大雪の日光へ（２） 雪崩で帰れない！

2014/02/14 - 2014/02/16

関東はウン十年に一度の大雪だった週末。よりによって、ひとり奥日光へ行ってしまいました・・・もともと雪が降るところだから逆に大丈夫だと思ったのです。一晩明けたら、いろは坂が雪崩で、なんびとたりとも奥日光から出ることができなくなっておりました。ひょえー。

結果、ほぼ通行止めの状態がつづくなか、一延泊だけで日曜の夜に帰って来られるというミラクル。親切な皆さまにただただ感謝でございます・・・。本当にありがとうございました！

エリア 日光湯元温泉(栃木)

• 同行者: 一人旅
• 旅行の手配内容: 個別手配

大雪の二日目。5時に起床して、まずはのんびり温泉へ。
部屋に戻って窓の外を見ると、まだガンガンに降雪中でございます・・・ちなみにコレ、２階からの景色です。１階だと外見えないんじゃ・・・。

7時半になり朝食をとりにレストランへ行くと、なんか様子がおかしい。「できたものから出してますので、どうぞ！」と・・・。ん？？？

とはいえ、ブッフェには沢山のお料理が出ていたのですが、ライブで作ってくれる卵料理も、お味噌汁すら、まだこのときはありません。お味噌汁できないかなー、と思いつつモリモリご飯いただいていると、放送が入りました。

いろは坂が雪崩で通行止めになっている、バスも電車も運休である、と。ひょえ〜。皆さんがバタバタしていたのは、どうやら従業員の方が出勤することができず、前日から残っていた少ない方々だけでやりくりしていたからなのでした。

これが前日14日(金)の夕方、部屋からレストランのほうを撮ったもの。高ーいガラス貼りが素敵なレストランですが、だいぶ雪が積もって外が見づらくなっています。この時点で結構な雪が積もっているのですが・・・

これが15日(土)の昼過ぎに同じく見たところ。もはや自慢の（？）窓が完全に雪で隠れてしまい眺望ゼロです。ひょー。しかもこのとき、まだ雪はやんでいません。

ただこの日はまだ土曜でしたので、ドキドキして待つより、すぐに延泊を決めてのんびりしよう、と思った私。フロントで「延泊できますか？」と聞くと、悲しそうに「予約システムがダウンしていて、空室があるか確認ができないのです・・・」と。

チェックアウト時間を過ぎても部屋は使っていてよいしシステムが復旧したら連絡すると言っていただき、窓辺につもった雪でダルマなどを作ったりして暇つぶし〜。

結局、もはや誰もいろはを上がってくることはできないので、延泊できることが確定し、のほほんと温泉に入ったりなどしてのんびり過ごしておりました。

ちょっと退屈もしたので、降雪が少しおさまった時間に外にちょっとだけ出てみました。早朝からスタッフの方が手で雪かきをしてくださったので出入口付近は道らしくなっていますが、本格的な除雪はまったくできていません。

ここ、駐車場です。車が何台も停まっているのですが、かろうじてワイパーがちょっと見えるくらいで、もはや完全に雪の中。

ちょっとネットで情報を集めてみたら、どうやら昨日から雪がすごすぎて除雪車の燃料がなくなり、かつ通行止めで供給がストップしてしまったらしい・・・。

それにしても、今回の宿泊先が休暇村だったのはラッキーでした。まずは部屋が快適でしょー。宿泊料金もお手頃でしょー。

レストランは昼食営業もしているし、オヤツが食べられるラウンジも売店もあるし（後からほかの宿の方が、お昼がひもじかった〜とおっしゃってて、そうか！と思いました）、コインランドリーもあるのです。

新聞は届かないけれど、ロビーには雑誌なども沢山置いてありますし。
しかもずらりと並んでいるのは、すべての世代で読むことができそうな旅行雑誌などです。これが女性誌とかだったら、私はたいそう退屈したことでしょう・・・

いま思えば、従業員の方はすごく大変だったと思うんです。半分以上は出勤できなかったとおっしゃっていたし、みんなカンヅメで退屈してるし、雪かきもあるし。なのに本当に優しくしてくださって、とても快適に過ごすことができたのでした。

二泊目の夕食も、おいしくいただきました。全員が前日からの延泊だからか、まったくメニューも違いましたよ。
（写真は最初にセットされている分だけです。他にもお料理はでてくるし、ハーフブッフェですよ）

