芳しき夏の里山散策。井上山百合の里 ふるさと山百合まつり

2014/07/19 - 2014/07/19

梅雨明けももうすぐなはず・・・の7月の三連休初日、
先日も遊びに来てくれた、吉祥寺の友達と茨城プチドライブに行きました。

お天気がはっきりしないので、今回もテキト〜な目的地選びでしたが、
｢茨城・夏・花｣で検索して、ヒットした 行かれそうな近場の場所は、
山百合が咲くという所でした。
お寺の裏っぽい場所なので、あまり期待せずに行ってみましたが、
稲の緑がまぶしい田んぼのそば、里山の林に、大きな山百合が芳しい香りを漂わせ、美しく咲いていました。
こんな素敵な所だったなんて、知らなかった！と私たちも友人もかなり満足。
茨城の、魅力的スポット、発掘完了・ご報告旅行記です。

エリア 鉾田・行方(茨城)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.5
• 交通: 4.0

• 同行者: 友人
• 交通手段: 自家用車

今回は、友人のダンナがかすみがうら市のゴルフ場へ行くと言うので、
じゃ~奥さんを行く道でドロップして、一緒に遊ぼうか、という事に。

うちの近所のコンビニ前で降ろされた彼女は、徒歩で我が家に来て、夕方まで一緒に過ごしました。

まず、農産物直売所へお連れして、朝取り野菜をお買い物。
生で食べられるという甘い新鮮とうもろこし、地元ならではの夏レンコン、ブラックベリーにトマト、インゲンと色々激安で、大喜びです。
一度、野菜を置きに戻って、ネットで見つけた行方市の ”西蓮寺 ”へ向かってダンナと３人で出発です。

途中、ひまわりの沢山咲く畑でしょうか？そんな場所が見えたので、寄ってみる事に。

面白いように、みな同じ向きに咲いているひまわりは、幹線道路とは反対の方を向いていました。
車を左折させ、ぐるっと廻って、畑の方へ行ってみると・・・

思ったより広大なひまわり畑がずっと続いていました。
農作業している人もいなくて・・・。

ずーっと何枚ものひまわり畑が続いています。

まだ、ピークに咲いているほどではありませんが、きれいに咲いた状態でなかなか素敵！
思いがけず、ひまわり見物もできちゃいました。
これだけ沢山植えてあるひまわり・・・やはり、種の収穫用でしょうか？
鳥やハムちゃんのエサ用？オイル用じゃないよね？などと、答えは判らないけど、色々考えてみたり・・・。

目的地は行方市の”西蓮寺 ”（行方市西蓮寺504）
お寺の手前から行方観光協会の案内看板もあり、お寺の駐車場には誘導の方も沢山居て、
駐車場所を指示してくれます。（駐車料金無料）
行方市観光協会webサイト
http://www.namekan.jp/

天台宗 西蓮寺は延歴元年（782年）創設と伝えられる古刹です。
帰って来てから、知りましたが〜
入り口の仁王門は、天文12年（1543年）建立されたもので当初は楼門と して造られ、寛政２年（1790年）山門に造り替え更に仁王門に改めて現在に至る
との事で、国指定重要文化財となっています。

仁王門の前に、山百合の鉢がおかれていました。

参道には植木、農作物、観光案内などのテントが並んでいます。
車は沢山停まっていましたが、
境内にはあまり沢山の人は居ませんでした。

百合の花はどこだ？？

山百合の咲く「井上山百合の里」はお寺の参道から右の坂を下りた先のようです。
かなり急な坂を下ります。
なにせ初めて来た所なので、どこに山百合が咲いているのか？どんな様子の場所なのか、さっぱり判らず、なんとなくこっちか・・・と歩いていくだけ・・・。

この坂は、袖切り坂　と言うそう。
かつての西蓮寺参道だった道。

山百合の会に頂いた、案内によると「袖切り坂」の名前の由来は、
＞参拝者が寺を目の前にしての あまりにもの急登に 立って歩くのも厳しく、着物の袖を踏んで、切り裂いてしまったから、
と言う説があるそうです。
近年まで山に埋もれていた旧参道を、山百合の会で復元したそうです。

坂を下りた先には、こんな景色が見えました。

オレンジ色の百合 ヤブカンゾウとその上にはねむの木が沢山の花を咲かせています。

藤棚の下には、木道が作られ、歩きやすいように整備されています。
左右には、もう終わってしまったけれど、あじさいも植えられ、季節の花々が楽しめそうな手入れがされています。

藤棚の木道を渡ると、すばらしい田んぼの景色が！
緑が目にまぶしい、美しい田の広がる、谷津になった場所でした。

お寺の脇の方には、東屋と積み藁とハデ干しが見えます。
まぁ、季節的に、干してあるのは変ですから、これは、里山の風景的に・・・って事のディスプレイだと思います。

田んぼの中には、バッタや蝶、色々な蜘蛛、と 昆虫が沢山見られます。
正面には小屋と沢山の人が。
この先、向かいの丘あたりが山百合の咲く場所のようです。

「第17回ふるさと山百合まつり」
平成26年7月13日〜27日まで
霞ヶ浦ふれあいランドからは無料シャトルバスも運行されるそうです。
ここで、賛助金ひとり300円を払います。（高校生以下不要）

