2013/07/12 - 2013/07/21
1939位(同エリア4374件中)
風神さん
東トルコを一巡りしました。
今回の旅行記は、ちょっと飛んでイスタンブールのカーリエ博物館です。
カーリエ博物館は、5世紀ギリシャ正教会のコーラ修道院の教会堂に始まります。その意味での正式名称は「コーラ修道院付属ソーテール(救世主)聖堂」と言うことになります。、コーラとは郊外の意味で、トルコ語のカーリエも同義です。
現在の建築は11世紀の再建で、14世紀増改築が繰り返され、このころ聖書に基づく精緻なモザイク画やフレスコ画が描かれました。しかし15世紀オスマントルコによるイスラム化に伴い、これらの素晴らしい絵は漆喰で隠されました。
1947年アメリカのビザンチン研究所の手で修復され、1948年トルコ政府によって無宗教のミュージアムとなりました。
ポルクレシオン(礼拝堂)には、イエスがアダムとイブを地獄から引き上げるアナスタシウス(復活)や最後の審判が、見事に修復保存されています。外拝廊にはイエスキリストの生涯、内拝廊には聖母マリアの物語が聖書に基づいて具現化されています。
建物は増改築が繰り返された上に、見たところ建材も良いものではなく、特段の文化財的価値は無さそうに思います。しかし内部の極めて精緻なモザイク画とフレスコ画は、是非見ておきたいものと感じました。
モザイク画は絵の具を使用しないため「永遠の絵画」と言われ、素材は大理石、タイル砕片、ガラスキューブ、時には貴石も使用されます。一片ごとの色の濃淡や配列、角度などで、微妙な人の表情などを表現しています。
本編で説明しますが、見る向きによって衣の輝きが全く違って見えることもあります。
カーリエ博物館は、聖書の中の物語について予備知識があると、より楽しめると思います。
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こんな街並みを通って、カーリエ博物館に向かいます。
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見えてきました。
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到着です。
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外観です。
増改築が繰り返されたためか、まとまりに欠ける外観です。
建築素材もあまり良いものではないように見受けられます。 -
ドームの下、中央聖堂です。
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ドーム天井。
中央は当然イエス・キリストです。 -
キリストの左側「IC」と似ている表記は、
ラテン語でイエス・キリストを表し・・・ -
右側の「XC」に近い表記は、
ギリシャ語でイエス・キリストを表しています。 -
聖母マリアとイエス・キリスト
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「聖神女誕生」
聖母マリアの誕生です。
左下に産湯が見えます。 -
東方の三博士と幼子イエス・キリスト。
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東方の三博士が星に導かれて、
誕生したイエスに礼拝しに来ます。 -
馬に乗り、移動中の三博士。
前のモザイク画の左部分です。
時間経過を圧縮してひとつのモザイク画で、
表現しています。 -
ユダヤの王ヘロデ大王は三博士の予言を聞き、
新たな王の誕生を恐れます。 -
「幼児虐殺」
ヘロデ大王は、新たな王が誕生しないよう、
2歳までの男児を総て殺すよう命じます。 -
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「聖パウロ」
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「生神女就寝」聖母マリアの死。
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中央にはイエス・キリストが描かれ、
そのキリストが抱いている幼児は、聖母マリアの霊魂です。 -
聖母マリアの霊魂が、幼児の姿で描かれているのは、
その処女性を象徴するためと言われています。 -
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イエス・キリストの立ち姿。
左手に聖書を持ち、
右手の指は独特の形になっています。
その形は、イエス・キリストの表記を象徴しています。
また幼子キリストでは、
聖書の代わりに細い巻紙を持たせているのが、よく見られます。 -
聖母マリアとイエス・キリスト。
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その左部分。
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前のモザイク画の拡大です。
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右部分。
典型的な「IC」「XC」表記が見られます。 -
その拡大ですが、
左方向から見ています。 -
ほぼ正面から見ています。
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右寄りから見ています。
違いにお気づきでしょうか?
イエス・キリストの紺色の衣の青い光が全然違います。 -
モザイク画を構成する砕片の表面は平らではなく、
また正面を向いていません(モザイク画の基礎に対して垂直ではありません)。 -
従って見る方向によって、
反射、光の強さは違ってきます。 -
「マリアとヨハネ」
イエス・キリストの死後、
聖母マリアはイエスの特に重要な弟子とされるヨハネと共に、
エフェソスに移り住んだとするのが、
ローマキリスト教会の考えのようです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%83%8F%E3%83%8D_(%E4%BD%BF%E5%BE%92) -
マリア部分の拡大。
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悪魔の病と恐れられた天然痘(痘瘡・疱瘡)患者を治す(奇跡を行う)イエス・キリスト。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E7%84%B6%E7%97%98 -
「アナスタシス(復活)」イエス・キリストがアダムとエヴァの手を取り、地獄から引き上げる情景を描いています。
カーリエ博物館の中でも特に重要な絵画です。 -
中央部分の拡大。
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この絵は、天井のフレスコ画です。
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「聖母子像」フレスコ画です。
イエス・キリストは左手に巻物を持っています。
成人後の絵では、聖書に代わります。 -
外拝廊の天井です。
イエス・キリストが6人描かれています。 -
「カナの婚宴」
イエス・キリストが水をワインに変える奇跡を行う。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%8A%E3%81%AE%E5%A9%9A%E5%AE%B4 -
同じ題材で、トラブゾンのアヤソフィアにあるフレスコ画。
絵が醸し出す雰囲気がまるで違います。 -
「聖母子像」
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その部分。
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イエス・キリスト。
左手に聖書、イエス・キリストの表記を象徴する右手指の独特の形は、
ひとつの典型です。 -
その部分。
立体感や陰影をどのようにして表現しているのか良く分かります。
イエス・キリストではまるでほほ紅のような色使いが特徴的です。 -
「聖ペテロ」
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外拝廊です。
ここから退出します。 -
外に出ると、
黒猫が道をゆっくりと横切っていました。
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