温泉も最高。写真の硫黄泉のほか、私は入らなかったけど真湯の湯船も。露天風呂もありますが、雪が積もりすぎて翌朝は閉鎖されてしまいました。

翌日にはいろは坂が開通することを願って、二泊目の夜、おやすみなさい。

三日目の朝。雪はほぼ止んだものの、今度は風が強くて吹雪いているし、いろは坂が開通していないのはわかっていましたが、朝食ののちフロントへ行き、開通したらすぐに出られるように精算だけしておきます、と言ってみました。フロントの方は「いや・・・今日は無理だと思いますよ・・・」と悲しそう。周りの皆さんも「今日は無理だよー、もう諦めなー」と。

でも私はサラリーマンなんです！明日出社できないと、大雪なのに奥日光に来てしまって雪崩で帰れない、という恥ずかしい電話をしないといけないのです！まだ諦めないぞー、と思いつつ、精算はやめておき待機。

まだまだ吹雪いて、あたかも雪山遭難の映画かなにかのような様子。外に出られないので退屈して、塗り絵などしてみたり。30年ぶりくらいじゃないだろうか・・・塗り絵。大人がやっても楽しいもんですね。

オヤツを食べてみたり。
売店のポテトチップス（栃木なので餃子味）はパンパンです。あんまり意識していなかったけれど、結構高いところにいるのでした。

平日からの延泊なのでシニアの方が多く「もうお金がないけど酒があるから飲んじゃうぞー」なんて楽しい方もいらっしゃいましたが、午後になると、だんだん現役世代は殺気だってきました。

フロントからは「申し訳ないのですが、もう一延泊してください」と放送されましたが、明るいうちには開通できるのではと日光市がいっているらしいのを私はネットで知っていたので、諦めきれずいつでも出られるように荷物だけはまとめて置きました。

13時過ぎ、ついに強風もやんで晴れてきました。ただし、私はバスで来たので、たとえいろは坂が開通してもバスかタクシーがなければ下山することができません。

東武バスへ電話して、もし開通したら運行されますか？と聞いてみたところ、今日は無理でしょう、とのこと。しょんぼり・・・もう諦めてコインランドリーで洗濯しようかな、と思いつつ外を見ると、あっ、除雪車が動いている！ということは、少なくとも燃料が運べる程度には除雪できたんだ！

外の様子が見たいので、お散歩に出てみました。
休暇村はちょっと端のほうにあるので、本格的な除雪はまだこれからというところでしたが、ホテルの多い道まで出ると、おおお。もうかなり除雪されています！

お天気もよくなり一面の雪景色、きれいです。

初日に見た雪灯里の会場も、すっかり雪に覆われてしまいました。後から知ったところでは、配線が埋まってしまったため、今年は終了してしまったそうです。私が見たのが最終日だったのかも。

駐在所はすっかり雪に埋まっています。もはや事件がおきても出られないレベルじゃな。いや、もはや事件は起きているともいえるのだが・・・。

観光組合のあたりから、湯ノ湖側に歩いてみます。しかしこの除雪の早さはすごい。夜の間に通行止めになったので人手も少ないだろうに、さすが雪になれているだけあり、燃料さえあれば除雪道具は万全なのでした。

ああ頼もしや除雪車よ。どんなスポーツカーよりカッコいいぜ！

ビジターセンターも雪の中。

ツララもすごいよー。

湯ノ湖に出ました。
積みあがった雪をのぼって湖をみてみます。きれいです！氷結していないところに沢山の鳥も浮かんでいました。

退屈してお散歩しているのは私だけではないですぞ。チラホラ人影も。

ポリスマンが通りかかり、質問攻めにあっていました。このとき、すでに開通の目処はたっていたのだとは思いますが、混乱を避けるためか「なんとも言えないです・・・」とのことでした。見切りで出て路上でスタックしたら、また通れなくなっちゃいますものね。

