるのって日本人特有の感情なのかな。めずらしいもの多いし、食って旅する上で重要なのに。
それとも日本人はほかの人種にくらべて食べ物にとくべつな執着があるのだろうか。
でもまあ、かっこわるくても(かっこわるいんだろうな・・・)ついつい料理を写真におさめたくなるのが日本人ってものよね、うん、いいじゃん、とひらきなおってみる。
ここでの食事はビールも含めて全部で1182ソム。4人で食べて飲んで2000円ちょっとだから日本人の感覚だと安い。こっちのひとの感覚だと高いんでしょう。なにせリゾートホテルのレストランだし。おいしかったし、なんとなく味も上品だった。 -
さて、食事の後はMぽんの家へ戻ります。
日本との時差は−4時間なのでさほど苦にはならないはずなのですが、モスクワで5時間の乗継があったりしたのでみんなけっこう疲れており、夕食も食べずに就寝。写真はMぽんの寝室にあったお面?です。このヒトに見守られながら、広いベッドに川の字になっておやすみなさい。(わたしだけソファをつかわせてもらった)
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