2014/09/01 - 2014/09/01
28位(同エリア115件中)
はくさんちどりさん
- はくさんちどりさんTOP
- 旅行記165冊
- クチコミ120件
- Q&A回答0件
- 187,315アクセス
- フォロワー72人
毎年やってくる9月1日の防災の日、各地で偉い先生を呼んでの講演会や自治会等の防災訓練などが行われます。やらないよりはやった方が良いという意見もあるでしょう。しかし、・・・先日も広島市内で土石流災害で多くの尊い人命が失われました。その中に将来ある若い人たちが多数含まれているのは、ほんとうに痛ましいことです。
繰り返す自然災害による犠牲者の発生、我が国の防災対策における基本理念に何か欠けていることがあるのではないでしょうか?たかだか1000年、2000年のわかっている史実に基づいて、防災対策の対象とするナチュラル・ハザードの規模を設定すること自体に問題があるような気がしています。
東日本大震災も発生からすでに3年半近く経ちました。発生の直前に行ったことのある女川町は、女川湾を襲った大津波で中心地が壊滅的打撃を受けました。幸い東北電力の女川原発は、辛うじて被災を免れ、福島第一原発のようなことにはなりませんでしたが、社会インフラのほとんどが失われたために、復旧・復興は困難を極めているようです。
そんな時、マリンパル女川の名誉館長でもある中村雅俊さん出演のテレ部番組を見て、現状の女川町を実際に自分の目で確かめたくなり、妻を連れてアッシーのライフで行ってきました。以前休憩した崎山展望公園は、地割れがあり、立ち入り禁止になっていました。
町内の至る所で復興のための工事が行われていますが、生活空間を感じることのない無機的な空間という印象を受け、いまだにインフラ整備で手いっぱいのようです。町民の皆さん方に、大震災前の日常生活と笑顔が戻ることを祈りつつも、それが並大抵のことではないと思い知らされました。
多くの傷跡が生々しく残る風景の中、昼食の場所を探して入り込んだ小型漁船物揚場の護岸から眺めた海の水の透明感が、自然の摂理の無情さを語っているように思えました。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
国道398号沿いに、女川町の『復興まちづくり情報交流館』があります。
先日小泉進次郎政務官が来館して、町民と懇談したそうです。 -
交流館に入るためには、国道から直接ではなく、こちらの道路からになります。
-
入口の案内です。
-
交流館の全景。
写真右に、トイレも見えています。 -
施設の前に広めの駐車場があります。
-
交流館内は、一応2つのゾーンに分けられていますが、中でお互いに行き来できるようなっています。
-
事業・工事紹介ゾーンの掲示物の一例。
これは被災前の離島航路桟橋付近の風景です。 -
そして、大震災と巨大津波の襲来。
ちなみに、女川町における国調人口(2010年)に対する死者・行方不明者の総数871名(2014年3月末)は8.67%に相当し、岩手・宮城・福島3県沿岸市町村でダントツに高い比率です。
悲しいことに、おおざっぱにいうと、10人に1人が犠牲になっていることになります。 -
女川町の復興まちづくりプランです。
-
プランの中心部を拡大してみました。
住宅地は高台に移転しますが、岩盤が古期岩類のため、造成に難儀することが考えられます。 -
一級河川女川の河口付近です。
護岸や堤防の嵩上・強化が実施されるようです。
写真左に魚市場が見えています。
魚市場だけは、山の上に移転することはできません。 -
女川の上流方向。
堤防の嵩上が左岸(写真向かって右側)で進んでいました。 -
マリンパルや桟橋があった方面の現状。
復旧工事の真っ最中。 -
堀切山にある女川地域医療センター。
-
再建中の女川駅方面の様子。
-
プランで宮ケ崎地区となっていた住宅団地予定地のの現状。工事用道路の準備中のようです。
-
交流館の受付嬢が教えてくれたとおり、崎山展望公園は立ち入り禁止。
地割れがあり、危険とのこと。 -
中はだいぶ荒れ果てているようです。
-
遠くに見えるのは江ノ島方面。
-
崎山展望公園で折り返して戻る途中、坂道から海側に入る舗装道路があり、とっさに判断して入ると、そこには小型漁船の船溜まりがありました。
そこから崎山展望公園があるあたりを眺めたものです。 -
女川湾口方面。
-
女川湾の湾口南側全景。
湾口防波堤が工事中です。 -
拡大すると、クレーン船が動いています。
-
こちらは採石場のようです。
-
湾の内部にさらに目を移すと、牡鹿半島の先端へ続くコバルトラインらしき道路ののり面が見えます。
手前の岸壁では、お昼休みに釣りをしている人たちがいました。 -
女川湾の湾奥方面全景。
中央付近から右側にかけて、にぎわった町がかつてありました。 -
奥に見えるのは復興住宅のようです。
高台になっています。 -
地域医療センターですね。
女川の海近くにいると、どこからも目立って見えます。 -
女川魚市場です。
これからの季節、魚市場はさんまの水揚げで賑わうはずです。
なにせ、女川は日本でも有数のサンマ水揚げ量を誇ります。 -
宮ケ崎地区の造成予定地の現状。
-
この日の澄んだ海水。
穏やかな海です。 -
上空をヘリコプターが飛んでいました。
オニヤンマではありません。 -
コバルトラインののり面が気になり、行ってみることにしました。
-
旧市街地を通ると、横倒しになった江ノ島共済会館のビルがそのままになっており、ただ通り過ぎるわけにはいかなくなりました。
-
アングルを替えると、ビルの屋上側が見え、左側には避難階段がついています。
-
近くの空地に行くと、現在裁判中になっている七十七銀行女川支店の犠牲者慰霊碑がありました。
-
逃げるべきか、逃げざるべきか・・・それが問題だ!