バス停はかろうじて・・・これじゃ運休するはずですわ。

コレ、除雪車が入る前はどこが道かもわからない感じだったんじゃないでしょうか。

うーん、下山できないのは困ったけど、素敵な景色で気持ちいい！

積もった雪に強風のあとが。

なんかキレイ〜。

湯川もすっかり雪に埋もれてしまいました。

氷なのか雪なのか。湯ノ湖の表面も真っ白です。

大変な雪ではあるけれど、とてもキレイ！空気も澄んで、気持ちがすーっとするぅ。

山々もキレイに見えます。

手袋をとって、ちょっと雪を触ってみました。まだサラサラです〜。お天気がいいから、すぐに固まってしまいそうだけれど。

お散歩を終え休暇村へ戻り、ロビーで皆さんと情報交換をしていると、フロントから放送が入りました。いろは坂が片方だけ除雪できて16時〜18時のあいだだけ上下交替で通ることができる、お帰りの方はお急ぎを！とのこと。

でもバスがない・・・2時間ではタクシーを呼んで下りるのは無理だ・・・と諦めていると、私が帰りたがってるのを知っていたおじさまの一人が「あの人、明日仕事だから帰るって言ってたよ、一人だから空席あるよ！頼んでみな！」とすすめてくださり、ダメもとで同乗を頼んでみたところ、構わないとのこと。わわわ、ありがとうございます！！
大急ぎで精算をすませ一緒に車を掘っていたら「これじゃ間に合わないかもしれないし軽だから危ないかも」と、その方が隣の普通車の方に頼んでくださり、その方がさらに「二駆よりは」とすでに出発の準備ができていた四駆の方に頼んでくださり、私は皆さんの親切ワラシベ長者となり、四駆の優しい素敵ファミリーに日光駅まで乗せていただくことができたのです（涙）。ただでさえ知らない人を乗せるなんてイヤだろうし、雪のイロハ運転は緊張するだろうに・・・。本当に本当にありがとうございます！！

そして日光駅へ着くとちょうど快速の時間。鬼怒川方面で倒木があって運休になった影響でちょっと発車は遅れたものの、乗り換えもなくわりにあっさり都内へ戻ることができました。

日光市街も停電にもなったみたいですし、他の地域も大変なことになっていてまだ影響があるみたいですが、私は休暇村の方にも宿泊客の皆さんにも親切にしていただき、むしろ誰よりも困ることなく翌日から普通に出社できたのでした（バスは火曜の午後にやっと一部だけ運行されたみたいなので、普通に待っていたら・・・）。皆さま、本当にありがとうございます！！皆さんもご無事に帰宅されているとよいのですが。
頑張って働いて、また奥日光にいくぞー！

この旅行記へのコメント （6）

• タックさん 2014/02/28 02:40:58

  この大雪で一番楽しい思いをした大人なのでは・・・(^-^)

  wataさん、続投でこんばんは。
  
  あまりに凄い旅行記だったので、思わずまた書き込んでしまいました。
  何が凄いって、未曾有の大雪こんなに楽しめた人は知りません（笑）。
  
  あの地元の皆さんの手で時間かけて作られた「雪灯里」も
  wataさんが最後の見学者となり、ほんとにラッキーでしたし、
  休暇村はだいたい朝昼晩と連泊・湯治客向けに食事サービスは充実で
  お昼など困ることはないし。
  
  唯一帰りの足だけが心配というところで、人情の助け舟！
  日頃の心がけと、緊急時に冷静に対処できるwataさんならではですね。
  
  雪が晴れて澄んだ空気のなか普段だと見られない素敵な景色も楽しめ
  森のホテルも含め温泉も堪能して、
  この「45年ぶりの大雪」「記録的な大雪」の状況の中で
  拝見して楽しめる旅行記になっているのが奇跡のようですね。
  雪の日光、是非挑戦してみたくなりました…。
  
  それでは続いて九州（一週間）、ゆっくり楽しませていただきます(^-^)、
  
  　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　タック。

  wataさん からの返信 2014/03/01 09:22:01

  RE: この大雪で一番楽しい思いをした大人なのでは・・・(^-^)

  タックさま
  
  私も続投でお返事をば。
  
  そうなんです、いろんな方にお世話になっておいて大変言いづらいのですが、
  とても楽しかったのです・・・
  なんだかんだ言って、都内にいるより困ってなかったんじゃないかと。
  考えなしに出かけたので困っても自業自得なのに、ちょっと申し訳ないくらいです。
  とにかく皆さんのご親切に感謝です。
  
  冬の奥日光は初めて行ったのですが、ほかの季節とはまた違う美しさで
  スノーシューでのお散歩も楽しそうです。
  あんな大雪なのに、元気に歩きまわっている方に何回か遭遇しました。
  人が少ないからか、鹿も元気に駆け回ってましたし！かわいかったですよ。
  
  wata
  
  
  

