セビリアか？セヴィリアか？はたまたセビーリャ、セビージャか？スペイン語ではBとVを区別しないそうなのでセビリアの方が近い、英語読みではセヴィーリャが近いが、ここはセビリアで統一することにする。ご参考にロシア語のBはVの発音となり紛らわしい。<br /><br />今回のツアーのスペインの最後の町、セビリアの人口は70万人でスペイン第4位。スペイン南部の政治、経済、文化、観光の中心地である。そして何と言っても多くのオペラの舞台となった街、小生の知る限りでも、モーツァルトの「フィガロの結婚」と「ドン・ジョヴァンニ」、ロッシーニの「セビリアの理髪師」、ビゼーの「カルメン」など枚挙にいとまがない。彼らがこの街を訪れているわけではないとしても、大作曲家にインスピレーションを与えてきた街だ。小生にも何かインスピレーションを与えてくれるかもしれない。<br /><br />この日は午前中アルハンブラ宮殿、グラナダを発って約3時間半後、セビリア市街の南部、スペイン広場に到着した。そしてわずか2時間ほどであるが、世界遺産のセビリア旧市街を散策した。これほど贅沢な1日はそうあるものではない。<br /><br />町の歴史は古代ローマ時代に始まり、紀元前8ー9世紀にタルテソスに、のちにフェニキアやカルタゴの植民都市となった。例に漏れず8世紀よりイスラム勢力の支配下に入り、セビリア王国の都として栄えた。しかしレコンキスタの進展により、1248年にカスティーリャ王国に征服され、イスラム勢力は一掃された。<br /><br />15世紀後半、カスティーリャ王国とアラゴン王国の合併によって成立したスペイン王国は、1492年にレコンキスタを完了させるとともに新大陸へ船を進めた。イベリア半島西岸と航路で結ばれているセビリアは、アメリカとの貿易の独占港となって繁栄し、17世紀にはセビリアはスペイン最大の都市となった。1929年にはイベロ・アメリカ展覧会が開催され、スペイン広場が建設された。ツアーはまずこのスペイン広場に立ち寄った。広場を囲む半円形の堂々たる建物は、建築家アニバル・ゴンザレスの作である。<br /><br />そして世界遺産のセビリア大聖堂（カテドラル）を訪れた。1402〜1519年と建設には1世紀以上を要した。カトリックの大聖堂としてはローマのサン・ピエトロ大聖堂、ロンドンのセント・ポール大聖堂に次ぐと言われる。内部にはコロンブスの墓がある。建物の形状にはモスクの名残りがあり、高さ97mのヒラルダの塔は、もとはモスクのミナレットとして12世紀に建設され、16世紀に鐘楼が追加されるなどして改装されたものだと言う。<br /><br />次に訪れたのはサンタ・クルス街、かつてのユダヤ人居住区であり、迷路のように入り組んだ細い道に、白い壁の家が並んでいる。この街では13世紀、ジェノヴァの商人が活動し、多くのユダヤ教徒がキリスト教徒と共存していた。しかし、14世紀半ばのペスト大流行の原因がユダヤ人とされ反ユダヤ主義の風潮が強まり、14世紀末にはポグロム（ユダヤ人虐殺）が起こり、レコンキスタ完了の1492年にはユダヤ人は追放されるなど、暗い歴史の舞台でもあった。<br /><br />そしてセビリアと言えばフラメンコ、家内にとってはこの街は聖地である。ツアーとは別行動でフラメンコショップを見て回り、夜はこの街一と言われる老舗タブラオ、エル・アレナルを予約した。残念ながら写真撮影は許されていないが、ほとんどかぶりつきの席で約2時間の迫力ある舞台を楽しんだ。

スペインの世界遺産No. 7 ：セビリアのカテドラルと旧市街

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2014/04/02 - 2014/04/03

153位(同エリア988件中)

#世界遺産

ハンクさん

セビリアか？セヴィリアか？はたまたセビーリャ、セビージャか？スペイン語ではBとVを区別しないそうなのでセビリアの方が近い、英語読みではセヴィーリャが近いが、ここはセビリアで統一することにする。ご参考にロシア語のBはVの発音となり紛らわしい。

今回のツアーのスペインの最後の町、セビリアの人口は70万人でスペイン第4位。スペイン南部の政治、経済、文化、観光の中心地である。そして何と言っても多くのオペラの舞台となった街、小生の知る限りでも、モーツァルトの「フィガロの結婚」と「ドン・ジョヴァンニ」、ロッシーニの「セビリアの理髪師」、ビゼーの「カルメン」など枚挙にいとまがない。彼らがこの街を訪れているわけではないとしても、大作曲家にインスピレーションを与えてきた街だ。小生にも何かインスピレーションを与えてくれるかもしれない。