支店の責任者も同じ心境だったと思います。
結果からだと、判断は間違っていたということになりますが、難しい問題ですね。 -
被災前の付近の街並みです。
-
それが、大津波でこうなってしまいました。
現在残っているのは、江ノ島共済会館だけです。 -
このような慰霊碑もありました。
お茶やタバコが好きな方だったのでしょう。 -
すぐ近くの高台に地域医療センターがあり、工事関係者などがいざという時にすぐ避難できるよう、階段も設置されています。
-
銀行跡地を後に、コバルトラインに入り、旧道を利用した駐車スペースにライフを停めて、例ののり面を見下ろすと・・・、何となんと、鹿が群れていました。
全部牡鹿?そんなことはないと思います。
こちらの姿を見つけると、一斉に逃げ出しました。 -
先ほどと逆に、盛土のり面の上から小型漁船船溜まり方面を遠望しました。
土のむき出しになったスペースがなくなる時が、復興を成し遂げる時にもなるのでしょうか!? -
駐車スペースの脇の斜面情報は、新たに植樹されているようですが、目的も樹種もわかりませんでした。
-
女川に向かう時、マリンパルが移設していることを確認していたので、帰りに寄りました。
入口には女川で有名な『蒲鉾本舗 高政』の案内看板が立っています。 -
現在のマリンパル女川の建物。
こじんまりしていますが、中には新鮮な魚介類や乾物類が揃っています。
ぜひお立ち寄りしてください。 -
広い駐車場があるので、結構な台数駐車できます。
-
仮設ですが、トイレもあります。
-
外で気のいい小父さんが果物類を売っていました。
一目で正直そうなのがわかり、夫婦で互いに好きな果物を買うことに!
桃の見分け方は天下一品、おまかせください。
お尻のプツプツがいっぱいで、甘くジューシーなこと請け合いです!
柑橘派の妻はハウスミカンを買いました。皮は青いけど、全然酸っぱくなく美味しいから・・・と勧められ、信用しました。 -
現在のマリンパルから見えるのは、かつての女川湾ではなく、万石浦です。
牡鹿半島の付け根にある万石浦は、半島の陰になって大きな津波被害から免れたそうです。
兎小屋のような自宅ですが、安心して暮らせる家があることに感謝して、女川町を後にしました。
(FIN.)
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (4)
-
- hokkaさん 2014/09/10 18:59:52
- 3年半・・
- こんばんは、はくさんちどりさん。
hokkaと申します。この度はフォローありがとうございます。
大震災から3年半という月日が経とうとしても、復興がまだまだ進んでない状況にはとても考えさせられます。
東北のことを忘れない、そして現状を知ることはとても大切ですね。
私も機会があれば、また東北に行きたいと思ってます。
hokka
- はくさんちどりさん からの返信 2014/09/11 15:31:34
- RE: 3年半・・
- hokkaさん、こんにちは。
掲示板へのお便り、そして投票までありがとうございます。その上、フォローまでしていただいて・・・。
日本にいると、どこでも自然災害にあうリスクがあると思いますので、気をつけなければと、常々思っています(現役時代の仕事柄)。
今年の晩秋には、畑の収穫に区切りがついたら、山陽・山陰・丹後を旅行するつもりでおりますので、皆さん方の旅行記を拝見させていただき、参考にしたいと思っているところです。
これからもよろしくお願いいたします。
はくさんちどり
>
-
- 蔦之丞さん 2014/09/06 16:06:41
- 震災前に戻るにはいつの事やら・・・
- 震災前は女川町に観光で行ってました
震災後に半年後に行きましたが
言葉が出なかった…
出るのは涙だけでした。。。
復興に向かっているとは言え
まだまだ、画像の様子なんですね〜
女川町にも原発がありますが
福島の様にならなくて良かったです
福島はいつになったら復興(帰宅不能ですが)出来るやら…
- はくさんちどりさん からの返信 2014/09/06 18:47:36
- RE: 震災前に戻るにはいつの事やら・・・
- 蔦之丞さんへ
こんばんは、だいぶ日が短く感じるようになってきましたね。
いつも旅行記をご覧になっていてだき、ありがとうございます。
女川町の様子は、高台の一部に人々の生活拠点が移ったようで、かつて賑やかだった港周辺は見る影もありません。
住宅地の確保ができてからが本当の復興の始まりのような気がします。
とはいえ、福島は放射性廃棄物の中間処理場設置に次期不出馬の県知事が同意したようですので、浜通りの復旧復興はますます先になるのではないでしょうか。大変なことです。・・・言葉もありません。
それはそれとして、季節の変わり目ですので、お体に気を付けてください。
はくさんちどり
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
この旅行で行ったスポット
牡鹿半島(宮城) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
4
50