• 墨水さん 2014/02/25 23:48:01

  雪が凄いですね。

  初めまして、ｗａｔａさん今晩は。
  雪が凄いですね、半日であんなに積もってしまうんですね。
  延泊が「システムがダウンで、解りません。」て言うけど、通行止めなんだから下から登って来るお客さん居ないよね。（笑）
  登ってこられるぐらいなら、延泊しないよね。（笑）
  「除雪車がガス欠。？」い〜や〜っ、聴いた事無いな〜っ。（驚）
  駐在所が雪で埋もれてるのは、十分事件だわ〜〜っ。（笑）
  首都圏も、電車がみんな止まりました。（凄）
  バブル期だったらな〜っ、「延泊します」で笑って済んだけど、此の御時勢では怒られるのは確実！。
  ん〜〜っ、サラリーマンは辛い！。
  兎にも角にも、無事下山して帰れた事は何よりでした。
  こう云う時は、一人は心細いよね〜っ。
  墨水。
  
  
  

  wataさん からの返信 2014/02/26 15:16:17

  RE: 雪が凄いですね。

  墨水さま
  
  はじめまして。メッセージありがとうございます！
  
  そう、首都圏も大変だったんですよね。
  都内の様子を見ることもなく地下鉄で帰宅したので
  よく分からなかったのですが、翌日出社して「なんだかすごかったのだ」と。
  そうですかー、電車もみんな止まっちゃいましたか。
  平日だったら地獄絵図だったことでしょう・・・
  
  今まで旅運がいいといいますか、旅先で困ることがあまりなかったので
  さいわい親切な方々に良くしていただけたこともあり
  なんだか面白い体験をしました☆
  
  wata

• みかりさん 2014/02/25 00:17:38

  大変でしたね･･･

  wataさん、こんばんは！
  
  あの大雪の日に奥日光に行かれたんですね･･･(笑)
  元々、けっこうな雪がある場所ですが･･･お疲れ様でした。
  
  我が家は東京でも埼玉よりの郊外なので、都内より全然雪の量が多く
  その日は、自宅周辺を歩くのも大変な状態でした。
  （まだ、我が家の庭は雪だらけです。苦笑）
  
  お宿に缶詰で大変でしたが･･･休暇村素敵なお宿でしたネ。
  何より、雪景色がホントに綺麗で･･･お宿のスタッフと帰りの苦労を
  別にすれば、ビックリするほどの大雪、貴重な体験が出来ましたよね。
  
  まだまだ雪の被害で苦しんでいる人がいる状態で、雪国綺麗〜
  行きたい〜と軽々しく書くのはなんですが･･･私は雪見温泉に行きたくて
  色々探していたのですが、風邪をひいてしまい流れているので･･･
  
  雪景色の奥日光の旅を羨ましく思いながら眺めています。
  昨年は日光に行く事が多くて、なんとなく奥日光は候補から外して
  いましたが、冬の奥日光･･･とっても素敵ですね！
  
  来シーズンは、出掛けてみたいな〜と思いました。
  とりあえず、大変な思いはしたけれど、お宿のスタッフさんの
  心遣いや、優しい方達との出会いで無事に帰って来れて良かったですネ！
  
  　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　みかり

  wataさん からの返信 2014/02/26 15:02:24

  RE: 大変でしたね･･･

  みかり様
  
  こんにちは！いつもご訪問ありがとうございますー。
  そうなんです、大雪かもと分かっていながら行ってしまったのです（バカ〜）。
  
  結果、日曜の午後ちょっと焦っただけで
  各地で大変だった方に申し訳ないくらい、困らなかったのです・・・
  助けていただいて不謹慎ながら「ああ楽しかった！また行こう！」と。
  
  きれいな雪灯里も見ることができ、のんびり温泉に入って、
  ご馳走を食べてゴロゴロして、キレイな景色を見て。
  帰り道では、雪のなかを駆け抜ける鹿たちも間近で見ることができましたし。
  なによりも人のやさしさに触れるとリフレッシュできるのだなぁ、と実感した旅でもありました。
  
  これから暖かくなり花々も咲き、旅がより楽しい季節になりますね。
  風邪、どうぞお大事に！
  
  wata