この日は午前中アルハンブラ宮殿、グラナダを発って約3時間半後、セビリア市街の南部、スペイン広場に到着した。そしてわずか2時間ほどであるが、世界遺産のセビリア旧市街を散策した。これほど贅沢な1日はそうあるものではない。

町の歴史は古代ローマ時代に始まり、紀元前8ー9世紀にタルテソスに、のちにフェニキアやカルタゴの植民都市となった。例に漏れず8世紀よりイスラム勢力の支配下に入り、セビリア王国の都として栄えた。しかしレコンキスタの進展により、1248年にカスティーリャ王国に征服され、イスラム勢力は一掃された。

15世紀後半、カスティーリャ王国とアラゴン王国の合併によって成立したスペイン王国は、1492年にレコンキスタを完了させるとともに新大陸へ船を進めた。イベリア半島西岸と航路で結ばれているセビリアは、アメリカとの貿易の独占港となって繁栄し、17世紀にはセビリアはスペイン最大の都市となった。1929年にはイベロ・アメリカ展覧会が開催され、スペイン広場が建設された。ツアーはまずこのスペイン広場に立ち寄った。広場を囲む半円形の堂々たる建物は、建築家アニバル・ゴンザレスの作である。

そして世界遺産のセビリア大聖堂（カテドラル）を訪れた。1402〜1519年と建設には1世紀以上を要した。カトリックの大聖堂としてはローマのサン・ピエトロ大聖堂、ロンドンのセント・ポール大聖堂に次ぐと言われる。内部にはコロンブスの墓がある。建物の形状にはモスクの名残りがあり、高さ97mのヒラルダの塔は、もとはモスクのミナレットとして12世紀に建設され、16世紀に鐘楼が追加されるなどして改装されたものだと言う。

次に訪れたのはサンタ・クルス街、かつてのユダヤ人居住区であり、迷路のように入り組んだ細い道に、白い壁の家が並んでいる。この街では13世紀、ジェノヴァの商人が活動し、多くのユダヤ教徒がキリスト教徒と共存していた。しかし、14世紀半ばのペスト大流行の原因がユダヤ人とされ反ユダヤ主義の風潮が強まり、14世紀末にはポグロム（ユダヤ人虐殺）が起こり、レコンキスタ完了の1492年にはユダヤ人は追放されるなど、暗い歴史の舞台でもあった。

そしてセビリアと言えばフラメンコ、家内にとってはこの街は聖地である。ツアーとは別行動でフラメンコショップを見て回り、夜はこの街一と言われる老舗タブラオ、エル・アレナルを予約した。残念ながら写真撮影は許されていないが、ほとんどかぶりつきの席で約2時間の迫力ある舞台を楽しんだ。

エリア

セビリア(スペイン)

旅行の満足度: 4.5

観光: 5.0

ホテル: 4.0

グルメ: 4.5

ショッピング: 4.5

交通: 4.5

同行者: カップル・夫婦

一人あたり費用: 20万円 - 25万円

交通手段: 観光バスタクシー徒歩飛行機

旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行あり）

セビリアに到着したツアーバスとドライバー
1929年にイベロ・アメリカ展覧会が開催され、スペイン広場が建設された
広場を囲む半円形の堂々たる建物は、建築家アニバル・ゴンザレスの作
人口の川にかかる橋の特徴ある欄干
イチオシ

セビリア大聖堂（カテドラル）の高さ97mのヒラルダの塔は、もとはモスクのミナレットとして12世紀に建設され、16世紀に鐘楼が追加されるなどして改装されたもの
カテドラルの建設には1402〜1519年と1世紀以上を要した。カトリックの大聖堂としてはローマのサン・ピエトロ大聖堂、ロンドンのセント・ポール大聖堂に次ぐと言われる
セビリア大聖堂（カテドラル）の側面
セビリア大聖堂（カテドラル）の近景
セビリア大聖堂（カテドラル）のファサード
セビリア大聖堂（カテドラル）の内部
セビリア大聖堂（カテドラル）内部のパイプオルガン
セビリア大聖堂（カテドラル）内部のパイプオルガンは調整中
サンタ・クルス街の風景
サンタ・クルス街の教会の装飾
サンタ・クルス街の街並み
サンタ・クルス街の狭い街路
シエルベス通りに並ぶフラメンコショップ
シエルベス通りの街並み
ヌエバ広場のフェルディナンド3世のブロンズ騎馬像
コンスティトゥシオン通りを走るトラム
救済病院のファサード
セビリア中心部の街並み
夕暮れのコンスティトゥシオン通り
この街一と言われる老舗タブラオ、エル・アレナルで本場のフラメンコを鑑賞