2014/08/18 - 2014/08/18
197位(同エリア1010件中)
紅映さん
千歳市南西部の支笏湖に源を発し東に流れる千歳川は、千歳の市街地で北に向きを変え、江別市の王子特殊紙江別工場横で石狩川に合流しています。
千歳市民の飲料水となっている支流ナイベツ川(内別川)の水は、日本の名水百選に選ばれています。
支笏湖から流れ出る地点には、現在は廃線となっている王子軽便鉄道の鉄橋(通称:山線鉄橋)が歩道橋として架かっています。
上流部の谷は深く、平地部までの間に王子製紙が4つの水力発電所を置いていて、見学できる施設もあります。
そして千歳川は、秋にはサケが遡上する川として知られており、「千歳サケのふるさと館」横ではインディアン水車を使用してのサケ漁が行われ、秋の風物詩となっています。
そんな千歳川の、平地部となって市街地まで流れていくまでの流域を訪ねました。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- 家族旅行
- 交通手段
- レンタカー 自家用車
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ここでご紹介するのは、JR千歳駅から、ほんの半日で回ってこられるコースです。
この日は駅のそばでランチを戴いてから、ぶらりと行ってみました。千歳駅(北海道) 駅
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千歳川は、支笏湖のこの赤い橋のところから流れ出しています。
(参考写真の撮影日:2011.10.13)山線鉄橋 名所・史跡
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千歳第一発電所のある水明郷は桜の木々が調整池の周りに植えられていて、春には桜を見に来る人たちがいます。
見学は、その桜の木のある所に車を止めて、この門から入ります。
特に係りの人も誰もいません。王子製紙千歳川第一発電所 名所・史跡
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眼下に発電所を見渡す場所までは開放されていて、入ることが出来ます。
(参考写真撮影日:2011.8.22) -
千歳川やや上流の平地部になった辺りに「さけの里ふれあい広場」があります。
(参考写真の撮影日:2013.10.15)
さけますふ化場では多くの場合、防疫上の問題などから一般の見学は出来ませんが、水研センターでは、サケを放流している現場を見学したいという要望に応えて、さけますふ化放流に関する展示施設「さけの里ふれあい広場」を設けています。
展示館と体験館を見学することが出来ます。
体験館の外観は1888(M21)年設立当時の千歳中央ふ化場を再現したもので、建物の容姿から時代の移り変わりが偲ばれます。
ふ化放流事業のあゆみ、さけます類の種類・分布などをパネルや模型などでわかりやすく解説しています。
また、実物大のサケの模型で実際の重さや質感を体験できます。千歳さけますの森 さけます情報館 美術館・博物館
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鮭鱒人工孵化発祥記念碑(昭和18年12月)
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展示館は独立行政法人 さけ・ます資源管理センター千歳支所内にあります。
千歳支所は1888年(明治21年)の開設以来100有余年の永い歴史を持つ国内最大級の事業規模を誇るふ化放流施設です。
約33万m2の広大な敷地の中にあるふ化施設は、豊富な湧水と千歳川の水を利用し、主に北海道日本海中部地区におけるサケ(シロザケ)資源の増殖事業をはじめ、サクラマス、ベニサケの高品質資源造成事業などの重要な役割を担うとともに、さけ・ます類のふ化放流に関する調査研究、技術開発のほか、講習及び指導など様々な業務を実施しています。 -
大型水槽のサケの幼魚。(2014.8)
稚魚がいるシーズンだと体験館の稚魚池でエサやり体験ができるそうです。 -
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大型水槽の幼魚は、秋にはだいぶ大きくなっています。
(2013.10) -
大型水槽のベニザケ成魚
7tの大型水槽では,季節によってサケやベニザケ,サクラマスの親魚などを観察することができます。
(2013.10.15) -
体験館の映像システムではふ化放流事業の仕組みを知ることができます。
また顕微鏡などで、サケ卵の発生過程やウロコによる年齢の判読、幼稚魚が河川や沿岸域で食べている餌生物などを見ることができます。 -
体験館のミニサイズ稚魚池ではサケの卵が孵化を待っています。
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此方で使用しているふ化槽について説明がされています。
