レンタサイクルで瀬戸内の島を踏破す。

2014/03/16 - 2014/03/17

岡山・牛窓からフェリーで５分のところに前島という島がある。周囲およそ１０?、人口は２００人にも満たない。知られているのは、１６２０年からはじまる大阪城の修築のとき、この島からもたくさんの巨岩が運び出され、今もその残石群が残っていることだ。
この島を自転車で踏破しようというのが、今回の旅のねらいだ。残石は山の上になお転がっている。そこへ行きつくまでがたいへん。標高はそんなに高いとは思わないが、起伏のはげしいアップダウンが続く。レンタサイクルに電動はない。３段変速がついているものの、年寄りには坂を登りきれない。しかも標識があるとはいえ、同じようなサイクリングロードで、迷うことおびただしい。
港から１時間もかかっただろうか。やっと残石のあるところへ着く。途中で妻とはぐれるというおまけもついて。うっかり携帯も港に置いてきたから、連絡できず、なんとか残石のところで合流できた次第。

この残石。もっと多いのかと思っていたらさほどでもない。しかしよくぞこうした巨岩を山から降ろして積み出しの港？まで運び、船に乗せて大阪まで運んだものだと先人のワザに感心しきり。
もう一つ、この島に名物があった。キャベツの大産地なのだ。収穫しているところあり、ハウスで苗を育てているところあり、と平地ではどこもキャベツ栽培がおこなわれている。今年は雨が多かったとかで、あまり出来はよくないそうだ。しかし収穫のおばちゃんに２つ分けてもらう。家へ持ち帰って食べたら、何とも甘いキャベツだった。

向かいの牛窓は「日本のエーゲ海」などと言われ、オリーブの栽培が盛ん。
前日は備中国分寺に寄ったあと、和気町の片鉄ロマン街道へ。大正から昭和にかけて硫化鉄を運ぶために片上鉄道がつくられ、平成のはじめに廃止になったその線路跡が今ではサイクリングロードろして残されているのだ。
ここもレンタサイクルで走る。アップダウンはほとんどない。途中に吉井川の水位を調節する堰があったり、昔の駅があったり、ロマン街道とは言いえて妙だ。

岡山からレンタカーで現地まで入ったが、２日ともレンタサイクルを使って、あちこと回った旅も珍しい経験だった。

エリア 牛窓(岡山)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0
• ホテル: 3.5

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 一人あたり費用: 1万円 - 3万円
• 交通手段: 船 レンタカー 新幹線 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

各地の大名の刻印が残っているとのことだが、よく分からなかった。巨岩を切り裂くための傷あとはあちこちにあったが。

巨岩を滑り落として海辺まで持ってきて、ここから船に積んだと思われる石運び場の跡が生々しい。

キャベツの収穫中。甘くておいしかった。

一面のキャベツ畑。

牛窓のオリーブ園。シーズン外でオリーブはなっていなかったが、土産屋にはこれでもかというほど、オリーブの製品が並んでいた。

はじめに行った備中国分寺。本当は菜の花と五重塔がよく似合うのだが、なぜか菜の花はほとんどなかった。かわりに梅が満開だった。

和気にある片鉄ロマン街道。えんえんとサイクリングロードが続く。

とちゅうにある新田原井堰。下を流れるは吉井川。

旧片上鉄道の駅舎も残っている。今は線路はない。

フキノトウあり、土筆あり、のどかな里山風景が広がる。