長岡市に戦災（大空襲）を生き抜いた桜が咲く

2014/04/14 - 2014/04/14

　長岡市は今、染井吉野の満開時である。元々、長岡市は桜の名所（特に悠久山）として知られ、市内のいたる所に4月中旬になると一斉に染井吉野が開花する。その中で、貴重な桜が今年も一生懸命に開花しているので、全国の旅好きの皆様から知っていただきたいので紹介させていただく。
　1945年8月1日午後9時過ぎから長岡市は米軍による大空襲を受けた。1600人近くが犠牲になり、市街地の9割近くが焼失した。長岡市内の中心部に幅10
ｍの柿川が蛇行している。空襲時に柿川へ避難した多く人が焼死した。川添に沢山の桜が植えてあった。焼夷弾の直撃や類焼で多くの桜が燃えたり枯れた。でも、戦後30本程の桜が生き延びた。それ以後、毎年、春になると、一生懸命咲いて、市民に安らぎと勇気を与えてくれた。その桜も年月を経るうちに減少し、現在は10本余りとなった。
　昨夏の猛暑と秋の長雨で、桜の幹が灰色の苔に覆われてしまったが市が桜の保護に乗り出し、苔を丁寧いに剥ぎ取り、消毒した。今冬は寒かったけれど積雪は少なく、折れる枝は少なかった。
　春が巡りきて、長岡空襲を生き抜いた桜は元気を取り戻し、美しい花弁を付けた。しかし、染井吉野の寿命は80−90年といわれている。昭和15年頃、樹齢10年位の苗木を植樹したと証言した人がいるので、この桜の寿命はそう遠くでない。いつまでも咲いて欲しいと祈らずにいられない。
　原爆ドームも大切、陸前高田の1本松も大切、長岡大空襲を生き抜いた柿川の染井吉野も、歴史遺産として、手厚い保護を望んでいる一人である。
　全国の桜好きの皆様、豪華絢爛に咲き誇る桜葉素晴らしい。でも、戦災後、７0年近く一生懸命生きた桜を観に来ていただきたい。そして、「一生懸命頑張った」と声をかけていただきたい。桜は喜ぶし、桜からも大きなオーラをもらえると思う、

ご案内：　お出でになる時は長岡市旭町１丁目JR線路の柿川と駅前交番でお尋ねください。駅から歩いて5分です。
　

エリア 長岡・寺泊(新潟)

• 交通手段: 徒歩

桜の向こうはJRも線路

上に架かっているいるのは新幹線

桜の幹に焼夷弾が刺さっても、不発だったため、空襲後処理して生き延びたものと思われる。上の左側の枝は戦後、新しく生えたもの。

一部、幹が焼失したものと思われる。（表紙の桜と同じ）

　今春、見事に花を咲かせた2本の桜、

この旅行記へのコメント （2）

• ぶうちゃんさん 2014/06/15 01:41:58

  はじめまして

  はじめまして。
  人に歴史ありと言いますが桜にも歴史がありますね。
  植物とはいえ生物、生き物なんですよね。
  こういうエピソードと共に変形している植物を見ると人間の傷と同じだと思いました。
  戦時を生き抜いた桜が黙って見つめてきた歴史の重さを感じました。
  
  これからもよろしくお願いします。

  ゆらのとさん からの返信 2014/06/16 19:52:17

  RE: コメントの御礼

  コメントありがとうございました。ご返事が遅くなり失礼しました。
  
  > 人に歴史ありと言いますが桜にも歴史がありますね。
  　> 植物とはいえ生物、生き物なんですよね。
  
  人も植物もそれぞれ長い歴史があることを最近、特に感じるようになりました。
  
  > こういうエピソードと共に変形している植物を見ると人間の傷と同じだと思いました。
  
  　
  > 戦時を生き抜いた桜が黙って見つめてきた歴史の重さを感じました。
  
  　戦災を生き抜いた桜はもっと保護すべきだと、微力ながら、運動しています。
  　
  これからもよろしくお願いします。
  
  　こちらこそ、よろしくお願いいたします。
  
  　世界の桜に関心がお有りでしたら、楽天の「ゆらのと・徒然草」をご覧ください。