林の中に作られた、散策路を歩きます。
杉林の下草の中に山百合があちこち咲いています。
およそ2万株の山百合があるそう。

大きな山百合の花は、1〜1.5ｍほどの茎を伸ばし、その先にいくつもの花を咲かせます。
花が重くて、下を向いてしまってしまっているのも沢山。

1本から10輪ほどの花を咲かせるものも。
株が古いほど、沢山の花が咲くそうです。
香りはとても強く、離れた所まで、甘いすばらしい芳香がするのです。

山百合の事はあまり知りませんでしたが、
海辺の崖や、道路際の法面などで咲いているのをたまに見かけます。
子供の頃、海水浴に行った葉山の崖に山百合が咲いているのを見て、
普段、花瓶の中でした見たことのない大きな百合が自生しているのを、
「もったいないな。あんなにきれいな花、だれか取りに行かないのかな？でも、取れないね」と思ったものです。

びっしり、花畑のようには咲いていませんが、夏草の緑の中に白い花が美しい景色です。

散策路には橋が掛けられていたり、通路に倒れ掛かっている花はおしべがカットされていたりと、
山百合の会で、管理がされているようです。
結構沢山の人が見に来ていますが、
そこは田舎のいい所。混んでいて、写真も撮れない、よく見えない、な〜んて事は全くありません。
吉祥寺から来た友人も、写真を撮って、大満足。

今日は、大気が不安定だとかで、急な雨や雷にも要注意、って感じなのですが、
今の所、天気もまぁまぁ。林の中は木陰で、あまり暑くもなく、山百合がじっくり楽しめます。
姿は見えないけど、ホトトギスやうぐいすの声もよく聞こえる、すてきなＢＧＭ。
そういえば、何の音？と思ったら、オカリナの演奏も行われていましたよ。

順路に従って、ぐるっと山道を歩き、最後は田んぼの脇のあぜ道へ降りてきます。
斜面を下から見ると、沢山の山百合がこちらを向いています。

マダラの模様がついた山百合。
百合の王様とも言われる、大きな花、強い芳香。
栽培は難しく、発芽から開花まで5年もかかるのだそうです。

ねむの木の下に沢山咲いていたのもこのオレンジの花。
ヤブカンゾウ。

あぜ道の水路沿いにはヤブカンゾウが並んでいます。
白い大きな山百合とオレンジのヤブカンゾウ。
里山を彩る、夏の素敵な花景色。

1本でブーケのように咲いている山百合。
株が大きくなるにつれ花数は増えるという事です。
最大20輪位の花をつけるそうですが、この1本もそれに近い数の花がついていました。

田んぼ沿いに先ほどの入り口まで戻って来ると、麦茶のお接待がありました。
人数を確認して、ふかしたジャガまでサービスです。
小屋のベンチに座って、ふかしたてのジャガイモと冷たい麦茶で休憩できるのです。
ジャガイモは熱々、ホクホク。
すばらしい里山の景色を見ながらお塩を振って頂くのは、最高です。
300円の賛助金、コスパが高すぎる！
友人もこの田舎っぽいお接待に大感激！
チラシを折った、皮入れもいいね???！！

皆さん、ここで、のんびりこ、とお休み。
この後、あの急な坂を登って戻らないとなりませんからね。

林の中の袖切り坂の所には、いくつも蚊取り線香が下げられていました。
ご親切なご配慮。
私は、朝出かけに、虫除けスプレーをかけてきたので、問題ありませんでしたが、
こうして、蚊取り線香まで用意して頂ける、その気持ちがうれしいですね。
来てくれるお客さんへのもてなしの気持ちとしては、エクセレント！！
坂の入り口には竹の杖の用意もありましたよ。

神社まで戻ってきました。
大きな銀杏の木があります。
県指定天然記念物で、2株の銀杏が合体状態になっています。
どちらも樹齢1000年越えと言われ、
秋の紅葉はすばらしいのだとか。

古木なので、「チチ」と呼ばれる気根が沢山さがっています。
確かに、お乳のようでもある。

そして、もうひとつ、この寺の国指定重要文化財 相輪とう
弘安10年（1287）建立と伝えられる 天台宗の象徴とされるもの。
同様のものが比叡山延暦寺や日光輪王寺にあり、並んで貴重なものだといいう事。

暗いのと、逆光で良く撮れなかった・・・。

軽い気持ちで来てみた、井上山百合の里と西蓮寺。
思いがけず、すばらしい景色で、良い場所でした。
ここも、まだまだ知られていないかも・・・。

山百合の会の方たちの活動で、こうしてきれいな山百合、里山の景色が見られるのだと思います。
6月にはホタルブクロ、9月下旬からは彼岸花も見られるそうなので、
また来てみたいと思いました。