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体験館の自然産卵水槽では、サケの産卵行動を観察することが出来ます。
(2013.10.15) -
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幼魚を実際にすくって体感したりできるようになっています。
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「さけの里ふるさと広場」の見学
午前10時から午後4時まで
無料
休館:毎週月曜日と年末年始(12月27日から1月5日まで)
所在地:北海道千歳市蘭越9番
千歳の観光 http://www.welcome-to-chitose.jp/category/detail.php?item=82
公式HP「さけの里ふれあい広場」
http://salmon.fra.affrc.go.jp/youran/fureai/fureaihiroba.htm -
さけの里を見学した後は、すぐ下流の「ウサクマイ遺跡群」に寄りました。
立派な看板があるにもかかわらず、立ち寄る人は殆どいません。
「ウサクマイ遺跡群の森自然観察教育林」
道道支笏湖公園線の国有林に位置するミズナラ・センノキなどの大径木の天然林およびトドマツ・アカエゾマツなどの人工林が交わる丘陵地で、すぐ近くに鮭の遡上する川として有名な千歳川があります。
この区域の一部に縄文時代初期からアイヌ文化にいたる先住民の集落跡があり、昭和54年に史跡名勝天然物として指定され、散策等で古き時代を感じることができます。
この遺跡(およそ146ヘクタールの地域=「ウサクマイC遺跡」と20か所の遺跡)には、擦文時代の集落跡とみられる窪み75か所が点在するほか、縄文時代末期に作られたとされる男性土偶、8世紀ごろオホーツク海沿岸地域で栄えたオホーツク文化式の土器、擦文土器、さらに本州より渡来した皇朝十二銭の一つでもある貨幣「富壽神寳」などが出土しているといいます。
地名の「ウサクマイ」は、アイヌ語の「オ・サク・オマ・イ」(川下に物干し場がある)に由来。 この場合の「物干し場」とは乾し魚を作るための施設であり、サケなどの水産資源に恵まれ、集落を営みやすかったことが伺えます。
囲いもなく自由に入れますが、あまり訪れる人がいないようで、草が生い茂っています。
千歳市蘭越
自動車:札幌から約1時間15分、国道36号線から(錦町3交差点を右へ)道道支笏湖線公園線へ入る。★石狩森林管理署 TEL: 050-3160-5710
http://www.rinya.maff.go.jp/hokkaido/policy/system/rekumori/sizenkansatu/usakumai_isekigunnomori/index.html -
看板があって、見学コースが整備されているのは、遺跡群の中の「C遺跡」と呼ばれる場所です。
入口と言う札があり、中には一応「順路」を示した看板がありますが、訪れる人もまばらなので、夏ともなると、ともすると草で隠れて見えないほどです。 -
1100〜1300年前(擦文時代)のようす(想像図)
千歳市の「ウサクマイ遺跡群」の記述から引用させて頂きました。 -
C遺跡は、千歳川と道路とが交差した橋の脇にあります。
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ウサクマイ遺跡群の遺跡分布図と史跡範囲
千歳市の「ウサクマイ遺跡群」の記述から引用させて頂きました。 -
ちょっと凹んだところが住居跡だそうで、こうした窪地が75か所あるそうです。
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真夏には、うっそうと茂って、ことさら人を寄せ付けない感があります。
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ウサクマイC遺跡には見学コースが整備されており、擦文時代の竪穴住居跡のくぼみを見ることができます。見学コース入口に説明版が設置されています。
千歳市の「ウサクマイ遺跡群」の記述から引用させて頂きました。 -
遺跡群を散策して、更に来た道を少し戻ると、千歳川と道路との間に、最近出来たらしい農苑があるので入ってみました。
確か、昨年の秋にはまだ完成していなかった気がします。 -
可愛らしい自転車が置いてあったりと、アンティークな雰囲気が素敵です。
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MEON農苑・ロングパリッシュ
カフェや英国のアンティークや、フランスの生活雑貨を扱うショップです。
http://www10.ocn.ne.jp/~lp4/index.html -
カフェでお茶を戴きながら、広々とした庭を眺められるようになっています。
庭には水路のような池のような流れがあります。 -
お庭には可憐な草花が咲き乱れています。
庭を一周して、雑貨屋さんで、あれこれと見て楽しんできました。
ちょっとお高かったですが、素敵なアンティークなデスクがありました。 -
さらに戻って支笏湖通(道道16号線)に出ると、道路の反対側に「名水ふれあい公園」があります。
ここは、市民の水道水に利用されているナイベツ川湧水が「名水百選」に選ばれたことを記念して、浄水場の敷地内に整備された公園で、ナイベツ川は千歳川の支流になります。
ナイベツ川湧水の噴出口が再現されているほか、内別川沿いの散策路などが整備されており、自然と触れ合うことができます。
噴き出し口の水を飲むこともでき、近隣の人々は大きなタンクを持って水を汲みにやって来ます。
ここはまた、サケの産卵場所でもあり、研究利用されています。
サケやマスは、北海道内水面漁業規則により、通年、河川での捕獲が禁止されています。
公園内の立ち入りは自由ですが冬期(11月中旬〜4月下旬)は閉鎖されます。
隣接する浄水場の管理棟には、村民総出で整備した着陸場(現新千歳空港)に、最初に着陸した「北海」第一号機の原寸大模型が展示されています。
千歳の観光 http://www.welcome-to-chitose.jp/category/detail.php?item=11名水ふれあい公園 公園・植物園
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川辺には木道や飛び石が設置されていて、浅瀬なので子どもたちは川に入って遊びますが、水の冷たさにびっくりしています。
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子どもたちは、裸足になって遊びました。
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川に遡上してきたサクラマス
(2013.10.15) -
秋ともなると、遡上してきたサケが産卵を終えてホッチャレとなっている姿を見かけます。
(2013.10.15) -
千歳市の観光のメインのひとつは「千歳サケのふるさと館」
サケの還る清流に隣接した道の駅で、清流と緑のなかでゆったりと寛げます。
・・・只今リニューアル中です・・・サケのふるさと千歳水族館 動物園・水族館
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「サーモンパーク千歳」は、平成26年4月から平成27年7月(予定)までリニューアルの為休止しています。
「千歳サケのふるさと館」は平成26年11月末まで開館し、12月からは休止。
平成27年8月に道の駅とともにリニューアルオープンの予定です。 -
サケのふるさと館裏手の千歳川にかかる橋から、インディアン水車とサケの遡上を見ることが出来ます。
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インディアン水車は千歳の秋の風物詩です。
2014年は、ふ化事業の親魚となるインディアン水車によるシロザケの捕獲が8月21日から始まりました。
初日は雌29匹、雄46匹で、例年並みでまずまずのスタートだそうです。
水車(捕獲車)は、7月20日にを設置しましたが、8月20日までは野生魚保全対策期間となるため、捕獲した親魚は上流に放流するのだそうです。
今季の捕獲は12月中旬まで行われる予定です。 -
毎年、8月の捕獲期になると、かっぱに長靴姿の職員数人が、水温19度ほどのいけすのサケをたも網ですくい上げていきます。
デッキの上をバタバタと跳ね回る、黄色や赤色がかったブナ(婚姻色)が混じる親魚を雌雄に手際よく選別してトラックに積み込みます。
(この写真の撮影日:2012.10.5) -
こうして捕獲した親魚をそばで待機しているトラックに積んで、先ほど訪れた「さけ・ますふ化場」へと運んでいきます。
今年もまた、千歳川の恵みとともに、この千歳の地に人々が暮らし始めた太古の昔へ思いを馳せながら、逞しく果敢なサケの遡上を眺めに行きたいものです。
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この旅行記へのコメント (2)
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- はなかみno王子さん 2014/09/04 22:18:54
- 水研センター
- べにーさま
おうじも支笏湖大好きです。
千歳から支笏湖に向かう途中、国道を右にそれるとちょっとしたダート道。
川沿いなので小さな橋を渡るんですね。
そこはサケマス孵化場。
もう何度も立ち寄るほど素敵なところです。
紹介いただいてありがとうございます。
おうじ
- 紅映さん からの返信 2014/09/05 10:02:20
- RE: 水研センター
- 王子さま、こんにちは〜♪
ふ化場ご存じとは、さすがですね。
私も幾度となく訪ねています。見学者がいないのがもったいないと思いつつ。
それでも、地元の学校では社会科(?)の勉強で利用しているみたいです。
ご丁寧にメッセージありがとうございました。
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